日産・スカイラインセダン V35

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日産・スカイラインセダン
V35型
中期型300GT(2003年1月-2004年11月)
中期型250GT リア
室内
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 2.5L V6 VQ25DD
158kW (215PS) /6,400rpm
270N·m (27.5kgf·m) /4,400rpm

3.0L V6 VQ30DD型
191kW (260PS) /6,400rpm
324N·m (33.0kgf·m) /4,800rpm

3.5L V6 VQ35DE型
200kW (272PS) /6,000rpm
353N·m (36.0kgf·m) /4,800rpm
変速機 4速AT/5速AT/CVT/6速MT
駆動方式 FR/4WD
サスペンション マルチリンク式
全長 4,675mm(前・中期型)
4,750mm(後期型)
全幅 1,750mm
全高 1,470mm
1,485mm(4WD車)
ホイールベース 2,850mm
車両重量 1,450-1,600kg
先代 スカイラインセダン R34
後継 スカイラインセダン V36
-このスペック表は試行運用中です-

スカイラインセダン V35 (SKYLINE SEDAN V35) は、日産自動車により栃木工場において2001年から2006年まで製造され、日本国内で販売されていたセダン型乗用車である。

目次

[編集] 概要

1957年の誕生から第11代目となるスカイラインが2001年6月に発売された。6代目R30型から10代目R34型までは型式のアルファベットに「R」を用いていたが、この代からは「V」となり、大幅な軌道修正が行われた。このため、V35型以降のスカイラインは「第三のスカイライン」とも呼ばれている[1]

この代からはスカイラインとしては初の日本国外への本格的な輸出が開始され、国外では日産の高級車ブランド、インフィニティのモデル、G35として販売された。なお、このモデル以降もスカイラインセダンおよびクーペは、インフィニティの「Gシリーズ」として販売され、後に追加されるクロスオーバーは「EXシリーズ」として販売されている。

このモデルにおける大幅な軌道修正により、日本国内のユーザーからは「これはスカイラインではない」などといった批判を受けた[2]。しかし一方でインフィニティブランドとしてこのモデルが販売されていた北米では2003年度モータートレンドカーオブザイヤーを受賞するなど、高い評価を得た。

2ドアモデルについては2001年6月の販売終了から約1年半の間ラインアップされなかったが、2003年1月にCV35型スカイラインクーペが発売された。また、2001年10月にはプラットフォームやインパネ周辺のデザインを共有するステーションワゴン、2代目M35型ステージアが発売された。

なお、それまでスカイラインの派生車であった「GT-R」はV35型では設定されず、2002年8月のR34型スカイラインGT-R生産終了[3]後、次期モデルのV36型の登場より後の2007年12月に日産・GT-Rが発売されるまで、約5年間のブランクができた。

[編集] 開発

日産・XVL

V35型スカイラインセダンは1999年10月に開催された第33回東京モーターショーに出品されたコンセプトカー、「XVL」がベースになっている。このコンセプトカーの開発はR34型スカイライン発売よりもさらに前となる1998年1月に開始された。開発当初このモデルはスカイラインとしてではなく、新規開発の自由なモデルとして開発された。1998年5月のR34型発売直後にはすでに次期型スカイラインの開発も始まっていたが、1999年の東京モーターショーにXVLを出品した際、好評を博し[4]、またXVLのコンセプトがスカイラインのそれと重複する部分も多かったためにXVLが次期型スカイラインとなることが決定された。

当初から「スカイライン」ではないモデルとして開発されたために、それまでのスカイラインの固定観念を無くし、新たなパッケージングを採用することに成功したという[5]

ちなみに、V35型以前のスカイラインはそれまでのスカイラインの固定観念にとらわれ、プラットフォームを大幅に変更することさえままならず、スカイラインが9代目R33型であった際に次期型でプラットフォームを大幅に変更することが計画されていた。しかし、実現には至らず、次期型のR34型はR33型からのキープコンセプトとなり、その1世代後のV35型にモデルチェンジする際にようやく大幅な改変を行うことができたという[6]

[編集] メカニズム

[編集] パワートレイン

エンジンはこれまでのスカイラインに伝統的に採用されていた直列6気筒を廃し、新たにV型6気筒エンジンが搭載された。発売当初は2.5L VQ25DD型および3.0L VQ30DD型の直噴エンジン2機種が用意された。この2機種は先にセドリック/グロリアに搭載されていたものと同型式であるが、改良が施されており、エンジン音質向上のためにシリンダーについてはブロックから新規開発された[7]。トランスミッションについては、2.5Lエンジン搭載車にジヤトコ[8]マニュアルモード付フルレンジ電子制御4速ATが、3.5L車に同5速ATが組み合わせられた。

2002年2月には3.5L VQ35DE型エンジンを搭載した「350GT-8」が追加された。セドリック/グロリアに次いで2例目となる[9]、ジヤトコ製のJR006E型[10]エクストロイドCVTが組み合わせられるが、グレード名の通り、8段分ギアが切られており、パドルシフトによる変速が可能となっている。ちなみにCVTの採用は試験的なものであり[11]、次期モデルのV36型には採用されず、このモデルのみの採用となった。2004年6月にはこの3.5LエンジンにZ33型フェアレディZやクーペと共通の愛知機械工業製MRA70型6速MTを組み合わせた[12][13]「350GT」シリーズも発売された。

2004年11月のマイナーチェンジではVQ30DD型エンジンが廃止され、エンジンラインアップは2.5Lと3.5Lの2機種構成となった。同時に、3.5L車には新たに「シンクロレブコントロール」が採用された5速AT車が追加された。

[編集] ボディ・シャシ

V35型スカイラインでは、後の日産のFR車に採用されていく「フロントミッドシップパッケージ」が初めて採用された。これは同社のFR-Lプラットフォームの基礎でもあり、エンジンを縦置きでフロントミッドシップに搭載することにより、前後重量配分を52:48としている。これはFR車としては理想的な数値であり、先代R34型の54:46と比べても大幅に改善している[14]

サスペンションは先代モデルと同じ、4輪マルチリンク式を採用するが、全くの新設計となっており、アルミ合金の使用などにより軽量化がなされ、発売当時世界トップレベルのバネ下重量の軽さを誇った。なお、350GT-8にはチューニングが施された新開発ユーロチューンドサスペンションが採用された。ブレーキについても、先代同様ベンチレーテッドディスク式が採用されたが、前後重量配分が改善されたために、ブレーキフォースの前後配分は先代の70:30に比べて後輪寄りの63:37となった[15]

[編集] デザイン

後期型250GT系(覆面パトカー)2004年11月-2006年11月
 
後期型250GT系(覆面パトカー)2004年11月-2006年11月
後期型250GT系(覆面パトカー)
2004年11月-2006年11月

これまでマニア向けと考えられていたスカイラインのイメージを払拭すべく、エクステリアデザインもこれまでのスカイラインから軌道修正がなされている[16]

エクステリアデザインはこれまでの直線的なものから、より曲線的なものとなった。これにより空力性能が大幅に向上し、先代R34型で0.33であったCd値が0.27まで向上し、フロントゼロリフトを達成した[17]。さらに、オプションのリアスポイラーを装着することによりCd値が0.26まで向上し、リアゼロリフトも達成する。ちなみに空力性能の向上は、日産がル・マンから撤退したことによって風洞実験施設の利用が市販車に回されたためでもある[18]。また、テールランプは4代目以降のスカイラインでは伝統的に採用されていた丸型2連テールランプを廃止し、L字型のLEDテールランプになった。しかし、2004年11月のマイナーチェンジではL字型のテールランプ形状はそのまま、先に発売されたCV35型スカイラインクーペ同様、LEDの配列が伝統の丸型2連に変更された。なお、この丸型2連のLED配列は後のV36型スカイラインセダンおよびCV36型クーペにも採用され、さらには初代フーガにも採用された。

外観は2度の変更が行われた。2003年1月にクーペの発売とともに行われた一部改良では、フロントグリルおよびヘッドランプインナーパネルがスモークメッキ化され、トランクリッドの形状も変更された。2004年11月に行われた2度目のマイナーチェンジでは、前述のようにテールランプのデザインが変更されたほか、フロントグリル、前後バンパー、17インチアルミホイールのデザインが変更された。

ロングホイールベース化により、室内空間も大幅に増加し、同社のFセグメント高級車であるシーマと同等の室内空間を確保している[19]

[編集] ラインアップ

[編集] グレード構成

中期型350GT系 リア
2003年1月-2004年11月

発売当初は2.5Lエンジン搭載車に「250GT」と「250GTe」の2グレードが、3Lエンジン搭載車に「300GT」のみがラインアップされた。2.5L車には16インチアルミホイールが、3L車には17インチアルミホイールが装着された。「250GTe」はパワーシートやオーディオなどの装備が省略された廉価グレードで、「250GT」および「350GT」には「Pコレクション」と「Sコレクション」が用意された。前者にはエクリュ合皮シートが、後者にはブラック合皮シートが装備された。2001年9月には遅れてスノーシンクロモード付アテーサE-TSを採用した四輪駆動モデルの「250GT FOUR」が追加された。標準車同様、これにもPコレクションおよびSコレクションが用意された。

2002年1月には「250GTe」の後継グレードの「250GTm」が発売され、こちらにはCD一体AM/FM電子チューナーラジオが標準装備された。同年2月には新たに3.5Lモデルの「350GT-8」が追加された。このモデルにはレイズ製17インチアルミホイールおよびダンロップ製タイヤが装着され、専用の高性能スポーツブレーキパッド、高剛性ブレーキローターが装備された。また、300GT系のみにオプション設定されていたVDCも標準装備され、さらに外観では、フロントグリルとヘッドライトインナーパネルに後の一部改良を前に先行してスモークメッキ化が施された。

2003年1月の一部改良時には「Pコレクション」が「プレミアム」に名称変更され、「Sコレクション」が廃止された。これにより、ブラック合皮シートが設定されるモデルが「350GT-8」のみとなった。また、同時に四輪駆動モデルの「250GT FOUR」の廉価モデル、「250GTm FOUR」も新規設定された。2003年6月には3.5L車に新たに「350GT」および「350GTプレミアム」が追加され、「350GT-8」同様、チューンドサスペンションやVDC、17インチアルミホイールが標準装備された。

2004年11月のマイナーチェンジでは3Lエンジン搭載グレードおよび廉価モデル「250GTm」が廃止され、同時に3.5L車からベースモデルの「350GT」が廃止され、3.5L車のラインアップは「350GT-8」と「350GTプレミアム」のみとなった。一方で3.5L車には6速MT車に加え、それまで3Lエンジン搭載車に用意されていた5速AT車が追加された。ただしこのモデルにはトラクションコントロールシステムが唯一装備される代わりにMT車に装備されるVDCやチューンドサスペンションは装備されない。一方で「350GT-8」および「350GTプレミアム」のMT車には18インチアルミホイールが新設定された。

[編集] 特別仕様車

70th-II
2003年10月に発売。2003年12月に日産自動車が70周年を迎えることを記念して設定された「70周年記念特別仕様車」の第2弾である。ベース車は「250GTm」、「250GTm FOUR」、「250GTプレミアム」、「250GT FOURプレミアム」。なお、先に同年5月に発売されていた第1弾のラインアップにはスカイラインセダンは含まれなかった。プラズマクラスターイオンエアコンなどが含まれる「室内環境パッケージ」が特別仕様車第2弾に共通装備され、250GTm系2グレードについては後席リクライニングシート、後席ヘッドレスト、オートライトシステムが特別装備される。

NAVIエディション
2004年4月に発売。ベースは「250GTm」および「250GTm FOUR」で、先に発売された「70th-II」の室内環境パッケージを除く装備内容にDVD方式ナビゲーションシステムが追加装備された。

リミテッドレザー
2005年4月に発売。350GTプレミアムのMT車を除くプレミアム系全車に用意された。専用のブラウン本革シートや木目調フィニッシャーなどが装備され、加えてプライバシーガラスも標準設定された。

スタイリッシュシルバーレザー
2006年6月に発売。「250GT」および「250GT FOUR」を除く全車に設定。クーペ、ステージア、ムラーノフーガにも設定され、グレー色の本革シートなどが装備されるスタイリッシュシルバーレザー専用インテリアが共通で装備された。加えてプライバシーガラスが装備されたほか、全席ヒーター付シートが、標準装備となる「350GT-8」を除いて追加装備された。

[編集] 年表

前期型リア
2001年6月-2003年1月
1999年10月
第33回東京モーターショーに「XVL」を出品。
2001年6月18日
販売開始。
2001年9月26日
「250GT FOUR」が追加。
2002年1月31日
「250GTm」が追加。
2002年2月19日
「350GT-8」が追加。
2003年1月27日
一部改良。装備内容の充実、サスペンション、ブレーキシステムの変更などが行われた。
2003年6月3日
「350GT」、「350GTプレミアム」が追加。
2003年10月22日
日産自動車「70周年記念特別仕様車第2弾」として「70th-II」が発売。
2004年4月7日
特別仕様車「NAVIエディション」が発売。
2004年11月8日
マイナーチェンジ。外観の変更、内装色の変更およびアテーサE-TSのシステム変更などが行われた。
2005年4月27日
特別仕様車「リミテッドレザー」が発売。
2005年11月30日
一部改良。装備内容の充実が行われた。
2006年6月1日
特別仕様車「スタイリッシュシルバーレザー」が発売。
2006年11月20日
12代目、V36型にフルモデルチェンジ。

[編集] 脚注

  1. ^ 第三世代スカイライン再検証 Goo-net
  2. ^ インプレッション 日産 スカイライン250GT【特集/大川悠】 webCG
  3. ^ スカイラインGT-Rの限定車「M・spec Nur」「V・spec II Nur 」を発売 NISSAN PRESS ROOM
  4. ^ 【誕生・新型日産『スカイライン』】『XVL』はスカイラインではなかった Response.
  5. ^ 【誕生・新型日産『スカイライン』】『XVL』から『スカイライン』へ Response.
  6. ^ 日産スカイラインのデザインフィロソフィー All About
  7. ^ 【誕生・新型日産『スカイライン』】音のためにブロックを新しくしました Response.
  8. ^ 日産『スカイラインクーペ』に当社製AT搭載 ジヤトコ ニュースリリース
  9. ^ 試乗レポート 日産 スカイライン350GT-8 Car@nifty
  10. ^ 製品情報 > ラインナップ > CVT ジヤトコ株式会社
  11. ^ 【日産 スカイライン 新型発表】エクストロイドCVTは…? Response.
  12. ^ インプレッション 日産スカイラインセダン350GT(6MT)【短評】 webCG
  13. ^ トランスミッションの主な搭載車両一覧 愛知機械工業株式会社
  14. ^ 【誕生・新型日産『スカイライン』】ゼロからのパッケージ Response.
  15. ^ 【誕生・新型日産『スカイライン』】サスとプレーキはこれ以上のものはない! Response.
  16. ^ 【誕生・新型日産『スカイライン』】丸いテールライトと直6をなくした目的は? Response.
  17. ^ 【誕生・新型日産『スカイライン』】洗練された空力性能、200km/h超でも……! Response.
  18. ^ 新車試乗記 第181回 日産 スカイライン 250GT MOTOR DAYS
  19. ^ 【誕生・新型日産『スカイライン』】『シーマ』の空間にバケットタイプ・シート Response.

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年9月27日 (日) 03:04 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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