日立電鉄線

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日立電鉄線
2000形(大甕駅2005年1月13日)
2000形(大甕駅2005年1月13日)
日立電鉄線の路線図
路線総延長 18.1 km
軌間 1067 mm
電圧 600 V (直流)
STR
常磐線
STR exKBHFa
0.0 鮎川駅
STR exBHF
1.5 桜川駅
STR exBHF
2.6 河原子駅
STR exBHF
3.7 大沼駅
STR exBHF
5.1 水木駅
BHF + HUB84
BHF + HUB84
BHF
exBHF + HUB82
exBHF + HUB82
exBHF
6.6 大甕駅
STR exBHF
8.7 久慈浜駅
STRlf xKRZu
常磐線
exBHF
9.7 南高野駅
exBHF
10.9 茂宮駅
exBHF
11.9 大橋駅
exBHF
13.8 川中子駅
exBHF
15.6 常陸岡田駅
exBHF
16.6 小沢駅
exKBHFe + HUB81
exKBHFe + HUB81
exKBHFe
18.1 常北太田駅
KBHFa + HUB83
KBHFa + HUB83
KBHFa
常陸太田駅
STR
水郡線

日立電鉄線(ひたちでんてつせん)は、茨城県常陸太田市常北太田駅日立市鮎川駅とを結んでいた日立電鉄鉄道路線である。

1本の路線であるが、線籍上は大甕駅 - 常北太田駅と大甕駅 - 鮎川駅の2路線(路線名はどちらも日立電鉄線)に分かれていた。

2004年2月1日、橋梁などの設備更新の経費がかさむことなどを理由に2005年3月31日限りでの廃止を表明、2005年4月1日をもって廃線となった(最終運転日は前日の3月31日)。廃線後は日立電鉄傘下の日立電鉄交通サービスにより、バスによる代替路線の新設・既存路線の増発が行われている。

目次

[編集] 路線データ

  • 路線距離(営業キロ):18.1km(大甕駅 - 常北太田駅11.5km、大甕駅 - 鮎川駅6.6km)
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:14駅(起終点駅を含む)
  • 複線区間:なし(全線単線
  • 電化区間:全線(直流600V)
  • 車両基地所在駅:久慈浜駅

[編集] 路線概要

[編集] 常北太田 - 大甕間

常陸太田市と日立市との都市間輸送を担っていた。途中駅のほとんどは周辺が農地で人家が少なく、常北太田 - 大甕間の利用が目立っていた。日立港の最寄であり、駅周辺が密集した市街地である久慈浜から大甕までの1駅間だけの利用も多かった。

この区間は高等学校の通学利用が非常に目立つことが特徴であった。全日制の高等学校は常陸太田市内は3校(分校を含まず)・日立市内は8校があり(私立2校を含む)、ともに茨城県立高等学校の第1通学区に属するため、日立電鉄線を利用した通学需要が大きく生じていた。高等学校の他に、日立市内には2つの大学がある。

沿線に多くの高等学校を抱えていたことから、日立電鉄線の廃止が発表された際、高校生らが同線の存続を訴えたニュースが話題となった。

[編集] 大甕 - 鮎川間

常磐線と太平洋に挟まれる形で走行し、常磐線とは200 - 800mほどの距離を置きながら並走していた。沿線は日立市の密集した市街地で、日立製作所および同社の関連企業の工場が多く点在しており、太平洋に至近であることから海水浴場も多い。

沿線人口は多いものの、終点が日立駅の3km手前である鮎川であったため、商業施設が集積する日立駅周辺へのアクセス利用には不向きであった。その利便性の低さが、日立電鉄線の利用者が伸びない一因でもあった。

工場への通勤輸送の役割があったものの、バブル崩壊後の平成不況期日立製作所が大掛かりなリストラを実施したため、日立製作所はもとより関連企業も大幅に工員の数を縮小した。これは沿線人口の著しい減少につながり、日立電鉄線の利用者数も減少する影響を受けた。

[編集] 運行形態

[編集] 2004年3月まで

日中は1時間に2本ほどの本数で、大甕で常磐線に接続するダイヤであったため、20 - 40分の不定な間隔であった。そのため駅によっては、1時間に1本という時間帯があった。朝ラッシュ時はおおむね15分間隔で、1時間に4本ほどの運行であった。

常北太田 - 鮎川間の全区間を走行する列車を基本とし、早朝深夜を中心に区間列車が設定されていた。 以下のデータは2001年6月のものであり、2004年3月まではダイヤ改正のたびに、列車本数が若干増減している。

  • 上り(鮎川方面)
    • 常北太田 - 鮎川間(平日34本・土休日28本)
    • 大甕 - 鮎川間(平日2本・土休日3本)
    • 大甕 - 大沼間(平日・土休日ともに1本)
    • 常北太田 - 大甕間(平日・土休日ともに1本)
  • 下り(常北太田方面)
    • 鮎川 - 常北太田間(平日32本・土休日27本)
    • 大甕 - 常北太田間(平日2本・土休日1本)
    • 大沼 - 常北太田間(平日・土休日ともに1本)
    • 鮎川 - 大甕間(平日・土休日ともに4本)

[編集] 2004年3月ダイヤ改正 - 2005年3月廃止まで

日中の運転間隔を60分間隔とする大幅な減便が実施され、同時に日立電鉄線の廃止も発表された時期である。

  • 上り(鮎川方面)
    • 常北太田 - 鮎川間(平日22本・土休日17本)
    • 大甕 - 鮎川間(平日1本・土休日3本)
    • 久慈浜 - 鮎川間(平日のみ1本)
    • 常北太田 - 大甕間(平日1本・土休日3本)
  • 下り(常北太田方面)
    • 鮎川 - 常北太田間(平日22本・土休日16本)
    • 大甕 - 常北太田間(平日2本・土休日4本)
    • 鮎川 - 久慈浜間(平日のみ1本)
    • 鮎川 - 大甕間(平日1本・土休日4本)

ラッシュ時などに例外があったが2002年12月1日からは列車は2両編成に固定されている(かつてはラッシュ時に4両編成で運用されたり、逆に日中閑散時には1両編成での運用があった)。 全列車がワンマン運転を行っていた。駅員配置時間を除くと先頭車両後ろ乗り前降りで、後ろ側の車両の扉と先頭車両の中央の扉は無人駅や駅員配置時間以外の時間には開かない。終日駅員配置は大甕駅と常北太田駅だけであった。

[編集] 利用状況

[編集] 輸送実績

日立電鉄線の近年の輸送実績を下表に記す。廃止直前の年間輸送実績が約140万人(1キロあたりの1日の平均乗車人員を表す輸送密度では最終年度の2004年度が1303人/日だった)もあり、全国的な鉄道廃止実績からみると比較的高い輸送実績レベルでの廃止となった(路線延長20km程度で、140万人またはこれ以下の輸送実績で現在でも運営されている中小私鉄は多数ある)。表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年  度 輸送実績(乗車人員):万人/年度 輸送密度
人/km・1日
特 記 事 項
通勤定期 通学定期 定 期 外 合  計
1961年(昭和36年)       717   旅客輸送実績最高値を記録
1975年(昭和50年) 225.6 69.4 111.8 406.8 3,351  
1976年(昭和51年) 216.4 70.8 110.8 398.0 3,230  
1977年(昭和52年) 218.1 73.9 111.0 403.1 3,197  
1978年(昭和53年) 222.0 76.2 109.3 407.5 3,215  
1979年(昭和54年) 232.4 76.7 106.3 415.4 3,292  
1980年(昭和55年) 233.2 81.3 104.0 418.7 3,356  
1981年(昭和56年) 234.4 82.5 99.4 416.5 3,298  
1982年(昭和57年) 232.1 79.9 100.2 412.2 3,232  
1983年(昭和58年) 231.7 79.4 99.9 410.9 3,209  
1984年(昭和59年) 225.7 81.6 95.9 403.2 3,164  
1985年(昭和60年) 216.6 83.5 92.8 392.9 3,063  
1986年(昭和61年) 206.3 80.9 87.1 374.3 2,913  
1987年(昭和62年) 210.7 80.9 84.9 376.5 2,939  
1988年(昭和63年) 210.8 81.8 86.2 378.8 2,929  
1989年(平成元年) 211.1 80.3 88.3 379.7 2,995  
1990年(平成2年) 222.1 79.1 86.4 387.6 3,082  
1991年(平成3年) 230.2 78.1 88.0 396.3 3,105  
1992年(平成4年) 229.2 75.4 91.1 395.7 3,073  
1993年(平成5年) 224.0 75.2 89.5 388.7 3,073  
1994年(平成6年) 216.9 76.3 86.9 380.1 3,085  
1995年(平成7年) 189.9 75.7 83.6 349.2 2,876  
1996年(平成8年) 169.0 70.9 82.0 321.9 2,656 全列車ワンマン運転化
1997年(平成9年) 149.5 64.6 77.7 291.8 2,399  
1998年(平成10年) 141.3 59.8 73.5 274.6 2,271  
1999年(平成11年) 117.0 54.0 69.6 240.6 2,009  
2000年(平成12年) 102.3 50.8 67.3 220.4 1,853  
2001年(平成13年) 89.1 49.4 65.0 203.5 1,710  
2002年(平成14年) 65.7 46.8 64.6 177.1 1,516  
2003年(平成15年) 55.3 45.4 60.8 161.5 1,406  
2004年(平成16年) 44.2 38.0 57.2 139.4 1,303  
2005年(平成17年) 0.0 0.0 0.0 0.0 0 全線廃止

[編集] 収入実績

日立電鉄線の近年の収入実績を下表に記す。旅客運賃収入は1993年(平成5年)以降減少した。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年  度 旅客運賃収入:千円/年度 運輸雑収
千円/年度
総合計
千円/年度
通勤定期 通学定期 定 期 外 手小荷物 合  計
1975年(昭和50年) 171,101 ←←←← 85,573 373 257,047 5,615 262,662
1976年(昭和51年) 208,178 ←←←← 102,672 479 311,329 6,458 317,787
1977年(昭和52年) 215,044 ←←←← 104,240 624 319,908 7,209 327,147
1978年(昭和53年) 241,834 ←←←← 117,898 480 360,212 7,659 367,873
1979年(昭和54年) 254,028 ←←←← 115,629 430 370,088 7,530 377,619
1980年(昭和55年) 272,092 ←←←← 123,220 381 395,693 7,741 403,435
1981年(昭和56年) 303,697 ←←←← 127,801 273 431,771 10,058 441,832
1982年(昭和57年) 314,698 ←←←← 134,446 264 449,408 15,366 464,774
1983年(昭和58年) 329,487 ←←←← 144,546 166 474,199 11,015 485,214
1984年(昭和59年) 328,521 ←←←← 143,815 65 472,401 11,176 483,577
1985年(昭和60年) 343,113 ←←←← 145,728 1 488,842 10,044 498,886
1986年(昭和61年) 336,181 ←←←← 142,498 0 478,679 16,544 495,223
1987年(昭和62年) 292,033 66,767 148,627 0 507,427 11,205 518,632
1988年(昭和63年) 293,444 66,750 148,038 0 508,232 12,300 520,532
1989年(平成元年) 302,074 74,715 158,655 0 535,444 12,401 547,845
1990年(平成2年) 317,064 76,159 158,756 0 551,979 12,624 564,603
1991年(平成3年) 321,389 75,100 165,586 0 562,075 12,421 574,496
1992年(平成4年) 321,505 72,114 177,373 0 570,992 12,213 583,205
1993年(平成5年) 325,770 85,584 186,585 0 597,939 14,545 612,484
1994年(平成6年) 316,193 92,232 182,741 0 591,166 12,104 603,270
1995年(平成7年) 275,162 95,200 178,096 0 548,458 14,148 562,606
1996年(平成8年) 242,034 90,285 174,872 0 507,191 12,617 519,808
1997年(平成9年) 222,214 85,266 178,855 0 486,365 17,104 503,469
1998年(平成10年) 211,622 81,980 177,718 0 471,320 24,103 495,423
1999年(平成11年) 176,042 75,673 168,058 0 419,773 23,186 442,959
2000年(平成12年) 153,415 71,655 164,803 0 389,873 41,966 431,839
2001年(平成13年) 134,335 68,604 158,064 0 361,003 38,338 399,341
2002年(平成14年) 101,027 65,584 159,271 0 325,882 29,452 355,334
2003年(平成15年) 87,032 64,648 144,246 0 295,926 26,188 322,114
2004年(平成16年) 72,878 55,802 146,842 0 275,522 41,388 316,910
2005年(平成17年) 0 0 0 0 0 0 0

[編集] 使用車両

[編集] 廃止時点の在籍車両

[編集] 廃止以前の在籍車両

モハ1301
クハ2501
  • デハ8形 - 1942年日立製。自社発注車で、路面電車然としたスタイルであった。後に荷物電車に改造され、デワ8となった。1970年廃車。
  • モハ9形 - 1943年日立製。自社発注車で、旧型車の中では長く残存し、1997年廃車。
  • モハ11形 - 1948年日立製。営団地下鉄銀座線1200形と同型の車両とされる。1994年廃車。
  • モハ13形 - 元相模鉄道(現JR相模線)のガソリンカーで、1948年入線。1965年に前面を切妻化。1996年全廃。
  • モハ51形 - 1930年加藤車輌製。加太電気鉄道(現南海加太線)デニホ51として登場。弘南鉄道を経て1962年入線。1982年廃車。
  • モハ101形 - 旧国鉄デハ6285形電車(製造時はナデ6110形)。1948年入線。その後荷物電車に改造されデワ101となった。廃車後の1972年3月に国鉄に返還され、鉄道100年を記念して復元保存された。現在、鉄道博物館に保存展示されている。
  • モハ1000形・サハ1501形 - 元小田急1100形(含相鉄1000形)。1960年から1979年の長期間に、小田急・相鉄の両社から10両が譲渡された。両運転台の車両から中間電動車まで形態はさまざまであった。1979年に相鉄から譲り受けたモハ1007・1008・1009の3両は、元荷物電車で荷物扉をそのまま使用(片側は固定)していた異色の存在であった。1993年までに全車廃車。
  • モハ1300形・クハ5300形 - 宇部鉄道(現JR西日本宇部線)モハ21形・クハ11形の買収国電で、1957年に4両が入線。モハ1302-クハ5300の編成は1979年廃車になり、クハ5301も1985年廃車となった。残されたモハ1301は両運転台化改造がなされ、単行運転が可能となった。1991年廃車。
  • モハ2230形 - 1927年東急車両製。南武鉄道(現JR南武線)モハ100形を出自とする。弘南鉄道を経て1962年入線。1979年廃車。この車両はトミーテック製の鉄道コレクション第2弾で1/150スケールの鉄道模型として製品化されている。
  • クハ2500形 - クハ2501・2502は元東京横浜電鉄のガソリンカーキハ1形。神中鉄道(現相模鉄道)を経て1960年・1961年入線。1992年全車廃車。クハ2503・クハ2504は元相鉄モニ2000形の付随車クニ2506・クニ2511で、1979年入線。1991年廃車。
  • クモハ100形 - 元静岡鉄道100形・1979年導入、1994年廃車
  • クモハ351形 - 元静岡鉄道クモハ350形電車。1984年入線、1994年廃車。
  • デワ1形 - 1940年製の木造電動貨車。1964年廃車。
  • デワ2形 - 1929年製の木造電動貨車。1969年廃車。
  • トム1001形 - 元西武鉄道トム1209。1962年西武所沢工場製。1970年入線、1997年廃車。廃車後も機械扱いとして残存し、廃線時まで姿を留めた。
  • トラ101形 - 元東武鉄道トラ107。1966年東武杉戸工場製。1985年入線、1997年廃車。廃車後は散水車に改造され機械扱いとして残存し、廃線時まで姿を留めた。

[編集] 歴史

営業終了時に車体前方に張られたファイナルランの看板
  • 1928年(昭和3年)12月27日 常北電気鉄道が大甕駅 - 久慈駅(後の久慈浜駅)間を開業。
  • 1929年(昭和4年)7月3日 久慈駅 - 常北太田駅間が開業。
  • 1929年(昭和4年)8月15日 久慈駅を久慈浜駅に改称。
  • 1944年(昭和19年) 同じ日立製作所の傘下の日立バスなどと合併し日立電鉄となる。
  • 1947年(昭和22年)9月1日 大甕駅 - 鮎川駅間が開業。
  • 1969年(昭和44年)3月8日 全線CTC化。
  • 1971年(昭和46年)10月1日 ワンマン運転を開始(路面電車を除く日本の電化路線では初)。
  • 1996年(平成8年)11月1日 全列車ワンマン運転化。
  • 2005年(平成17年)4月1日 大甕駅 - 常北太田駅間、大甕駅 - 鮎川駅間廃止。

[編集] 駅一覧

鮎川駅 -1.5km- 桜川駅 -1.1km- 河原子駅 -1.1km- 大沼駅 -1.4km- 水木駅 -1.5km- 大甕駅 -2.1km- 久慈浜駅 -1.0km- 南高野駅 -1.2km- 茂宮駅 -1.0km- 大橋駅 -1.9km- 川中子駅 -1.8km- 常陸岡田駅 -1.0km- 小沢駅 -1.5km- 常北太田駅

[編集] 接続路線

[編集] 廃止後保存された車両

  • 3023号 日立市内の模型店に保存
  • トム1001 栃木県の個人へ
  • 架線作業車 栃木県の個人へ

[編集] 外部リンク

マルチメディア
日立電鉄線に関連するマルチメディアがあります。

最終更新 2009年5月23日 (土) 13:34 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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