朝銀信用組合

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朝銀信用組合(ちょうぎんしんようくみあい、朝鮮語조은신용조합、略称:朝銀(ちょうぎん)など)は、日本金融機関在日本朝鮮信用組合協会(朝信協、現在は解散)加盟の信用組合。「朝鮮銀行」(略称:鮮銀)との関連性は無い。

目次

[編集] 概説

在日朝鮮人のために設立された朝銀東京信用組合の前身である同和信用組合が最初で、日本各地に同様の信用組合が設立された。都道府県単位で設立されていて、朝銀大阪信用組合等の様に都道府県名の入った名前を持っていた。なお、これらの「~銀」の銀は「銀行」の略称ではない(銀行法第6条)。地域信用組合ではあるが主に在日朝鮮・韓国人を対象としていたため、「民族系信用組合」とも呼ばれた。

[編集] 沿革

  • 1952年6月20日 - 朝銀東京信用組合、同和信用組合として設立
  • 1953年8月10日 - 朝銀福岡信用組合を設立
  • 1953年10月10日 - 朝銀愛知信用組合、大栄信用組合として設立
  • 1954年10月25日 - 朝銀岐阜信用組合、大成信用組合として設立
  • 1960年12月15日 - 朝銀千葉信用組合を設立
  • 1961年10月23日 - 朝銀山口信用組合を設立
  • 1961年10月26日 - 朝銀広島信用組合を設立
  • 1962年7月20日 - 朝銀岡山信用組合、岡山中央信用組合として設立
  • 1963年5月2日 - 朝銀長野信用組合を設立
  • 1963年8月2日 - 朝銀福井信用組合を設立
  • 1964年10月 - 朝銀新潟信用組合を設立
  • 1966年5月22日 - 朝銀宮城信用組合を設立
  • 1968年12月20日 - 朝銀青森信用組合を設立
  • 1977年4月 - 朝銀長崎信用組合を設立
  • 1997年5月14日 - 朝銀大阪信用組合が破綻
  • 1997年11月27日 - 朝銀兵庫信用組合を存続組合とし、朝銀京都信用組合、朝銀滋賀信用組合、朝銀奈良信用組合、朝銀和歌山信用組合が対等合併し、朝銀近畿信用組合が発足
  • 1998年5月11日 - 朝銀大阪信用組合の事業を朝銀近畿信用組合に譲渡
  • 1999年5月12日 - 朝銀長野信用組合が破綻
  • 1999年5月13日 - 朝銀千葉信用組合、朝銀東京信用組合、朝銀新潟信用組合が破綻
  • 1999年5月14日 - 朝銀青森信用組合、朝銀宮城信用組合、朝銀広島信用組合、朝銀山口信用組合、朝銀福岡信用組合、朝銀長崎信用組合、朝銀福井信用組合、朝銀愛知信用組合が破綻
  • 1999年10月12日 - 朝銀岡山信用組合を存続組合とし、朝銀香川信用組合、朝銀愛媛信用組合、朝銀佐賀信用組合及び朝銀大分信用組合と合併し、朝銀西信用組合が発足
  • 2000年12月29日 - 朝銀近畿信用組合破綻(二次破綻)
  • 2001年8月24日 - 朝銀関東信用組合が破綻
  • 2001年9月13日 - 朝銀北海信用組合、朝銀岩手信用組合、朝銀秋田信用組合、朝銀福島信用組合が合併し朝銀北東信用組合が発足。
  • 2001年9月27日 - 朝銀岐阜信用組合を存続組合とし、朝銀富山信用組合、朝銀石川信用組合、朝銀静岡信用組合、朝銀三重信用組合が合併し、朝銀中部信用組合が発足
  • 2001年11月26日 - 朝銀青森信用組合、朝銀宮城信用組合の事業を朝銀北東信用組合に譲渡完了
  • 2001年11月26日 - 朝銀福井信用組合、朝銀愛知信用組合の事業を朝銀中部信用組合に譲渡完了
  • 2001年11月26日 - 朝銀島根信用組合、朝銀広島信用組合、朝銀山口信用組合、朝銀福岡信用組合、朝銀長崎信用組合の事業を朝銀西信用組合に譲渡完了
  • 2002年3月 - 「在日本朝鮮信用組合協会」解散
  • 2002年8月12日 - 朝銀近畿信用組合の事業をミレ信用組合、京滋信用組合、兵庫ひまわり信用組合および整理回収機構へ譲渡完了
  • 2002年12月29日 - 朝銀千葉信用組合、朝銀東京信用組合、朝銀新潟信用組合、朝銀長野信用組合、朝銀関東信用組合の事業をハナ信用組合及び整理回収機構へ譲渡完了
  • 2004年2月9日 - 朝銀北東信用組合が、ウリ信用組合に名称変更
  • 2004年2月23日 - 朝銀中部信用組合が、イオ信用組合に名称変更
  • 2007年6月18日 - 朝鮮総聯、16の破綻した朝銀信用組合の628億円の債務を譲渡された整理回収機構に対して仮執行付きの返済命令を受ける。これに伴い、中央本部の土地建物の差押が行われる見込み。なお、この処理をめぐり公安調査庁元長官の弁護士緒方重威らが詐欺容疑で逮捕された。→朝鮮総連本部ビル売却問題
  • 2007年8月10日 - 不動産取得税7,500万円未納により東京都地方税法によって総連中央本部の土地、建物の差押手続に入った事が9日に判明、10日には完了する。
    • 破綻は金融再生法61条1項に基づく申し立て日を基準とし、譲渡完了は金融整理管財人による業務及び財産の管理の処分の取消日を基準にしている。
    • 朝銀信用組合の再編により、奈良県愛媛県では本店を置く信用組合が消滅している。

[編集] 破綻問題

バブル経済崩壊後、日本の金融機関では経営破綻が相次ぎ、かつて38組合あった朝銀も、16組合が破綻し全国7組合に再編された。

[編集] 破綻原因

破綻の原因としては、ひとつには、民族系金融機関として指摘されてきた不明朗な融資姿勢がある。例えば、2001年12月に経営破綻した朝銀近畿信用組合(本店・神戸市)の場合、後に金融整理管財人により破綻原因の調査結果が金融庁に報告された。管財人は破綻要因を「合併前の一部組合が不動産関連を中心に与信限度額を大幅に超えた融資をしていたため」と述べた[1]

また、朝鮮総聯との関係も破綻原因のひとつとされる。例えば、1999年年5月に経営破綻した朝銀東京信用組合では、資金流用疑惑が発覚したさいに朝鮮総聯中央本部に強制捜査が入り、同・元財政局長(中央常任委員)の逮捕へと発展した。朝鮮総聯は朝銀に対して、企業や個人への融資の一部を寄付させたり、仮名口座や架空口座への無担保融資や追い貸しを繰り返して資金調達するケースが増えていたとされる。この背景には、これまで法人格のない任意団体の朝鮮総聯は在日朝鮮人らの寄付金などで運営費を賄ってきたものの、バブル崩壊や若年層を中心とした組織離れもあり寄付額が激減したため、朝鮮総聯はその影響下にある全国の朝銀信組に資金のねん出を要請したとされる。重村智計拓殖大学教授(当時)は、「朝銀信組は朝鮮総聯の財政基盤を支える資金調達機関へと変質した」と指摘している[2]。さらに、こうした朝鮮総聯の指揮による不正融資は、北朝鮮へ不正送金され、核開発・200基に及ぶノドン対日弾道弾調達の資金源に流用され、一部は政治献金として日本の政治家にばら撒かれたとの主張もあった[3]。さらに、後に発生する朝鮮総連本部ビル売却問題では、朝銀の乱脈経営と朝鮮総聯との関わりの一部が司法にて認定されている。

こうした朝銀の不明朗な経営姿勢に対して、金融当局の民族系金融機関に対するタブー視や、「2000年まで信用組合の監督・検査を都道府県にゆだね、朝銀のような機関の経営に目配りできずにいたことも、破綻の影響を拡大させた要因」とされている[4]

[編集] 公的資金反対論

破綻した朝銀では、保守派ジャーナリスト櫻井よしこや小池百合子衆議院議員、前原誠司衆議院議員(民主党)らから、朝鮮総聯を通じた北朝鮮との関係が指摘され、金融庁は受け皿信組の認可に際して朝鮮総聯の関係者を経営陣から排除するよう指導・確約を取り、実際に一部の朝銀では日本人役員が登用された。しかし2002年4月には、受け皿の信組と北朝鮮の結びつきを疑う声が広がり、公的資金が北朝鮮へ不正に送金される懸念が生じた。2002年4月23日、五十嵐文彦衆議院議員(民主党)は衆議院財務金融委員会の席上、受け皿信組を「北朝鮮の金づるではないか」と指摘し、認可の取り消しを迫った。また、2002年4月21日、安倍晋三官房副長官は「経営陣の入れ替えを促し、実現するまで公的資金を入れるわけにはいかない」と語った[5]

[編集] 公的資金投入

しかし、野中広務の鶴の一声できまったとの証言も出るなど[6]、かねてから親北朝鮮議員が、公的資金投入に影響力を行使したとする見方があった。[7]一方小泉政権下2002年初夏に1兆円が投入され秋に拉致被害者5人が帰還したこと、首相が1兆円の資金投入を知らなかったとは考えにくいこと、平成研と清和会の対立の歴史から、小泉純一郎首相がコインの裏表である拉致被害者帰還と朝銀1兆円注入について拉致被害者帰還は清和政策研究会の手柄とし、朝銀問題の責任は平成研の野中に負わせたとの観測もある[要出典]。 また、先述の朝鮮総聯中央本部へ強制捜査に際しては、2001年11月8日、社民党金子哲夫衆議院議員と渕上貞雄参議院議員の2人が同中央本部副議長ら総聯側6人と共に警察庁を訪問し、「総聯に対する強制捜査は不当な政治弾圧」という決議文を手渡す[8]などを行っていた。

また、そもそも朝銀信用組合の預金は付保預金として預金保険に加入しており、預金保護を目的とした公的資金の投入をしない選択肢は難しかった。当時の金融庁は「朝銀信組も預金保険法上の金融機関であり、預金者の保護は必要」(村田吉隆内閣府副大臣)との立場をとり、仮に認可を取り消せば公的資金を入れる対象が宙に浮き、初のペイオフ(預金保険金直接支払)の可能性すらあったとされる[9]。結局、破綻処理のため、投入された公的資金の総額は1兆4千億円に上ったが、公的資金が投入されながら、受け皿となった組合がさらに破綻する二次破綻を起こした例もあり、公的資金投入の杜撰さが問題視された。

また、投入された時期に海外送金の財務省への報告義務が500万から3,000万に緩和されており[10][11]、不正送金へ協力の一部政治勢力と行政の結託が疑われている。投入時期と同時に、金融整理管財人が置かれない期間が1年存在し、不正送金の疑惑の的となっている。これらの疑惑に対し、金融庁は捜査権限がないので限界があると回答している。[12]

なお、破綻処理に関しては金融再生委員会が金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分を行った[13]。金融整理管財人としては弁護士公認会計士、金融実務家が預金保険機構の命令(会社謄本の記載から)にて各信用組合毎に2、3名が振り分けられた。ただし、朝銀東京に限り弁護士1名と法人としての預金保険機構の両名の構成となった。

[編集] 破綻処理のその後

破綻処理の過程では架空口座の疑いのある預金者不明口座が多数見つかり、これらは事業譲渡の際に整理回収機構に引き継がれ、厳正な本人確認のうえで支払うこととなった。

このうち未払いだった架空名義預金34億円の支払いを求められた裁判で、整理回収機構は全面敗訴。訴訟には支払い資金を援助する預金保険機構も参加、時効にはなったものの預金者に脱税行為があったとして「脱税資金を公的資金で払い戻すのは正義に反する」と主張したが認められず、この他の主張も悉く斥けられ、2006年9月、判決が確定した。

[編集] 現状

朝銀信用組合にルーツがあり、現在存在しているのは以下の通り。

また、以下は後身として新たに設立された組合であり、日本人役員を受け入れた。

また、旧経営陣に対し刑事や整理回収機構による民事訴追も行われている。

なお、上記日本人役員(理事長)を受け入れた信用組合は、預金保険機構からの仮受金を収受し、日本人の会計監査人を就任させることとした。それが監査法人アイ・ピー・オーである。

[編集] ATMについて

  • 朝銀信用組合、及びその後身の組合ではATMを設置している店舗が限られている。
なお、いずれの組合もしんくみ お得ねっと参加信用組合のATMやセブン銀行ATMによる提携に参加しているため、これらのサービスにおける出金利用手数料が平日日中無料で利用できるほか、更には入金ネットゆうちょ銀行ATM提携にも参加しているために入金も可能であることから、ATMが設置されていない地域でも補完できる状況にある。なお、組合によっては一定の条件を満たせば他行ATM出金利用手数料をキャッシュバックされるサービスを行っている所もある。

[編集] 脚注

  1. ^ 日本経済新聞(2001年6月23日)
  2. ^ 日本経済新聞(2001年11月29日)
  3. ^ 朝銀って何?公的資金投入って何?(サイト運営者不詳)
  4. ^ 日本経済新聞(2002年4月24日)
  5. ^ 大分市での講演。
  6. ^ 朝銀疑惑の究明を - 佐藤勝巳(『現代コリア』1999年7月号掲載論文)
  7. ^ 日朝交渉推進の背景 - 佐藤勝巳(『現代コリア』1999年12月号掲載論文)
  8. ^ 産経新聞(2001年12月22日)
  9. ^ 日本経済新聞(2002年4月24日)
  10. ^ 2003年、外国貿易法第五十五条第一項の支払等報告書の提出義務が緩和された疑惑のこと
  11. ^ 第162回国会予算委員会第12号(2005年2月15日)での原口委員の質疑など。
  12. ^ 第155回国会予算委員会第2号(2002年10月24日)での原口委員の質疑など。
  13. ^ 金融再生委員長談話(2000年12月29日)より抜粋

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年8月29日 (土) 14:25 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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