東方諸教会

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‎キリスト教諸教派の成立の概略を表す樹形図。更に細かい分類方法と経緯があり、この図はあくまで概略を示すものである。
アスワン(エジプト)にある、コプト正教会の聖ミカエル聖堂の内観。正面に見えるのはギリシャ系の正教会と殆ど同様のイコノスタシス
イラン北西部(Qara kelisa)にあるアルメニア正教会聖堂

東方諸教会(とうほうしょきょうかい、: Oriental Orthodoxy, 東方正統教会東方キリスト教などとも言う)は、西ヨーロッパからみて東方(オリエント)に位置する地域で信仰されているキリスト教諸教派のうち、東方正教会にもローマ・カトリックにも帰属しない教会の総称である。東方教会に分類される。

特に、その中でもカルケドン公会議で異端とされて東ローマ帝国の教会(のちの東方正教会)から分離したいわゆる単性論派とネストリウス派の教会を指す。場合によってはロシア正教会の一派である「古儀式派正教会」を含めることがあるが、これは適切ではない。

但し、「単性論派」と呼ばれる諸教会は、自らを「単性論」とは看做しておらず、単性論教会と呼ばれる事を拒絶している(詳細は単性論教会の記事を参照)。単性論と呼ばれる諸教会に対するより中立的な呼称としては非カルケドン派がある。「非カルケドン派」は広義にはネストリウス派教会を含むが、狭義には含まない事がある。また、英語のオリエンタル・オーソドックス(Oriental Orthodoxy)には、アッシリア教会が含まれないが、日本語の東方諸教会には含まれる事が多いため、"Oriental Orthodoxy"と東方諸教会は完全には一致しない。

東方諸教会は、異称を非メルキト派ともいう。メルキトとは「皇帝派」の意味であり、東ローマ帝国治下、東方諸教会が東方正教会をメルキト教会と呼んだことに起因する名である。なお東方正教会側が「メルキト」を自称する事はない。

東方教会の諸教会から分離してローマ教皇の権威とカトリックの教義を認め、独自の典礼(東方典礼)を守ったままローマ・カトリックの傘下に移った教会を東方典礼カトリック教会(ユニア教会・帰一教会)と言う。東方典礼カトリック教会は一般には東方諸教会に含めない。レバノンマロン派は教派全体が東方典礼カトリック教会になったため、東方諸教会に含めないのが普通である。

目次

[編集] 概要

ドイツにあるコプト正教会聖堂
トルコ南東・マルディン県にあるシリア正教会の聖ガブリエル修道院

非カルケドン派教会は、聖母マリア神の母として認め崇敬している(ネストリウス派教会は認めていない)。また、主教司祭輔祭といった位階制度を有しており、修道院制度を有している。但し、修道会制度は存在しない。

主にエジプトイスラエルヨルダンシリアレバノンイラクといった中東、ならびにスーダンエチオピアエリトリアといった北東アフリカに分布する。エジプトでは人口の1割がコプト正教会に属し、エチオピアでは人口の半数以上がエチオピア正教会に属しており、その規模は小さく無い。また米国・西欧諸国への移民達の間でも信仰されており、そうした移民等を通じて近年、中東・北東アフリカ以外の地域への広がりをみせつつある。

[編集] 東方諸教会の一覧

  • シリア正教会 - 使徒時代のアンティオキア教会からの継承をカルケドン派正教会と同様に自覚している。シリア語奉神礼に用いている。ヤコブ派という異称があるが、ヤコボス・バラダイオスの働きをシリア正教会自身も尊重するものの、この異称は蔑称としての傾向を持っており、シリア正教会自身が使う事は無い。主にシリアトルコに分布する。首座主教はアンティオキア総主教であり、ギリシャ正教系のアンティオキア総主教と並立する態をなしている。その管掌範囲はシリア一国にとどまらずイラクなどにも及んでおり、欧米にも移民を通じて普及するなどしている。また、歴史的経緯からインド正教会も傘下にある。
  • アルメニア使徒教会(アルメニア正教会) - 301年アルメニア王国が世界で初めてキリスト教を国教化した事に始まる。主にアルメニアトルコに分布し、アメリカにも多い。東方典礼カトリック教会であるアルメニア・カトリック教会とは別のもの。
  • コプト正教会 - 「コプト」とはエジプトの古い呼び名。コプト語で奉神礼を行う。主にエジプトに分布するが、海外への移民を通してエジプト国外(イギリスフランスなど)にも広がりを見せている。首座主教は教皇の称号を古くから保持しており、教皇アレクサンドリア総主教と称される。ギリシャ正教系の正教会にもアレクサンドリア総主教が居り、これと並立する態をなしているのは、上記の通り並立して存在するアンティオキア総主教と事情が似ている。
  • エチオピア正教会 - エチオピア正教会はサハラより南で唯一、植民地時代以前から存在するキリスト教会である。アクスム王国はコプト(エジプト)からキリスト教を受け入れ国教とし、エチオピア帝国時代まで国教とされていた。1959年に独立教会となるまではコプト正教会の一部であったが、現在非カルケドン派正教会の中では最大規模を誇る。独特の形状をした、意匠が凝らされた十字架が用いられている事でも知られる。エチオピアクロスは様々な輸入雑貨店等で扱われている。
  • エリトリア正教会 - エリトリア独立に伴い、上記のエチオピア正教会から独立して成立した教会。
  • インド正教会(トマス派) - 南インドのマラバル海岸一帯に分布する。
  • アッシリア東方教会 - ネストリウス派に起源を持つ。主にイラクトルコに分布し、アメリカにも多い。東方典礼カトリック教会であるカルデア・カトリック教会とは別のもの。ネストリウス派はカルケドン公会議でも改めて主流派から異端とされたものの、カルケドン公会議以前のエフェソス公会議で既に異端とされていたため、当教会を非カルケドン派という呼称のカテゴリには含めないことがある。

[編集] オクシリンコスの賛歌

オクシリンコス・パピルスに 現存するキリスト教最古(紀元280年)の東方諸教会の聖歌とされる「三位一体の聖歌」(オクシリンコスの賛歌)がギリシャ記譜法で記されていた。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月12日 (木) 11:23 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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