東武10000系電車

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東武10000系電車
10030系・10080系電車
東武10000系電車(2007年10月13日撮影)
東武10000系電車(2007年10月13日撮影)
編成 2両・4両・6両・8両・10両
起動加速度 2.5km/h/s
営業最高速度 100km/h
設計最高速度 110km/h
減速度 3.7km/h/s(常用最大)
4.5km/h/s(非常)
車両定員 本文参照
全長 20,000mm
全幅 2,874mm
全高 4,145mm
車両質量 10000系 29t - 39.5t
10030系・10080系 28t - 38t
軌間 1,067mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
主電動機 直流複巻電動機出力140kW
(10080系は三相交流誘導電動機
歯車比 16:87 (5.44)
制御装置 電動カム軸式バーニヤ界磁チョッパ制御(10080系はIGBT-VVVFインバータ制御
ブレーキ方式 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ抑速ブレーキ
保安装置 東武形ATS
製造メーカー 東急車輛製造
アルナ工機
富士重工業

東武10000系電車(とうぶ10000けいでんしゃ)は、東武鉄道通勤形電車

本項では、10000系電車、改良型の10030系電車、およびそのVVVFインバータ制御試作車である10080系電車について記述する。1983年昭和58年)から1996年平成8年)にかけて3系列合わせて486両が製造された。

目次

[編集] 系列別概要

[編集] 10000系

1983年12月22日から、8000系の後継車及び7300系の置き換えとして地下鉄有楽町線直通用9000系をベースに製造された地上専用車である。なお、当初は東上線のみで使用していたが、翌1984年3月20日から伊勢崎線日光線でも使用され始めた。

9000系と同じく20m級4ドアのステンレス製軽量車体であるが、正面中央に貫通扉を設けた左右対称のデザインとなっている。制御装置は電動カム軸式バーニヤ界磁チョッパ制御である。主電動機は直流複巻電動機で、出力140kW、歯車比は16:87 (5:44) である。ブレーキ装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキとなり、日光線新栃木以北などの勾配区間用に抑速ブレーキも備えている。

東武では、運転保安上の配慮から従来の8000系などは昼間でも運転席背面仕切窓の遮光幕を下ろしているが、本系列以降はその部分の仕切壁の窓自体を廃止して配電盤を設置している。

2両・6両・8両編成が製造され、2両・6両編成は伊勢崎線(太田以南)・日光線(新栃木以南)、8両編成は東上線小川町以南)で運用されている。

1986年(昭和61年)製造分の11606F~11609F・11203F・11204Fおよび11803F~11806F(現11003F~11006F)の中間車2両は、床板の色が緑色から茶色に変更された。

1989年(平成元年)には、8両編成の一部に中間車を組み込んで10両編成化された。すでに10030系が導入されていたが、編成美を考慮してコルゲートの多い10000系の車体そのままとされた。

2003年(平成15年)には就役から20周年を迎えたのを記念して、同年11月1日から14日まで「Anniversary 20th 就役記念」と表記されたヘッドマークを取り付けて運転された。

2004年(平成16年)より、10両編成の一部で母線引き通しを実施した編成が登場し、11651Fと11660Fのパンタグラフを降下させて運用している。この工事によって使用停止としたパンタグラフには、側面に黄色の識別用シールを貼付している。それと同時に客室へのつり革の増設工事が行われている。また、最近では優先席付近のつり革について三角形でオレンジ色のものへの交換が進められている。現在ではパンタグラフの降下は行っていない。

2008年(平成20年)5月13日には、本線所属(元日光線・宇都宮線用)だった11201F・11202Fが東上線に転属した(後述)。

11605Fのクハ16605は前面の種別・行先表示器部分の周囲が、他車の藍色と異なり黒色とされている。

また、就役当時の座席モケットの色はコロラドオレンジであったが、1986年製造分の11606Fから現行の黄緑色に変更され、コロラドオレンジで落成した車両も黄緑色に交換された。

11801F、11802Fの車内放送器は、運転台の横に設置されている。


[編集] 10030系

10030系
10000系のマイナーチェンジ車。
(2002年3月26日、つきのわ駅付近にて撮影)
10030系50番台
10030系の後期型である50番台車は冷房装置カバーが一体型になっている(2007年10月28日)。
ボルスタレス台車上:SS009形(クハ16658)下:SS010形(モハ11258)
 
ボルスタレス台車上:SS009形(クハ16658)下:SS010形(モハ11258)
ボルスタレス台車
上:SS009形(クハ16658)
下:SS010形(モハ11258)

1988年4月(昭和63年)にはマイナーチェンジを施した10030系が伊勢崎線・日光線に登場した。正面形状が1987年以降の8000系修繕車に似たデザインに変更された他、10000系の凹凸の多いコルゲート車体からビードプレス車体へ、さらにステンレスの光沢を抑えたダルフィニシュ(梨地)仕上げとなり、外観が大きく変化した。この変更は同時代に製造された京王7000系とも共通する[1]。また、台車がボルスタレス式に、補助電源装置がブラシレスMG(電動発電機)からSIV(静止形インバータ)へと変更され、乗務員室助士席側に簡易モニタ装置が設置された。電動空気圧縮機 (CP) もHB2000から低騒音化を図ったHS20に変更された。室内設備は1人あたりの座席幅が広がったことにより車端部の座席が3人掛けになった。翌1989年8月には東上線にも登場した。当時野田線や伊勢崎線館林・日光線新栃木以北で運用していた3000系列の置き換えとしても製造された。

2両・4両・6両・10両編成が製造され、伊勢崎線・日光線・東上線で運用されている[2]

1991年(平成3年)度製造車から、つり革のにぎり形状変更や、上り方先頭車にラジオ受信アンテナが設置された。

1992年(平成4年)以降に製造された車両は、客室内で車椅子スペースや補助送風機(スイープファン)の設置、外観では冷房装置のカバーが連続式になるなどの変更点があり、車両番号の下2桁を51以降の付番(本項では50番台車と表記。10050系と通称されることもある)とした。さらに、雪害対策として強制パンタグラフ上昇装置の追加や屋根上の吸出式通風装置の廃止などの小改良が続けられた。

1993年(平成5年)からは、本線系統の途中駅での自動連結・解放運転に備え、これまでの密着自動連結器に代わり、先頭車に電気連結器付き密着式連結器を装備した車両が登場した。この計画の影響で1994年までに本線系統へ集中的に投入したため、50番台車は本線所属編成が多い。本線にそれ以前投入された車両も同年のダイヤ改正までに密着式連結器に改造された。

東上線でも、本線系統との車両転配の利便を考慮して最終増備車11667Fと11461Fが密着式連結器を装備して投入された。この2編成のみ先頭車前面の窓回りの縁取りが黒く塗装されているのが特徴だったが、その後他の編成と同様のものに変更された。その後、他の東上線所属車も密着式連結器に改造されたが、10両編成は営業運転では他編成と連結することがないため、改造されていない。

1995年(平成7年)に落成した11267Fには、試験的に東武初のシングルアーム式パンタグラフが搭載され、後に20070系30000系など、その後の東武の電車に反映された。

2000年(平成12年)に11659Fのクハ16659の車体が事故で損傷し、車体を新しいものに取り替えて営業運転に復帰した。損傷のなかった部品はそのまま流用したため、廃車扱いではなく修繕扱いとなっている。

2004年(平成16年)より6両固定編成の一部で母線引き通しを実施した編成が登場し、一部のパンタグラフを降下させて運用している。この工事によって使用停止としたパンタグラフには10000系列と同様に、側面に黄色の識別用シールを貼付している。

2008年6月14日のダイヤ改正までは越生線でも使用されていた。

[編集] 10080系

現在の10080系のVVVFインバータ(IGBT)

1988年4月に、10030系と同時に登場した。東武で初めてGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御(日立製作所製)を採用した車両である。試験車両的な位置付けで、4両編成(11480F)1本のみ在籍する。1990年(平成2年)に100系をインバータ制御で登場させる契機となった。車体は10030系初期車と同一で、10000・10030系との連結を考慮し、走行性能も揃えられている。当初の主電動機出力は170kW、歯車比は6.21であった。

2005年(平成17年)後半からインバータ装置の不具合により長く休車となっていたが、その後50000系列で採用されたIGBT素子によるVVVFインバータ制御装置に交換され、試運転を行った後、2007年(平成19年)9月12日から定期運用に復帰した。改造後の主電動機は50000系列と同じ出力165kWだが、歯車比は5.44と10000系列に揃えられた。改造後も他の10000系列と共通運用され、10000系列および30000系との併結も行われている。

[編集] 車両編成

※この節では、編成の組成両数について2両編成は「2R車」、4両編成は「4R車」、6両編成は「6R車」、8両編成は「8R車」、10両編成は「10R車」と表記する。

[編集] 概要

10000系列では、それ以前の車両とは異なる車両番号の付番法則を用いることになった。

具体的には、万の位で形式、千の位では浅草池袋方から何両目に組成されるか(10両目の場合は「0」[3])、百の位では編成の組成両数(10R車の場合は「0」)、残りの下2桁で編成番号を表す方法になっている。例えば、「12608」であれば10000系で6R車の第8編成、浅草・池袋方から2両目(6両編成の5号車)ということになる。

通常編成番号はそれぞれの番台の「1」から(10030系であれば「31」から、10050系であれば「51」から)付番されるが、10080系のみ試作車のため「0」が振られ、11480Fとなっている。

この付番法則では、電動車制御車付随車の区別は一切考慮されない。ただし制御車(電動制御車も含む)は千の位が1か千の位と百の位が同じ数字になっている。

この法則は、以後の東武鉄道の通勤形電車すべてに適用されている。

[編集] 2R車

本線東上線ともに配置。22本44両が在籍する。

主に4R車の増結用であるが、2R車を3本連結した運用(通称:ブツ6)や2R車を4本連結して運用(通称:ブツ8)されることもある。かつては亀戸線大師線でも使用された。2008年時点では30000系4R車と併結することもある。

1995年度から全車に自動扉締め切り装置が設置された。これは浅草駅のホーム有効長の関係で8両編成列車の後部2両がドア扱いできないためである。

長らく本線のみに配置され、東上線への配置はなかったが、2008年6月14日のダイヤ改正より東上線の池袋発着列車が全て10両編成となる際、8R車の増結用として、11201F・11202Fの2本が2008年5月13日に本線から東上線に転属した[4]

[編集] 4R車

本線・東上線ともに配置。30本120両が在籍する。

10000系に4R車はなく、10030系で初めて登場した。伊勢崎線では浅草口で2R車を増結して6両編成を組む他、4R車同士の8両編成又は6R車に増結されて10両編成を組成するなど様々な使い方がされ、30000系と併結することもある。また、一部は日光線新栃木以北にも入線した。東上線では10両編成(以前は8両編成も組んでいた)組む。以前は、ワンマン運転化前の小川町~寄居間・新栃木~東武宇都宮間、越生線でも使用されていた。

[編集] 6R車

本線・東上線ともに配置。41本246両が在籍する。

本線の区間準急や区間急行は基本的に6両編成であるため、最も汎用性の高い編成となるが、本系列または30000系4R車と併結し運用されることもある。東上線ではワンマン化前の小川町~寄居間などで単独使用されていたこともあるが、2008年現在は常に4R車を連結して10両編成で使用される。

[編集] 8R・10R車

東上線にのみ配置。8R車が2本16両、10R車が6本60両在籍する。

10000系では8R車が最初に登場した。東上線の同系列は当初8R車が6本配置されていたが、うち11803F~11806Fの4本は1989年に中間車2両を新製して10R車化され、11003F~11006Fに改番された。この中間車2両は10030系登場後の落成であったが、床材の色や手すり以外は10000系と同一仕様である。

東上線配置の10030系については、最初の2本は10R車で落成したが、その後の増備は6R車と4R車のみとなった。

2008年6月14日のダイヤ改正より池袋口の列車はすべて10両化されるために、8R車の11801F・11802Fは、前記した2R車の11201F・11202Fを本線から転用して対応することとなった。

[編集] 編成図

左側が浅草・池袋方

  • 2R車:モハ11200-クハ12200
  • 4R車:クハ11400-モハ12400-モハ13400-クハ14400
  • 6R車:クハ11600-モハ12600-モハ13600-サハ14600-モハ15600-クハ16600
  • 8R車:クハ11800-モハ12800-モハ13800-サハ14800-サハ15800-モハ16800-モハ17800-クハ18800
  • 10R車:クハ11000-モハ12000-モハ13000-サハ14000-モハ15000-サハ16000-サハ17000-モハ18000-モハ19000-クハ10000

[編集] 修繕工事

東武10000系修繕車
(2008年11月1日撮影)

10000系の就役から23年余り経過し、車体の陳腐化が進んだため、2007年(平成19年)1月19日に11601Fが津覇車輛館林作業所に入場した。その際、11601Fは前照灯HID化や、前面に排障器(スカート)が設置され、パンタグラフは下枠交差式からシングルアーム式に交換され、モハ15600のパンタグラフのうち、浅草寄りのものは撤去された。その後11602F、11604F、11603Fも入場した(11602Fはその後出場)。また、2008年度は車椅子スペースや車内案内表示器の設置などが3編成18両に[5]、2009年度も継続して施工される予定である[6]

[編集] 諸元

  10000系 10030系・10050系・10080系
定員 Tc1,Tc2 150名 142名
Tc3,Mc 150名 152名
その他の車両 170名 152名
自重 Tc1,2 29t -
M1,2,Mc 39t -
M3 37.5t -
T1,2 - 28t
T3 - 32.5t
Tc3 - 34t
車長 20,000mm
車幅 2,874mm
車高 4,145mm
設計最高速度 110km/h
営業最高速度 100km/h
起動加速度 2.5km/h/s
減速度 3.7km/h/s(常用)
4.5km/h/s(非常)
歯車比 5.44
冷房能力 42,000kcal/h/車両
備考   10080系はTc1,2とM1,2のみ

[編集] 主な使用路線

[編集] 外部リンク

東武鉄道 車両紹介

[編集] 脚注

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  1. ^ 京王7000系では番台区分がされたが、形式の変更はされていない。
  2. ^ 2両編成は伊勢崎線・日光線のみ、10両編成は東上線のみで運用されている。
  3. ^ ただし、50000系列などでの号車番号は伊勢崎・寄居方先頭車を1号車としている。本系列では号車番号は表記されていない。
  4. ^ 「Topic Photos 東武10000系2両固定が東上線に転属」 『鉄道ピクトリアル』2008年8月号(通巻806号)p93、電気車研究会
  5. ^ 2008年5月14日付ニュースリリース 2008年度の鉄道事業計画
  6. ^ 2009年5月18日付ニュースリリース 2009年度の鉄道事業計画『設備投資計画は総額311億円』
ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年12月4日 (金) 09:10 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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