枕崎台風

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枕崎台風
発生期間: 1945年9月12日23日
寿命 約11日
最低気圧: 910 hPa
最大風速:
(気象庁解析)
最大風速:
(米海軍解析)
被害総額:


死傷者数: 死者2,473人、行方不明者1,283人、負傷者2,452人
被害地域: 日本

枕崎台風(まくらざきたいふう、昭和20年台風第16号)は、1945年昭和20年)9月17日14時頃に、鹿児島県枕崎市付近に上陸して日本を縦断した台風である。

伊勢湾台風室戸台風と並んで昭和の三大台風のひとつに数えられる。これらのうち、室戸台風は戦前に発生した台風である。

目次

[編集] 概要

上陸時の中心気圧は枕崎市で観測された916.3ヘクトパスカルだが、1951年の正式統計開始以前の記録であるため、参考記録扱いである。被害者の内訳は死者2,473人、行方不明者1,283人、負傷者2,452人。終戦直後のことであり、気象情報が少なく防災体制も不十分であったため、各地で大きな被害が発生した。特に広島県では死者・行方不明者合わせて2,000人を超えるなど被害は甚大であり、原爆の惨禍に追い打ちをかけた。また、柳田邦男のノンフィクション小説『空白の天気図』の題材にもなった。

枕崎台風の最低気圧を観測した病院船リポーズ

枕崎台風が通過したものと思われる沖縄本島では、戦争による観測中断のため、1945年の気圧や風速のデータが残っていない。1981年度、1982年度版等のギネスブックによれば、アメリカの病院船リポーズが沖縄本島の南東海上で枕崎台風の目に入り、最低気圧856hPaを記録したという。この値の精度については不明で、参考記録扱いになっている。詳細な観測記録が掲載されたレポーズ号のウェブサイト#外部リンクも参照。なお、最低海面気圧の公式な世界記録は1979年台風20号による870hPaである。

最大瞬間風速
順位 名称 国際名 最大
瞬間
風速
(m/s)
風向 観測年月日 観測地点
1 第2宮古島台風
(昭和41年台風第18号)
Cora 85.3 北東 1966年9月5日 宮古島
沖縄・気象官署)
2 第2室戸台風
(昭和36年台風第18号)
Nancy 84.5 西南西 1961年9月16日 室戸岬
高知・気象官署)
3 第3宮古島台風
(昭和43年台風第16号)
Della 79.8 北東 1968年9月22日 宮古島
(沖縄・気象官署)
4 昭和45年台風第9号 Wilda 78.9 東南東 1970年8月13日 名瀬
鹿児島・気象官署)
5 昭和40年台風第23号 Shirley 77.1 西南西 1965年9月10日 室戸岬
(高知・気象官署)
6 枕崎台風
(昭和20年台風第16号)
75.5 南南東 1945年9月17日 細島
宮崎・燈台)
7 平成15年台風第14号 Maemi 74.1 2003年9月11日 宮古島
(沖縄・気象官署)
8 昭和31年台風第12号 Emma 73.6 1956年9月8日 那覇
(沖縄・気象官署)
9 昭和39年台風第20号 Wilda > 72.3 西 1964年9月25日 宇和島
愛媛・気象官署)
10 平成6年台風第13号 Doug 70.2 南東 1994年8月7日 与那国島
(沖縄・気象官署)
陸上(気象官署)における中心気圧が低い台風
順位 名称 国際名 中心気圧
(hPa)
観測年月日 観測地点
1 沖永良部台風
(昭和52年台風第9号)
Babe 907.3 1977年9月9日 沖永良部鹿児島
2 宮古島台風
(昭和34年台風第14号)
Sarah 908.1 1959年9月15日 宮古島沖縄
3 室戸台風 911.6 1934年9月21日 室戸岬高知
4 平成15年台風第14号 Maemi 912.0 2003年9月11日 宮古島(沖縄)
5 枕崎台風
(昭和20年台風第16号)
916.3 1945年9月17日 枕崎(鹿児島)
6 第2室戸台風
(昭和36年台風第18号)
Nancy 918.0 1961年9月15日 名瀬(鹿児島)
7 昭和15年台風
(名称なし)
922.0 1930年8月9日 南大東島(沖縄)
8 昭和38年台風第14号 Gloria 923.5 1963年9月10日 石垣島(沖縄)
9 平成18年台風第13号 Shanshan 923.8 2006年9月16日 西表島(沖縄)
10 平成16年台風第18号 Songda 924.4 2004年9月5日 名護(沖縄)
上陸時(直前)の中心気圧が低い台風
順位 名称 国際名 中心気圧
(hPa)
上陸日時 上陸地点
1 第2室戸台風
(昭和36年台風第18号)
Nancy 925 1961年9月16日 9時 室戸岬西方
2 伊勢湾台風
(昭和34年台風第15号)
Vera 929 1959年9月26日 18時 潮岬西方
3 平成5年台風第13号 Yancy 930 1993年9月3日 16時 薩摩半島南部
4 ルース台風
(昭和26年台風第15号)
Ruth 935 1951年10月14日 19時 串木野市付近
5 平成3年台風第19号 Mireille 940 1991年9月27日 16時 佐世保市
5 昭和46年台風第23号 Trix 940 1971年8月29日 23時 大隅半島
5 昭和40年台風第23号 Shirley 940 1965年9月10日 8時 安芸市付近
5 昭和40年台風第15号 Jean 940 1965年8月6日 4時 牛深市付近
5 昭和30年台風第22号 Louise 940 1955年9月29日 22時 薩摩半島
10 平成19年台風第4号 Man-yi 945 2007年7月14日 14時 大隅半島
10 平成16年台風第18号 Songda 945 2004年9月7日 9時 長崎市付近
10 平成2年台風第19号 Flo 945 1990年9月19日 20時 白浜町
10 昭和45年台風第9号 Wilda 945 1970年8月14日 23時 長崎市付近
10 昭和39年台風第20号 Wilda 945 1964年9月24日 17時 佐多岬
(参考) 室戸台風 911.6 1934年9月21日
枕崎台風
(昭和20年台風第16号)
916.3 1945年9月17日

[編集] 広島県内の被害

呉市内では、住宅地背部の急傾斜地の至るところが崩壊し、土石流が頻発。市内だけで1,156人が死亡している。広島西郊の佐伯郡大野町(現・廿日市市)では、陸軍病院が土石流の直撃を受け複数の病棟などが全壊。医療従事者、治療中の被爆者京都帝国大学の調査関係者などを合わせて100名以上が犠牲になった(現在、病院跡地付近に慰霊碑が建立されている)。一方、原爆による放射性物質がこの台風による風雨によって洗い流され、広島市が居住可能になったという見方もある。

[編集] 京大調査班の遭難

京都帝国大学では、広島への原爆投下直後から理系学部の教官が個別に現地に赴き被爆状況の調査や被爆者の治療に当たっていたが、敗戦後の9月中旬になって京大はこの調査を全学的・組織的に進めるための「原爆災害総合研究調査班」を設置し、真下俊一医学部教授らを派遣した。調査班は大野陸軍病院で調査研究に従事していたが、上記の土石流の直撃を受け真下を含む医学部の教授・助教授各1名、講師2名、嘱託1名、学生2名、理学部から参加していた講師1名・大学院生1名、化学研究所の助手1名の合計10名が死亡、さらにその後医学部教授1名が死去した。

殉職した教職員・学生の大学葬は10月11日に挙行(京大での大学葬は1938年在任中に死去した濱田耕作学長以来2度目である)され、犠牲者の一人である理学部大学院生・花谷暉一(享年24)の遺族は学生の福利厚生のための施設を京大に寄贈した。この木造建物は「花谷会館」と呼ばれ、喫茶店などが置かれたのち現在は京都大学生活協同組合の本部が所在している。

[編集] 外部リンク

[編集] 関連項目

最終更新 2009年10月18日 (日) 00:09 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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