核分裂性物質
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核分裂性物質(かくぶんれつせいぶっしつ、fissile material)とは原子力工学で、原子核分裂の連鎖反応を持続する能力を持つ物質を指す呼称である。
核分裂性物質は全て、熱中性子・低速中性子・高速中性子のいずれが優勢な環境でも連鎖反応を持続できる物質である。このため、核分裂性物質は以下のような用途で燃料(エネルギー源)として用いられる。
核分裂性 (fissile) という語は核分裂可能 (fissionable) という語とは区別される。核分裂可能な物質とは核分裂を起こすことができる原子からなる物質を広く指す語である。これに対して核分裂性物質は、運動エネルギーを持たない中性子によって核分裂を起こすことができる物質と定義される。すなわち「核分裂性」は「核分裂可能」に比べてより狭義の概念である。核分裂性物質は全て核分裂可能だが、核分裂可能な物質の全てが核分裂性物質であるわけではない。専門家の中には、核分裂可能という語を核分裂性物質以外の物質のみを表す語として限定的に用いる人々もいる。
重要な例として、ウラン238は自発核分裂か高速中性子によってしか核分裂を起こさないため、核分裂可能な物質ではあるが核分裂性物質ではない。ウラン238の高速中性子核分裂はある種の高速増殖炉ではエネルギー出力のかなりの部分を担っている。しかしウラン238はそれ自体では臨界に達することはないため、これらの物質を利用する際には連鎖反応を維持するために核分裂性物質も必要となる。
核分裂性物質のうち最も重要なものは以下の物質である。
これらの物質は全て核燃料として広く使われている。プルトニウム241とネプツニウム237も核分裂性だが、これらは核燃料には利用されていない。この他にもいくつかの超ウラン同位元素が核分裂性であることが知られており、これらの核種は全て原子番号が偶数で質量数が奇数である。これらの例として以下の核種がある。
核分裂連鎖反応の燃料として役立つ物質であるためには以下の条件が必要である。
- 原子核の結合エネルギーの曲線上で核分裂連鎖反応が可能な領域にあること(すなわちラジウムより原子番号が大きいこと)。
- 中性子捕獲によって核分裂を起こす確率が大きいこと。
- 核分裂の際に平均2個以上の中性子を放出すること。
- 十分長い半減期を持つこと。
- それなりに十分な量が利用できる(希少過ぎない)こと。
[編集] 関連項目
- 親物質
- 核分裂生成物
- 原子核融合
最終更新 2009年11月16日 (月) 16:42 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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