ドッグファイト
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ドッグファイト(英: dog fight)は、空対空戦闘において、戦闘機同士が互いに機関銃・機関砲または短射程空対空ミサイルの射界に相手を捉えようと機動する状態を指す用語。格闘戦、巴戦とも。
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[編集] 正式名称
近年では近距離を含めた空中戦における機動を指して、空中戦闘機動 (Air combat manoeuvering: ACM) という用語が使われる。
[編集] 呼び名の由来
有視界戦闘で相対する戦闘機同士が、互いに最も射撃に有利な位置である敵機の背後に占位しようとする様が犬同士の喧嘩で相手の犬の尾を追いかけている様に似ているため、ドッグファイトの名がつけられた。 蛇足だが、「キャットファイト」は女同士の喧嘩のこと。
[編集] 戦術上の最終選択肢
空中戦では奇襲攻撃が最も有利であり、戦闘機パイロットはまず第一にそれを意図すべきであり、最初からドッグファイトを意図するというのはあり得ない。しかし当然ながら敵は奇襲攻撃を待ってくれる訳ではなく、むしろ避けようと努めるものであり、その結果双方が奇襲攻撃に失敗し、なおも継戦する必要がある場合は、当然ながらドッグファイトへと移行する。よってドッグファイトは「戦術上の最終選択肢」であり、戦闘機にとってドッグファイトの能力に優れるのは、欠くべからざる性能である。
[編集] マニューバとその発展
ドッグファイトで用いられるマニューバ(航空機の機動)は、基本的に自機と敵機の飛行特性や位置関係を考慮して運動エネルギーと位置エネルギーとを効率よく変換する機動である。自機のエネルギーを失う機動は次の機動を緩慢にしてしまうために禁忌とされる。
マニューバの代表的なものとしては、第一次世界大戦時に発明されたインメルマンターンに始まって、ブレイクやシザーズ、バレルロールなどがある。
第二次世界大戦初期からはドイツ空軍を筆頭に、以降世界の流れとして従来のドッグファイトに代わり編隊空戦・一撃離脱戦法がメインとなり、また末期にはジェット戦闘機の実用化等、ドッグファイトは一時期軽視される[1]。1950年代に入り、アメリカ軍ではミサイル万能論が唱えられドッグファイトは一時軽視される傾向にあった。
しかしながらベトナム戦争で度々ドッグファイトが発生した。上記のドッグファイトの禁忌は、あくまでジェット機対レシプロ機の戦闘の場合であり、ジェット機同士の戦闘であればドッグファイトは発生したのである。その際に機動性の低いアメリカ空軍の最新鋭機 F-4ファントムIIや F-105サンダーチーフなどが、旧式な MiG-17やはるかに安価なMiG-21に撃墜されるという事態が生じた。[2]。1970年代より、乗員の生命を守るためにアメリカ海軍がドッグファイトを専門に教育する機関「トップガン」を創設するなど、アメリカ軍もドッグファイト重視の方向に転換している。
[編集] 現代のドッグファイト
現代では、アビオニクスとそれに管制された長・中射程の空対空ミサイルの性能、さらには後方の早期警戒機の支援で空戦の勝敗が決することが多い。
しかしながら、一度ドッグファイトになると、短射程空対空ミサイルとその火器管制・照準装置の性能(高機動ミサイル、オフ・ボアサイト能力、HMDなど)と機体の性能(高推力エンジン、高ロールレート、推力偏向機構など)に加えて、パイロットの操縦技術や対G能力も生死を分かつ要因となりうる。
さらにごく最近では、戦闘機のステルス能力の有無と優劣が、勝敗を決する趨勢になりつつある。しかしながら「最後の手段」としてのドッグファイトは、未だに重要視されている。
[編集] 脚注
- ^ 初のジェット戦闘機であるメッサーシュミットMe262は、低速域からの加速力と運動性でレシプロ機よりも劣ったため、ドッグファイトは禁忌とされ、一撃離脱戦法に徹した。
- ^ 当時の赤外線誘導ミサイルは、エンジンの廃熱を追跡するため敵機の背後に回りこむ必要があり、格闘戦能力は必須であり、『ミサイル戦では格闘戦は不要』というのは、全くの誤りであった。なお、ミサイル万能論は当時の世界的な風潮であり、例としてミラージュ3にしても当初は機関砲を装備せず、ミサイルのみの装備であり、発注国イスラエルの要請から機関砲を装備した経緯を持つ。また、米軍のF-4も初期の機体には機関砲がなく、E型以降で固定砲として機首下部に標準装備するようになったのは、ベトナムの戦訓に拠るものである。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年10月8日 (木) 12:43 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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