標準レンズ
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標準レンズ(ひょうじゅんレンズ)とは、写真で、実画面サイズの対角線長に近い焦点距離のレンズのこと(まれに、レンズの交換できるカメラで、販売時に装着してあるレンズを指すこともある)。
対角線長の焦点距離のレンズはパースペクティブが自然で、ポートレートを撮影する際のモデルとの距離も適度と、多くの用途で使いやすい。
標準レンズの焦点距離が具体的に決まっているのは24×36mm(ライカ)判だけで、50mm[1]である。ただライカ判でも一眼レフカメラの普及期には、当時のガラス材料や設計技術では一眼レフカメラのミラーと干渉しないバックフォーカスを持ってなおかつ良好な性能を持った50mmのダブルガウス型大口径レンズは造れなかったため55mmや58mmのレンズがあった。また50mmはライカがそのようにしたのが業界標準となっているだけであり、画面対角線長という観点から言えばライカ判の標準レンズは43.3mmであるため、40mmから45mm程度のレンズを販売する動きも以前よりある。
他のフォーマットでは具体的な焦点距離は決まっていない。例えば6×6cm判の対角線長は79.2mmだが、ローライは75mmと80mm、マミヤのC3系は105mmを標準レンズとしている。
| フォーマット(通称) | 画面サイズ | 対角線長 | 感材/用途 |
|---|---|---|---|
| ポケットインスタマチック | 13×17mm | 21.4mm | 110 |
| インスタマチック | 26×26mm | 36.8mm | 126 |
| ハーフ判 | 24×18mm | 30.0mm | 135 |
| ライカ判 | 24×36mm | 43.3mm | |
| 6x4.5cm判 | 56×41.5mm | 69.7mm | 120か220 |
| 6x6cm判 | 56×56mm | 79.2mm | |
| 6x7cm判 | 56×69.5mm | 89.3mm | |
| 6x8cm判 | 56×76mm | 94.4mm | |
| 6x9cm判 | 56×82.6mm | 99.8mm | |
| 4x5in判 | 86×120mm | 148.0mm | シートフィルム |
| 95×120mm | 153.0mm | ||
| ニコンFXフォーマット | 36.0×23.9mm | 43.2mm | ニコンデジタル一眼レフ |
| ニコンDXフォーマット | 23.6×15.8mm | 28.4mm | ニコンデジタル一眼レフ |
| APS-Cサイズ | 23.4×16.7mm | 28.7mm | 普及型デジタル一眼レフ |
| 4/3in | 17.3×13mm | 25mm | デジタル一眼レフ(フォーサーズ・システムなど) |
| 1/1.8in | 14.1×14.1mm | 20.0mm | コンパクトデジタル |
| 1/2in | 12.7×12.7mm | 18.0mm | コンパクトデジタル |
| 1/2.5in | 10.2×10.2mm | 14.4mm | コンパクトデジタル |
※120/220フィルムとシートフィルムの実画面サイズは一例。イメージセンサもニコンDX以外は一例。これらは規格化されているわけではない。APS-Cタイプのイメージセンサとは、APS-Cのサイズに近いセンサの総称(通称)。
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[編集] 標準ズームレンズ
標準レンズの領域を挟んだ焦点距離を持つズームレンズのことで、レンズが固着したデジタルカメラのレンズは、ほとんどすべてが標準ズームといってよい。
世界で最初のライカ判カメラ用ズームレンズは、1959年に発売されたフォクトレンダーのズーマー36-82mmF2.8で、まさに標準ズームであった。
日本国内では、1963年に発売されたニコンのニコレックスズーム35に固着した43-86mmF3.5(通称「ヨンサンハチロク」)がその走り。ライカ判の対角線長は43.3mmであり、その意味で広角側の43mmは標準レンズに相当するが、ライカ判の標準レンズの業界標準が50mmであるため、それからみれば若干広い[2]。
また、これらは光学補正方式を採用しているが、この場合、ズーミングにより焦点が甘くなってしまう。しかし当時は複雑で精密なカムを量産する技術が確立されていないため、これが必然であった。NC(数値制御)工作機械の登場以降はカムによる機械補正方式となり、焦点の移動は完全に近く補正されるようになった。
ニコレックスシリーズは商業的に成功したとは言えないが、ニコンはヨンサンハチロクを捨てることはせず、ニコンF用交換レンズとして発売した。画質が良いとはいえず、ズーム比も2倍しかないが、標準レンズの代わりに(辛うじて)カメラに取り付けたままにできるズームレンズはほかになく、人気商品となった。1973年にはキヤノンから35-70mmF2.8-3.5が発売されたが、その約3分の1の安さであり、1977年には光学系を一新し現代的な描写になり、1982年ごろまで販売されていた[3]。
1980年代に入るとタムロン、シグマ、トキナーなどのサードパーティから安価な35-70mmレンズが販売されるようになり、標準ズームの時代となった。
[編集] 脚注
- ^ 公称値が50mmであっても、設計、製造上は51.6mm(ニコン、ライカ)や52.3mm(コンタックス)のことがある。
- ^ 当初35-70mmで設計を進めていたが、収差補正を行なううちに焦点距離が長くなったという。またそれ以前の1961年にはオートニッコールワイドズーム35-80mm/F2.8-4が発表されたが、1.1kgと重かったためか発売中止になった。(『アサヒカメラ』2008年6月号、p.103)。
- ^ 『こだわりのレンズ選び』写真工業出版社、2003年、p126-127。
[編集] 参考文献
- 日本写真学会写真用語委員会 "写真用語辞典" 1976年 写真工業出版社
- 小倉磐夫「カメラと戦争 - 光学技術者たちの挑戦」"ニコンを追ったキヤノン「2群ズーム」" 朝日文庫 2000 ISBN 4-02-261309-2
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月14日 (土) 00:25 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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