機動戦士ガンダム THE ORIGIN
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| 機動戦士ガンダム THE ORIGIN | |
|---|---|
| 漫画 | |
| 作者 | 安彦良和 |
| 出版社 | 角川書店 |
| 掲載誌 | ガンダムエース |
| 発表期間 | 2001年6月 - 連載中 |
| 巻数 | 既刊・通常版19巻 愛蔵版5巻 |
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『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(きどうせんしガンダム ジ オリジン)は、安彦良和作の漫画作品。原案は矢立肇・富野由悠季、メカニックデザインは大河原邦男。アニメ『機動戦士ガンダム』をベースに、設定の見直しや外伝的エピソードの追加など独自のアレンジを施した作品である。ガンダムシリーズ専門誌「ガンダムエース」創刊号より連載。
目次 |
[編集] 概要
作者の安彦良和は『ファーストガンダム』とも呼ばれる原作アニメに、作画ディレクターおよびキャラクターデザイナーとして深く関わっており、また歴史上の人物や神話を元にした漫画作品を数多く手がけた実績もある。それらで得た経験を元に『ガンダム』という半ば神話化した作品を再構築する作品であるともいえる。
本作はTVアニメ版をベースにしており、劇場版でカットされたルナツー攻防戦やセント・アンジュのエピソードなども描かれている。また見せ場であったシーンや決め台詞なども多くが生かされ登場している。一方で、現在の視点からすると不自然であったり、現実世界の変化に合わなくなった設定などの変更や、新規キャラクターの追加、既存キャラクターの設定見直しが行われている。
[編集] 執筆の経緯
本作は当初、サンライズによって海外向けに『機動戦士ガンダム』を紹介するためのコンテンツとして企画された。安彦良和は残りの人生を漫画家として送るつもりであり、また安彦自身の弁によれば「そもそもガンダムと言う物語は、自分が関わったとはいっても富野さんの作品だという意識も強かった」ため、当初この企画に難色を示していた。しかし、病気で入院する事となり、手持ちぶさたに『ガンダム』の物語のネームを切り始めたところ一気にガルマ・ザビ戦死のくだりまで描き進められた事、さらに富野由悠季本人からも「自分も楽しみにしているから好きにアレンジして欲しい」と言われた事で、本作の執筆を決めたとのことである。また、貞本義行との対談で、貞本が漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』を自ら手がけていた事も、「キャラクターデザイナーという作品へ強い影響力を持つ人間が漫画版を書いても構わないんだ」と気付かされたと語っており、執筆のきっかけの一つになった事を明かしている[1]。
本企画は初めに講談社へ持ち込まれたものの、様々な経緯により角川書店にて行われることとなった。
本作は当初、一気に100ページを超える分量を掲載するというスタイルであった。それも、この100ページが終わってなおアムロがガンダムに乗り込んでいないというほどの分量である。しかしこれでは既存の漫画雑誌には連載が出来ないという事情から、ガンダムを専門とする雑誌「ガンダムエース」が創刊された。当初は季刊であったが、その後ペースが若干上がり隔月刊となり、ガンダム関係のコンテンツが十分揃った時点で月刊化された。また当初の企画どおりに、海外向けにも翻訳・発行されている。
[編集] 本作の軌跡
地球人類は、増えすぎた人口をスペースコロニーへと移住させることで人口過密状態を解決していた。コロニーへと移住した人々は棄民と揶揄された一方、地球に「残ること」それ自体が特権行為とされた。前者をスペースノイド、後者をアースノイドと呼んだ。それぞれのコロニーは自治政府が統治する形態をとりつつも、そこで生産される農産物などの資源は地球連邦への貢納を義務ずけられ、地球連邦を脅かすような大規模な軍隊も持つことが許されず、各コロニーには連邦軍が駐留する形をとっていた。そのなかでも、サイド3:ムンゾ自治共和国の最高責任者ジオン・ズム・ダイクン議長及びそれを支持する有力者達は、地球連邦国家からの独立を、主に共和制議会制度を利用して目指してきた。しかしその独立運動の象徴たるジオン議長は、議会での対連邦重要演説中に急死してしまう(宇宙世紀-Universal Century-0068)。求心力を失った政治上の混乱の中、彼と共に独立運動を支えてきたとされるデギン・ソド・ザビ一派とジンバ・ラルの一派の政争が始まり、ムンゾ自治国共和国防衛隊(後のジオン公国軍の母体とされている)や私兵集団である保安隊という武力装置を一族で押さえていたザビ派が泥沼の政争を制する。その結果、デギンが共和国議長となり、更には自ら一族がジオン独立運動の正当な後継者とならんことを示すためジオン共和国を名乗り、彼の長兄であるギレン・ザビ国民運動部長主導による対連邦戦争遂行が進められていく。こうした世相の中、本作の準主人公であるキャスバル・レム・ダイクン&アルテイシア・ソム・ダイクン兄妹が、ザビ家の権力を、更には前述した政争に乗じてザビ家内の自らの主導権を怨念として固めんと暗躍するザビ家の長女キシリア・ザビ親衛隊隊長によって、若干11歳(キャスバル)から命を狙われながらも懸命に生き延びていく様子が劇画化されている。更にはキャスバルが、対地球連邦独立のためにジオン共和国内に設立されたスペースノイド合同宇宙軍士官学校にシャア・アズナブルとして入隊し、「ザビ家」への復讐を胸に軍人としてしたたかに成長していく様子も事細かに描かれている。 デギン共和国議長の戦争回避策への思いとは裏腹に、ギレン主導による地球連邦への戦争遂行を進めるジオン共和国は、連邦国家との国力差を埋めるために独自の戦略を打ち立てていく。軍産複合体の象徴、巨大軍需産業資本ジオニック社と提携し、当社技術顧問であったT.Y.ミノフスキー博士の助言のもとモビルワーカー、その完成形としてのモビルスーツ開発に成功する。このような軍事大国化していくジオンへの危機感を持った博士は連邦への亡命を決意する。しかし亡命劇は失敗した上に、この亡命劇の際行われた史上初のモビルスーツ戦において、連邦側のモビルスーツ部隊:RX-77.01を壊滅に追い込む。この惨敗は、連邦側が提携していた軍需産業資本アナハイムの当のRX計画担当技術社員テム・レイをして、本作の主役機となるガンダムを開発させる契機となった。 宇宙世紀-u.c.-0079、デギン議長は公国制を敷き、ジオン公国を名乗ることでムンゾ共和国におけるザビ家の事実上の世襲権を獲得する。長兄ギレンは総帥職に就くことで新生ジオン公国の全権を握り、地球連邦への宣戦を布告、反ジオンのスペースコロニー共和国群の制圧に取り掛かる。まず、抵抗するサイド4:ハッテ自治共和国首都島(マザーバンチ)市民を虐殺、その死体を乗せたコロニーそのものを、連邦軍機関の中枢ジャブローへ落下させるものの失敗してしまう。が、次なる標的ルウム自治共和国近郊での艦隊戦(ルウム戦役)において、モビルスーツを巧みに利用した戦術により大勝し、連邦総司令官を捕縛することに成功する。その後の高度な政治上の力により、当の司令官レビル大将は連邦側に戻されるが、前述のコロニー落とし(ブリティッシュ作戦)の惨劇による異常なまでの戦争被害にもかかわらず、連邦とジオンは戦時協約を結ぶ(南極条約)に止まり、人類史上未曾有の惨劇をもたらした星間戦争(star wars)は続行されていく。 以上が安彦が描くまでに一度も劇画化されていなかった、機動戦士ガンダム の主要な舞台となる一年戦争以前のガンダム世界の時代背景の要旨である。
[編集] 見直しが行われた各種変更点
[編集] 設定の変更
地球連邦軍側のモビルスーツについては大きな設定の見直しが行われ、ガンタンクが10年以上前に量産化された大型主力戦車であり、ガンキャノンはザクIに対抗して開発・実戦投入された地球連邦軍初の量産型モビルスーツとされた。デザインはこの設定を前提に、原作のメカデザイナーであった大河原により見直されて安彦に提供されている。アニメ版において、地球連邦軍では当初宇宙戦艦ホワイトベースに搭載された3機の試作機しかモビルスーツが存在せず、それらばかりが活躍しているという点は不自然であるとしばしば指摘されていたが、安彦もインタビューで同様の認識を示して変更したものである。量産機であるため、物語の主な舞台となるホワイトベースにも、ガンタンクとガンキャノンは物語開始時点において複数が稼動可能な状態で搭載されている。
ジオン軍側でも、MS-04といった開戦以前のモビルスーツの登場や、アニメ版では量産が間に合わなかったとされていたゲルググのソロモン防衛戦への投入など、いくつかの変更点が見られる。アニメ版ではほとんどが試作機とされていたモビルアーマーの多くが実戦投入されていることも特徴[2]。
[編集] デザイン
主役機ガンダムや、ジオン軍側のモビルスーツについても安彦の考え[3]を元に、大河原がアレンジを施したデザインに変更されている。これらの大河原によるメカニックデザインは、あくまでも作画のための資料として描かれたものであり、安彦は必ずしもそのまま使っていない。それゆえ、ガンキャノンが3本指であったり、ガンダムがシールドを逆にマウントしていたりといった新設定も、それが見栄えしなければ随時オフィシャルなものに修正するなどといった柔軟性も本作の特徴である。また、同じ一年戦争のサイドストーリーである、『機動戦士ガンダム0080』や『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場したメカニックデザインも随所に取り入れている。
[編集] 物語の変更
ホワイトベースの乗組員も、冒頭の奇襲攻撃によりアニメ版ではブライト・ノア以外の士官が全滅しているという極端な状況であったが、本作では中尉以下の士官が相当数生存し、相応の役割を担っている。またホワイトベースの進路も、北米大陸からアジア、ヨーロッパへと地球を一周して南米を目指すのは不自然なので大陸沿いにジャブローに入ってから他を目指すよう変更されている。そのジャブローの位置も、アニメ版で設定されたアマゾン川流域は地盤が軟弱なため、そこに地下基地を作るのには無理があるとし、シェルターを兼ねられる様な固い岩盤があるギアナ高地の地下に再設定がなされている。ジャブローで大改装された後、ホワイトベースはベルファストでのミハル・ラトキエのエピソードを経てオデッサ・ディに参戦、その後再び宇宙に上がっている。なおオデッサ編にておいてマ・クベは宇宙へ帰還することなく地球で自決する。
登場人物の階級・地位も見直され、テレビ版では士官候補生、劇場版では少尉だったブライトが中尉となった他、ルナツー司令ワッケインが少佐から少将に、マ・クベが中央アジア・ヨーロッパ方面司令官・大佐からジオン軍地球侵攻軍総司令・中将に、といったように相当の階級に設定されている。地球方面軍司令官だったガルマは大佐のままであるが、マ・クベの部下で北米方面の司令官という扱いになっている(アニメ版のニューヤークではなく、ロサンゼルス駐留)。またアニメ版では軍人だったアムロの父テム・レイやミライの父(シュウ・ヤシマ)も民間企業の人間に変更されている[4]。
主人公アムロ・レイがガンダムの詳細を知ったのはアニメでは地面に落ちていた極秘マニュアルからであったが、本作では自宅にあった父テム・レイのパソコンをのぞき込んでいて偶然見つけ出したことになっているなど、アニメ版制作後に一般化した機器が劇中で活用されている。
[編集] エピソードの追加
ジャブローから出発する直前の時点で本編は一旦中断され、シャア・アズナブルとセイラ・マスの兄妹の過去を追う形で、アニメ版のみならずそれ以外の作品でもほとんど描かれることの無かった過去の物語が、作者独自の解釈によって描かれている。特に文字設定のみであったジオン共和国と地球連邦政府の対立から一年戦争開戦までの流れを、初めて一貫して描いている。
ジオン・ズム・ダイクンの遺児キャスバル(=シャア)、アルテイシア(=セイラ)兄妹とランバ・ラル親子との関わり、ザビ家がダイクン家に代わりサイド3の実権を掌握する過程、公国制を布いたジオンと地球連邦間の確執から来る緊張感、キャスバルが公国軍のエース「シャア・アズナブル」となった経緯、モビルスーツ開発前史、開戦からルウム戦役に至る一年戦争前半期などのエピソードが表現豊かに描かれている。
これらのオリジナルエピソードでは、安彦漫画で頻繁に見られる歴史物の政治劇や陰謀などの人間ドラマが緻密に描かれており、低年齢層向けであったアニメ版を基にして描かれたジャブロー編以前のパートよりも、更に作者本来の持ち味が反映されている。
[編集] その他
- 第1話のアムロ
- 作者は連載直前のインタビューで、「アニメ第一話のように、偶然コックピットが開いてアムロが乗り込んで、というのはおかしい。今度の連載ではそこも上手く演出する」と語っていた。このシーンは基本的にはアニメ版と同様の描写であるが、事前に得ていた情報により足にあるスイッチで自力でハッチを開け、乗り込むように変更されている。
- コアファイター
- さらに同インタビューにて、「コア・ファイターは玩具化のための設定。リアリティがないから使わない」と語り、当初コア・ファイターはガンダムに内蔵されていなかったが、ジャブローでガンダムを大改造する際にアニメよりも脱出ポッドシステムとしての色彩をより強めたものとして内蔵されている[5]。
- 作画のアレンジ
- 本編の作画に関しては、キャラクターは全員わずかだがアニメ版からアレンジされている。ランバ・ラルや黒い三連星などは等身が上がり、シャリア・ブルのように年齢も風貌も一新された者も居る。モビルスーツは戦車などの延長線上として全体的に低重心気味に太めでがっしりとした体形で描かれており、ゼータ以降に進んだ脚が長く腰高な現代風のスタイルとは一線を画している。
- キャラクターの年齢
- 本作では年齢もアニメ版とは異なっていて、ブライトらは25歳前後とされている[6]。これはアニメ版放映当時は、子供向けであるアニメにおいて二十歳を過ぎたキャラは“おじさん”扱いであり、キャラのほとんどを二十歳前後にしか設定できなかったことから見直されたものである[7]。
- 逆にアムロはあくまで大人になり切れない少年として描かれ、ソロモン戦を目前に強化されるガンダムが出動できないことに憤り、「ぼくのガンダムをいじるな」と駄々をこねるなど成長が見られない。
[編集] 本作オリジナルキャラクター&メカニック
[編集] 地球連邦軍
[編集] 人物
- ヴェルツ大尉
- ガンダム01号機のテストパイロット。サイド7に侵入したザク分隊を発見、応戦するが、ザクの核融合炉の爆発に巻き込まれ機体は大破、コロニー外に放り出される。
- ウィリー・ケンプ中尉
- ガンダム02号機(アムロの乗機)の正規のテストパイロット。自機に向かう途中でザクの攻撃により死亡。
- ラウル中尉
- ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。ランバ・ラル部隊との白兵戦において銃撃され戦死。
- ワッツ少尉
- ホワイト・ベースの生き残り士官の一人。まだ若く気弱な性格。ランバ・ラル襲撃で負傷し、その後やってきたマチルダによって搬送され、ホワイトベースから離れる。
- ベンジャミン・アダムス曹長
- ホワイト・ベース機関長。職人肌の中年男性。
- キム伍長
- ホワイト・ベース隊のガンタンクパイロット。ガルマ隊との交戦中に戦死。
- ニカウ、ヤン
- 共にホワイト・ベース隊のガンタンククルー。ニカウがパイロットでヤンはガンナー。ランバ・ラル隊との交戦で戦死。
- ダニエル・シェーンベルグ兵長
- ホワイト・ベース隊のガンキャノンパイロット。愛称はダニー。戦死したリュウ・ホセイに代わりガンタンクのパイロットを務める。ガンキャノンでテキサスコロニーに侵攻中、シャリア・ブルに乗機を撃破され、戦死する。
- 連載当初はまだ名前が決められていなかったため、読者公募で決められた。
- マグダレナ・ロッシ少尉
- ホワイト・ベース隊の技術担当仕官でオムル達の上官。
- エトゥル・ベオルバッチェ曹長
- ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。トルコ出身。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後、オデッサ戦にて戦死。
- ミカエル・ロドリゴ軍曹
- ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。愛称はドン・ミッチ。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後、ジブラルタルでの掃討戦で、シャアのザクと交戦し戦死。
- ウォン・チャン伍長
- ジャブロー所属のスレッガー小隊員でジムのパイロット。ホワイトベース隊に小隊ごと転属後、マッドアングラー隊に対しコアファイターで出撃するも、撃墜され戦死。
- リツマ曹長
- ホワイト・ベースの乗員で眼鏡の女性下士官。通信要員であるフラウ・ボゥの交代も行なう。
[編集] モビルスーツ
- RX-78-01/02 コードネーム「ガンダム」
- 地球連邦軍の試作MSの1号機および2号機。このうち2号機が一年戦争の展開を大きく左右していくことになる、本作の主役機となる。ビームライフルに加え右肩にバルカン砲、左肩にミサイル発射口2門を装備。更に左肩にショルダーキャノンを換装できる。サイド7では2号機に先行して開発された1号機も試験運用されていて、2号機との違いは機体色と頭部のツインカメラアイがジムのようなゴーグルアイであること[8]。連載当初は玩具的であるとの理由からコアブロックシステムが排除されていたが、ジャブロー編においてコアブロックシステム(コア・ポッド)が追加装備される描写がある。[9]。
- RX-77-01/02 「ガンキャノン」
- 連邦軍初の中距離支援用量産MS。ジオン公国のザクIに対抗して開発されたもので、開発者はテム・レイ。開戦前の初期型(01)は左肩にキャノン砲1門、右肩にバルカン砲を搭載し、マニピュレーターは3本指だった。開戦時(02)にはキャノン砲は両肩に装備されたが、マニピュレーターの変更はオデッサ編以後となっている。
- RX-75 「ガンタンク 」
- 開戦の10年以上前から連邦軍の主力戦車として、ムンゾ自治共和国駐屯軍等の連邦軍基地に配備されている長距離支援用兵器。頭部デザインの変更のほか、下半身部にハッチと前副砲が設けられている。
[編集] 艦艇
- 「ホワイトベース」(艦名)
- ペガサス級1番艦。本作の主要舞台となる艦艇。建造当初は対ジオン戦時協定を意図して、建前上、民生用補給艦として運用されていた。その為、本艦運用部隊は連邦軍の兵站要員達であり、艦の責任者パオロ大佐も、召集された予備役軍人という設定である。更に補給艦であることを徹底する為に2連装大口径メガ粒子砲は左右のドーム型の格納シェルターに隠れるよう装着されていた。が、実際はスペース・コロニー、サイド7にて実用テスト中の新型モビルスーツ「RX-78」プロトタイプ2機をジャブローに回送後、強襲揚陸艦に改装を前提とした汎用宇宙戦艦。艦の全長は250m前後という設定。ジャブローでの改装後、実弾主砲2門・後部ビーム砲2門(格納可能)及び、改装前に弱点であったと描かれている、対空防御機能を飛躍的に向上させた。全体的なデザインはアニメ版等より流線体形を帯び、重厚感ある船体デザインとなっている。また、主翼と尾翼、艦橋は可動式で環境に合わせて主翼と尾翼は折りたたむ、艦橋は艦内部へ引っ込めることが出来る。第一艦橋側面に連邦軍のエンブレムが描かれている場面もある。ペガサス級は2番艦以降多数の同型艦が増産されたとの設定で、オデッサ作戦時やソロモン戦時において数隻が描かれている場面がある。
- マゼラン級I(ルウム戦役・ルナツー配備艦)
- 大型宇宙戦艦。艦橋及び艦首、艦全体のフォルムは安彦独特のデザインとなっている。艦橋部の形状は4層から5層となっており、艦橋後部には大型対空機銃1基または2基を備え付けてある。艦後方部に副砲2門が描かれている艦もある。
- マゼラン級II(ソロモン戦以降)
- 特に艦橋部のデザインがアニメ版等に登場していたマゼラン・タイプと似通ったものとなった。ただし第一艦橋横のレーダー・アンテナは前方を向かせた様相となっている。
- サラミス級
- 宇宙巡洋艦。全長229mとムサイ級軽巡と共に唯一全長設定が明記されている艦。マゼラン級より先に開発された艦とされており、ジオン公国との開戦時には連邦軍「巡航艦隊」の主力艦とされ、公国軍のムサイ艦隊に敗れたと描かれている。
[編集] ジオン公国軍
[編集] 人物
- アッシュ軍曹
- サイド7に侵入したザク分隊の長。分隊を率いて偵察行動中にガンダム01号機と遭遇、果敢に挑むもビームライフルの直撃により爆死。
- ガルシア・ロメオ少将
- ジャブロー攻撃軍司令官。プライドが高くマ・クベを激しくライバル視しているが、実力はいまひとつ。司令部に私用のバーを作ったり女性を連れ込んだりと軍を私物化している面もある。
- シャアのもたらした情報に基づき大部隊を率いてジャブローを強襲、自ら移動砲台アッザムに搭乗しジャブローに攻め込むが、連邦側の陽動に引っかかって工事区画に誘い込まれ、落盤を起こされてあえない最期を遂げた。レビルには「定見の無い男」と酷評された。
- 「ガンダムエース」の元編集長古林英明がモデル。その憎めないキャラクターから読者の人気は高く、2004年8月28日にバンダイミュージアムでガルシア追悼式が行われている。
- ムラタ
- ジオン士官学校の生徒。シャアと同室だったがガルマに追い出される。武装蜂起事件の際にはシャアにフットボールのヘッドギアをプレゼント(シャアが着用するマスクとは別物)するが、跳弾により戦死する。
- ズビッチ
- マッドアングラー隊の量産型ズゴックのパイロット。ウォン伍長のコアファイターに右腕を破壊され、その後カイ・ミハルのガンペリーの対潜ミサイルで撃沈され戦死した。
- ネクラソフ少尉
- オデッサ作戦においてマ・クベの命によりレビル乗艦に核攻撃を仕掛けた攻撃機のパイロット。
- オチョア曹長
- 同機の爆撃手。小心者で対空放火に堪えられず予定タイミングより早く核ミサイルを発射してしまう。
[編集] モビルスーツ
- ザク
- ザクマシンガンはドラムマガジンから給弾ベルト式に変更(ただし、オデッサ編からはドラムマガジン式も登場)。右胸にガトリング砲1門、左腕に機関銃を2門装備。全体的にがっちりした体型になっている。ブレードアンテナはシャア専用機独自のものだったが、オデッサ編以降は通常機にも見られる。
- グフ
- ヒートロッド、ヒートソード、5連装バルカン砲はアニメ本作と同じだが、ヒートロッドは先端が割れて標的をつかんで電撃を流すことが出来る。オデッサの戦いでジオン軍が敗走する際、ブレードアンテナを装備していないグフが確認できる。
[編集] モビルアーマー
- ビグ・ザム
- 超巨大モビルアーマー。強力な磁気フィールドにより、マゼラン級戦艦の主砲「一斉射」にも耐えうる能力を有する。フル稼働状態では30分程度しか稼働出来ない機体での特攻描写を、安彦はスピーディーな場面展開で表現している。
[編集] 艦艇
- ムサイ級
- 宇宙軽巡洋艦。全長234mで連邦のサラミス級と共に唯一全長明記のある艦艇。その前身は宇宙輸送艦。モビルスーツを搭載させることができる艦が前提ということで、輸送艦の改装により誕生した経緯をもつ。ドズル中将座乗「ワルキューレ」、シャア少佐(一年戦争開戦時)座乗の「ファルメル」など、司令官に合わせて艦橋等を通常タイプに比べて大幅に改装された艦が存在すると描かれている。モビルスーツ格納庫は艦橋下から艦本体へと変更、艦橋後部に大型対空機銃を備えるとされている。
- ザンジバル級
- 汎用戦闘艦。標準装備として実弾主砲2門の他メガ粒子砲があるが、オデッサ駐留のマ・クベ中将に回送された1番艦にメガ粒子砲は未装備で、代わりに強力投光機となっていた。他に地球駐留軍巡検中におけるキシリア少将座乗の2番艦がある。
- 「空母」ドロス
- 巨大移動宇宙要塞。艦艇後部に6連あるドックは、1穴につきザンジバル級艦艇1隻はゆうに格納でき、同要塞下部の発着口はムサイ級軽巡が通れる大きさとして描かれている。
- 「グワジン」
- 「グレート・デギン」の異名を持つデギン公王専用の超大型宇宙戦艦。火力は連邦軍の戦艦マゼラン級を凌ぐ。艦上部の大型メガ粒子砲は8門と変更された。
- チベ
- ジオン軍上級士官の中でも少将級が乗艦するとされる宇宙「戦艦」。ムサイ級を上回る火力を持たされて一年戦争時に新造された艦である。火力・推力は連邦軍のペガサス級を凌ぐ。要塞ソロモンに配備されていた艦としては、コンスコン少将座乗艦及び「戦艦グワラン」があげられる。他グラナダのキシリア少将の座乗艦として「パープル・ウィドウ」がある。
[編集] 民間人
- アストライア・トア・ダイクン
- ジオン・ズム・ダイクンの妻でキャスバル・アルテイシア兄妹の生母。元はサイド3のナイトクラブ「エデン」の歌姫だったが、当時一介の政治活動家だったダイクンと恋仲になる。ハモンやクランプとも旧知の仲。ダイクン暗殺後はローゼルシアによって幽閉状態に置かれ、地球へ逃れた子供達のことを案じていたが、親子は再会することなく心労の為に半ば衰弱死するような形で病死し、このことがシャアを復讐へ走らせる動機になる。
- アニメ版製作当時の富野由悠季による構想を記載した通称「トミノメモ」に名前のみ登場していたが、本作で初めてその姿が描かれた。
- ローゼルシア
- ダイクン派の大物の女性。ダイクンの古くからの同志であり、彼を愛していたが子供を授からなかったことから、彼の子を産んだ故に妻となったアストライアを激しく嫉妬し憎んでいた。心臓の持病を抱えており、アストライア幽閉から間もなく発作で死亡。
- テアボロ・マス
- キャスバル・アルテイシア兄妹の養父でアナハイム社を商売敵とする実業家。旧知のジンバ・ラルのために地球に逃れてきた彼と兄妹を引き取る[10]。当初あまり乗り気ではなかったが、妻に先立たれて商売一筋に生きていた彼は、エドワウ・セイラの2人を実子同然に可愛がるようになり、2人を無理矢理担ぎ出してザビ家に反抗しようとするジンバに対して強く非難するほどになる。兄妹を監視していたザビ家によりジンバが暗殺された際、自身も重傷を負ってしまい子供達を守れない己の無力さを嘆くが、友人シュウ・ヤシマの薦めで、ザビ家に恭順の意志を示すため、サイド3に近く監視の目が届きやすい「テキサス・コロニー」へ移住する。しかし、ルウム戦役時の暴動の中、病状が悪化し息を引き取る。セイラはテアボロを父として強く慕っており、彼の死後感謝の言葉を述べている。
- シュウ・ヤシマ
- ミライ・ヤシマの父親でヤシマグループの長。テアボロの友人で、彼らの移住先として紹介したテキサス・コロニーの所有者でもある。それまで軍需産業を請け負っていたヤシマカンパニーを民生企業へ転換させ、その第一号としてサイド7の建造を進めていた。物語序盤のザクのサイド7攻撃により死亡。
- シャア・アズナブル
- テキサス・コロニー管理者の息子。エドワウ(キャスバル)と瞳の色を除いて瓜二つの容姿を持つ。
- ルウムの寄宿学校に通っていたが、ジオンのプロパガンダに影響されてジオン士官学校を受験、合格する。しかし入学のためジオンに向かう途中、キャスバルの策略により彼の身代わりで「エドワウ・マス(キャスバル)」として謀殺され、キャスバルは「シャア・アズナブル」になりすまして士官学校へ入学する。
- ロジェ・アズナブル
- シャア・アズナブルの父親でテキサス・コロニー管理者。温厚な人物で、ジオン士官学校に進学する息子に批判的。テキサス・コロニーでエドワウとセイラの正体を知る数少ない人物。ルウム戦役時に妻ミシェルと共にジオンに移住しようとするが、乗船したジオン行き宇宙船がシャア(キャスバル)の駆るザクに沈められて妻共々死亡。
- ユウキ
- サイド2の首都バンチ「アイランド・イフッシュ」に住む少年。日系の血が流れており、地球・日本への留学を控えていた。ブリティッシュ作戦時に自警団の一員として警備に就いていたが、ジオン軍の注入した毒ガスにより恋人のファン・リーと共に死亡。イフッシュは地球へのコロニー落としに使用された。
- ヤノマニ族
- ジャブローに古くから住んでいる原住民で、長老以外は現代語を話すことすらできない。自分達の住む土地に広大な基地を造った連邦軍を憎んでおり、連邦軍を追い出すというシャアの言葉に乗り、秘密の通路を教える。
- ちなみに、アマゾンにはヤノマミ族という一文字違いの部族が実際に居住している。
[編集] 単行本
[編集] 通常版
- 始動編
- 単行本第1巻 ISBN 9784047134539
- 激闘編
- 単行本第2巻 ISBN 9784047135031
- ガルマ編
- 単行本第3巻 ISBN 9784047135185
- 単行本第4巻 ISBN 9784047135451
- ランバ・ラル編
- 単行本第5巻 ISBN 9784047135574
- 単行本第6巻 ISBN 9784047136113
- ジャブロー編
- 単行本第7巻 ISBN 9784047136472
- 単行本第8巻 ISBN 9784047136809
- シャア・セイラ編
- 単行本第9巻 ISBN 9784047137141
- 単行本第10巻 ISBN 9784047137462
- 開戦編
- 単行本第11巻 ISBN 9784047137714
- 単行本第12巻 ISBN 9784047138056
- ルウム編
- 単行本第13巻 ISBN 9784047138506
- 単行本第14巻 ISBN 9784047138834
- オデッサ編
- 単行本第15巻 ISBN 9784047139206
- 単行本第16巻 ISBN 9784047139879
- ララァ編
- 単行本第17巻 ISBN 9784047150751
- 単行本第18巻 ISBN 9784047151451
- ソロモン編
- 単行本第19巻 ISBN 9784047152601
[編集] 愛蔵版
- I 始動編 - ISBN 9784048538091
- II ガルマ編 - ISBN 9784048539630
- III ランバ・ラル編 - ISBN 9784048540940
- IV ジャブロー編 - ISBN 9784048541954
- V シャア・セイラ編 - ISBN 9784048543392
愛蔵版は通常版の2巻分を1巻にまとめ、連載時のカラーページをカラーのまま収録してある。ただし、通常版第2巻収録の激闘編1-4は、始動編5-8と章名が変更になっている
[編集] 参考文献
- 角川書店「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック」, 2004 ISBN 9784047136441
- 角川書店「安彦良和対談集 アニメ・マンガ・戦争」, 2005 ISBN 9784048538664
[編集] 脚注・出典
- ^ 『安彦良和対談集 アニメ・マンガ・戦争』(角川書店)
- ^ 地上の移動要塞としてアッザム、ソロモン防衛戦で拠点防衛用に配備されていたザクレロなど。
- ^ 例えばザクについては「兵器なのだから、マシンガンの弾薬を使い尽くした後、近接戦用のヒートホーク以外の武装が徒手徒拳しかないということはないだろう」と言う趣旨の発言をしている。
- ^ テムの勤務先としてアナハイム社も登場している。
- ^ 本作ではジャブロー以前にコア・ファイターが汎用戦闘機として登場しており、それとの差別化のため、この内蔵機は「コア・ポッド」と呼ばれている。
- ^ ただしシャアははっきりと一年戦争開戦時、士官学校卒の22歳とされた。
- ^ ただし、これら引き上げられた年齢設定は、正式に数字での発表はされていない。本編の中で、おおよその年齢が推定できるような描写がされている。
- ^ 本来ならプロトタイプガンダム(RX-78-1)にあたる機体である。これは、安彦がプロトタイプガンダムの存在を知らずに新たに1号機を登場させたため。「公式ガイドブック」でも、プロトタイプガンダムの存在を知らなかったことを仄めかしている。
- ^ 当初はコアファイターの代替として操縦席部分のみが射出される脱出装置を使用する予定であり、大河原によるデザイン画が描かれている。
- ^ この時、キャスバルとアルテイシアは名前がエドワウとセイラに変わる。
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最終更新 2009年10月26日 (月) 05:31 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【機動戦士ガンダム THE ORIGIN】変更履歴




