機動戦士Oガンダム
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『機動戦士Oガンダム』(きどうせんしオーガンダム[1])は、月刊OUT1986年3月号に掲載された架空作品の企画記事、およびその後2期に渡り誌上連載された小説。Oの意味として、記事に「ガンダムを超えた"規格外"(アウター)ガンダム」とある。
どちらにも、ガンダムセンチュリーに見られるような「設定」をめぐる遊びが見られた。
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[編集] 記事
1986年3月号の記事は『機動戦士Oガンダム・光のニュータイプ』のタイトルで掲載された。
雑誌の冒頭、「機動戦士ガンダムΖΖ」の紹介記事の前の部分にフルカラー8ページに渡ってセル画を背景に、監督インタビュー[2]、キャラクター設定、声優紹介、主題歌の歌詞、関連商品(プラモデル、小説)紹介に至るまで、本物同然に製作されていた。「副通エージェンシー」「目本サンライズ」「名吉屋テレビ」と微妙に文字を変えた著作権表示を記事の隅に入れる凝りようであった。
「ごめんなさい!これがホントのΖΖです」という見出しとともにその後に本物の「ΖΖ」の記事が2ページあり、こちらには創通エージェンシー・日本サンライズ・名古屋テレビによる本物の著作権表示が付いている。
この記事が掲載された号が発売されたのは1986年1月下旬で、「機動戦士Ζガンダム」の結末と後番組についてはまだ十分な発表がなされていない段階であった[3]。新旧の番組の移行期を狙って「ウソの新番組紹介」として世に出たものである。この記事の掲載に先立って、『OUT』では3ヶ月にわたり「耳よりニセ情報コーナー」と題して「重合金マジンガイム」(「重戦機エルガイム」+「マジンガーZ」)、「機動忍者隊ガッチャムF」(「Ζガンダム」+「科学忍者隊ガッチャマンF」)、「超獣戦艦NEWダンクーガ完結編」(「超獣機神ダンクーガ」+「宇宙戦艦ヤマト 完結編」)といった、当時と過去のアニメをミックスしたフェイク作品の設定資料が(実際の設定資料紹介記事と同じ体裁で)掲載されており、前もって布石を打っていたと見ることができる。
なお、「Oガンダム」がオーでオミクロンでないのは、Ζガンダムがゼットではなくゼータである事が当時のアニメファンの間で一種のネタになっていたことと、掲載誌のOUTに掛けたことが背景にある。Oガンダム自体も、敵側が開発したものを奪い、そのまま主役機として使用するという、当時としては珍しい設定となっている(同じ経歴を持つ機体は、「機動戦士Zガンダム」のガンダムMk-IIや「機動戦士ガンダムSEED」のフリーダムガンダムなどが存在する)。また、Oガンダムには「パイロットのニュータイプ覚醒を促すフィードバックシステムを搭載している」という、メインタイトルである「光のニュータイプ」の意味を示すキーワードが隠されるなど、硬派な設定が掲載されていた。
なお、OガンダムはΖガンダム同様に後半の主役機であり、序盤はのΖガンダムから可変機能をオミットした、ΖガンダムMk-IIなる機体を主人公は操縦するとされている。
[編集] 記事の概要
新生エゥーゴと、アクシズを継ぐ「スーパー・ジオン」との戦いを描く。
「スーパー・ジオン」は、ハマーン・カーンの弟であるカーン・ジュニアが総統として率いており、その傍らにはクワトロ・バジーナと同型のサングラスをした謎の女性、アルテイシア少佐がいる。
Ζガンダム終盤で行方不明になったシャア・アズナブルも謎のモビルスーツパイロットとしてスーパー・ジオンと敵対する。
[編集] 小説
1987年6月号から『機動戦士Oガンダム 音声多重アウトサイドストーリー』、1988年2月号から『機動戦士OガンダムII』のタイトルで連載された。作者は霜月たかなか、イラストは江口勇(1987年6月号〜)、南田操(1988年2月号〜)。
フェイク企画の「Oガンダム」から一年以上経った後、新たに『OUT』誌上で「Oガンダム」の小説連載が開始された。
内容や設定は以前のものとは別物となり、物語も、過酷な運命を背負った主人公兄妹の逃避行が中心となった。しかしながら、設定や構成は綿密に作られており、本家ガンダム小説にも劣らない出来に仕上がっている。また、本家の設定と照らし合わせて読んだり、独立した物語として読んでも楽しむことができる。ただし単行本は発売されておらず、『OUT』のバックナンバーを購入するしか読む方法はない。年月が経過している現在ではバックナンバーを購入することは困難なため、幻のガンダム小説となっており、小説復刻・単行本発売を待たれる状態である。
内容は、武士道精神を(大幅に誤解した上で)基軸に据えた新勢力と、「マイナスのニュータイプ」を持つゆえに敵に追われ、流浪を余儀なくされる兄妹の物語である。この小説で登場するOガンダムは、兄妹が敵から逃げるために奪ったモビルスーツという設定となっている。
主人公側は上記のような設定のため、雰囲気が重く暗いイメージがあるが、敵側の飛び抜けた設定(作中で「ブシドー!」と兵達が歓呼したり、モビルスーツの型名が「ブシ」、「コムソ」、「ダイミョウ」だったりするなど。これらのモビルスーツは同じスピンオフ作品である「Gの影忍」同様、時代劇に登場する武士や忍者などの姿をアレンジしたデザインになっている)により独特の世界を展開、重い雰囲気を感じさせないストーリー展開となっている。また、明らかなパロディ設定として、スペースコロニーは慣性で自転しておらず、「コロニー回し」と呼ばれる作業によって回っていることになっている。
なお、タイトルの「音声多重」とはページの下の部分に脚注のような形で解説の「副音声」が記されていたことに由来する。
[編集] 主な登場人物
- タロ・アサティ
- 本編の主人公。ΖΖガンダムの主人公ジュドー・アーシタの姓を「明日」と読んで、「明後日」(あさって)の意で名づけられている。
- ファナ・アサティ
- タロの妹。兄のタロと合わせて「太郎と花子」から取られた名前と考えられるが、「副音声」では「ファナティックのファナ」と揶揄されている。
- バトゥール・C・サルタン
- 元ジオン公国軍人。ジ・オウンの雇われパイロットとしてタロと敵対する。
- モビルスーツのエースパイロットであるが、敵(地球連邦軍)以上に味方をも撃墜しているため、「ジオンの自殺点」「ジオンの石崎」との異名を持つ。
- また、姓のサルタンに因んで、「赤い流星のシャー」というあだ名もある。
- その正体は、ΖΖガンダムには登場しなかったとある重要人物である旨が示唆されているが、明言はされていない。
- ヨイトモ・ミナモト
- ジ・オウン軍総帥。タロ、ファナ兄妹の実の父親でもある。
- ヴィナン・ユキノジョウ
- ヨイトモ・ミナモト亡き後に、ジ・オウン軍残党を率いる。火星そのものを地球にぶつけるという「火星落とし」計画を実行しようとする。
[編集] 設定
- ジ・オウン (The Own)
- 火星コロニーに本拠を持ち、武士道精神を(大幅に誤解した上で)基軸に据えた勢力。
- 地球連邦に対し、各コロニー政府を藩とした幕藩体制への移行を要求し、宣戦を布告した。
- ニューロ・タイプ
- ニュータイプが精神、認識を身体の外部に広げて知覚力を向上させるのに対し、自身の内部へ向け、その思考力、判断力や判断速度を極限まで上げることが出来る人類。
- ただ、その発現状態は、薄ら笑いを浮かべながらモビルスーツの操縦を行うといったものであり、「呪われたニュータイプ」との呼称もある。
[編集] メカニック
- Oガンダム
- Grand Dummy(大型ダミー)計画(通常のモビルスーツよりはるかに巨大なハリボテのモビルスーツによって敵の戦意をくじくという計画)のために製造されたモビルスーツ。本体は通常モビルスーツのサイズであるが、大型のハリボテを動かすだけの出力を持ち、また加速力や機動性にも優れる。
- ブシ
- ジ・オウンの主力モビルスール。ザクIIに酷似しているが、肩アーマーや脚部アーマーが肥大化しており、裃のシルエットになっている。
- なお、ジ・オウンの武士道精神に基づき、銃器は持たず、武装はヒート剣のみ。
- 野戦用のノブシなどのバリエーションも存在する。
- コムソ
- ブシの頭部を円筒形のレーダードームに換装した偵察型モビルスーツ。尺八の形状をしたビームサーベルを主武器とする。
- ダイミョウ
- 重モビルスーツ。携帯するヒート剣がブシよりも多い。
- トヤマ
- ジ・オウン軍の旗艦である宇宙戦艦。乗員の給与が他の艦よりも厚遇されているため、「超時給戦艦」の異名を持つ。
- なお、ジ・オウン軍は船に「山」の名前を付けるのが慣習となっている。
[編集] その他
- 1988年から1992年にかけてサイバーコミックスで『アウターガンダム』というタイトルの作品が掲載されたが、同様に「規格外(アウター)ガンダム」を冠する本作とは無関係な作品である。
- 2007年から2009年にかけて放送された、『機動戦士ガンダム00』に「Oガンダム(オーガンダム)」という機体が登場するが、本作のOガンダムとは設定も物語の背景も異なっている(詳細は「機動戦士ガンダム00シリーズの登場兵器#第1世代ガンダム」を参照)。また、『00』の登場人物には「ミスターブシドー」と呼ばれる人物が登場しているが、『00』に携わった黒田洋介はミスター・ブシドーのルーツを、『バトルアスリーテス 大運動会』の登場人物ミスター・ミラクルからの着想であると明かしているものの[4]、本作については何も語っていない。
[編集] 脚注
- ^ Oはラテン文字の「オー」。
- ^ 名前は「大富野哲悠季」で、編集長である大徳哲雄が扮した写真が掲載されていた。
- ^ これより前に発売されたアニメ雑誌では「機動戦士ガンダムΖΖ(仮)」といった形で報じられていたが、雑誌媒体での第一報後にタイトルが変更されることはしばしばあった。
- ^ 水島精二 & 黒田洋介. 藤津亮太によるインタビュー. セカンドシーズン&劇場版製作記念 今だから言えるぶっちゃけ対談. 『月刊アニメージュ』2009年5月号第2付録 FINAL BOOK MOBILE SUIT GUNDAM 00、徳間書店. 2009年5月10日発行.
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最終更新 2009年8月21日 (金) 15:35 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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