欧州宇宙機関
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欧州宇宙機関(おうしゅううちゅうきかん、ESA: European Space Agency)はヨーロッパ各国が共同で設立した、宇宙開発・研究機関である。設立参加国は当初10カ国、現在は17カ国が参加している。
目次 |
[編集] 概説
本部はフランスに置かれ、その活動でもフランス国立宇宙センター (CNES) が重要な役割を果たし、ドイツ・イタリアがそれに次ぐ地位を占める。主な射場としてフランス領ギアナのギアナ宇宙センターを用いている。
人工衛星打上げロケットのアリアンを開発し、アリアンスペース社(商用打上げを実施)を通じて世界の民間衛星打ち上げ実績の約半分を占め、スペースシャトル、デルタ、アトラスといった有力な打ち上げ手段を持つアメリカと肩を並べる存在である。
また欧州連合とは密接な協力関係を有しているが、ESA は欧州連合の機関ではない。
[編集] 設立までの経緯
西欧諸国では、当初は個々の国、特に英国やフランスで独自に宇宙開発を行っていたが、それでは米ソの熾烈な競争から生まれる成果に対抗できないため、欧州共同の開発計画が組織された。まず1964年に欧州ロケット開発機構 (European Launcher Development Organization,ELDO) を設立し、打上ロケット(ヨーロッパ1およびヨーロッパ2)の開発を進めるが、難航した。また、欧州宇宙研究機構 (European Space Research Organization,ESRO) では、打上はアメリカに依頼することで、探査機や人工衛星の研究開発を行っていた。しかし、より効果的な宇宙開発計画の実現を目指して、1975年、欧州各国はESAを設立するとともに、新しい打上ロケットとしてアリアンの開発を推進し、1979年にアリアン1ロケット初の打上に成功、以後アリアンスペースを設立して打上ビジネスに参入した。
また、人工衛星による地球観測や、惑星など太陽系内の天体観測のための探査機の研究開発にも力を入れ、アメリカ航空宇宙局(NASA)との共同研究も行っている。
ESAは有人宇宙船を有しておらず、有人宇宙飛行を行なっていない。1970年代よりスペースシャトルのような再利用打上機を検討し、1987年からはエルメスを計画した。1995年就役を目指し、エルメス打上げにも利用できるアリアン5も開発した。しかし、冷戦の終結や開発費用の問題により、エルメスはキャンセルされた。2000年代にはCSTSによる輸送も検討されたが、これも中止されている。現在では国際宇宙ステーションにスペースシャトルを利用して参加している。
主力のアリアンを補完する打上げシステムとして、低軌道用のヴェガの開発も行っている。
[編集] ESAの参加国
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† 設立時の参加国 |
上記以外にチェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニアが協力国 (ECS: European Cooporating State) として加わり、エストニアとスロベニアが協力協定に調印している。またカナダは1979年から特別協力国の地位を持つ。カナダ宇宙庁はESAの意思決定に参画している[1]。
[編集] 予算
ESAの予算は2005年度は€29.77億で2006年は €29.04億であった[2]。ESAの予算の大部分はロケットの開発である(22%の予算がロケットにつぎ込まれており、有人飛行が次に多い)。2005年は負担額の大きい3カ国が全体の2/3を負担しており、その内訳はフランス (29.3%)、ドイツ (22.7%)、イタリア (14.2%) である[3]。
2005年12月に行われた予算編成会議では重要な会合が持たれた。ロシアのクリーペル計画に€5000万の予算は認められなかった[4]。
| 参加国 | 必須 Contr. |
選択 Contr. |
計 (単位:百万€.) |
計 (%) |
|---|---|---|---|---|
| 15.63% | 31.55% | 778.8 | 27.97% | |
| 23.41% | 21.45% | 614.8 | 22.08% | |
| 12.88% | 14.59% | 397.9 | 14.29% | |
| 16.93% | 5.91% | 239.3 | 8.59% | |
| 2.83% | 7.37% | 167.4 | 6.34% | |
| 6.87% | 5.76% | 169.0 | 6.07% | |
| 3.40% | 3.49% | 97.3 | 3.49% | |
| 4.43% | 2.87% | 90.9 | 3.26% | |
| 2.61% | 2.11% | 62.5 | 2.25% | |
| 2.26% | 0.87% | 33.7 | 1.21% | |
| 1.70% | 1.02% | 33.2 | 1.19% | |
| 1.82% | 0.78% | 28.8 | 1.03% | |
| 1.37% | 0.54% | 20.7 | 0.74% | |
| 0.95% | 0.30% | 12.8 | 0.46% | |
| 1.40% | 0.21% | 12.7 | 0.45% | |
| 1.50% | 0.12% | 12.5 | 0.43% | |
| 0.21% | 0.13% | 4.2 | 0.15% |
- ESAの予算のうち 5% はカナダなどの第3者・機関から拠出される。
[編集] ESAの宇宙計画
[編集] 実施済
- スペースラブ スペースシャトル搭載の宇宙実験室。1983年~1998年実施。日本の向井千秋も搭乗。
- ジオット ハレー彗星探査機。1985年~1986年。
- ハッブル宇宙望遠鏡 アメリカ航空宇宙局 (NASA) との共同開発。1990年~活動中。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が後継機として計画中。
- ユリシーズ 太陽極軌道観測機。NASAとの共同開発で1990年打上げ。
- SOHO 太陽・太陽圏観測衛星。NASAとの共同開発。1995年~活動中
- ホイヘンス NASAの土星探査機カッシーニから土星の衛星タイタンに降下。1997年打上げ~2004年降下、探査成功。
- アルテミス 通信技術試験衛星。2001年打上げ
- マーズ・エクスプレス 火星探査機。2003年初に打ち上げ、年末に火星に到着した。
- ロゼッタ 彗星探査機。2004年打上げ。
- ビーナス・エクスプレス 金星探査機。2005年打ち上げ。
- 国際宇宙ステーション 実験棟コロンバスの提供。
- 国際宇宙ステーションへの補給機 欧州補給機の打上げ。
- COROT 太陽系外惑星探査衛星。2006年12月27日打ち上げ、トランジット法による太陽系外惑星探査専門衛星。
- プランク衛星 アメリカ航空宇宙局が打ち上げ観測に成功したWMAP衛星の後継観測衛星。アリアン5型の大きさを活用して、太陽-地球系のL2点に静止した大型衛星で観測的宇宙論観測を行う。
- ハーシェル宇宙望遠鏡 波長60から670µmの赤外線を観測、口径3.5m。2009年5月14日にプランク衛星と相乗りで打ち上げ。
[編集] 計画中
- ガリレオ 欧州版GPS。計画中
- オーロラ計画 有人・無人太陽系探査計画。当初、2030年までの火星有人飛行が目的とされた。
- LISA 重力波宇宙望遠鏡。2010年にテスト衛星LISA パスファインダーを打ち上げ、2015年に本衛星を打ち上げ観測を行う。2009年現在、NASAと共同開発中。
- ベピコロンボ 水星探査機。日本の宇宙航空研究開発機構との共同開発。ESA側では、水星面の撮像を行う探査機の開発及び打ち上げロケットの確保・管制などを実施。2013年打ち上げ予定。
- ダーウィン (探査機) 3機の宇宙望遠鏡を編隊飛行させて太陽系外惑星の観測を行う計画。2015年以降の打ち上げを予定。
[編集] 計画中止
- エルメス 再利用可能な有人宇宙往還機。欧州版スペースシャトルだったが、計画中止。
- EUSO計画 実験棟コロンバスに設置する予定の高エネルギー線観測用望遠鏡。2008年現在、打ち上げ待機中。日本の理化学研究所、NASAとの共同開発。
[編集] 脚注
- ^ http://www.esa.int/esaCP/Pr_39_2000_p_EN.html
- ^ ESA Portal - ESA and the EU
- ^ Figures regarding the ESA budget and the three biggest contributors to it. [1]
- ^ ESA Portal - ESA and the EU
[編集] 関連項目
[編集] 関連サイト
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最終更新 2009年10月11日 (日) 08:43 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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