欧州統合

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風に靡く欧州旗
欧州評議会と欧州連合で用いられ、欧州統合のシンボルの1つとされる。

欧州統合(おうしゅうとうごう)とは、ヨーロッパ諸国あるいは部分的にヨーロッパである国が政治的、法律的、経済的に、また場合によっては社会的、文化的に統合していく過程。今日において、主に欧州統合はストラスブールを中心とした欧州評議会と、ブリュッセルルクセンブルクに拠点を置く欧州連合といった枠組みで進められている。

目次

[編集] 歴史

数世紀にわたっていくつかの欧州統合の形態が提唱されてきた。アリスティード・ブリアンは1930年に出版した著書 Memorandum on the Organization of a Regime of European Federal Union において、フランス政府に対してヨーロッパの統合体のためのヨーロッパの政府という形態で、20世紀最初の統合の提案をしている。

[編集] 欧州評議会

第二次世界大戦後の荒廃や苦難といった状況、また融和の必要などから1949年、欧州統合の概念の下でストラスブールにおいて欧州評議会が創設された。ウィンストン・チャーチルチューリッヒ大学における講演でヨーロッパ合衆国の建国と欧州評議会の創設を求めていた。

欧州評議会の最も重要な達成とされるのが1950年の人権と基本的自由の保護のための条約(欧州人権条約)であり、その後ストラスブールに欧州人権裁判所が設置され、欧州人権裁判所は事実上ヨーロッパ全土における人権と基本的自由を司る最上級の裁判所となっている。また人権については欧州評議会の拷問禁止委員会や欧州社会憲章においても保護されている。

欧州協議会での協定のほとんどは汚職資金洗浄、スポーツにおけるドーピングサイバー犯罪といった司法共助などの法制面での統合を進めることが目的となっている。

文化協力については1954年の欧州文化条約や、少数言語の保護に関するもののほか、大学における研究やディプロマの認証に関する協定などが制定されている。

ベルリンの壁崩壊後、中央東ヨーロッパの旧共産圏諸国が欧州評議会に加盟し、欧州評議会はヨーロッパの47か国で構成されるようになった。なおベラルーシについては非民主的政府が存続しているとして除外されている。これにより欧州評議会の枠組みではヨーロッパ大陸全土を包含する統合がなされたことになる。

欧州評議会の枠組みにおける欧州統合は、閣僚間協議や議会間での活動などの政治協力に加えて、欧州評議会における条約・協定への加盟国の締結などでなされている。1949年の創設条約により欧州評議会は人権民主主義といった共通の価値観の下で加盟国の統合が進んでいる。

[編集] 欧州石炭鉄鋼共同体

1951年、ヨーロッパの一部の国は自国の鉄鋼と石炭の生産に関する権限について、ルクセンブルクに設置する欧州石炭鉄鋼共同体 (ECSC) に授権することで合意した。

石炭と鉄鋼の生産は第二次世界大戦後のヨーロッパ諸国において復興に不可欠とされ、また各国経済におけるこの部門は2つの世界大戦において重要な意味合いを持っていた。そのためフランスは当初、1949年にドイツ連邦共和国西ドイツ)が建国された後も州内の鉄鋼会社とともにザールラント州占領を継続していた。新設される ECSC に石炭と鉄鋼の生産に関する国家権限を移管することにより、 ECSC の加盟国間で透明性と信用を得ることができるようになった。

「共同体」への国家権限の移管と共同体最高機関(委員会)による権限行使は、1957年のローマ条約によってブリュッセルに新設された欧州原子力共同体 (Euratom) と欧州経済共同体 (EEC) においても同様になされ、その後今日において欧州連合 (EU) と呼ばれる形態になっている。

この動きにおける重要人物とされるのはジャン・モネであり、「欧州連合創設の父」とも評される。試行錯誤を繰り返して ECSC は EU へと進化し、 EU は欧州統合における大きな勢力となっている。

[編集] 欧州連合

単一通貨ユーロ硬貨紙幣
EU では経済通貨統合が進められ、2002年からは硬貨・紙幣が発行された。

欧州連合域内の市民のほか、 EU の機構、欧州議会議員、欧州司法裁判所判事、欧州委員会委員と委員会職員、加盟国政府はすべて欧州統合の役割を果たしている。しかしながら欧州統合に関してはその役職や組織についてさまざまな理論があり、域内において疑問視する声があがっている。

[編集] 統合に関する理論

民族国家間の戦争をいかに回避するかということは統合を論じるにあたって欠かせないものである。交流主義では民族国家体制の安定のための要件の理論化が模索される一方で、連邦主義機能主義では民族国家の抑制が提唱されている。欧州統合に最も影響を及ぼす理論のひとつに新機能主義があり、これはエルンスト・ハースが1958年に提唱し、1963年にレオン・リンドバーグがさらに研究を進めたものである。新機能主義とリベラル的な政府間主義との間での重要な議論は、 EU の発展と挫折を理解するうえで今もなお中心的な役割を持っている。しかし経験的世界は変化し、またそれに合わせて理論や欧州統合への理解も変化した。今日では EU の複雑な政策決定に焦点があてられ、またマルチレベル・ガバナンス論では EU の機能と発展に関する理論を作り出すことが模索されている。

[編集] 欧州統合の展望

統合の過程には固定化された最終結論が存在していない。統合や欧州連合の拡大は国家レベルにおいても地方レベルにおいてもヨーロッパ政治において大きな課題である。統合は国家主権や文化面でのアイデンティティと対立しうるうえ、欧州懐疑論者からは反発する意見も出されている。しかしながら汎ヨーロッパ的思想は現在も多くの汎ヨーロッパ主義の市民から創出されている。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月19日 (木) 17:49 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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