歩荷
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歩荷(ぼっか、ボッカとも)は、運送形態の1種で、背中に荷物を背負って人間が目的地まで直接徒歩で運搬すること。また、運搬者そのものを指す。また、歩荷を職業とする人のことは強力(ごうりき)とも呼ぶ。
一般に背中に梯子のような形をした荷台(背負子)をつけ、それに箱詰めした荷物を何段にも重ねて乗せて運搬する。1回の運搬量は数十キログラムになることもしばしばである[1]。現在の日本においてはほとんどの歩荷は男だが、かつては女の歩荷も特に珍しくはなかった。
運送の形態としては原始的で、かつては日本ではどの地方でも見られたが、自動車などの交通具の普及や道路・鉄道の発達、人件費の高騰などから徐々に減少した。20世紀後半には山小屋など、直接自動車道路がない場所に物資を運搬するときのみに使用されている。しかし、山小屋でもヘリコプターによる輸送が可能になり、現在、恒常的に歩荷を専門の職業とする人を見ることができるのは、尾瀬の尾瀬ヶ原地区と白馬岳の夏山期のみとされている。
ただし、山小屋の従業員やアルバイト従業員が臨時に歩荷の仕事をすることは、現在でも各地の山域で見られる。
科学的な目的として、かつては山岳の山頂に測量のための標石を設置する際にも歩荷が行われていたが、昨今では新たに標石を設置・交換することは稀であり、歩荷の機会そのものが減っている。ただし測量の際には技術者が山頂まで徒歩で機材を運ぶことがあり、歩荷の機会が完全になくなったわけではない。また、山岳での高層気象観測も機会が減りつつある上に、山小屋と同様に多くの場合はヘリコプターによる輸送に切り替わっている。
[編集] 脚注
- ^ 日本では多くの強力が活躍していた富士山や立山では、100キログラムを超える荷物を背負って標高3000メートル程度の高所まで登る者も存在した。新田次郎の「強力伝」は、標高2932mの白馬岳山頂に重さ50貫目(約180kg)の風景指示盤を運んだ強力の実話をもとに書かれている(小説であり多少の脚色はあるものの)。

