民主党の派閥
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本項では日本の民主党の派閥(みんしゅとうのはばつ)について記す。報道では民主党のグループと呼称されることが多い。
目次 |
[編集] 概要
民主党は、政策信条、出身政党、支持母体に基づいた党内集団を形成している。報道では自由民主党の派閥各グループが通常、その時々の領袖の名を取って「○○派」と呼称されるのに対し、民主党の派閥(グループ)は通常「○○グループ」と呼称される。このなかでは、旧社会党に所属していた議員は旧総評の、旧民社党に所属していた議員たちは旧同盟の、そして、旧自由党に所属していた議員は小沢一郎個人の影響が強く、これに菅直人グループを加えた4グループの結束力は比較的強い傾向があるといわれる[1]。
また、グループとしてまとまって党の役職を求めていくといった活動をあまり行っておらず、グループのリーダーがメンバーを養うという自民党の派閥のような様相をあまり呈していない。そのため、多くのグループではトップダウンの命令型でグループ内の意思を統一させるのが難しく、代表選においても一般世論と同様に政策や印象を個人で判断して投票先を決める議員が多い。実態は「どの派の考え方が時流に沿っているかによって支持を決める中間派が大多数」ともいわれる[2]。 ただし、第45回衆議院議員総選挙では小沢に近いといわれる新人議員が大量当選し(小沢チルドレン)、また、民主党が与党となったことから今後派閥の在り方に変化が生じる可能性も指摘されている。
「小鳩体制」と呼ばれた鳩山政権発足時の色分けは、党の実権を握っている小沢と協調している小沢グループ、鳩山グループ、横路グループ、川端グループ、羽田グループが主流派、小沢に距離を置く前原グループ、野田グループが非主流派、双方と微妙な距離を取っていた菅グループが中間派とみられていた。
菅政権になると一転して、代表選で菅を支えた菅グループ、前原グループ、野田グループが「主流三派」と呼ばれることになり、これと相対した小沢グループ、鳩山グループ、樽床グループが非主流派となり、横路グループ、川端グループ、羽田グループが中間派となった。また、これらの代表選を通じて、いざという時の「数」の大切さを認識した前原グループなどがさらに結束を固めるべく、自民党の派閥さながらに毎週会合を持つようになるなど「派閥化」の兆候も見られるようになった。さらに、小沢鋭仁グループ、平野グループ、原口グループ、玄葉グループなどの中間派が相次いで形成された。
野田政権では主流三派に加え、玄葉グループと代表戦後に発足した鹿野グループが主流派入りを果たした。さらに党内融和を計るため、中間派、非主流派からも要職を起用している。
[編集] 主な集団
[編集] 政権交代前から存在するグループ
政権交代前から概ね出身党派や世代に基づくグループの形成がなされている[3]。旧民主党系のグループとしては旧さきがけ右派中心の鳩山グループ、左派中心の菅グループ、旧社会党系の横路グループ、中堅・若手の前原グループ、護憲派の平岡・近藤グループがあり、政治的立場はリベラルな傾向にある。一方、旧新進党系のグループとしては旧自由党系の小沢グループ、旧民社党系の川端グループ、旧民政党系の羽田グループ、松下政経塾系の野田グループがあり、政治的立場は比較的保守的な傾向にある。
| 名称・通称 | 中心人物 | 備考 |
|---|---|---|
| 新しい政策研究会 小沢グループ |
小沢一郎 山田正彦 東祥三 |
自由党出身議員らで構成された旧自由党グループ、中堅・若手衆議院議員らで構成された一新会、新人衆議院議員らで構成された北辰会、参議院議員らで構成された木曜会、これらを統合した超党派の新しい政策研究会など、小沢を支持するグループの総称。 |
| 政権公約を実現する会 鳩山グループ |
鳩山由紀夫 海江田万里 松野頼久 |
日本新党・新党さきがけ・市民リーグから合流した旧民主党右派や、新進党出身議員などを母体とする保守派グループ。 |
| 国のかたち研究会 菅グループ |
菅直人 江田五月 岡崎トミ子 |
日本新党・新党さきがけ・社会民主党から合流した旧民主党左派や、民主改革連合出身議員などを母体とするリベラル派グループ。 |
| 新政局懇談会 横路グループ |
横路孝弘 輿石東 赤松広隆 |
日本社会党・社会民主党から合流した旧民主党左派を母体とするリベラル派グループ。旧社会党グループとも呼ばれ、旧総評系労組を支持基盤とする。 |
| 民社協会 川端グループ |
川端達夫 田中慶秋 直嶋正行 |
民社党・新進党・新党友愛出身議員を母体とする中間派グループ。旧民社党グループとも呼ばれ、旧同盟系労組を支持基盤とする。 |
| 政権戦略研究会 羽田グループ |
羽田孜 渡部恒三 北澤俊美 |
新生党・新進党・民政党出身議員を母体とする保守派グループ。 |
| 凌雲会 前原グループ |
前原誠司 仙谷由人 枝野幸男 |
松下政経塾出身議員や、日本新党・新党さきがけから合流した旧民主党出身の中堅・若手議員などを母体とするリベラル派グループ。 |
| 花斉会 野田グループ |
野田佳彦 藤村修 蓮舫 |
松下政経塾出身議員や、日本新党・新進党出身の中堅・若手議員などを母体とする保守派グループ。 |
| リベラルの会 平岡・近藤グループ |
平岡秀夫 近藤昭一 生方幸夫 |
護憲派の中堅・若手議員らにより構成されたリベラル派グループ。新党さきがけ・社会民主党から合流した旧民主党左派を中心とする。 |
[編集] 政権交代後に発足したグループ
政権交代後、鳩山政権下ではグループの形成の動きは特になかったが、菅政権成立後には中堅・若手議員らにより多くのグループが形成されている。2010年(平成22年)の内に、6月の代表選における樽床支持派を中心に樽床グループ[4]が結成された一方、非主流派に転じた鳩山グループから小沢鋭仁グループ[5]と平野グループ[6]が自立し、独自の活動を開始した。2011年(平成23年)に入ると菅おろしが本格化し、中堅の有力議員を担ぐ形で原口グループ[7]と玄葉グループ[8]が結成された他、若手・新人議員らによるグループの結成も相次いだ。さらに、8月の代表選における鹿野支持派を中心に鹿野グループ[9]が結成された。この内、樽床グループ、小沢鋭仁グループ、平野グループ、原口グループは比較的小沢グループに近いとされる。
なお、これらのグループの他に、個別的政策に焦点を絞った主張を掲げるグループも形成されている。2010年(平成22年)の菅政権下では、韓国併合に関する菅談話に批判的な保守派議員らにより、松原仁を中心とする日本国研究会が結成された[10]。2011年(平成23年)の野田政権成立後には、馬淵澄夫を中心とする原子力バックエンド問題勉強会、小沢鋭仁と馬淵を中心とする円高・欧州危機等対応研究会が結成された[11]。
| 名称・通称 | 中心人物 | 備考 |
|---|---|---|
| 21世紀国家ビジョン研究会 小沢鋭仁グループ |
小沢鋭仁 五十嵐文彦 大谷信盛 |
小沢鋭仁を支持する中堅・若手議員らで構成された中間派グループ。小沢グループ・鳩山グループ出身議員を中心とする。 |
| 青山会 樽床グループ |
樽床伸二 松本剛明 三井辨雄 |
2010年6月代表選で樽床を支持した中堅・若手議員などで構成された中間派グループ。小沢グループ・鳩山グループ出身議員を中心とする。 |
| 雄志会 平野グループ |
平野博文 松原仁 小泉俊明 |
平野を支持する中堅・若手議員らで構成された中間派グループ。小沢グループ・鳩山グループ出身議員を中心とする。 |
| 日本維新・V-democrats 原口グループ |
原口一博 山岡賢次 川内博史 |
原口を支持する中堅・若手議員らで構成された超党派グループ。小沢グループ・鳩山グループ出身議員を中心とする。 |
| 「日本のグランド・デザイン」研究会 玄葉グループ |
玄葉光一郎 平野達男 山口壮 |
玄葉を支持する中堅・若手議員らで構成された中間派グループ。小沢グループ出身議員や菅グループ出身議員などが混在している。 |
| 国益を考える会 | 吉良州司 長島昭久 |
若手議員らで構成された保守派グループ。 |
| メロスネット | 津島恭一 城井崇 |
若手議員らで構成された中間派グループ。 |
| 礎会 | 石津政雄 森本和義 |
第45回衆院選で初当選した新人議員らで構成された中間派グループ。 |
| 素交会 鹿野グループ |
鹿野道彦 大畠章宏 前田武志 |
2011年代表選で鹿野を支持した中堅議員や農水系議員などで構成された中間派グループ。羽田グループ出身議員や菅グループ出身議員などが混在している。 |
[編集] 各グループ代表者の所属党派の変遷
参考までに各グループ代表者の所属党派の変遷を以下に示す。なお、平岡秀夫と平野博文は1998年(平成10年)の新民主党発足後に入党しているため図中に含まれていない。
| 日本社会党 横路 |
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新党さきがけ 鳩山・菅・近藤・玄葉 |
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日本新党 前原・野田・小沢鋭仁・樽床 |
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自由改革連合 鹿野 |
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民社党 川端 |
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新生党 小沢一郎・羽田・原口 |
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無所属 前原・小沢鋭仁 |
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無所属 野田 |
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太陽党 羽田 |
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フロム・ファイブ 樽床 |
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国民の声 原口・鹿野 |
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新党友愛 川端 |
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自由党 小沢一郎 |
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[編集] 各グループの所属人数の変遷
前述のように、民主党のグループは自民党の派閥に比べ緩やかな組織であるため、報道機関は人数に曖昧さを持たせて表現することが多い。以下では各グループの所属人数の変遷を記載する。
- 2009年民主党代表選挙時
- 2009年5月の民主党代表選時の報道では、朝日新聞は、「小沢氏の支持グループが約50人、鳩山氏の支持グループが約30人、前原氏の支持グループが約20人、野田氏の支持グループが約20人、菅氏の支持グループが約20人、旧民社党が約25人、旧社会党が約20人」と報じ[12]、時事通信社は、「鳩山氏系が約30人、小沢氏系が約50人、羽田氏系が約15人、旧社会党系が約20人、旧民社党系が約20人、前原氏、野田氏それぞれを支援するグループが計約45人、菅氏のグループが約30人」と報じている[13]。
- 第45回衆議院議員総選挙直後
- 第45回衆議院議員総選挙を経て党所属議員が大幅に増加した。総選挙直後の各グループの所属人数は、朝日新聞によると、概数で小沢グループが150人、鳩山グループが45人、野田グループが35人、菅グループが30人、前原グループが30人、旧民社党グループが30人、旧社会党グループが30人、羽田グループが20人となっている[14]。また産経新聞によると、小沢グループが約120人、鳩山グループが約45人、菅グループが約40人、前原グループが約30人、野田グループが約30人、旧社会党系が約25人、旧民社党系が約20人となっている[15]。
- 2010年6月民主党代表選挙時
- 2010年6月の民主党代表選挙の際の報道では、日本経済新聞社によると小沢グループが120人、鳩山グループが50人、野田グループが30人、菅グループが60人、前原グループが30人、旧民社党グループが40人、旧社会党グループが30人と報じられている[16]。
- 2011年民主党代表選挙時
- 2011年8月の民主党代表選挙の際の報道では、日本経済新聞社が複数のグループに所属する議員もいるとの但し書きをつけた上で、小沢グループが約130人、菅グループが約50人、前原グループが約50人、旧民社党グループが約40人、鳩山グループが約40人、野田グループが約30人、旧社会党グループが約30人と報じている[17]。
[編集] 脚注
- ^ 2006年4月6日付朝日新聞夕刊
- ^ 2005年7月18日付日本経済新聞
- ^ “■明快図説■民主党の党内人脈図”. 毎日新聞. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “樽床氏グループ、定期的な会合で活動継続”. 読売新聞. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “小沢環境相ら新グループ 鳩山前首相の引退表明受け”. 47NEWS. 共同通信社. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “平野氏グループ、政治団体に=「足場固め」の見方―民主”. 朝日新聞. 時事通信社. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “原口氏「維新連合」設立へ=準備会合に50人出席―民主”. 朝日新聞. 時事通信社. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “玄葉氏支持議員35人が勉強会、グループ発足か”. 読売新聞. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “裏切り、投降…グループ再編の動き 民主、ますます自民化”. 産経新聞. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “民主・松原議員ら、日韓併合談話で抗議文”. 読売新聞. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “「小沢鋭仁・馬淵連合」 首相の増税路線に赤信号点滅”. 産経新聞. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “民主代表選 鳩山氏が優位、岡田氏は参院に照準”. 朝日新聞. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “新代表、午後に決定=優位保つ鳩山氏、追う岡田氏-民主”. 時事通信社. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ 2009年9月3日付朝日新聞
- ^ “「小沢グループ」120人に 最大派閥に強まる警戒感 (4)”. 産経新聞. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “「菅首相」強まる 人事巡り枝野氏と協議”. 日本経済新聞社. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
|archivedate=を指定した場合、|archiveurl=の指定が必要です。 エラー: この日付はリンクしないでください。]] - ^ “民主の各グループ、結束訴え 代表選へ動き急”. 日本経済新聞社. ( エラー: この日付はリンクしないでください。]]). エラー: この日付はリンクしないでください。]]時点によるアーカイブ。. エラー:
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[編集] 関連項目
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