水メタノール噴射装置

水メタノール噴射装置の最新ニュースをまとめて検索!

水メタノール噴射装置(みず - ふんしゃそうち、Water Methanol injection)は、主に過給機レシプロエンジンの出力を向上させるための装置である。

[編集] 概要

熱機関は熱サイクルの低温熱源と高温熱源の温度差が大きい程効率が良く、内燃機関は吸気温度が低い程効率が良い。そのため吸入気に水を噴射しその気化熱によって吸入気を冷却し、効率を上げる装置が水メタノール噴射装置である。過給機付きのエンジンの場合は、加給された吸気は温度が上昇するため、特に必要とされる。航空用エンジンで用いる場合、高空での凍結を防ぐ目的でメタノールが混ぜられる為、水メタノール噴射と言う。第二次世界大戦期において枢軸国側の航空用エンジンに多く用いられた。ドイツではMW 50等が使用されていた。同様の役割を持つものとしてインタークーラーがある。

過給圧を上げればエンジン出力も上がるが、空気は圧縮されると高温になる性質があるため、過給圧の上げすぎはエンジンノックが発生し、最悪の場合はエンジンブローにつながる恐れがある。これを防ぐには、アンチノック性の高い燃料を使う・吸気温度を下げる、などの対策が必要である。第二次大戦期において、連合国側の航空機用ガソリンは100~120オクタン程度のオクタン価があったが、枢軸国側はせいぜい90オクタン前後であったため、枢軸国側では入手不可能の100オクタン燃料は「91オクタン燃料プラス水メタノール噴射」で代用することとなり、大戦末期の日本軍の航空機用エンジンには、軒並み水メタノール噴射装置の装備が試みられた。

[編集] 特徴

メリット

  • オクタン価の低い燃料でも比較的簡単に最大過給圧を上げることができる。

デメリット

  • 装置不使用時はデッドウエイトとなる。(100kg程度)
  • 噴射ポンプの性能の問題で各シリンダーに均等に噴射できない場合が多く、激しい振動が発生する。
  • シリンダー内の腐食、整備性の悪化など稼働率に与える影響

上記のようなデメリットの為、現在では完全にインタークーラー(+ハイオクガソリン)にとって代わられている。

[編集] ジェット機での採用

水メタノール噴射装置は上述の通り、主にレシプロエンジンで用いられたが、ジェットエンジンでの使用が試みられた例がある。F-4戦闘機において、エンジンに水メタノール噴射装置を付加する事によって、最大速度M3.2、巡航速度M2.7を目指した。しかしながら、F-4戦闘機の高性能化が可能であるという事実がF-15戦闘機の開発に悪影響を与えるのではないかという懸念と、水噴射の安全性と信頼性が問題視され、開発は中途で頓挫した。

最終更新 2009年10月25日 (日) 04:54 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【水メタノール噴射装置】変更履歴

ご利用上の注意