水中毒
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水中毒(みずちゅうどく、Water Intoxication)とは過剰の水分摂取により生じる低ナトリウム血症を起こす中毒症状である。
人間の腎臓が持つ最大の利尿速度は16ミリリットル/分であり、これを超える速度で水分を摂取すると体内の水分が過剰となり細胞の膨化をきたし低ナトリウム血症を引き起こす。
目次 |
[編集] 症状
血液中のナトリウムイオン濃度の低下に伴って以下のような症状が出る
- 130mEq/Lで軽度の疲労感が出始める
- 120mEq/L以下で頭痛、嘔吐、精神症状
- 110mEq/Lに近づくと性格変化や痙攣、昏睡
- 100mEq/L以下になると神経の伝達が阻害され呼吸困難などを引き起こし死亡する
[編集] 原因
水分の過剰摂取が直接の原因である。
水中毒は統合失調症の患者に多いことが知られており、これは詳しいことは不明だが抗精神病薬の副作用とバソプレッシンの持続的分泌が関係するという説がある。この説では、抗精神病薬の長期投与によって視床下部の口渇中枢およびバソプレッシン分泌細胞のドーパミン受容体感受性が亢進する。このため口渇とバソプレッシン促進によって腎臓からの水分再吸収が盛んになり血漿浸透圧が減少するが、ナトリウムの再吸収は行われないため低ナトリウム血症を引き起こすとされる。
抗精神病薬を服用していなくとも、極端な水分の摂取をすれば水中毒は起こり得る。例としては、2007年1月12日に、カリフォルニア州サクラメントでラジオ局が主催した「排尿を我慢して大量の水を飲むことを競う」イベントにて、水中毒による死者を出してしまったことが挙げられる。7.6リットルの水をトイレに行かずに飲み干した28歳の女性が翌日に死亡し、検死の結果、水中毒であることが判った[1]。
下痢などで激しい脱水症状を起こした時に、スポーツドリンクを大量に与えると、特に乳幼児において、水中毒を惹起することがある。これは、病的脱水時の水補給には一般的なスポーツドリンクではナトリウム濃度が低すぎ、低ナトリウム血症となることが原因である。病的な脱水時には経口補水塩を用いるべきである。
[編集] 治療法
- まず厳重な水分の摂取制限と水排泄促進
- 原因疾患を特定して治療
- 心因性多飲症によるものの場合、その原因の解明、解決
- 尿崩症に対する薬物治療(DDAVP)が原因の場合、薬剤の中止
[編集] ヒト以外の動物における水中毒
輸液において、低張性電解質の過剰投与により水中毒を引き起こすことがある。また、子牛においては水の過剰摂取を原因とした一過性に血色素尿を排泄する疾患が存在する。
[編集] 参考文献・脚注
- 現代臨床精神医学
- 獣医学大辞典編集委員会編集『明解獣医学辞典』チクサン出版、1991年 ISBN 4885006104
- ^ ニューヨークタイムズ記事などによる。このときの商品が任天堂のWiiであった。また、米紙ロサンゼルス・タイムズにおいては、2002年のマラソン大会でも、マラソン後に水を大量に摂取して死亡した人の事例があり、それを機に危険性が知られてきたとの内容が伝えられている。

