水洗式便所

水洗式便所の最新ニュースをまとめて検索!

水洗式便所

水洗式便所(すいせんしきべんじょ)は便所の形態の一つ。または便所の洗浄方式を指す。

便器に水道管を接続して、流水により便器内の排泄物を洗浄するため、汲み取り式便所に比べ衛生的で安全である。また、簡易水洗式便所と比べ、汲み取りの手間が省けて保守が簡便である。現在は、山間部や排水の水質基準が厳しい地域などの浄化槽下水道を利用できない地域を除き、広く普及している。関東地方近畿地方などの大都市圏では下水道普及率の上昇に伴い、大部分の便所が水洗式となっている。 水勢がある洗浄方法なので排泄物を隅々まで落とし、ほとんど臭いがしない。場合によっては無臭の場合もある。

排泄物は下水道が設置されている地区では下水道に、設置されていない地区では浄化槽で処理後に排水路に放流する。浄化槽の場合は内部に分解された汚泥がたまるために年に1回から2回程度汲み取る必要があり、また処理をするためのバクテリアの補充などのメンテナンスを必要とする。

目次

[編集] 歴史

[編集] 日本

  • 奈良県の纒向(まきむく)集落では、勢いよく水が流れる溝を作り水洗トイレにしたとされている。
  • 藤原京の遺構からも水洗トイレの跡が見つかっている。
  • 戦国時代では、武田信玄が水洗トイレを使っていたとされる。信玄が用を足した後、鈴を鳴らすと家臣が水を流す方法であった。

[編集] 世界

[編集] 洗浄方式

下へ行くほど溜水面が広く、臭いも少ないが、便器の価格は高くなる。

便器」も参照

[編集] 洋式

[編集] 洗い落とし式

水勢のみを利用して汚物を排出する方式。安価で構造も簡単であるが、洗浄時に水はねや、やや大きい洗浄音が発生しやすい。洋式便器の登場期には主流であったが、現在は採用例が減ってきている。

[編集] セミサイホン式(TOTO)、ネオボルテックス式(主にINAX

洗い落とし式の改良版。水勢と渦作用を組み合わせて汚物を排出する方式。洗い落とし式より溜水面が広く、洗浄音も抑えられている。TOTOの床排水便器でのセミサイホン式はサイホン作用を利用する。 また、ネオボルテックス式はTOTOでは「ニューボルテックス式」と呼称し、パブリックトイレ向け便器の一部で使用されている。

なお、上記2方式は主に標準(レギュラー)サイズの便器で用いられている。

[編集] ワイドボルテックス式(INAXのみ)

ネオボルテックス式と構造は同じだが、溜水面がサイホン式と同等に大きくなっている。広義のセミサイホン/ネオボルテックス式に含まれる。排水芯が床上155mmのマンション向け取替専用大型便器において、2006年4月から採用された。マンション用の場合、排水芯高さの関係でサイホン式を導入しにくいため、このような方式にならざるを得ない。

なお、TOTOも2006年10月にマンションリフォーム用に新しい洗浄方式を導入している。

[編集] サイホン式

排水路を屈曲した形状とすることでサイホン現象を発生させ、その吸引作用で汚物を排出する方式。汚物がすぐ水中に沈むため、臭気が発散しにくい。以前は洗い落とし式に比べ価格が高めで高級機との位置づけだったが、日本人の体格向上により大型便器が好まれるようになったこともあり、現在では水洗トイレの主流となっている。

[編集] サイホンゼット式

基本構造はサイホン式に準じるが、排水口近くにあるゼット孔からの水勢を利用し、より強力なサイホン作用を発生させて汚物を排出する方式。溜水面はかなり広く、汚れが付着しにくい。使用水量が多いため(1960年代は20リットル、のちに13リットル)、パブリック用では比較的以前から多く採用されていたが、住宅用では10リットル以下への節水化が進んだ1990年代以降に普及。現在、TOTOの住宅用では比較的多く採用されている方式。使用水量はゼット孔からの水が7割を占め、上部からの水は3割程度である。

[編集] ブローアウト式

基本構造はサイホンゼット式に準じるが、ゼット穴からの吐水を強めた洗浄方式。素早くサイホン作用を発生させ、洗浄速度が速くなる反面、一定以上の水圧が必要なので、水道直結式のフラッシュバルブとの組み合わせが必須である。そのため、ビルの高層階等では使用できない場合がある。洗浄音はやや大きい。

[編集] サイホンボルテックス式

サイホン式の一種であるが、ゼット穴ではなく排水口横に設けた穴から溜水面内に、渦を巻くように静かに水流を起こすことにより、サイホン作用と渦作用を組み合わせて汚物を排出する方式。タンク一体型のワンピース便器で採用されている。サイホン作用中もタンクから排水口に水が流れることから空気の巻き込む音がほとんど無く、洗浄音はきわめて静かである。溜水面をきわめて広く取れることから便器内への汚れの付着もほとんどない。しかしながらその構造上洗浄水量が多く、節水便器としにくい面もあることから、最近ではサイホン式/サイホンゼット式を採用したワンピース便器に取って代わられる傾向にある。

[編集] 水道直圧式

[編集] シーケンシャルバルブ式(TOTO)、ダイレクトバルブ式(INAX)

水の流れを、洗浄→排出→水溜めの3ステップに分けて汚物を排出する方式。水道直結式であるタンクレストイレで採用されている。タンクへの水溜め時間がないため、連続使用が可能。溜水面はサイホンゼット式に近く、洗浄水はゼット口と便器上部から出る点も同じ。ただし、電気的制御のため、停電時などにはハンドルで手動で水を流す必要がある。また、水圧の低い場所では使えない欠点もあり、INAXの「サティス」ではそれを補うために「低流動圧対応ユニット」がオプションで用意されている。TOTO、INAXとも最新モデルは大6リットルでの洗浄が可能になっている。TOTOの「シーケンシャルバルブ式」は一部カタログの表記では「サイホンゼット式」に含まれることもある。                                                

[編集] ターントラップ式(パナソニック電工)

水の流れを、洗浄→排出→水溜めの3ステップに分けて汚物を排出する方式。トラップを可動式とし、電気式制御を行う。パナソニック電工の高級機種にて採用されている。このタイプも大6リットルでの洗浄が可能。

[編集] ハイブリッドエコロジーシステム(TOTO)

「シーケンシャルバルブ式」をベースに水道直圧式と小型タンクを組み合わせ、水道から直接流れてきた水はボール内の洗浄に、内蔵タンクからの水はポンプで加圧してゼット穴部分から勢いよく噴出させる新洗浄方式。これにより従来タンクレストイレが使えなかった水圧の低い場所(戸建て2階、マンションの高層階、高台など)でも使用可能になっている。「ネオレストハイブリッドシリーズ」で採用。大4.8L・小4Lでの洗浄が可能である。

[編集] 和式

[編集] 洗い出し式

金隠し下に排水口を、便器後ろ側の便鉢部分には浅い水たまりをそれぞれ設け、使用中は汚物をいったん便鉢部分にためてから、水勢で汚物を排出する方式。洋式の洗い落とし式に似ているが、汚物が空気に触れるため臭気が発散しやすい。また、洗浄音もかなり大きい。しかし、構造が簡単な上、洗浄水量が少なめで済むことから、和式便器の主流となっている。

[編集] 洗い落とし式

洋式の洗い落とし式と同じ構造。最近では、寒冷地対応品(寒冷地仕様)程度にとどまっている。

[編集] サイホンゼット式

洋式のサイホンゼット式と同じ構造。使用中に汚物が水中に沈むとき、水はねが発生しやすい。洗浄水量が多いため、現在は生産されていない。

[編集] ブローアウト式

洋式のブローアウト式と同じ。サイホンゼット式よりも洗浄水量が少なくて済むため、サイホンゼット式に代わって採用されている。主に公共施設で使用されている。

[編集] 給水の形態

[編集] フラッシュバルブ式

水道管に直接、バルブ操作後一定時間水の流れるフラッシュバルブを取り付け、便器に給水する方式。簡便でコンパクト、かつ使用水量も少ないという利点があり、反面、水道の圧力が低いと使えない上、フラッシュバルブ動作時の騒音が大きいという欠点がある。また凍結による破損にも弱い。日本では昭和50年代頃から関東以南の商業施設や工場、あるいは学校などの水洗便所で多用されたが、前述の欠点に加えメーカーも一般家庭向けの製品をラインアップしていなかったため、戸建・集合とも住宅での採用率は低かった。給水機構としては、これを改良したものが「シーケンシャルバルブ式」や「ダイレクトバルブ式」である。

[編集] タンク式

専用のタンクにあらかじめ注水しておき、バルブ操作によって洗浄水を放出する方式である。タンクに一定量の水を貯える方法はいくつかあるが、現代日本においてはフロートバルブを使用する方法が一般的である。タンクの形状や配置によっていくつか種類がある。

[編集] ハイタンク式

天井に近い位置にタンクを置き、給水管を伸ばして床面の便器へ給水する方式。8時だョ!全員集合コントシーンを連想させることから、俗にドリフとも呼ばれる。かつては落差が大きい方が洗浄力で有利とされていたことから、戦前期から昭和50年代中ごろまで圧倒的多数を占めていた。しかし、メンテナンス性の悪さ、設置時の制限、イニシャルコストが高いなどの欠点があったため、以降は急速にロータンク式へと置き換えられた。現在は既存の旧い建物でわずかに見られる。また、水道圧が確保できない際に、押しボタンで遠隔操作するバルブを使用して見かけだけ直圧式にした隠しハイタンクが若干だが存在する。陶器の他に、日本での水洗便所普及初期や、戦時中などに木製のタンクが製造されていた。

[編集] ロータンク式

便器のすぐ上、人間の腰元程度の高さにタンクを置き、直下の便器へ給水する方式。タンク上部を洗面器にしておき、給水される水を手洗いに使用することもできる。かつては便所の室内のコーナーに壁かけ、ハイタンク式同様給水管で便器と接続する隅付ロータンクが主流だったが、ハイタンク式が新たに作られなくなり互換性の必要がなくなったこと、ステンレスまたは真鍮のパイプが露出することに対する美観の問題、占有する面積が大きくなることなどから、便器とタンクを一体化したワンピース便器が主流となった。その後、昭和60年代から近年まで家庭用水洗便所の殆どを占めた。
この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

[編集] その他の方式

水洗便所でありながら、落下式便所(ボットン便所)である、トンネル式便所と言う方式も存在する。

最終更新 2009年11月21日 (土) 05:59 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【水洗式便所】変更履歴

ご利用上の注意

もっと調べる!