江田船山古墳

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江田船山古墳
位置 北緯32度58分16.63秒
東経130度36分0.02秒
所在地 熊本県玉名市和水町江田
形状 前方後円墳
規模 全長62m、高さ10m
築造年代 5世紀-6世紀初頭
被葬者 ムリテ、他
出土品 銀象嵌銘大刀、銅鏡など(国宝)
史跡指定 1951年昭和26年)国史跡
  

江田船山古墳(えたふなやまこふん)は、熊本県玉名郡和水町(旧菊水町)に所在する清原(せいばる)古墳群の中で最古・最大の古墳で、日本最古の本格的記録文書である75文字を銀象嵌(ぎんぞうがん)で記した大刀が出土したことで有名な前方後円墳である[1]。国の史跡に指定されている。

目次

[編集] 概要

この古墳は、5世紀末から6世紀初頭に築造されたと推測され、墳丘長62メートル[注 1]あり、盾形の周濠をもつ。古墳は1873年(明治6年)以降発掘が続けられ[2]、豊富な副葬品が出土している。これらの多くは東京国立博物館に所蔵され、1965年(昭和40年)に国宝に指定されている[2]

古墳の周りには、短甲[3]を着けた武人の石人が配置されている。このような古墳の周りに石人・石馬を配置するという独特の型式は、石人山古墳[4]に始まり、6世紀前葉の岩戸山古墳[5]で最盛期を迎え、以後、消滅する。この岩戸山古墳が527~8年にヤマト政権(継体朝)と闘って敗北した筑紫君磐井の墓である。江田船山古墳も筑紫君一族の配下に連なって地域の中首長の墓であったことが想像できる。なお、最近の研究では、この古墳には通算三人が埋葬されたと考えられている[1]

[編集] 鉄刀銘文

  • 台(治)天下獲□□□鹵大王世、奉事典曹人名无□(利ヵ)弖、八月中、用大鉄釜 并四尺廷刀、八十練、□(九ヵ)十振、三寸上好□(利ヵ)刀、服此刀者、長寿、子孫洋々、得□恩也、不失其所統、作刀者名伊太□(和)、書者張安也(東野治之)
  • この銘文の読み方や内容、意義等については鉄剣・鉄刀銘文の項目を参照。

発掘以来、ペガサス水鳥の模様と一緒に鉄刀に刻まれている銀象嵌の銘文にある「獲□□□鹵大王」は、を「蝮(たじひ)」、を「歯」と読んで、反正天皇(多遅比瑞歯別尊)と長い間推定されてきたが、1978年に埼玉県行田市稲荷山古墳から出土した金錯銘鉄剣に、「獲加多支鹵大王」という文字が発見されたことから、この文言は「ワカタケル大王」と読むことが分かった。ワカタケル大王は、雄略天皇に比定されている。この東西日本の古墳から同じ王名を刻した太刀が見つかったことは、ヤマト王権の支配が広域に及んでいたことを示す[2]

被葬者のムリテは雄略の宮廷で役所に勤務する文官「典曹人」として仕えた。また、東国の稲荷山古墳の被葬者ヲワケは宮廷の親衛隊長「杖刀人首」として仕えた。5世紀中葉以降のヤマト政権は、各地域社会から出身の大・中・小首長達を宮廷に出仕させ、王権が直接掌握し、倭社会を統治していたことが考えられる。

[編集] 副葬品

金銅製冠帯金具2、金銅製冠帽1、金銅製帯金具1、金銅製飾履(しょくり)1足、金製垂飾付耳飾2対、金鐶1対、銅環鈴1、金銅斜交文飾金具残欠一括、金飾金具残欠8
  • 武器・武具類
大刀、剣、鉾などの刀剣類23口(銀象嵌銘大刀含む)、銀製刀装具類一括、鉄鏃一括、衝角付冑1、横矧板鋲留短甲1、横矧板革綴短甲1、革綴頸甲(あかべよろい)1
  • 馬具類
金銅装鏡板付轡(くつわ)、鉄轡、鉄輪鐙
  • 玉類
硬玉勾玉1、石製勾玉2、ガラス勾玉2、碧玉管玉24、銀製丸玉1箇、ガラス玉一括
  • 陶質土器(蓋碗、提瓶残欠)

※多数の中国・朝鮮系の遺物が含まれていることが注目される。

[編集] 史跡指定

1873年(明治6年)、地元の人物・池田左十が夢でお告げを受けて古墳を掘り、多くの副葬品を見つけたことが、江田船山古墳発見の端緒となった。明治政府は白川県(現:熊本県)と交渉の上、発掘品を左十から当時の金額90円で買取り、博覧会事務職(現:東京国立博物館)に移した。[1]

整形をなし、しかも特殊な外観を示し、後円部に組合式家形石棺が置かれ、とくに銀象嵌銘の鉄製環頭大刀が出土したところから古代文化を知るきわめて重要な遺跡として1951年(昭和26年)6月9日、国の史跡に指定された。

なお、1975年(昭和50年)に実施された江田台地一帯の確認調査の結果、幅約20メートルの周濠が墳丘をめぐる事実が判明したため、翌1976年(昭和51年)6月30日には、近接する坊主古墳および虚空蔵塚古墳が国の史跡に追加指定されている。

[編集] 注釈

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  1. ^ 周囲掘削によって、現在はより小さくなっている。『街道の日本史51 火の国と不知火海』p70

[編集] 脚注

  1. ^ 岩本税、島津義昭、水野公寿、柳田快明 『新≪トピックスで読む≫熊本の歴史』 弦書房、2007年、32。ISBN 978-4-902116-85-4
  2. ^ 松本寿三郎、吉村富雄 『街道の日本史51 火の国と不知火海』 吉川弘文館、2005年、第一刷、70-72。ISBN 4-642-06251-3
  3. ^ 上半身を守るよろい
  4. ^ 筑後市、130メートル
  5. ^ 八女市、132メートル

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年10月18日 (日) 09:38 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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