沈まぬ太陽

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沈まぬ太陽』(しずまぬたいよう)は、山崎豊子原作のフィクション小説、および、それを原作としたフィクション映画である。

目次

[編集] 作品概要

国民航空(モデルは日本航空)社員で同社の労働組合委員長を務めた主人公、恩地元(実在の日本航空元社員・小倉寛太郎モデル)が受けたとされる不条理な内情を描き、人間の真実を描いたという作品。 フラッグ・キャリアの腐敗と、単独機の事故として史上最悪の死者を出した日航機墜落事故をベースにとりあげ、人の生命に直結する航空会社の社会倫理を表現した作品である。 フィクションであるので、事実とは異なる部分がある。

なお、『週刊新潮』に連載中、日本航空は機内での雑誌販売のサービスの際、『週刊新潮』の機内搭載を取りやめている[1]

本作は、以下の三編からなる。

[編集] アフリカ篇

作中の現在は1971年(昭和46年)11月13日午後(ケニア時間)より。恩地の年齢は40歳。

国民航空ナイロビ支店に勤務する恩地を中心に物語は進行する。国民航空の労働組合委員長として経営陣と対立し、カラチテヘランナイロビの足掛け8年の左遷人事により「流刑」となった経緯と作中の現在に至るまでが、回想形式で描かれている。一方、大学の同輩であり副委員長として恩地を蔭ながら支えてきた行天は、出世街道を歩む。

[編集] 御巣鷹山篇

作中の現在は1985年(昭和60年)8月12日18時24分頃(日本時間)より。恩地の年齢は54歳。

10年の左遷に耐え、日本に帰還した恩地は東京本社で閑職に就かされていた。「国航ジャンボ墜落事故」により、救援隊・遺族係となった恩地を中心に物語は進行する。他の2編とは色合いを異にする。

[編集] 会長室篇

作中の現在は1985年(昭和60年)12月より。恩地の年齢は54ないしは55歳。

政府は国民航空の再建を期し、国見正之を会長に据えた新体制をスタートさせた。会長室の部長に抜擢された恩地と会長の国見を中心に物語は進行する。国民航空の腐敗体質の温床となった存在や、その背後の黒幕についても描かれている。

[編集] 連載

1995年から1999年まで週刊新潮で連載し3部構成を出している。

  • 第1部:1995年1月5日号~1996年4月11日号
  • 第2部:1997年1月2・9日号~1997年10月9日号
  • 第3部:1998年1月1・8日号~1999年4月11日号

[編集] 既刊一覧

1999年に単行本での出版を経て、新潮文庫から全5巻で刊行されている。

[編集] 映画

沈まぬ太陽
監督 若松節朗
製作総指揮 角川歴彦
製作 「沈まぬ太陽」製作委員会
脚本 西岡琢也
出演者 渡辺謙
三浦友和
松雪泰子
鈴木京香
石坂浩二
音楽 住友紀人
撮影 長沼六男
編集 新井孝夫
配給 東宝
公開 日本の旗2009年10月24日
上映時間 202分
製作国 日本
言語 日本語
IMDb
  

2009年10月24日公開。若松節朗監督、渡辺謙主演。3時間22分と長時間の作品であり、上映途中に10分間の休憩が入る[2]

小説の内容から映像化は困難といわれていた。2000年徳間康快大映社長が、東映との共同制作で映画化を発表したものの、徳間社長が死去したため実現しなかった[2]2006年5月には、角川ヘラルド映画(現・角川映画)によって2008年夏公開を目指し製作されることが発表されるなど、何度か映画化の話が持ち上がったが、実現していなかった。また、同じ著者による『白い巨塔』を二度にわたって映像化したフジテレビが2009年の開設50周年にあわせてテレビドラマ化するという企画があったが、立ち消えになっている。しかし、2008年12月、角川映画は、2009年秋公開として正式に映画化を発表した。角川ヘラルドに吸収合併された旧・大映の社員が奔走し、映画化にこぎつけたという。2009年2月にイランロケでクランクイン[2]。アフリカなどでの撮影も行われ、日本の空港シーンはタイの空港を利用して撮影した。飛行機のシーンは、日本航空の協力が得られなかったため、CGによって再現した[2]

週刊朝日』によると、日本航空は映画化について、「ご遺族の中には映画化を快く思っていない方もいらっしゃる。すべてのご遺族の心情をきちんと汲んで欲しい」と映画化反対のコメントを出している[1]。また、日本航空から角川に対し「名誉毀損の恐れがある」と警告文を2度送っているという[1]。角川は「映画は全くのフィクション」であるとしている[1]。また、本編の最後には、フィクションである旨の但し書きが表示される。しかし、日本航空は自社の社内報の中で「『フィクション』と断っているが、日航や役員・社員を連想させ、日航と個人のイメージを傷つける」「作り話で商業的利益を得ようとする行為は遺族への配慮が欠けている」と再度批判しており、法的な訴えも辞さない姿勢を見せている[3][4]

[編集] キャスト

[編集] スタッフ

予告編ではベートーヴェンピアノソナタ第8番ハ短調作品13『悲愴』第2楽章の冒頭部が使われている。

[編集] その他

  • 元日航社員で広報室次長を歴任した作家深田祐介は『週刊現代』で「取材や資料の解釈において著しい偏向がある」と批判している。[要出典]

[編集] 脚注

  1. ^ 三嶋伸一 「製作費20億円「沈まぬ太陽」で日航と角川映画が水面下で大バトル」 『週刊朝日』 2009年5月8日号、朝日新聞出版、124頁。
  2. ^ 伊藤徳裕 「苦難乗り越え「沈まぬ太陽」あす公開」 『産経新聞』 2009年10月23日付朝刊、産経新聞東京本社、12版、17面。
  3. ^ 時事通信 (2009-11-03). "「沈まぬ太陽」、社内報で批判=客離れ誘発に危機感-日航". 2009年11月3日 閲覧。
  4. ^ フジサンケイ ビジネスアイ (2009-11-03). "日航社内報で「沈まぬ太陽」批判 「客離れ誘発」法的手段も". 2009年11月3日 閲覧。
  5. ^ 2009年7月26日 胃がんのため死去。これが遺作となった。

[編集] 関連項目

[編集] 関連ホームページ

最終更新 2009年11月24日 (火) 04:35 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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