油圧

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油圧駆動システム(ゆあつくどうシステム、英語:Hydraulic drive system)あるいは油圧システムとは、液体をエネルギーの伝達媒体とした駆動系のこと。 [1]

目次

[編集] 概要

油圧ショベル、油圧シリンダー(ピストン)やホース類が見える

油圧システムは 比較的小型のポンプで大きな力を発揮できる、出力や速度の制御が容易である、遠隔操作が可能である等の特徴を有している。その特徴を生かし、工場では大きな圧力を発揮するプレス機や加圧装置、荷物用エレベーターから各種小型機械の昇降用動力などに多用される。一般的に目に留まりやすい油圧機械として建設機械や荷役機械がある。パワーショベルフォークリフトレッカー車の作業機部分の操作の動力は油圧を使用している。自動車のブレーキ、航空機の舵面操作や水門の開閉等にも使用されている。油圧の圧力単位は国際単位系ではパスカル(Pa)が基本であるが、以前は重量キログラム毎平方メートル(kgf/m2)を元にした単位であるkgf/cm2が使用されていた。現在も国際単位系には各国、各機関とも統一が進んでおらず、psi や bar を使用する事もある。

[編集] 原理

二つのピストン内部の圧力は一定である。面積の大きな左のピストンは右のピストンより面積比に応じた大きな力を発揮できる。

油圧駆動は、いわゆるパスカルの原理を応用して大きな力を発揮する。例えば右図の二つのピストンの面積を1:3とすると、右側の小さいピストンに一定の力を加えて押し下げると、左側のピストンはその3倍の力、1/3の速度で上昇する。油圧駆動は油圧ポンプで作った高圧の流体を配管やパイプで送り出し、所定の場所に設置されたピストン(油圧機器ではアクチュエーターと呼ぶ)や油圧モーターで仕事を行う動力方式である。

[編集] 長所

  • 比較的小型の油圧ポンプで、大きな力を出すことができる。(空気圧機器に対して有利)
  • 過負荷で止まった時に、動力系に悪影響を与えない。(電気モーターと大きく異なる)
  • 出力や速度の調整が容易である。
  • 遠隔操作が可能。
  • 作動油自体に防錆・潤滑効果があり機械内部の摩耗が少ない。

[編集] 短所

  • ポンプ・バルブ類・調整弁・アクチュエーター間の配管が長く複雑で、漏れが起こりやすい。
  • 油は酸化や水の混入により劣化し、出力性能低下や機器へダメージを与えるので、常に管理する必要がある。
  • 油は温度変化に伴い粘度が変化するため。低温では高粘度によるエネルギーロスが大きく、高温では粘度の低下により漏れが多くなったり作動油の劣化が速くなるなどの弊害が出る。
  • ポンプに投入されるエネルギーのかなりの割合が作動油の温度上昇に使われるため、エネルギー効率が低い。
  • 配管の新設や維持にコストがかかる。

[編集] 作動

油圧機器を作動させるためには、油圧ポンプから吐出した作動油を、圧力制御弁を介して圧力を所定レベルに下げ、流量調節弁により流量をコントロールして、油圧モーターや油圧シリンダーに送り込み、油圧モーターを回転または油圧シリンダーを作動させる。回転の方向(正転または逆転)やシリンダーの上下は方向制御弁で制御する。

[編集] 使用機器

油圧ポンプ
作動油に圧力を加える(加圧)→油圧を作り出す
油圧モーター(アクチュエーター)
油圧を回転運動に変換
油圧シリンダー(アクチュエーター)
油圧を直線運動に変換
圧力制御弁、方向制御弁、流量制御弁、安全弁、逆止弁等
油圧のオン/オフの制御。方向制御弁等は内部のスプールを電磁的に作動させ遠隔操作できる。
アキュムレーター
油圧エネルギーを一時的に貯めておき、油圧の脈動を減らす。一気に大量の作動油が必要になるときのリザーバーの役目も持つ。
圧力計
オイルフィルター
作動油に混入したゴミや水を取り除く。
オイルタンク(リザーバー)

油圧系統に必要な作動油を貯めておくタンク。リリーフ弁(圧力制御弁)から出る余分な作動油やアクチュエーター類から戻ってきた作動油を貯める。作動油の冷却機能も有する。

油温計
冷却器
作動油の温度が高温になる条件下では、作動油の温度を下げるために冷却機を設置する場合がある。

[編集] 作動油

油圧は、大きく分類して石油(鉱油)系作動油と難燃性作動油を使用する。

使用時の気温、状態、場所に合う作動油を使用し、劣化や異物混入したり水分により白濁した場合は交換したり、期間や使用時間で交換する。

最近では植物油を使用し環境対応型の油圧作動油も登場した。 自動車のブレーキシステムの作動油はブレーキフルードといい、エチレングリコールを主剤としたエタノール系である(そのため、水分の混入がある)。

[編集] 図記号

油圧の図記号はJIS B 0125-1 油圧・空気圧システム及び機器 図記号及び回路図 第1部:図記号に記載されている。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ 油圧とは、液体により生じる液体自体の圧力、または物体に及ぼす圧力のこと。

最終更新 2009年10月18日 (日) 05:13 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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