流れ

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流れ(ながれ)とは:

  1. 液体気体といった形状が一定でない物体流体)の動きのこと。接頭辞をつけて「~流れ」あるいは単に「~流」と呼ばれる。本記事で説明する
    1. 日本流体力学会の機関誌は「ながれ」(外部リンク:[1]
  2. 1.から転じて、物体以外のもの(勢いや状況など)が時間によって変化するさま。
  3. 物語作品(小説など)についての会話で「話の流れ」という場合には、「ストーリー」と同義である。⇒ストーリーを参照。

非常に多くの粒子がランダムに運動しているを考えるとき、個々の粒子すべてについて運動を記述しようとしたのでは独立変数の数が多すぎて容易に扱うことができない。そこで巨視的な視点に立って、系全体での粒子の挙動に見られる傾向として運動を捉えたものが「流れ」である。これは流動現象のほかに、拡散などを含めることもある。 「流れ」として扱う対象は、物質電気などの他に、構成粒子を人間とした場合の人間集団なども挙げられる。

流れの原因には、たいてい原動力となるものが存在する。流動現象の場合には流体に加えられる外力(気圧、重力など)、物質の拡散の場合には濃度差、熱拡散の場合は温度差、電流の場合は電圧(電位差)、人の流れの場合は何らかの魅力(地域ごとの経済格差など)がそれである。


目次

[編集] さまざまな流れ

  • 速さによる分類: 亜音速・遷音速・超音速・極超音速
  • 粘性の有無による分類: 非粘性(微小粘性)・粘性
  • 渦度の有無による分類: 渦なし流れ・渦あり流れ
  • 混相流
  • 超流動

[編集] 速さによる分類

流れを、音速に対する速さの比によって分類することがある。「流れの速さ=音速」の時がマッハ 1.0である。

亜音速 
流れが音速よりも遅い状態。~マッハ0.8程度を指すことも多い。
遷音速 
流れが音速付近の状態。マッハ0.8~1.2程度を指すことが多い。
超音速・極超音速 
流れが音速よりも速い状態。マッハ1.2~を指すことも多い。

[編集] 粘性の有無による分類

流れは粘性の有無によっても分類されることがある。

[編集] レイノルズ数の影響

粘性流れはさらに、レイノルズ数によって層流と乱流に区別され、レイノルズ数の値がある程度小さいと層流になり、大きいと乱流と判断される。

[編集] 混相流

[編集] 人間の流れ

上記のような物質的な流れに人間の行動を見立てて、人間社会における動きを流れと表現することもある。例えば流行がそれである。その他にも「政治の流れ」・「歴史の流れ」・「時代の流れ」など多く使われる。

この場合、人間一人ひとりの行動は実際に確定することが出来るが、流れそのものを確定することは出来ない。その流れの中にいる人間、あるいは後世の人間が「そういう流れがあった」と感じたというところに留まる。

また勝負事では流れという言葉を使って、勝ち負けを決定する何かを表すことがある。例えば勝ちが続けば「流れが良い」、負けが続けば「流れが悪い」と表現する。特にで決定されるギャンブルではこの言葉を使うことが多い。例えばルーレットで赤が続いたら「赤の流れになっている」と考えて赤に賭けるという考え方をする人も多い。

こちらの「流れ」は人間の流れよりもさらに確定不能であり、存在しないと主張する人も多い。

例えば、バスケットボールにおいては、一度シュートを決めた選手は他の選手に比べてその後もシュートを決めやすくなるという「ホットハンド」という流れのような存在が一般的に信じられている。 だが、アメリカ心理学者トーマス・ギロビッチが、実際にNBAフィラデルフィア・セブンティシクサーズの1980-1981年シーズンのフィールド・ゴール、およびボストン・セルティックスの1980-1981年、1981-1982年シーズンのフリースローを統計分析したところ、シュートが連続して決まる確率に偶然の域を出るものは無く、シュートは完全なる独立試行であることが明らかとなった。このように本当は何ら意味の無い情報の中から何らかのパターンを見出してしまう現象のことをクラスター錯覚(en:clustering illusion)と呼ぶ。クラスター錯覚は認知バイアスの一種であり、統計データから誤った解釈を導き出す原因となる。また、クラスター錯覚のような「まやかしの有意性」から理屈を組み立ててしまうことを「テキサスの射撃手の誤謬」(en:Texas sharpshooter fallacy)と呼ぶ。

[編集] 流れの可視化

流れの様子は肉眼では直接観察できないことが多いため、速度場や温度場などを視覚的に表現する流れの可視化が行われる。速度計温度計による計測では空間上のある一点での値を求めるが、可視化の場合はある範囲(二次元面あるいは三次元空間)の情報を必要とする。ただし、速度計として使われることが多いピトー管であっても、トラバース(移動)することで空間的な速度場を得るなど、技術的に重複する場合もある。

また、現実の流れ場を計測する場合のほかに、数値流体力学 (CFD) によるシミュレーション結果を画像で表現することも可視化と呼ばれる。CFDの特徴として、三次元計算の場合は空間内の値が(格子/粒子のあるところについては)全て求まることが挙げられる。したがって、三次元的な速度場情報から、流線や渦度の等値面、あるいは流跡線 (particle path) などを直接生成・可視化できる。

[編集] 流れの可視化手法の例

気流中に煙を流して速度場を観察する。煙の観察に特化した風洞は煙風洞と呼ばれる。類似の手法として水槽中に染料を流す方法もある。
シャボン玉
ヘリウムなど空気よりも低密度の気体を利用して、平均密度が空気と等しい泡(シャボン玉)を大量に作り、そこに物体を通過させることで、速度場を観察する。たとえば、鳥の飛行の研究に使われた例がある[1]
タフト
気流中に一端を固定した糸(タフト tuft)を一本または複数設置し、速度場を観察する。たとえば航空機の表面などに設置される。
ピトー管トラバース
ピトー管(ピトー静圧管)により空間上の一点の速度と圧力が求まる。ピトー管の位置を次々と変えることで空間的な速度分布を求めることができるが、流れが時間的に変化する非定常流れへの適用には困難もある。境界層の速度分布測定用などに、複数のピトー管を束ねた装置も存在する。
粒子画像流速測定法 (PIV, particle image velocimetry)
流れに追随する微小な粒子(粉末・油など)を気流中に散布し、レーザーシートを照射する。粒子が反射した光から得た画像をコンピュータで解析して速度場を得る。二次元面内の定量的な速度情報を一度に(トラバースの必要なく)得られ、空間解像度も高いため、低速から亜音速、あるいは超音速の流れ場にしばしば適用される。狭義には2時刻の粒子画像の相関から速度場を求めるものをPIVと呼び、個々の粒子を追跡する手法はPTV (particle tracking velocimetry) と呼んで区別することがある。一般にはレーザーシート面内方向の速度成分しか得られないが、面外方向成分を得られるステレオPIVなどの各種手法が開発されている。
LIDAR(ライダ)
シャドウグラフ法
シュリーレン法
感圧塗料 (PSP, pressure-sensitive paint)
流れそのものの可視化ではないが、風洞内に置いた物体の表面圧力の可視化などに使われる。

[編集] 参考文献

  1. ^ Spedding, G. R., Rayner, J. M. V., and Pennycuick, C. J. (1984). “Momentum and Energy in the Wake of a Pigeon (Columba Livia) in Slow Flight”. J. Exp. Biol. 111: pp. 81-102.

[編集] 関連書籍

  • 日本流体力学会編 『流れの可視化』 朝倉書店 ISBN 4-254-13654-4
  • ホットハンド関連
    • T. Gilovich, R. Vallone, and A. Tversky, "The hot hand in basketball: On the misperception of random sequences," Cognitive Psychology, 17, 295-314.
    • T. Gilovich, How We Know What Isn't' So: The Fallibility of Human Reason in Everyday Life, New York: The Free Press, 1993, ISBN 0029117062.

最終更新 2009年8月13日 (木) 02:57 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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