流動性の罠
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流動性の罠(りゅうどうせいのわな、liquidity trap)とは、金融緩和により利子率が一定水準以下に低下した場合、投機的動機に基づく貨幣需要が無限大となり、通常の金融政策が効力を失うこと。
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[編集] 概要
景気後退に際して、金融緩和を行うと利子率が低下することで民間投資や消費が増加する。しかし、投資の利子率弾力性が低下すると金融緩和の効果が低下する。そのときに利子率を下げ続け、一定水準以下になると、流動性の罠が発生する。
利子率(名目金利)は0以下にならないため、この時点ではすでに通常の金融緩和は限界に達している。民間投資を喚起することもできなくなるためである。また金利が著しく低いため、債券の代わりに貨幣で保有することのコストがゼロとなり、債券と貨幣の間に選好のトレードオフが発生せず、投機的動機に基づく貨幣需要が貨幣供給に応じて無限に増大する。
マネーサプライをいくら増やしても、民間投資や消費に火がつかないため、通常の金融政策は効力を喪失する。反面、クラウディングアウトの効果はゼロとなり、財政政策は完全に有効となる。
[編集] ケインズ学派の対策
この状態においては、財政政策や、外的要因による輸出の増加、技術革新による民間投資回復といったプロセスで国民所得の成長を図ることができる。
[編集] 合理的期待形成学派の対策
インフレ目標のような期待に訴える金融政策や、為替介入による自国通貨の切り下げなど非伝統的な金融政策が手段として主張されている[1]。
[編集] 歴史
1990年代末ごろ日本において流動性の罠が発生した。ゼロ金利政策により利子率は歴史上最低となった。この中でも民間投資は思うように回復せず、通常の金融政策は効力を喪失した。その後、2002年から景気回復のプロセスに入るが、輸出に主導された民間投資回復であった。 2006年3月まで量的金融緩和を実施したが、デフレを脱却させるとのコミットメントを欠き、インフレ期待を醸成する効果は薄く、結局「引き締めない」という消極的姿勢しか取らなかったといえる。2003年9月から急速に進んだドル安に際して、2004年初頭に大規模なドル買い為替介入が行われ、この過程で大量の円が供給されることになったが、これは外国為替市場を経由した資金供給という経路をたどり、結果として物価安定に一定の効果を発揮した。
流動性の罠が発生した背景には、民間投資成長の歴史的鈍化に要因があると考えられており、後手後手の金融政策がデフレに追いつけず実質金利を高止まりさせたと政策に批判の矛先を向ける論者もいる。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年11月13日 (金) 20:08 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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