液体装薬

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液体装薬(えきたいそうやく、Liquid Propellant)とは、大砲等の砲弾の発射薬として固体火薬に代わって使用できるように開発中の液体の薬剤のことである。

従来の薬嚢による装薬

目次

[編集] 概要

液体装薬は従来の固体発射薬に代わり、外部のタンクから砲内に液体状の発射薬(装薬)を注入して点火・燃焼させ、砲腔内を加圧することで弾体を加速する技術である。開発が進められている技術としては、ロケットの液体推進剤と同じ薬剤を使用して、2液式のものと1液式のものがあり、2液式では点火前に薬室内に注入・混合するバルク(Bulk)式のものと、発射時に薬室内に注入されると同時に2液が自ら化学反応して燃焼が始まるハイパーゴリック(Hypergolic)式のものがある。

1950年代初期から米英でも少し検討されていたが、各国で注目されたのは1970年になってからである。その頃から火砲の性能や利便性を高める画期的な軍事技術として期待されていた「液体装薬」も、2008年現在は安定した燃焼速度が保てないために砲口速度が不安定で、実用化にはまだ遠い段階である。

従来式の57mm砲のカートリッジ式弾薬
左側の真鍮製の円筒内で固体装薬である火薬が燃焼し、その圧力で右側の弾体が右側に押され砲腔内を加速されて飛んでゆく。

[編集] 利点

液体装薬では砲の構造が複雑化するが、発射弾ごとのカートリッジが不要となり、給弾はほとんど弾体だけとなる。カートリッジ内の装薬に相当する液体の保管は1-2基のタンクだけになるので空間・重量・装弾作業が軽減化されて弾薬コストも安くなる。なにより固体発射薬による1.7km/s前後の初速上限値が、2.0-3.0km/s程度まで向上できると期待されている。自走砲や艦載砲では射程の調整に利用できる。

[編集] 開発上の問題

不均一な燃焼が問題であり、液体装薬が端から順に燃焼すれば良いが、最悪では全てが同時に燃焼すれば爆発となってしまう。点火後も液体装薬を薬室内に注入し続けるハイパーゴリック式では、ごく短時間に超高圧で注入する必要があり、薬室内の燃焼ガスをパイプによって外のピストンまで導くことで高圧を得て、ピストンの反対側で液体装薬を加圧する技術の開発が行なわれているが、ピストンのシーリング技術が開発できずにいる[出典 1]

105mm戦車砲のカットモデル
手前の茶色の部分が固体装薬である。

実用化できれば、自走砲や戦車、機関砲といった陸上兵器や戦闘用艦艇の艦載砲などに使用されると期待される。

[編集] 出典

  1. ^ 日本兵器研究会編 『現代戦車のテクノロジー』 アリアドネ企画 2001年5月10日第2刷発行。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年6月19日 (金) 02:26 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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