火星のプリンセス

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火星のプリンセス
『火星のプリンセス』表紙
『火星のプリンセス』表紙
著者 エドガー・ライス・バローズ
訳者 小西宏
イラスト フランク・スクーノヴァ
発行日 アメリカ合衆国の旗 1917年
日本の旗 1965年10月
発行元 アメリカ合衆国の旗 A. C. McClurg
日本の旗 創元社
ジャンル サイエンス・フィクション
アメリカ合衆国
言語 英語
形態 ハードカバー
ページ数 326
次作 火星の女神イサス(The Gods of Mars)
  

火星のプリンセス』(かせいのプリンセス、: A Princess of Mars) は、エドガー・ライス・バローズ1917年に出版したSF冒険小説

目次

[編集] 概要

火星シリーズ」の第1作にしてバローズのデビュー作である。もともとは1911年に『デジャー・ソリス、火星のプリンセス』(Dejah Thoris, Princess of Mars)という原稿の半分をオール・ストーリーズ・マガジン(社)に送ったところトーマス・ニューウェル・メトカーフが気に入り採用され、1912年2月から6月に『オール・ストーリーズ』誌に『火星の月の下で』(Under the Moons of Mars)というタイトルでノーマン・ビーン名義で連載されたもの。

主人公は生まれ育ちも年齢も不詳でかつ体外離脱により火星に瞬間移動し、剣で火星生物や火星人と対決するなどSFというよりもヒロイック・ファンタジーに分類されると見られるが、後に「剣と魔法」(Sword and Sorcery)と言われることになるヒロイック・ファンタジーの特徴のうち「魔法」の部分はきわめて希薄であり、火星の飛行船の飛行原理などもそれなりに「科学」によって説明されていて、いわゆる魔術呪術の類はシリーズを通してほとんど登場しない。

日本において東京創元社から本作を初めとする火星シリーズが出版された時に添えられた武部本一郎の美麗な挿絵は有名である。「武部画伯の描いたデジャー・ソリスの表紙に惹かれて読んだ」と語るファンは多く、海外でも人気がある。

2012年にディズニー映画として公開が予定されている。

執筆時のタイトル

  1. My First Adventure on Mars
  2. The Green Martians
  3. Dejah Thoris, Martian Princess
  4. Under the Moons of Mars

[編集] あらすじ

書き手である「わたし」の叔父カーターが突然亡くなった。遺言により叔父の埋葬と遺産を管理することになった「わたし」は以下のとおりの叔父の手記を手にした。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。 [記述をスキップ]


自称生まれ育ちも年齢不詳という元南軍の騎兵大尉ジョン・カーターは金鉱山探索中のある夜アパッチ族に襲われ、アリゾナの洞窟で体外離脱し忽然と火星に移動した(この理由が明らかにされることはない)。火星(バルスーム)は発達した科学を背景に、四本腕の緑色人(緑色の皮膚と4本の腕、突き出た目と二本のがある卵型の頭部を持ち、卵生である)や赤色人(外観は地球人にそっくりで、体色は鮮やかな赤色。卵生である)などの諸人種の火星人が、それぞれに帝国を作り戦争に明け暮れる戦国時代であった。

ジョン・カーターは緑色人のサーク族に捕らえられるが、地球よりも小さな重力からもたらされる跳躍力などの驚異的な身体能力で緑色人社会で一定の地位を得る。ある日、カーターは自分そっくりな人間(赤色人)に遭遇する。それは科学調査の途上、野蛮な緑色人の捕虜となった、赤色人王国ヘリウムのプリンセスにして絶世の美女、デジャー・ソリスだった。

いくつかの誤解を克服してデジャー・ソリスの信頼を勝ち得たカーターは、邪悪な緑色人皇帝タル・ハジュスの元からデジャー・ソリスを連れて脱走する。ヘリウムへ向かう旅の途中、緑色人ワフーン族の襲撃を受け、カーターは一人で敵を引き受けてデジャー・ソリスを逃がすが、その時デジャー・ソリスはカーターに愛を告白するのだった。

紆余曲折の末、カーターはようやくヘリウムの隣国の赤色人王国ゾダンガにたどり着くが、そこで目撃したのは愛するデジャー・ソリスがゾダンガの王子サブ・サンと結婚の約束をする姿であった。

結局カーターはサーク族の新たな皇帝となった友人タルス・タルカスの助けを受け、戦いの末デジャー・ソリスを取り戻す。カーターとデジャー・ソリスは結ばれ、愛の結晶の卵の孵化を待つばかりとなるが、火星の空気製造工場が停止し大気が無くなるという未曾有の危機が迫っていた。カーターは大気が薄くなる中、空気製造工場に入り大気を取り戻すための技師を工場に送り込み意識を失う。目覚めた時、カーターがそこに見たのはかつて地球を後にした時の見覚えのあるアリゾナの洞窟と元の自分の体だった。発見した金鉱で裕福に暮らすも火星への思慕はつのるばかりであった。


以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] 主な登場人物

  • ジョン・カーター(John Carter):地球人。バージニア州の元南軍大尉。
  • デジャー・ソリス(Dejah Thoris):赤色人。赤色人国家ヘリウムの王女。絶世の美女。
  • ソラ:緑色人。サーク族の娘。捕虜であるデジャー・ソリスの世話役。
  • タルス・タルカス:緑色人。サーク族の副首領。
  • タル・ハジュス:緑色人。サーク族の獰猛な皇帝。
  • カントス・カン:赤色人。ヘリウムの海軍士官。
  • サブ・サン:赤色人。ヘリウムの隣国ゾダンガの王子。デジャー・ソリスに想いを寄せている。
  • ウーラ:ジョン・カーターの愛獣(キャロット(10本脚の火星の犬的生物))

[編集] 参考文献

  • リチャード・A・ルポフ 『バルスーム~バロ-ズの火星幻想』 東京創元社、1982年5月。

[編集] 日本語版

  • 『火星のプリンセス』 <創元推理文庫>、1965年10月、小西宏訳、武部本一郎画。
  • 『火星のプリンセス』 <創元推理文庫>、1980年2月、厚木淳訳、武部本一郎画。
  • 『合本・火星シリーズ1 火星のプリンセス』 <創元SF文庫>、1999年6月、厚木淳訳、武部本一郎画(2007年現在入手可能)
  • 『火星のプリンセス』 講談社、1967年5月、亀山龍樹訳、司修画。
  • 『火星のプリンセス』 <角川文庫>、1967年7月、小笠原豊樹訳、遠藤拓也画。
  • 『火星のプリンセス』 秋元書房<ヤングシリーズ2>、1968年9月、谷元次郎訳、小松崎茂画。
  • 『火星のプリンセス』 <秋元文庫>、1978年5月、谷元次郎訳、高井吉一・小松崎茂画。
  • 『火星のプリンセス』 偕成社<SF名作シリーズ15>、1968年11月、野田開作訳、池田竜雄・武部本一郎画。
  • 『火星のプリンセス』 集英社<ジュニア版世界のSF13>、1970年2月、内田庶訳、岩淵慶造画。
  • 『火星の月のもとで』 早川書房<世界SF全集31「世界のSF(短編集)古典篇」>、1971年7月、関口幸夫訳。
    • 途中の一部を抽出して訳したもの。サム・モスコウィッツ編著の古典SFアンソロジー兼研究書"Under the MOONS of Mars"に収録された同作品と抽出箇所が一致することから、これを翻訳したものと思われる。よく勘違いされるが、All Story誌に掲載された作品の翻訳ではない(雑誌掲載されたのは長編と同一作品)。
  • 『火星の王女』 集英社<マーガレット文庫世界の名作30>、1976年、白木茂訳、三谷美枝子画。
  • 『火星の王女』 ぎょうせい<少年少女世界名作全集20>、1983年1月、瀬川昌男訳、伊藤展安画。(2007年現在入手可能)
  • 『火星のジョン・カーター』 岩崎書店<SF世界の名作8>、1966年12月、亀山龍樹訳、鈴木康行・沢田重隆画。
  • 『火星の王女』 岩崎書店<SFこども図書館8>、1976年2月、亀山龍樹訳、沢田重隆画。
  • 『火星のプリンセス』 岩崎書店<冒険ファンタジー名作選2>、2003年10月、亀山龍樹訳、山本貴嗣画、ISBN4-265-95122-8。(2007年現在入手可能)


[編集] 外部リンク

最終更新 2009年10月6日 (火) 16:37 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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