炉心溶融

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曖昧さ回避 チャイナ・シンドロームは、この項目へ転送されています。映画については「チャイナ・シンドローム (映画)」をご覧ください。

炉心溶融(ろしんようゆう)、メルトダウン (meltdown) とは、原子力発電所などにおいて原子炉が耐熱限界を上回る高熱により融解、破損することである。想定されている事故の中でも最悪の事態で、原子炉設計時に設定された安全基準では炉心の健全性を保つことができず、原子炉の大規模な破壊を伴う過酷事故 (Severe Accident) である。

目次

[編集] 概要

稼動している原子力発電所では、基本的に炉心内における核反応臨界に達し発熱しているが、これは設計上想定されている範囲であれば問題はない。しかし事故などによって冷却材を喪失し制御を誤るなどすると、炉内の核反応は暴走し、この反応に伴って発生する非常な高熱によって、炉内の温度が急激に上昇して燃料集合体を融かし破壊する。高温により原子炉圧力容器等の隔壁の融点以上となった場合や水蒸気爆発等により放射性物質が外部に漏れるおそれがある。世界中の重大な原発事故を見ると、例外なく炉心溶融が発生している。過去には故意に炉心溶融を起こして挙動を観測する原子炉暴走実験も行われていた。

[編集] 核燃料の溶融

炉心内の核燃料は、原子核分裂に伴なう崩壊熱を常に出しつづけている。原子炉は冷却材を循環させて熱を外部へ運び出し、炉心内の温度を一定に保っているが、何らかの事情で冷却材の喪失、または循環が停止すると、核燃料は自身が発生する熱で溶融し崩壊する(冷却材喪失事故、Lost Of Coolant Accident 、LOCA)。また運転中の原子炉へ急に大きな正の反応度が投入されると、原子炉出力が急上昇し、冷却材の熱運搬能力を上回る発熱が生じて、やはり核燃料が崩壊する(反応度事故、Reactivity Initiated Accident、RIA)。

核燃料は燃料被覆管に入れられているが、多くの原子炉で燃料被覆管に用いられているジルカロイ合金は1,400で溶融を始め、溶融した核燃料と共に原子炉圧力容器の底へ溜まり始める。被覆管が破損することで被覆管内部に封じられていた核分裂生成物が周囲に漏れ出してゆく。この間も核燃料は発熱を続け、やがて原子炉圧力容器をも溶かして外部へ漏出し、大量の放射性物質が漏れることになる。

高熱の溶融金属が冷水と接触すると、大量の水蒸気が爆発的に発生して、周囲を破壊することがある(水蒸気爆発)。また高熱のジルカロイ合金は水から酸素を奪って酸化し、水素ガスを発生させるが、これが何らかの理由で引火すると大爆発を起こす(水素爆発)。

[編集] チャイナ・シンドローム

チャイナシンドローム (中国症候群) とは、もし、アメリカの原発で事故が起こったら、核の暴走に伴う超高熱が原子炉を溶かし、地中を溶かし、地球の内部を貫き、そしてついにはアメリカの裏側(対蹠地)の中国へ到達するだろう、という冗談から産まれた言葉である。

当然のことだが、高温の核燃料が地表を溶かしたとしても裏側の地表まで到達することはありえない。そもそも、地表を溶かすほど高温になる前に核反応が停止するであろう(もちろんその場合でも、周囲に甚大な被害を与えることは間違いない)。また、アメリカの対蹠地は中国ではなくインド洋である。

また、これから派生した言葉に「ブラジル・シンドローム」もあるが、これはアメリカを日本に置き換えた場合である。

なお、ジェーン・フォンダジャック・レモン出演の『チャイナ・シンドローム』(1979)という映画は、当時の原子力発電所建設にまつわる事実を基に作られたフィクションである。映画公開がスリーマイル島原子力発電所事故の直前であり、劇中「ペンシルベニア州くらいの地域が被害を受ける」という台詞があったため、事故を予言したようだと大きな反響を呼んだ。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年9月14日 (月) 04:28 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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