無限の住人

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無限の住人
ジャンル 時代劇
漫画
作者 沙村広明
出版社 講談社
掲載誌 月刊アフタヌーン
発表期間 1993年8月号 - 連載中
巻数 25巻(2009年10月現在)
アニメ
企画 入江祥雄
古川陽子
石川光久
中村直樹
監督 真下耕一
シリーズ構成 川崎ヒロユキ
脚本 川崎ヒロユキ
金巻兼一
キャラクターデザイン 山下喜光
音楽 大谷幸
アニメーション制作 ビィートレイン
製作 浅野道場復興会
放送局 放送局を参照
放送期間 2008年7月13日 - 2008年12月28日
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無限の住人』(むげんのじゅうにん)は、沙村広明による日本漫画作品。講談社月刊アフタヌーン』にて1994年から連載されている。作者のデビュー作であり代表作。

アフタヌーン四季賞で1993年に四季大賞を受賞した同名の作品を連載化したもので、受賞作は同年に『月刊アフタヌーン』に掲載され、単行本第1巻に「序幕」として収録されている。単行本は講談社より2009年現在25巻まで刊行されている。

1997年に第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。また英語版が2000年アイズナー賞最優秀国際作品部門を受賞している。2008年夏よりテレビアニメ全13話が放送されている。

目次

[編集] 概要

江戸時代[1]を舞台にした剣客アクション。作者の絵柄もあって人物の所作・言動などが写実的に描かれている一方、主人公が不死の肉体を持つという設定や、時代考証を半ば無視した奇抜な衣装、様々なギミックを施した独創的な武器、また擬音(描き文字)に漢字を使用するなど、その他に類を見ない作風からしばしば「ネオ時代劇」という宣伝文句が使われている。

連載初期は主人公・万次が敵を一人ひとり倒していくわかりやすい活劇ものであったが、連載半ば(単行本5巻以降)から登場人物が多数登場し、複数のエピソードが同時に進行する入り組んだ物語が描かれるようになった。また初期にはパンクロッカーのような出で立ちの人物が登場したり、戦闘シーンで背後に花や鳥を配して花札を思わせるような画面作りがなされたりもしたが、こうした派手な表現も連載途中より控えられるようになった(作風の変化した経緯については沙村広明#『無限の住人』を参照)。

作品の大きな特徴として、作中の見せ場となるシーンに鉛筆描きの絵が差し入れられていることが挙げられる。「鉛筆描き」といっても下描きのことではなく、ペンでは不可能な微妙な陰影を鉛筆の濃淡で表現した美麗なもので、各話の扉絵もこの方法で描かれている(沙村広明#画風も参照)。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] あらすじ

「剣道とは勝つことへの道」を標榜する剣客集団・逸刀流。彼らに両親を殺された少女・凛は仇討ちを遂げるため、不死の肉体を持つ男・万次に用心棒を依頼する。

※話数(第~幕)は単行本収録時のもの。

[編集] 序幕

万次と凛が出会う数年前。「百人斬り」万次は、八百比丘尼によって与えられた不死の肉体を持て余しながら、気の触れた妹・町と生活していた。しかし序仁魚仏(四道菱安の弟。…弟分か?)を殺したことから「新鮮組」四道菱安の恨みを買い、妹を拉致されてしまう。自分の不甲斐なさから目の前で妹を殺された万次は、その場で新鮮組を壊滅させ、「悪党を千人斬る」ことを誓う。(第1巻)

[編集] 第一幕~第二十幕

伝統ある剣の流派「無天一流」を滅ぼした剣客集団「逸刀流」に対し、両親の敵を討とうとする「無天一流」頭首の娘・浅野 凛は、自分の剣技が逸刀流には遠く及ばないことを八百比丘尼に諭され、「最強の用心棒を雇え」との教えのままに万次に用心棒を依頼する。凛に妹の面影を見た万次は依頼を引き受け、黒衣鯖人、凶戴斗、閑馬永空、乙橘槇絵、川上新夜ら逸刀流剣士たちと次々に対戦する。(第1巻~第5巻)

[編集] 第二十一幕~第三十一幕

幕府の役人・吐鉤群の訪問を受けた逸刀流統主・天津影久は、逸刀流を幕府の指南役とすることを承諾する。同じ頃、各地で逸刀流の剣士が謎の集団・無骸流に襲撃されるという事件が起きていた。そんな折、万次と凛の元に無骸流の剣士・尸良が訪れ、加賀へ向かう天津影久を協力して討とうと持ちかける。(第5巻~第6巻)

[編集] 第三十二幕~第四十五幕

加賀へ向かう天津を待ち伏せる作戦は、敵の替え玉により失敗、さらに尸良の暴走により仲間割れという結果に終わる。しかし無骸流・百琳の言葉に感化された凛は、万次を置いて単身で天津影久を追ってしまう。天津を追う凛、さらにそれを追う万次は、それぞれ通行手形の入手に苦しみながら加賀の地を目指す。(第7巻~第8巻)

[編集] 第四十六幕~第七十九幕(加賀編)

無事関を抜けた凛は、加賀の地でついに天津影久に出会う。剣では適わないと見た凛は隙を窺うため強引に天津の道連れとなるが、しかしその道行きで、天津が傘下に収めたはずの心形唐流剣士から襲撃を受ける。心形唐流の裏切りが幕府の差し金であったことを知り仲間の下へ急ぐ天津、その彼についていく凛だったが、心形唐流剣士によって彼らは次第に死地へと追いやられる。

一方無骸流は尸良に売られて逸刀流の剣士達に襲撃され、真理路が死に、百琳が誘拐される。百琳はそこで逸刀流剣士達に凄まじい拷問を受けるが、真理路が百琳を救う為に命を賭して残したダイイングメッセージによりアジトを突き止めた偽一に間一髪で救出される。

一方戦闘で足止めを食らっていた万次は、かつて引き分けた逸刀流剣士・凶泰斗と鉢合わせる。凶は親しい女性を殺した尸良を探していたのだった。尸良の襲撃を予想していた万次は凶と協力関係を結び、二人連れで加賀へ向かう。(第8巻~第13巻)

[編集] 第八十幕~第八十九幕

尸良の襲撃を切り抜けた万次と凶、さらに乙橘槇絵の参戦によって凛と天津は窮地を脱する。しかしその頃、幕臣・吐鉤群の謀略により統主不在の逸刀流は幹部九名が殺害されて剣士の多くが脱退。既に壊滅状態に陥っていた。さらに再会を果たし住処に戻った万次と凛の元に、いまや無骸流の黒幕であることが明らかとなった吐の使者として無骸流・偽一が訪れる。(第13巻~第14巻)

[編集] 第九十幕~第百三十四幕(不死力解明編)

偽一に連れられ吐邸を訪れた万次は、吐に謀られて監禁され、不死の源を解明するための人体実験に供されてしまう。万次が帰らないことを不審に思い偵察を始めた凛の元に、宿を求めて逸刀流の残党・瞳阿と夷作が現れる。互いの素性を知らぬまま3人での生活を送ることになる凛たちだったが、ある日瞳阿が狼藉を働いたことにより夷作が役人に引き立てられてしまう。偵察により万次たちが江戸城地下に監禁されていることを知った凛は、瞳阿とともに万次、夷作の救出に向かう。(第14巻~第20巻)

[編集] 第百三十五幕~(最終章)

万次の救出により、不死実験は失敗。江戸城を混乱に陥れた責任を問われ切腹を命じられた吐は、残された期日を逸刀流の殲滅に費やすことを決意、新たに私兵隊「六鬼団」を結成する。一方市中に潜伏していた逸刀流残党は、志を同じくする他流派の剣士を新たに引き入れ決起に臨む。逸刀流の顛末を見届ける旅に出る凛と万次、さらに百琳、偽一、尸良も巻き込み、物語は終結へ向かう。(21巻~)

[編集] 登場人物

卍/万次(まんじ)
主人公。隻眼の剣士。元は旗本・堀井重信の腰物同心だったが、堀井の不正[2]を見かねてこれを斬り、お尋ね者に。その際に追っ手九十九人をすべて斬り殺し、更にそのまま潜伏していたところを見つけて斬りかかって来た斎藤辰政(後述)を返り討ちにしたことから「百人斬り」の異称で呼ばれるようになる。その後、八百比丘尼により秘薬「血仙蟲(けっせんちゅう)[3]」を身体に植えつけられ、不死の肉体を持つに至った。着物の中に十数本の武器を隠し持っており、しばしば気に入った敵の武器を自分のものにする。
劇中では凛に請われて彼女の用心棒となった後、逸刀流剣士と次々に切り結ぶ(1~5巻)。無骸流と接触後は、単身で天津を追いかける凛を手形の入手に窮しながら追い、加賀の地で再会を果たす(5~13巻)。その後吐鉤群によって捕らえられ不死力解明の実験台にされるが、凛によって救出、しかしここでの死闘により左手を失うことになる。(13~20巻)。
多くの実戦を潜り抜けた猛者だが、剣豪揃いの逸刀流には苦戦することが多く、致命傷を負ったところを不死力に助けられることもあり、彼自身「逸刀流にはやっと勝ってる」と評している(初期に交戦して生き延びた凶が不死の体と策に弱い事を吹聴したので、周到に対策を練られた事も原因)。妹根(シスコン)。
浅野 凛(あさの りん)
ヒロイン。無天一流統主・浅野虎厳(あさの たかよし)の娘。16歳。天津影久率いる「逸刀流」に両親を殺され、仇討ちを誓う。道場主の娘であるため自身も剣の心得があるが、逸刀流に対し力不足を感じ万次に用心棒を依頼(1巻)。しかし「男に守られて強くなれるはずがない」という百琳の言葉に促され、万次を置いて一人天津を追う、その後天津と出会い、命を狙うべく同行するが結果的に彼の逃避行に付き合うことになる。(7~13巻)。加賀の地で万次と再会したのち、吐に捕らえられた万次の救出のため江戸城地下に潜入、役人たちの手をかいくぐり救出に成功した(14~20巻)。
町(まち)
万次の妹。夫・斎藤辰政(さいとう たつまさ)が万次を襲い、返り討ちに斬られるのを目の当たりにし、気が触れて幼児退行してしまう。その後万次に養われていたが、新鮮組・司戸菱安によって拉致され、万次の目の前で斬られた(1巻・序幕)。
八百比丘尼(やおびくに)
万次を不死にした謎の老婆。自身も不死の体を持ち既に800年の歳月を生きている。両親の墓前で仇討ちを誓っていた凛に万次を用心棒にするよう促した(1巻)。伝説上の八百比丘尼については人魚#八百比丘尼を参照。
宗理(そうり)
浅野虎厳の幼い頃からの友人。娘の辰と二人暮らし。表の職業は絵師だが、実は幕府の隠密で非常に剣の腕が立つ。芸術にわが身を捧げており、隠密になったのも鎖国下で西洋の絵画を入手するためであった。親友の娘である凛を気遣う一方で、自分の絵の道のために仲間の絵師を犠牲にするなど冷酷な一面も持っている模様。凛に助力を請われ、剣での協力は断ったものの高額の資金を提供(1巻)、その後も宿を貸すなど万次たちの世話を焼く。家事は娘に任せきりにしている。

[編集] 逸刀流(いっとうりゅう)

特定の流儀、格式を持たず、あらゆる武器、剣技を用いることを認められ、「一対一で戦うこと」を唯一の身上とする剣客集団。元は約50年前、無天一流の門弟であった天津三郎が、師である浅野虎秀を助けるために振るった剣が「邪道」と見なされ破門された事への遺恨から、自身の正しさを証明するために興した流派である。三郎が死去した後、その孫にあたる天津影久が統主になってからは、近隣の道場を次々と道場破りのうえ併合して行き、江戸に千人の門徒を抱え、また江戸以外の地方にも同じように併合した道場を持つようになる。

天津 影久(あのつ かげひさ)
「勝つ事こそ剣の道である」との精神を掲げる逸刀流二代目統主。22歳。色白で線の細い優男だが、天津三郎に幼少の頃から鍛錬された事で、天才的な剣才を持つに至る。亡き祖父・天津三郎の遺志を継ぎ、あらゆる流派の垣を取り除くことを目指し、数年前からその活動を開始。黒衣鯖人、凶戴斗、川上新夜他計30人で「無天一流」の道場を襲い、門下生全員と凛の父親である統主・虎厳を殺害する。やがては幕府の軍事力を逸刀流の理念で染め上げることを悲願としていた。
心形唐流を傘下に収めるため加賀へ向かうが、吐鉤群に謀られ窮地に陥ったうえ、統主不在の間に逸刀流壊滅の危機に晒される(5~13巻)。わずか10名となった逸刀流を率い、吐鉤群に対し決起を誓う。
黒衣 鯖人(くろい さばと)
天津影久を幼少の頃から知る逸刀流の古参。「無天一流」襲撃の際に凛の父である浅野虎厳を直接手にかけ、更に連れ去られた凛の母である浅野時をも殺害した人物。鎧兜を身に纏った巨漢であり、「女性への究極の愛情表現は死」と考える猟奇的感性の持ち主で、殺害した自身の妻と凛の母親の首を剥製にして肩に縫い付けていた。凛に恋をし、孤児となった凛に毎日恋文を送っており、最終的には凛を殺し、その首を肩に縫い付け自らも剥製となることを望んでいた。凛の用心棒となった万次の最初の対戦相手であり、腕を140度後方にまで回せるなどの広範囲な剣術で一度は万次を倒すが、万次の不死を知らず油断したところを斬られた(1巻)。
土持 仁三郎(つちもち にさぶろう)
逸刀流剣士。禿頭にワシ鼻の男。宗理邸に訪れた万次と凛を仲間数名とともに襲撃、しかし絵を踏みつけにされ逆上した宗理に斬られた(1巻)。
凶 戴斗(まがつ たいと)
逸刀流創設時からの人間で、逆立てた髪と口元を覆うマスクが特徴の青年剣士。西洋由来の仕込み刀を使う。もとは百姓の出で、「凶」の苗字は自分で付けたもの。凛の親の形見である剣を所持していたことから万次に戦いを挑まれ、引き分ける(1巻)。幼少時に妹を侍に殺されたため武士階級を憎んでおり、逸刀流を幕府の指南役とすることに決めた天津と袂を分かつ(5巻)。その直後、妹のように思っていた遊女・恋(れん)を何者かに殺され、草履売りをしながら彼を探しまわっていたところ、道中出会った宗理に手掛かりを見出し、留守番役として潜り込んだ宗理邸で万次と遭遇。恋を殺した男が天津を討つために一時万次と行動を共にしていた剣士・尸良(しら)であることを知る。万次の道連れとなり、甲州街道で待ち伏せしていた尸良を破る(9~10巻)。その後加賀で天津の窮地に駆けつけ、幕府の裏切りを知ったことから逸刀流に復党した。
「無天一流」襲撃に参加し、凛の父親の殺害時にも居合わせたが、凛の母親の陵辱を止めようとするなど硬派な性格。また山育ちのため地の利を生かした戦いを得意とする。
万次とは境遇や性格が似ているため、お互いにいまいち憎み切れていない間柄であり、利害が一致すれば共闘もする。妹根(シスコン)。
閑馬 永空(しずま えいくう)
逸刀流の刺客。虚無僧のような服装。万次と同じく「血仙蟲」により不死の肉体を持ち、既に200年の歳月を生きている。元はとある武将の下で戦国時代に活躍した侍で、戦場にて1000人以上の人間を斬っている。万次に天津の殺害、逸刀流の乗っ取りを持ちかけ、断った万次を、刀に塗った血仙蟲を無効化する秘毒「血仙殺(けっせんさつ)」を使い窮地に追い込む。さらに八百比丘尼の偽者をつかい凛をさらうが、回復した万次により解体された(2巻)。
乙橘 槇絵(おとのたちばな まきえ)
天津影久が「揺籃の師」と仰ぐ人物で、彼のはとこに当たる女性。元の姓は春川。10歳のとき、次期無天一流統主と目されていた兄を剣術で破り、割腹に追い込んだ事で母親ともども春川家から絶縁され、その後遊女に身を窶(やつ)していたところを天津に身請けされた。
剣に関しては、天津すら畏怖の念を感じるほどの天賦の才を持っており、対複数で切り結んだ際も唯一滴の返り血すら浴びないほど、その剣技は抜きん出ている。
天津の指示のもと刺客として万次を襲い圧勝するが、万次を庇う凛をみて止めを刺さず、また天津の下も去る(3巻)。その後零落した春川家を訪れ、恨みを抱く父親を殺そうとするも果たせず。生きる望みを失い白川郷で身をひさいでいた所を天津に見出され、心形唐流に襲われ窮地にあった天津の元に駆けつけた(12~13巻)。その後は天津と連れ添うが、父親と同じ病に侵されている。
川上 新夜(かわかみ あらや)
逸刀流の剣士。「無天一流」襲撃に参加、浅野虎厳殺害時に居合わせ、凛の母親の陵辱に加わった。普段は素性を隠し息子の錬蔵とともに面屋を営んで暮らしており、縁日で面の屋台をしていたところに万次たちと遭遇する。息子に自身の素性が知られることを恐れており、自分の刀を持っていない。単身で住処に乗り込んできた凛を口封じのために消そうするが、追ってきた万次に敗れた(4~5巻)。
凛の母親や、凛に死出の化粧を施すなど特殊な美的感覚をもっており、彼の作る面には万次も魅入られていた。
阿葉山 宗介(あばやま そうすけ)
隻腕の老剣士。天津三郎の友人で、影久の後見役。影久の加賀行きの間、統主代行を務める(5巻~)。天津不在の間、吐鉤群の開いた酒宴の場で他の副将格の剣士とともに襲われるが、ただ一人生還(13巻)。逸刀流残党となり、その後新たに加わった若手剣士達のまとめ役となる。
八角 蔦五(もろずみ ちょうご)・隅乃 軒栄(すみの けんえい)
ともに無骸流に暗殺された逸刀流の副将。八角は偽一に仲間ともども戦って敗れ、隅乃は酒と女に目がない事に付け込まれ、百淋に騙まし討ちを受けて射殺された(5巻)。
偽天津影久(にせあのつ かげひさ)・袋田(ふくろだ)
往来で喧嘩をする天津と浪人という芝居を打ち、無骸流らの命を狙った逸刀流の刺客。芝居を見破った万次に斬られる(6巻)。
賽河屋(さいかわや)
普段は薬屋を営んでいる二人組の逸刀流剣士。天津の替え玉に引っかかった尸良を襲うが、返り討ちになり虐殺される(6巻)。
花田(はなだ)
左右レンズの形が違う、サングラスのような眼鏡をかけた長髪の剣士。万次の手形入手のため、宇留間、火瓦とともに百琳の偽書簡によっておびき寄せられた。宇留間と二人がかりで万次に挑むが万次の不死に動揺、奇襲に敗れた(7~8巻)。
宇留間(うるま)
坊主頭の剣士。花田とつるむ。煙管(キセル)を愛用。万次の囮に引っかかり敗れた(7~8巻)。
火瓦(ひが)
頭にターバンのように布を巻いた二刀流の剣士。花田、宇留間のまとめ役。彼らとの戦いで手負いとなった万次を追い込むが、駆けつけた百琳、真理路によって倒された(7~8巻)。
珠崎(たまざき)
逸刀流剣士。中山道にて百琳に襲撃され左目と右腕を負傷(6巻)。その後尸良からの情報をもとに仲間数人で百琳を拉致、拷問にかけるが、救出に来た偽一に左腕を斬り落とされたうえ百琳に斬り殺された(9~10巻)。
稲条(とうじょう)
逸刀流剣士。珠崎とともに無骸流アジトを襲撃。キリシタンの拷問をした経験から百琳の拷問を担当。用便中に襲い掛かってきた偽一に仲間ともども殺害される(9~10巻)。
鬼抜(きぬか)
白眼の剣士。珠崎とともに無骸流のアジトを襲撃、真理路を葬った。百琳を救出に来た偽一と対戦し敗れる(9~10巻)。
馬絽 祐実(ばろ すけざね)
顔面に真一文字の疵のある剣士で10人の逸刀流残党の一人。天津に頼まれて槇絵の居場所を探すなどの諜報活動も行なう(11巻)。「六鬼団」佩矢坊に最初に襲撃を受けるが撃退。また万次と風貌が似ていたため、この時に作られた人相書きをもとに万次が「六鬼団」の襲撃を受けることになった(21巻)。
元は志田祐実という名の幕臣で月滋という名の許婚もいたが、すべてを捨てて逸刀流に入党した。学名「キュウリスライサー」。
圭反 藤諒(かそり ふじあき)
逸刀流残党。20人もの仲間を殺した万次に対するケジメをつけるとして凶、把山とともに万次をおびき出し、万次について来た偽一と対戦、鎖により首を絞められた焦りのあまり、もがくだけで反撃できず敗れる(14巻)。
把山 繰重(わやん くりしげ)
逸刀流残党。隻眼の元マタギ。若い頃に熊を突き殺したことがある。閑馬永空の遺品から「血仙殺」を持ち出し万次を追い詰めるも、回復した万次に敗れる(14巻)。
吉乃 瞳阿(よしの どうあ)
逸刀流残党で、幼さの残る少女剣士。もともとは内地の人間で蝦夷アイヌの村で育てられたが、村の慣習になじまず夷作とともに本州へ逃れてきた。その後は野盗をしていたが、天津影久に追いはぎを行おうとして返り討ちにあい、それをきっかけに逸刀流へ加わった。鉄板入りの帽子を着用。天津の人柄に惚れ込んでいる。
逸刀流の残党となったあと、宿を求めて夷作とともに凛の寝起きする無天一流道場に現れる。自身の素行がもとで役人に捕らえられた夷作を救出するため、凛とともに江戸城地下に潜入。救出に成功した後、夷作とともにと共に逸刀流を退き南方へ旅立った(15~20巻)。
八苑狼 夷作(やそのおおかみ いさく)
逸刀流残党。瞳阿とともに蝦夷から逃れてきた大男。巨大な体躯に似ず純朴な人柄で、世間知らずな瞳阿の面倒を見る。異国の宣教師の息子で、本名はフェニーチェ・イサーク・カルワーリョ。戦闘時は手甲など軽装の鎧を身にまとう。
役人に捕らえられたのち、吐によるの不死力解明の犠牲となったが、不死力を得て生還。万次の救出に助力した後、瞳阿とともに南方へ旅立った(15~20巻)。ただし不死力はその後薄れて身には付かなかった。八苑狼という姓は瞳阿と旅立つ時に宣教師の父親が授けてくれたもので、由来は「耶蘇の大神(イエス・キリストのこと)」。
果心居士(かしんこじ)
逸刀流残党。「水科先生」という名で江戸で薬屋を営みつつ、密かに諜報活動等を行う老人。凛・瞳阿の江戸城潜入に陰ながら協力し、怖畔を援護に差し向ける(17~18巻)。
怖畔(おずはん)
逸刀流残党。南方系の装束の男で、常に仮面で顔を覆っている。身体能力が極めて高く、また仮面に仕込んだ特殊なで周囲を混乱させるなど奇襲戦法を得意とする。果心居士の命を受け、凛の江戸城潜入に助力した(18巻)。まともな日本語は話さないが、逸刀流の数名とは会話が成立している。
天津三郎(あのつ さぶろう)
逸刀流前党首。かつては無天一流でも一、二を争う剣豪だった。しかし師である浅野虎秀が野党の集団に襲われた際、浅野の実子である浅野虎行(凛の祖父)より多い九人を切り伏せるが、無天一流の教則には無い二刀流で戦い、更に一本が舶来の刀であるという理由で破門になる。その恨みから気を病んでおり、孫である幼き日の天津影久が槇絵に助けられたことに逆上して2人に激しい暴力をふるうほど(3巻)。その後「何代かけても我らが剣力、あの愚衆どもに知らしめよ」と言い残し狂死する。影久は彼の正しさを信じる一方、恥や体面を重んじる彼の姿勢に、格式と体裁を重んじる無天一流と変わらないとして「負け犬」と評している。

[編集] 無骸流(むがいりゅう)

逸刀流を標的にする少数精鋭の暗殺者集団。「百人斬り」万次が逸刀流を追っていることを聞き、共闘を持ちかける(5~6巻)。その実態は幕臣・吐鉤群が死罪人により組織した私兵隊であり、功績に応じて罪が減じられる仕組み(逸刀流剣士を一人殺すごとに最低一両二分支給し、五〇両を収めれば無罪放免)。逸刀流がほぼ壊滅したのを期に解党した(15巻)。

尸良(しら)
短髪、太陽柄の着物を着た剣士。長浜出身。16歳から人殺しをして生活していた。標的の手足を切り落としてからの弄り殺しを好み、また女を犯しながら刺し殺すという手口で性的快楽を得るなど残虐な性格の男。刀身の背が相手をいたぶるための鋸刃になっている刀を愛用する。百琳の半年ほど後に無骸流に入り、30人以上の逸刀流剣士を暗殺。百琳からの紹介で凶を追っていたが、凶が懇意にしていた遊女・恋を虐殺したことから凶の仇となる(5巻)。その後万次を訪れて逸刀流に対し共闘を持ちかけ、万次とともに宿場町で天津を待ち伏せるが、天津の替え玉に引っかかり逆上、刺客を虐殺した上凛をも手にかけようとしたため、万次に右腕を斬り落とされた(5~6巻)。この時の万次への恨みから右腕の肉をそぎ落とし、骨を削り上げて武器に仕立て上げ、苦痛によって白髪となる。さらに逸刀流にアジトを売って手形を手に入れ、甲州街道で万次を襲うが、万次が連れてきた凶に阻まれ、死闘の末残った左手を斬られた上滝つぼに落とされた(10~11巻)。
これで絶命したかに思われていたが、左目の視力と痛覚、左手を失いつつも生存、幕府に拾われ江戸城地下にて生存していた。凛の江戸城潜入の際に万次らと再会し、復讐を宣言し混乱に乗じ姿を消す(20巻)。その後は一応元々の吐の言いつけであった逸刀流追撃に従事していたが、幕府側からそれを反故にされ、暴走。凛を人質とし万次に決戦を挑んだ。
江戸城地下での不死実験により万次の左腕と不死力を手に入れ、且つ痛覚を失った事で優位に切り結ぶも、不死力を過信した隙を突かれ万次と凶の協力によりついに倒れる。死に際に練造に対し仇討を断念するよう言い残し、四肢を失った体を野良犬の群れに食い散らかされて死亡した。
百琳(ひゃくりん)
金髪、高下駄の姉御肌。騙し討ち専門で真理路と組んで逸刀流を狩っていた。弓矢の名手であり、戦闘になれば腕につけたボウガン様の武器で戦う。元は武家・早川霞江斎(はやかわ かこうさい)の妻早川百で、病弱を理由に息子を殺した夫を殺し、死罪人となっていたところを吐に身請けされた。金髪は地毛ではなく、息子の血を落とそうと南蛮の薬で脱色したもの。
万次たちと接触後、加賀へ向かった凛を追う万次に手形を手に入れさせるため、偽の書簡を使い逸刀流をおびき寄せ、さらに彼らとの戦いで窮地に陥っていた万次を助けた(6~8巻)。その後尸良の裏切りに遭い、逸刀流数名に拉致され拷問を受けるが、偽一によって助け出される(9~10巻)。無骸流解党後、吐に捕らえられた万次を探し出すために尽力、また囚人達の家族を扇動して江戸城を混乱に陥れ、万次の救出に力を貸した(15~20巻)。息根(ムスコン)。
真理路(しんりじ)
百琳と共に行動する冴えない男。背中に薔薇の柄がある着物を着ている。百琳に惚れている。もとは呉服問屋の丁稚で、盗みを働いて[4]死罪人となった後無骸流に加わった。無骸流に入ってからは剣を持って百琳の補佐を務める。
尸良の裏切りで逸刀流にアジトを知られた際、逸刀流数名を相手に大立ち回り、百琳を救おうとするが斬られる。死に際に、百琳を浚った逸刀流の居場所を偽一に、ダイイングメッセージで示した(9~10巻)。母根(マザコン)。
偽一(ぎいち)
サングラスのような黒目鏡をつけた禿頭の男。手錠状の独特の鎖鎌を使い、60人[5]もの逸刀流剣士を殺害した。冷静、寡黙な人物だが使命で傷を負い戦えなくなった百琳を気遣うなど人情を解する面もある。元は船大工であり、病にかかった息子の薬代のため盗みを働き、死罪人となった後無骸流の成員となった。
東海道にて襲撃した逸刀流の剣士から天津の行き場所が加賀にある心形唐流の道場であることを探り、凛にそれを告げる(8巻)。天津の加賀行きの間、吐とともに統主不在の逸刀流を騙まし討ちにし、副将格9名を虐殺。また加賀から戻った万次を吐のもとへ連れて行くことを条件に、吐に百琳を放免させた。無骸流解党の後、息子の死と帰属すべき組織の解体によって生きる望みを失い乞食として生活していたが、百琳に発破をかけられ、凛に万次救出のための情報を提供した(16~17巻)。
真琴(まこと)
少年。男娼をしていたところを身請けされた。スパイとして逸刀流に入り込み、阿葉山の世話役をしながら無骸流に情報を流していた(5~6巻)。逸刀流壊滅ののち姿をくらましていたが、阿葉山にみつかり斬りかかったところを返り討ちにされた(14巻)。
葦屋(あしや)・葛屋(くずや)
カゴ持ちに偽装した二人組。カゴに乗った状態の凶を騙まし討ちするが、返り討ちにされた。吐曰く「二人でようやく一人前」(5巻)。
吐 鉤群(はばき かぎむら)
幕府の新番頭にして無骸流の影の頭目。逸刀流を幕府の剣術指南役とする話を持ちかける一方、その裏で無骸流を使い逸刀流剣士の暗殺を行なっていた。自身も剣の腕が立ち、宴席の場で逸刀流副将格9名を偽一とともに殺害し、逸刀流を壊滅状態に追い込む(14巻)。その一方、万次の不死に興味を持ち、万次を江戸城地下に監禁。万次の不死力解明の実験を行なうも、凛と瞳阿の潜入により失敗、この時万次の奇襲を受け左目を失う。城下を混乱に陥れた責任を問われ切腹を申し付けられるが、切腹までの期日を逸刀流の殲滅に費やすことを決意、新たに私兵隊「六鬼団」を結成し、逸刀流残党の捜索を始める(21巻)。

[編集] 心形唐流(しんぎょうとうりゅう)

加賀藩主・前田家の剣術指南役であった伊羽軒秋(いばね けんしゅう)により開かれた新興流派。この道場に出向くために天津は加賀へ向かう。

伊羽 研水(いばね けんすい)
二代目心形唐流師範。逸刀流の考えに共感し、師・軒秋の忘れ形見でもある自身の養女・密花を天津が娶ることを条件に、心形唐流を逸刀流の傘下に組み入れることを提案する。しかし密花の命を形に幕府から脅され、已む無く門下生に天津を襲わせたのち、天津の目の前で自害した(8~12巻)。
入谷(いりや)
門下生。どもりぐせがあるが、剣の腕は門下生の中でも随一。密花に恋心を抱いており、天津の来訪を快く思っていなかった。師と密花の自殺を天津のせいだと考え、他の門下生とともに手負いとなった天津を追い詰めるが、天津を助けに来た槇絵に阻まれる。最後は片腕となり、満身創痍の天津と一騎打ちを挑んだが、天津の捨て身の攻撃に敗れた(8~13巻)。
虎杖(こづえ)
門下生。落ち着きのある人物で、入谷のいさめ役。入谷とともに天津に襲い掛かるが、駆けつけた凶に破れ、仲間の全滅を目にしながら息絶えた(8~13巻)。
遠野(とおの)・滝(たき)
門下生。万次に襲い掛かるが返り討ちにされる。(12~13巻)。なお沙村の別作品『おひっこし』に同名の人物が登場する。
水守(みもり)
門下生。師である研水の命により天津の命を狙うが、斬られて死亡する(11巻)。
大迫(おおさこ)
門下生。師匠亡き後天津を襲うが、腕を切り落とされる、その後の生死は不明(12巻)。

[編集] 不死実験関係者

吐による不死実験に関わった人物(14巻~20巻)。

孟膳(もうぜん)
不死実験のために歩蘭人とともに吐に連れてこられた古方派の医師。万次の解剖を行なうも失敗に終わる(15巻)。
綾目 歩蘭人(あやめ ぶらんど)
鎖国令を破り7年間異国で医術を学び、帰国後投獄されたところを吐により召抱えられた医師。孟膳の後を継いで不死力解明の人体実験を行い、その過程で大量の囚人を殺した。凛によって万次が救出されたのち、自身の行為を悔いて僧となり、囚人の遺した家族を訪ねて回った(15~20巻)。
出羽介(でわのすけ)
盗人(スリ)をしていた囚人。歩蘭人による最初の不死実験の実験台にされ、一時的に弱い不死力を得るものの、不死力の程度を検分するため吐に胸を貫かれて死亡する(15~16巻)。
虎右ェ門(とらえもん)
不死解明実験の助手。血生臭いことが苦手(15巻~20巻)
山田 浅右衛門 吉寛(やまだ あさえもん よしひろ)
斬首請負人。通称「首切り浅右衛門」。不死力解明の人体実験を手助けをする。鉄を寸断する「斬鉄」という技をもち、凛の江戸城潜入の際には万次の前に立ちはだかったが敗れた(16巻~20巻)。作中の登場人物では唯一、史実に基づく人物(史実の人物については山田浅右衛門を参照)。
弁鬼(べんき)
浅右衛門の助手。巨漢。実験により不死となった夷作と戦い敗れたのち、生き延びて浅右衛門の辞世の句を世に伝える(16~20巻)。
鵺一号(ぬえいちごう)
不死実験によって作られた怪物。万次たちの脱出間際に現れ襲い掛かる。実験によって不死となっており、さらに不死者の唯一の弱点である首を守るための金属片を埋め込まれている。凛の機転により万次、瞳阿、夷作の協力で倒された(20巻)。

[編集] 六鬼団(ろっきだん)

吐鉤群が無骸流解体後に新たに組織した私兵隊。主戦力である「花組」6名と「蛇組」多数名からなる。「花組」は無骸流と同じく死罪人から成るが、「蛇組」は食い詰めた浪人などを吐の私費で雇っている(21巻~)。

佩矢坊(はいやぼう)
六鬼団花組の一人。独特の仮面を被る。薙刀を操る。馬絽を襲い返り討ちにあう。
杣 燎(そま りょう)
吐の隠し子。吐の正妻と息子の死後、吐に頼み込んで六鬼団に入団し、佩矢坊が死亡したことで席が空いていた花組の一人となる。
伴 殷六(ばん いんろく)
六鬼団花組の一人。銃を操る。ガンマンのような風貌。
荒篠 獅子也(あらしの ししや)
六鬼団花組の一人。カイゼル髭の容貌魁偉な大男。大振りの双剣を操る。
弩馬 心兵(どま しんへい)
六鬼団花組の一人。ヌンチャクに似た武器を操る中華風の男。
八宗 足江進(はっしゅう たりえしん)
六鬼団花組の一人。十文字槍に似た武器を操る片目の男。バンダナをするなど西洋風の格好をしている。
叢咲 正造(むらさき しょうぞう)
六鬼団花組の一人。頭巾を被った出っ歯の男。残忍な性格から拷問を担当し、逸刀流の隠れ家を割り出す。
目黒(めぐろ)
吐の配下にあるくのいちで、六鬼団とともに行動する。宗理に想いを寄せており、絵心はないが彼の弟子に収まっている。驚異的な脚力の持ち主。料理は下手。
たんぽぽ
目黒とともに行動するくのいち。宗理の弟子で絵心があり、佩矢坊を倒した馬絽祐実の人相書きを作成した。プロポーションを羨まれ目黒からはブタ呼ばわりされている。
御岳(みたけ)
吐鉤群の家臣の一人。吐の逸刀流討伐に従い、万次を狙っていた尸良に不死力の情報を提供したりしている。馬術に長ける。

[編集] その他

序仁 魚仏(じょにぃ ぎょぶつ)
キリシタンの司祭風の恰好をし、懺悔に来た罪人を騙し討ちにするのを得意とした賞金稼ぎで、司戸菱安の弟。作中で最初に万次に斬り殺された人物(1巻・序幕)。
斉藤 応為 辰政(さいとう おうい たつまさ)
町の夫であり、勝川家同心。万次が斬った堀井重信の不正を聞かされ、万次の真意を武士道の「義」の心得から理解するが、堀井の番方である父が責任を取らされて切腹したこと、万次が九十九人の追手を斬り殺していた事を大義名分に万次を斬ろうとする。町の登場によって動揺した万次に襲い掛かるが、切り殺されてしまう。万次が隻眼となるに至る目の傷は、この時に付けられたもの(1巻・序幕)。
司戸 菱安(しど ひしやす)
浪人集団「新鮮組」の副将。弟の序仁魚仏を殺した万次をリンチにかけるため、万次の妹・町をさらい、これを殺す。最期は万次に斬られた(1巻・序幕)。弟根(ブラコン)。
辰(たつ)
宗理の娘。かなりのしっかり者で、奇行ばかりの父親に代わり家事を務める。
偽八百比丘尼
四十代ぐらいの壮年の女性。閑馬永空に孫を人質として取られ、八百比丘尼の服装をして凛の誘拐に加担することになる。凛に人を呼ぶと約束するが、閑馬に追いかけられて斬り殺されてしまう(2巻)。
恋(れん)
遊女。凶戴斗に恋愛感情を抱き、所帯を持つことが夢だったが、凶の命を狙う尸良に凌辱、虐殺される(5巻)。
飯盛女(めしもりおんな)
万次達が泊まった宿の飯盛女。凛に中屋夫妻を紹介する(6~7巻)。
中屋 惣八(なかや そうはち)、砂登(さと)
宿屋を営む夫婦。関所につながりがあり、金を受け取る代わりに手形の降りない人間を関抜けをさせていた。既に足を洗っていたが、凛の説得で彼女の関抜けに協力する(7~8巻)。
禿頭三兄弟(とくとうさんきょうだい)
万次を奇襲するために尸良が雇った、ヒゲ、モミアゲ、マユゲの禿頭3人組。弓矢で万次を足止めし、尸良が凶と戦う間に意を決して3人がかりで万次に襲い掛かるが、万次に凄まれて降参、尸良から受け取っていた前金も万次に没収される(10~11巻)。
伊羽 密花(いばね ひそか)
伊羽研水の養女。重い病を患っており、薬の副作用で目があまり見えない。研水の計らいで天津の妻となるが、研水の後を追い自害した(8~12巻)。
ナンダ郎(なんだろう)
不死実験で出た死体を捨てる仕事をしていた乞食。夷作の装具を身につけていた事から凛、瞳阿に目を付けられ、行動を共にする(17~20巻)。
咲楽(さくら)
江戸城地下に詰めていた役人。嗜虐的な性格で、罠にかかった凛をリンチにかける。凛たちを追ってきた怖畔にめった刺しにされた(18巻)。
英 于彦(はなぶさ うげん)
元は吐の配下。吐の失脚と共に新番頭に就任する。武力より交渉を重んじる性格で、天津と対面し江戸から去るよう求める(21巻~)。
川上 錬造(かわかみ れんぞう)
川上新夜の息子。父親の死後江戸城地下に投獄され、両手を失った尸良に使役される(20巻~)。

[編集] 登場武器

作品中に登場する武器は単行本巻末にて解説されているが、本編中で武器の名前が登場することはほとんどない。

妹守辰政(いものかみたつまさ)(使用者:万次)
二刀一組の刀。一見普通の日本刀だが、柄の部分で二刀を繋ぐことができる。もとは町の夫の斎藤辰政が所持していたもの。
四道(しど)(使用者:万次)
二刀一組の刀。刀身が十手のような形に枝分かれしている。元は司戸菱安の武器で、万次の手に渡ったのち、刀身と柄の間の部分に丸い穴が空けられた。万次がこの穴に指を入れて武器を回転させるアクションがしばしば見られる。
烏(からす)(使用者:万次)
大型の手裏剣のような武器。もとは黒衣鯖人が使っていたもの。二枚一組で、刃が3枚のものと4枚のものがある。中央に穴が開いており、ここに指を入れ回転させて使う。作中では投げては使われない。
阿吽(あうん)(使用者:万次)
柄の両端に穂がついた。もとは土持仁三郎が所持していたもの。折りたたみ式で、二節槍として使うことも可能。また穂の片側が半円形に欠けており、これで相手の武器を絡め取ることができる。
(無銘)(使用者:万次)
短い柄に湾曲した刃のついた鎌のような武器。二つの同じ形状のものが柄の部分の鎖で繋がれている。途中で偽一の錦連 三途ノ守を壊してしまった詫びとして貸したら返してもらえな…偽一に託される。
小天狗(こてんぐ)(使用者:万次)
短い柄の先にコの字型に刃がついており、片側が鉤状に折れ曲がっている。木に登る時にも使う。妹守辰政と連結出来る。
男転(おころび)(使用者:万次)
刀身にいくつもの鉤が付いた独特の凶器。凛が借りた際、自分で尻に刺してしまっている。
女虻(めらび)(使用者:万次)
鋸のような両刃の凶器。歪な形状のため、斬ることも刺すこともままならないが、斬りつけるたびに接触面を抉りとる、えげつない武器。解説では「虻」が違う字で表記。
クトネシリカ(使用者:凛)
蝦夷由来の刀で、柄と鞘に独特の文様が施されている。親の形見。万次と山田浅右衛門と戦いの際に折られてしまう。
黄金蟲(おうごんちゅう)(使用者:凛)
匕首。凛はこれを着物の中に数十本仕込んでおり、戦闘時にいっせいに射出する(殺陣黄金蟲)。
頭椎(かぶつち)(使用者:天津)
古代風の直刀と刃が湾曲した斧とある。斧の方は切れ味は鈍いが重量があり、防ごうとした武器ごと相手の頭蓋を叩き割ることができる。
春翁(はるのおきな)(使用者:槇絵)
三節槍。柄の両端に穂がついている。中央の柄を持って回転させ、遠心力を利用して殺傷力を高める事も出来る。普段は畳んで三味線の中に隠し持っている。
グラントルコ(使用者:凶)
西洋由来の直刀。突き専門。「仕込み刀」であり、幅広厚身の刀身の中にもう一振り細身の刀が納められている。
井上真改 蟲殺(いのうえしんかい こさつ)(使用者:閑馬)
日本刀と匕首とあり、刀の背に毛が植えられ、ここに毒を仕込んで使う。後に把山繰重が使用。
群踏(ぶらふま)(使用者:百琳)
手首に装着する折りたたみ式の。百琳は矢に毒を塗って使用する。弓の両端が鋭くなっており、殴るように刺突して使うことも出来る。
錦連 三途ノ守(かねつち みとのかみ)(使用者:偽一)
柄の先に手錠のような構造の刃がついた武器。柄には鎖がついており、鎖の方を持って本体部を投げつけ、相手の首に手錠の部分を掛け(この状態で尋問などを行う)最終的には切り落とす。武器を絡めとることも出来る。万次との戦いで壊された。
ホトソギ(使用者:尸良)
柄は白鞘。片刃の直刀で、刀身の背が鋸刃になっており、なぶり殺すのに使う。漢字を当てると「女陰削ぎ」。
燕誅丸(えんちゅうまる)(使用者:花田)
二刀一組の細身の刀。レイピアのような形状。
鬼太鼓桴(おんでこばち)(使用者:宇留間)
巨大なのような武器。
神刃(かむじん)(使用者:火瓦)
南国趣味の大型の直刀。
助広・雨椿(すけひろ あまつばき)(使用者:火瓦)
日本刀。鍔が独特の形状。
鯱鉤(しゃちばり)(使用者:圭反)
鉤状の刀剣。先端のみ両刃になっている。
断身九印(だんしんくいん)(使用者:阿葉山)
片手で操れることを前提に作られた特注品の隠し刀。切断された腕に仕込んでいる。複雑な形状の柄の両端に刃のついた特異な物。
鴉鷺(あろ)(使用者:吐)
吐の持つ太刀。柄には竜の紋様。
イペタム(使用者:瞳阿)
槍の穂を短剣風に仕立てた、黒い懐刀。「イペタム」は伝説上の邪剣の名で、「人食い」の意。
キウラコンタ(使用者:瞳阿)
役人の落とした十手の先を尖らせたもの。
ガザミ(使用者:鵺一号)
鵺一号の両腕に取り付けられた武器。二振り分の刀の刀身を、金具によって互いの刃が外側に向くように繋いである。
杉ノ明露(すぎのあけつゆ)(使用者:馬絽)
長大な野太刀。刀身にいくつも穴を開け軽量化されているため、通常より速く振ることが出来る。見るからに脆そうな作りで、作者自身が「折れそう」と公言しているほど。

[編集] テレビアニメ

2008年7月13日より、AT-Xにて放送。2009年3月5日からはテレ玉アニたま』枠にて放送中。物語初期から凛や無骸流が登場し、吐が天津影久に講剣所の師範を依頼するなど、ストーリーの時系列に一部変更がある。殺陣も原作の残酷な描写から、TV向けの極力押さえたものになっている。

[編集] スタッフ

  • 原作:沙村広明「無限の住人」
  • エグゼクティブプロデューサー:針生雅行、関澤新二、石川みちる
  • プロデューサー:松下卓也、木下哲哉、森下勝司、山田昇
  • アニメーションプロデューサー:村岡秀昭、丸亮二、清水孝泰、田中憲一朗
  • シリーズ構成:川崎ヒロユキ
  • キャラクターデザイン:山下喜光
  • 得物デザイン:肥塚正史
  • 色彩設計:小島真喜子
  • 特殊効果:加茂あゆみ
  • 美術監督:海野よしみ
  • 撮影監督:五十嵐慎一、斎藤仁
  • 音響監督:なかのとおる
  • 音楽:大谷幸
  • 監督:真下耕一
  • アニメーション制作協力:Production I.G
  • アニメーション制作:ビィートレイン
  • 製作:浅野道場復興会

[編集] 主題歌

オープニングテーマ『赤いウサギ』
歌:枕草子、作詞:愛華、作曲:大谷幸
エンディングテーマ『wants』
歌:GRAPEVINE、作詞:田中和将、作曲:亀井亨、編曲:長田進&GRAPEVINE

[編集] キャスト

[編集] 各話ごとのサブ・キャラクター

第一話『罪人』

第二話『征服』第三話『恋詠』

第四話『天才』

第五話『執人』

第六話『蟲の唄』第七話『三途』

第八話『爪弾』第九話『夢弾』

第十話『變面』 第十一話『羽根』

第十三話『風』

[編集] 各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
第一話 罪人 川崎ヒロユキ 真下耕一 黒川智之 山下喜光
第二話 征服 澤井幸次 天崎まなむ
第三話 恋詠 有江勇樹 天崎まなむ
門智昭
第四話 天才 モリヲカヒロシ 津幡佳明
第五話 執人 黒川智之 佐々木睦美
第六話 蟲の唄 有江勇樹 天崎まなむ
第七話 三途 澤井幸次 山下喜光
第八話 爪弾 モリヲカヒロシ 落合瞳
第九話 夢弾 黒川智之 津幡佳明
第十話 變面 金巻兼一 澤井幸次
有江勇樹
澤井幸次 佐々木睦美
第十一話 羽根 澤井幸次 天崎まなむ
第十二話 斜凜 川崎ヒロユキ モリヲカヒロシ 落合瞳
第十三話 澤井幸次 黒川智之 山下喜光

[編集] 関連商品

  • 無限の住人ポストカードブック 三十二幻唱(1996年、講談社
    • 作中のイラストを使用したポストカードブック
  • 無限の住人 イメージアルバム(1996年、ポニーキャニオン
    • 人間椅子によるアルバムCD。沙村広明が女性の背中に描いた凛のイラスト(浮世絵風)をジャケットに使用。
  • (2002年、プレイステーション2用ゲームソフト、スパイク
    • アクションゲーム。ゲーム自体は『無限の住人』の作品世界と何の関係もないが、隠しキャラとして万次が登場する。21巻掲載の「おとづれ」にてこのゲーム最初の地点の川辺らしき場所が出ている。万次はそこに小屋を建て住んでいるという設定(ゲーム場面にも小屋がある)
  • 無限の住人 武器屋(えものや)24時間 武器コレクションフィギュア(2006年、ボーフォードジャパン)
    • 登場人物ではなく、登場武器をフィギュア化するという異例の企画。沙村広明監修。前10種+シークレット1種。大きさは20センチ程度。
  • 艶浪 「無限の住人」画集(2008年、講談社)
    • 初の大判本格画集。カラー、鉛筆画100点強を収録。
  • 無限の住人 忍獣異聞(2008年、講談社)
    • 大迫純一によるノベライズ作品。内容は小説オリジナル。

[編集] 外部リンク

[編集] 脚注

  1. ^ 長篠の戦いから200年、幕府開府から180年という作中人物のセリフがあることから18世紀後半と思われるが、外国人向のカトリック教会(アニメ版では隠れキリシタンの隠し社)がある、宗理が初期と幕末を除き長く置かれていなかった「大老」の命で動いているとの発言など幕末期を思わせる描写もある。
  2. ^ 堀井重信は無断で税額を水増しして課税、差額を横領し、更にその重税に耐えかねて直訴しようとした農民たちを、証拠隠滅のために悪人と詐称して事情を知らなかった万次に斬らせていた。
  3. ^ 人生の目的半ばで死ぬ人間達を救うためにチベット仏教のラマ僧が生んだ究極の延命術。傷を負うと何千何万という「蟲」が現れ、傷口で死結し破壊された体組織を代行し、また不老の身体となる。ただし傷を負う前に欠損した肉体は修復されず、傷を負った時の激痛はそのまま襲いかかってくる。「血仙蟲」を持った人間を殺すには「血仙殺」という毒を使って血仙蟲を無効にするか、首を斬り落とすしかない。
  4. ^ 母親に仕送りをするために賃金を貯めていたが、それを見た上司が賃下げしたため、金の持ち逃げを働いた。10両盗まなければ死罪にはならないと思っていたが、奉公人の犯罪のため死罪となった。
  5. ^ 万次と立ち会うときに公表した59人と、その直後戦い殺害した圭反藤諒。

最終更新 2009年11月17日 (火) 06:26 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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