燃料計

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燃料計(fuelmeter、フューエルメーター、フューエルゲージ)は、機器において燃料の残量を指示する計器、測定器である。

自動車・オートバイなどの内燃機関を搭載する燃料残量が重要な意味を持つ機器に装備され、操作者が現在の燃料残量を把握するのに用いられる。

以下では特に、自動車オートバイの燃料計に関して記述する。

目次

[編集] 概要

エンジンにとって燃料残量はその車両の航続可能な残り距離を左右する重要な要素である。燃料残量を把握しないまま走行を続けると、燃料切れでの自走不能状態に陥ったり、最悪の場合は空燃比の極端な変化によりエンジンが破損する場合もある(2ストローク車両や、特に極端な高回転の場合)。

一方で、オートバイなどでは特にキャブレター搭載車両を中心に現在でも燃料計を搭載しないものが数多く存在する。この場合、トリップメーターの計数表示と燃料タンクの総容量から予め平均燃費をライダー自身が算出しておき、平均燃費からトリップメーター上であと何km走れるのかを逆算する必要がある。こうした燃料計を搭載しないオートバイの多くは燃料タンクにリザーブタンクを備えており、燃料コックが通常位置でガス欠状態になった際には燃料コックをリザーブ側に切り替え、残り燃料があるうちに速やかに給油する事を促すようになっている。

近年ではオートバイでも電子制御式燃料噴射装置を装備した車両が増えた事から、従来のキャブレター仕様では燃料計を備えていなかった車種であっても、マイナーチェンジで燃料計を追加されたものも多くなってきている。

オートバイの中でもスクーター等は車体のデザインにより燃料タンクが通常のオートバイと大きく異なる位置に配置され、キャブレター仕様でも燃料がキャブレターに自然落下するタイプではなく、電気式の燃料ポンプにより燃料供給を行う形式が多かった事から、キャブレター時代の比較的早い段階から電気式の燃料計が搭載されているものが多かった。

計器としての単位はリットルであるが、後述の機構上の理由により文字盤にはフルタンク状態を示す「F」(Full)と、空タンク(若しくは燃料残数が少ない事)を示す「E」(Empty)以外の文字は記載しない場合が多い。

燃料計の中には、燃料残量が残り少なくなると専用の警告表示灯が点灯してドライバーに速やかな給油を促すものもある。

[編集] 歴史

自動車オートバイの創生期においては、計器はほとんど装備されずドライバーの五感からの情報に頼った運転がされていた。燃料残量についても同じで、ドライバーは燃料タンクの蓋に備えられた固定式のレベルゲージを確かめて、予め出発前に燃料を補給しておく等の対策が必要であった。

その後、モータリゼーションの発達で大規模国道高速道路が整備され、ガソリンスタンドが各都市の随所に開設されるようになると、自動車やオートバイでも遠出をする機会が増え、燃料タンク内の残り燃料から航続可能な残り距離をドライバーが常時把握しておく必要が生まれた。

その結果、まずオートバイに燃料タンク直付けの燃料計が装備されるようになった。これは燃料タンク内にフロートを浮かべておき、フロートの浮き沈み量を機械的にゲージに直接示す事で、燃料タンク内に大体どの程度燃料が残っているのかをライダーに知らせる物であった。その後、自動車の燃料タンクにも同様の機構で燃料残量を示す機械式の燃料計が搭載されるようになった。こうしたタイプの燃料計は構造が単純な為、現在でも燃料キャップと一体化された形で、小排気量のビジネスタイプのオートバイや、発電機を始めとする小型内燃機関を搭載した建設機械などに採用されている。

1960年代以降になると、電気式燃料計が開発される。電気式燃料計はフロートの上下量を可変抵抗を介して抵抗値に変換し、その抵抗値から指針を上下させる方式である。原理的には機械式とほぼ同じであるが、車体の揺れや傾きによる表記の変化量が機械式に比べて緩やかな為、現在では燃料計のほぼ大多数がこの形式を採用している。

1980年代にはセンサ部分は電気式と同じ構造だが、メーター部分をデジタル表示とする、デジタル燃料計が登場する。デジタル燃料計はその他のデジタルメーターとは異なり、液晶表示計などに置き換えられた形で現在でも低価格の車両を中心に幅広い車種で用いられている。

[編集] 構造

現在使用されている燃料計は、大きく分けて機械式と電気式に分類される。両者の大きな違いは、燃料タンク内に備えられたフロートの上下量を機械的式に読み取るか、電気的に読み取るかである。

[編集] 機械式燃料計

機械式燃料計は、燃料タンク内に備えられたフロートの上下量を機械的に直接メーターに表示する方式である。 小型化が容易な形式であり、現在でも燃料キャップと一体化した形式のものが一部のオートバイや可搬式の内燃機械に用いられ、タンクに内蔵されたタイプの物が固定式内燃機械や灯油タンクなどに用いられ続けているが、フロートの上下量がそのままメーター表記に反映される為、機器の傾きや上下振動などでフロートが激しく動いた場合、メーター表記が急激に変動しやすい欠点があった。

その為、オートバイなどでは運動性能の向上により車体のバンク角度が大きくなってくると、従来の機械式燃料計では走行中の燃料表記を正確に把握し続ける事が困難になった為、トリップメーターの普及と共に燃費計算による航続距離の逆算法が主流となってくると、機械式の燃料計は廃れていってしまった。自動車においては、燃料タンクの搭載位置が黎明期の車種のようにエンジン直上に配置され、キャブレターに自然流下する形式が少なくなると、機械式の燃料計はフロートとメーター間を機械的に結合する手法が採りにくくなり、電気式のフロートの登場と共に一挙に廃れてしまった。

[編集] 電気式燃料計

電気式燃料計は燃料タンク内に備えられたフロートの上下量を可変抵抗により抵抗値に変換し、抵抗値の上下動によって電気式メーターに燃料残量を表示する方式である。

基本理論は機械式とほぼ同一であるが、機器の傾きや上下振動などでフロートが激しく動いた場合のメーター表記の変化が緩やかで、機械式燃料計のようにメーターとタンク間のワイヤー結合により燃料タンク搭載位置が左右される事も無い為、現在の燃料計のほぼ大多数がこの形式を採用している。但し、フロートの上下量により指針を表示する関係上、燃料タンクに厳密に何リットル燃料が残っているのかを正確に判断する事は極めて困難である為、この形式の燃料計の表示板に残り燃料を数値的に示した物は現在でも殆ど存在しない。

フロートの上下量を単純に指針に示すだけの装置の為、燃料を給油した際に指針が「F」を振り切る車種や、「E」まで指針が下がった後にもタンク内にまだ10リットル程度の燃料が残っている車種も存在する。この為、残り燃料を出来るだけ正確に把握したい場合にはオートバイ同様に平均燃費と燃料タンク総量から航続可能な距離を逆算する必要がある。

電気式燃料計の中には、燃料残量警告表示灯を備えた物が存在する。これはフロートの抵抗値が一定以下(或いは以上)になった場合に警告灯を表示する物と、燃料計用のフロートとは別に警告表示灯用のフロートを搭載し、フロートが一定以上下がった場合にスイッチが導通し警告灯を表示するタイプに大別できる。前者の場合はフロートを燃料計と共有する関係上、坂道等で車体が傾くと警告灯が点灯し、水平になると消灯する場合がある。また、警告灯表示時点で何リットル燃料が残っているのか厳密には規定されていない為、僅かでも警告灯が点灯した場合には出来るだけ速やかに給油をする事が望ましい。

[編集] デジタル燃料計

デジタル燃料計は、燃料計の表示部分によるバリエーションのひとつである。メーターのデジタル化は、1970年代にスピードメーターを初めとするほとんどの計器で始まったが、スピードメーターなどで採用されたセグメント表示器を使用した数値表示方式は燃料計には適しておらず、デジタル燃料計にはデジタルタコメーターと同様にLEDをバー状、あるいはグラフ状に並べて順番に点灯させ、バーが伸び縮みして表示されるバーグラフ式が採用された。

燃料残量は短時間に大きく数値が変化する事が無く、バーグラフ表示への置き換えが比較的楽であった事や、指針式の燃料計はメーターパネル内で比較的大きなスペースを要求するのに対して、デジタル燃料計は極めてコンパクトに配置できる為、現在では軽自動車等の低価格車両や、オートバイなどのメーターパネルの大きさに制約がある車種を中心に、液晶によるデジタルオドメーター等と一体化された形で採用が進んでいる。

[編集] 装備としての燃料計

燃料計は他の計器類と異なり、比較的早い段階からほぼ全ての自動車への純正採用が進んでいった。これはトリップメーターなどの距離積算計すら存在しなかった時代には、自動車や二輪車の使用状況によっては、燃料の欠乏による自走不能が、そのまま遭難などの搭乗者の生命の危機に繋がる重大な事故を招く危険性が高かった為である。

しかし、燃料タンク内のフロートを使用してメーターに表示する形式が長い間変わらなかった事から、「燃料タンクに残り何リットル燃料が残っているのか」を正確に把握する事は現在でも極めて困難なままとなっている。また、機械式にせよ電気式にせよ燃料タンク内にフロートを備える事が必須である為、一部の燃料キャップ一体式燃料計を除いて、燃料計を元々備えていない車種に後付けで燃料計を付加する事はかなり難しい。

安全性などの観点から、タコメーターなどのようにコスト削減の際に省略される事はまず有り得ない装備であるが、トリップメーターと平均燃費による逆算法を熟知した操縦者であれば、必ずしも燃料計だけを頼りに走行する必要性は無いなど、相反する要素を備えた装備である。

その為か、燃料計は法律上必要な装備とはされておらず、燃料計を排除したり、故障により動作しない状態であっても整備不良となることはなく、車検にも影響はない。

[編集] 競技・スポーツ装備としての燃料計

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月20日 (金) 15:04 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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