片親引き離し症候群
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片親引き離し症候群(かたおやひきはなししょうこうぐん、英:Parental alienation syndrome、略称:PAS)は、1980年代初めにリチャード・A・ガードナーによって提唱された用語で、両親の離婚や別居などの原因により、子供を監護している方の親(監護親)が、もう一方の親である非監護親に対する誹謗や中傷、悪口などマイナスなイメージを子供に吹き込むことでマインドコントロールや洗脳を行い、子供を他方の親から引き離すようし向け、結果として正当な理由もなく片親に会えなくさせている状況を指す。「洗脳虐待」と訳されることもある。
PASは、医学界や法学界では「疾患」であるとは認定されておらず、ガードナーの理論や関連研究は、法学者や精神医学者から広く批判されている[1][2][3][4]。
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[編集] 概要
PASの影響として、子供の精神面や身体面においてさまざまな悪弊が出たり、生育に悪影響があることが、欧米を中心に児童心理学者をはじめ法律関係者などにも広く認識され子供に対する虐待であると捉えられているが[要出典]、日本では専門家の間でも充分に認識されているとは言いがたい。ガードナーには、PASは子供に様々な情緒的問題、対人関係上の問題などを生じさせ、長期間にわたって悪影響を及ぼすと主張、引き離しを企てている親の行為は、子供に対する精神的虐待であると指摘している。
PASの法的証拠としての有効性は、専門家委員会のレビューや、イギリスのイングランド・ウェールズ控訴院により否定されており、カナダ法務省はPASを用いないように推奨しているが、米国の家庭裁判所での論争においては用いられた例がある[5][6]。ガードナーは、PASは法曹界に受け入れられており、多くの判例もあるとしているが、実際の事件を法的に分析した結果、この主張は正しくないことが示されている[4]。
PASを医学的に「症候群」や「疾患」であると認定している専門職団体はなく、PASはアメリカ精神医学会の『DSM 精神障害の診断と統計の手引き』にも掲載されていない。
[編集] 日本の現状
現在、日本の離婚件数は年間約25万件にものぼり、うち約16万組に未成年の子がいる。しかし日本では現在、先進国の中では唯一共同親権、共同監護を認めておらず、離婚に際してどちらか一方の親が親権者となる単独親権制度を採用しているため、子の争奪をめぐって夫婦間で熾烈な争いが演じられるケースが多い[7]。
一方の親による離婚前の連れ去りや虚偽のDV申し立てなど手段を選ばない方法が横行しており、このために夫婦間の感情的葛藤がさらに高まることでPASというかたちで、なんら罪のない子供が被害を受けるケースが多くなっている現状があり[要出典]、他の先進国並みに共同親権の確立を求める声も強い。多くは母性優先の原理に則った裁判所の判断によって父親が子と会えなくなるケースが多いが、連れ去りなどによる場合は現状追認が優先され、母親側が子と会えなくなる場合も少なからずある。面接交渉権が認められても、実際にはPASによって監護者側の意図が反映され、子に会えない親、片親に会えない子が数多く存在する[要出典]。裁判所での子供の意思の確認は15歳未満ではほとんど行われず、15歳以上で行われる場合も監護側の親の意思により形成された表面的なものを判断材料とし、多くは現状維持を追認するケースが大半である。
[編集] 脚注
- ^ Bernet, W (2008). “Parental Alienation Disorder and DSM-V”. The American Journal of Family Therapy 36 (5): 349-366. DOI: 10.1080/01926180802405513.
- ^ Bruch, CS (2001). “Parental Alienation Syndrome and Parental Alienation: Getting It Wrong in Child Custody Cases” (pdf). Family Law Quarterly 35 (527): 527-552.
- ^ Wood, CL (1994). “The parental alienation syndrome: a dangerous aura of reliability”. Loyola of Los Angeles Law Review 29: 1367–1415. 2008-04-12 閲覧。
- ^ い ろ Hoult, JA (2006). “The Evidentiary Admissibility of Parental Alienation Syndrome: Science, Law, and Policy”. Children's Legal Rights Journal 26 (1).
- ^ Fortin, Jane (2003). Children's Rights and the Developing Law. Cambridge University Press, 263. ISBN 9780521606486.
- ^ Bainham, Andrew (2005). Children: The Modern Law. Jordans, 161. ISBN 9780853089391.
- ^ NHK解説委員室 視点・論点「会えないパパ 会えないママ」2009年03月19日 (木)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 東京家庭裁判所HP(家事第三調査官室 主任家庭裁判所調査官 町田隆司が片親引き離し症候群について触れている)
- 親子の絆ガーディアン四国
最終更新 2009年10月29日 (木) 08:47 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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