牛頭天王
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牛頭天王(ごずてんのう)とは、日本の神仏習合における神である。京都祇園や播磨国広峰山に鎮座する神であり、蘇民将来説話の武塔天神と同一視された。インドの釈迦の生誕地に因む祇園精舎の守護神ともされ[1]、祇園神とも呼ばれた。陰陽道では天道神と同一視された。神仏習合では薬師如来の垂迹であるとともに、スサノオの本地とされた。感神院祇園社から勧請されて全国の祇園社、天王社で祀られた。
目次 |
[編集] 起源
牛頭天王の起源としては以下の説がある。
- ゴーマ・グリーヴァャ・デーバラージャ(漢音訳:瞿摩掲唎婆耶提婆囉惹)「望月仏教大辞典」より。
- ギャバ・グリーヴァGavagriva ・・・ 典拠は不明。
- ゴーズ ・・・祇園精舎の守護神といわれる。
[編集] 歴史
[編集] 備後国風土記の蘇民将来説話
『釈日本紀』に引用された『備後国風土記』逸文に「武塔神」と「蘇民将来」兄弟の話が出てくる。親切に迎え入れた兄の「蘇民将来」に対しては疫病を免れしめたというがこれは「蘇民将来」説話の最古の例であり、この段階ではまだ「蘇民将来」説話と牛頭天王は結びついていなかった。
[編集] 中世
牛頭天王は疫病の神であるところから「蘇民将来」説話と混淆し、牛頭天王は武塔神と同一視されたり父子関係とされたりするようになる。また神道のスサノオと習合した。
その結果、さまざまな説話のバリエーションがある。
一例に八坂神社などでは赤い地の紙に金色の文字で「蘇民将来子孫之門」という札の由来となった次の説話がある。(赤い紙に金色の文字は陰陽道で「疫病神が嫌う色」とされているからとされる。)
昔、牛頭天王が老人に身をやつしてお忍びで旅に出た時、とある村に宿を求めた。このとき弟の巨丹将来は裕福なのに冷淡にあしらい、兄の蘇民将来は貧しいのにやさしく迎え入れてもてなした。そこで牛頭天王は正体を明かし、「近々この村に死の病が流行るがお前の一族は助ける」とのたまった。果たせるかな死の病が流行ったとき、巨丹の一族は全部死んでしまったのに、蘇民の一族は助かったという。
また他の、一例では牛頭天王は武答天皇の太子として登場し、牛頭天皇とも表記され、八大竜王の一、沙竭羅の娘を妃として8人の王子を生んだという。その姿は、頭に牛の角を持ち、夜叉のようであるが形見かけは人間に似ていると考えられた。
平安時代に都市部で信仰されるようになり、祇園御霊会(祇園祭)において祀られるようになったとされる。京都祇園の感神院祇園社に祀られ除疫神として尊崇された。
仏教では、東方・浄瑠璃世界の薬師如来の垂迹ともされる。またスサノオと習合したことから、『日本書紀』一書第4のヤマタノオロチ退治の前段で千座置戸され天からおわれたスサノオが居たと記された新羅の曽尸茂利(そしもり、牛頭)に関係する神ともいわれる[1]。牛頭天王に対する神仏習合の信仰を祇園信仰といい、中世までには日本全国に広まった。
[編集] 近世・近代
祇園社、天王社で祀られていた。単に天王といえば、牛頭天王をさすことが多い。牛頭天皇と呼ばれることもあり、奈良や滋賀の天皇神社はスメラミコトとしての天皇ではなく牛頭天王が祭神である天王洲アイルの「天王洲」など、各地にある「天王」のつく地名の多くは牛頭天王に因むものである。
[編集] 神仏分離・廃仏毀釈
明治維新の神仏分離によって、日本神話のスサノオを仏教信仰に組み込んだ牛頭天王は徹底的に弾圧された。天台宗の感神院祇園社は廃寺に追い込まれ、当時の国家神道の八坂神社に強制的に改組された[2]。全国の牛頭天王を祀る祇園社、天王社は、スサノオを祭神とする神社として強制的に再編された。
[編集] 牛頭天王を祀る寺院
少数だが廃仏毀釈を乗り越えて、現在でも牛頭天王を祀る寺院は存続している。
- 子の神社(境内末社)(東京都東久留米市)
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 山本ひろ子 『異神〈下〉中世日本の秘教的世界』 ちくま学芸文庫 2003年 ISBN 978-4480087690
- 川村湊 『牛頭天王と蘇民将来伝説 消された異神たち』 作品社 2007年 ISBN 978-4861821448
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年11月22日 (日) 03:15 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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