獣の奏者
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| 獣の奏者 | |
|---|---|
| ジャンル | ファンタジー |
| 小説 | |
| 著者 | 上橋菜穂子 |
| イラスト | 武本糸会(青い鳥文庫版) |
| 出版社 | 講談社 |
| 発表期間 | 2006年11月21日 - 2009年8月11日 |
| 巻数 | 単行本:全4巻 青い鳥文庫版:全4巻 講談社文庫版:既刊2巻 |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 上橋菜穂子 |
| 作画 | 武本糸会 |
| 出版社 | 講談社 |
| 掲載誌 | 月刊少年シリウス |
| レーベル | シリウスKC |
| 発表期間 | 2008年10月25日 - 連載中 |
| 巻数 | 既刊1巻 |
| アニメ:獣の奏者 エリン | |
| 原作 | 上橋菜穂子 |
| 監督 | 浜名孝行 |
| シリーズ構成 | 藤咲淳一 |
| キャラクターデザイン | 後藤隆幸 |
| 音楽 | 坂本昌之 |
| アニメーション制作 | Production I.G トランス・アーツ |
| 製作 | NHKエンタープライズ |
| 放送局 | NHK教育テレビ |
| 放送期間 | 2009年1月10日 - 放送中 |
| 話数 | 全50話 |
| コピーライト表記 | ©上橋菜穂子・講談社/NHK・NEP |
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『獣の奏者』(けもののそうじゃ)は上橋菜穂子のファンタジー小説、およびそれを原作とした作品群である。
目次 |
[編集] 概要
「リョザ神王国」と呼ばれる異世界の地を舞台とするファンタジー巨編。運命に翻弄される少女・エリンを軸に人と獣の関わりを描く。「I 闘蛇編」「II 王獣編」「III 探求編」「IV 完結編」の全4巻から構成される。
2006年11月に講談社から「I 闘蛇編」と「II 王獣編」が二冊同時刊行された。2008年に「月刊少年シリウス」(講談社)で武本糸会の作画で漫画化、2009年には『獣の奏者 エリン』のタイトルでテレビアニメ化がなされた。テレビアニメについてはテレビアニメの節も参照されたい。
上橋にとって物語の結末は『II 王獣編』のラストシーンが究極のものであり、これ以上物語が続くことはないと考えていたが、周囲から「続きを読みたい」という声が数多く寄せられ、自らも物語の中で描ききれなかった謎への決着を付けたいという思いがあったために[1]、2009年8月に続編となる「III 探求編」と「IV 完結編」が刊行された(但し、一部アニメのネタバレになる様な描写を含む為、置く事を見合わせる書店も見受けられる)。子供向けに、全ての漢字にルビが振られ、一部の漢字がひらがなに改められた青い鳥文庫版も刊行されている。「I 闘蛇編」と「II 王獣編」の内容を全4巻に分冊しており、漫画版と同じく武本糸会が挿画および挿絵を務める。「守り人シリーズ」と共に海外での出版も予定されている[† 1][1]。
本作は「決して人に馴れぬ孤高の獣と、それに向かって竪琴を奏でる少女」という上橋の心に浮かんだワンシーンが執筆のきっかけとなっている。この構想は何年も前に心に浮かんだがそこから発想を膨らませることがなかなか出来なかったという。しかし、ある日、ふと手に取った「ミツバチの養蜂」に関する本を読み進めていくうちに、生命の不思議に心震わす少女のイメージが浮かび上がり、こうして仕上がった作品が本作である[2]。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。 →[記述をスキップ]
[編集] 舞台設定及び用語説明
- リョザ神王国
- 神々の山脈(アフォン・ノア)と呼ばれる峰の向こうからやってきた、金色の瞳を持つ長身の女性・ジェが神祖(国の開祖)であると伝えられている。ジェの子孫である真王(ヨジェ)一族を国王とし、真王に仕える大公(アルハン)が闘蛇軍を率いて国と王を守護するが、国内では真王領民と大公領民との間では様々な軋轢が生じている(後述)。
- 真王家
- リョザ神王国の王家であり、神々の山脈(アフォン・ノア)の彼方からやってきた、神祖ジェの子孫の一族。真王(ヨジェ)は政治と行政を司る「権威」であり、国の西側を統治する。真王領は山がちの土地が多いため、雑穀や麦を挽いて水で練ったファコと呼ばれるものを主食としている。真王領の臣民は<ホロン>と呼ばれ、大公領民を「血で汚れた者」と蔑視している。
- 堅き楯(セ・ザン)
- ハルミヤの母ミィミヤが血と穢れ(サイ・ガムル)に暗殺された事件をきっかけに結成された、王族を守る護衛士。真王一族を守るためだけに生きる、いうなれば生きた楯。いかなる弱みも持たぬよう生涯を通して独り身で暮らすこと、親族たちとの縁を完全に断つことが義務付けられており、いざとなれば王族のために自らを楯として死ぬことも辞さない。その代償として、どのような生い立ちであろうと、堅き楯になれば貴族と同等の扱いを受けられ、最高の忠義を尽くしたものとして栄誉も与えられる。
- 大公家
- 真王に仕える大公(アルハン)の一族。闘蛇軍を率いて国と真王を守護する。大公は軍事力を司る「権力」であり、真王と同等の権限を持ち、国の東側を統治する。
- エリンは大公領のアケ村で生まれ育った。大公領は真王領より広大で水源が豊富な平野に恵まれていることから、領民は米を主食とする。
- 大公領の臣民は<ワジャク>と呼ばれ、「幾多の血を流して国を支えてきたのは自分たちである」と自負している。そのため貧しいわりにプライドは高い真王領民が自分たちのことを「血で穢れた者」と見下すことに強い不満を抱いている。
- 血と穢れ(サイ・ガムル)
- 大公をリョザ神王国の王にすることを目的とする集団。真王が国を分裂させ、発展を滞らせている諸悪の根源とする理念を掲げており、真王を弑して大公を王位に付けることこそが繁栄への道だと説く。
- この存在が初めて浮き彫りになったのは、今から約六十年前に<血と穢れ>の放った刺客の手で当時の王女であったハルミヤの母が暗殺されたときであり、このことは王国を根底から覆すと共に、堅き楯の生まれるきっかけとなった。他にも闘蛇の卵を狙うなどの事例が確認されている。
- <血と穢れ>は国内至る所に潜んでおり、大公家でさえも実態を把握できていない。
- 霧の民(アーリョ)
- 緑色の瞳を持つ流浪の民。その正体はアフォン・ノアの向こうにかつて暮らしていた闘蛇使い・緑ノ目ノ民(トガ・ミリョ)の残党。
- 過去に起きた、人も獣もすべてが死に絶えるような恐ろしい過ちを繰り返さぬよう、戒め(一族以外の者と結婚してはならない、一ヶ所に留まって暮らしてはならない、等)を守ることを誓って真王にも大公にも仕えることなく野山を巡り暮らしている。
- 医術や薬術に優れ独特の優れた文化を持つが、周囲から魔術を使っていると誤解される事がある。また、緑の瞳や高い背丈、流浪の民という性質などから人々からは差別的扱いを受けている。
- 「アーリョ」という呼び名は本来「アォー・ロゥ」と発音されており、『戒め(アォー)』を『守る者(ロゥ)』という意味を持っていた。
- なお、種族としての発生には、神祖ジェの子孫の一族と何か関係があるらしい。
- 闘蛇(とうだ)
- 水中に棲息しており、二本の長い角と鋭い爪の生えた四肢を持つ獣。体は粘液で覆われており、繁殖期になると粘質が変化する。
- 蛇の名を持つが容姿は巨大な蜥蜴に近く、地上をかける速さはどんな駿馬にも勝る。背にまたがり角を持つ事で操れる。戦闘用の獣として扱われているが、牙に毒があるうえに非常に獰猛な性格で、人が触れる際には音無し笛で闘蛇の感覚を鈍らせねばならない。野生の闘蛇の耳には耳膜と呼ばれる蓋のようなものが付いており、切り落とさないと音無し笛で調教出来ない。野生のものは飼育されているものより小さい上、比較的おとなしい。夜明け前は動きが鈍ると言われる。後述する<牙>の他、<胴>や<尾>と呼ばれる種類が存在する。
- 闘蛇を束ねる闘蛇衆が住む闘蛇村は全部で12村あり、尾の鱗に刻まれた紋様によってどの領地の闘蛇かを区別する。
- 牙(きば)
- 大公に選ばれた者だけが乗る事を許される、巨大な闘蛇。戦の時に先陣を切る役目を担う。しかし、他の闘蛇より病気に弱い性質がある。また、特滋水の成分により生殖器がいびつな生育をしているため、雌の<牙>は卵管に無精卵が詰まることによる細胞壊死によって一度に大量死することがある。
- 王獣(おうじゅう)
- 決して人に馴れず、また馴らしてはいけないとされる獣。狼のような精悍な顔、巨大な翼、爪の生えた二本の大きな脚を持つ。体毛は白銀で、針のように鋭く、「ロン、ロン、ロン…」と竪琴のような音色で鳴く。神々が天界から真王に遣わした獣ともいわれている聖なる獣で、この世で唯一闘蛇を食らう獣でもある。野生の王獣は非常に稀少とされ、多くの王獣は真王の庇護のもと飼育されている。人の保護下にある王獣は王獣規範に則って飼育されており、特滋水の成分により性的発情や飛行はできず、野生のものに比べて毛色がくすんでいる。
- 神々の山脈 (アフォン・ノア)
- 神々の世界と人間の世界を隔てると伝承される大山脈。アフォン・ノアの向かいの神々の国の正体は闘蛇と王獣を戦争に使い滅亡した国家群であり、真王の祖ジェの正体は王獣使いの残党の首領。王獣規範やアフォン・ノアの伝説は、獣を戦争に使わせないために巧妙に行われた情報操作の賜である。
- アフォン・アルマ
- いわゆるあの世。穢れた者は行く事が出来ないといわれる。
- 王獣規範
- 王祖ジェが王獣保護場で王獣を飼育するに当たって定めた掟。音無し笛と特滋水を用いることを義務づけている。
- 音無し笛
- 王獣や闘蛇と心を通わせぬように開発された、現実世界における犬笛に酷似した笛。人間には聞こえない音を発し、この笛の音を聞くと王獣や闘蛇は硬直する。闘蛇の場合は耳を覆う耳膜を切り落とさないと効果がない。
- 特滋水(とくじすい)
- 王獣や闘蛇の飼育に使用される特殊な薬品。闘蛇の場合、体の粘液と混じりあって口から体の中に取り込まれる事で、健康を損ねる事無く体を強くしたり寄生虫を取り除いたり出来るほか、鱗・骨など戦闘向けの部位が強化され、巨大な<牙>とする。但し、幼い闘蛇には効果が強すぎるのでこれらをより薄めた薄滋水を使用する。だがその本来の目的はその主成分によって性的発情を抑制し、度を超えた繁殖を阻止することである。
- 奏者ノ技
- 王獣や闘蛇を操る技。霧の民はこれらを使う物が現れぬよう、その技を教え込まれる。作中ではソヨンとエリンが使用。闘蛇の場合は指笛、王獣は特殊な竪琴の音色を奏でることである。但し、後者はエリンがリランを救うために成り行きで身につけた物であり、霧の民が伝えてきたそれとは別物である。
[編集] あらすじ
[編集] I 闘蛇編
獣ノ医術師である母とともに、闘蛇衆たちの村で暮らす少女・エリン。彼女の母はその優れた医術の腕を買われ闘蛇のなかでも特に強い〈牙〉たちの世話を任せられていた。ある日、なぜかすべての〈牙〉が突然死んでしまい、母はその責任を問われ処刑されることとなった。エリンは母を助けようと必死に奔走するも失敗、母と引き離され天涯孤独の身の上となってしまう。その後、蜂飼いのジョウンに助け出されたエリンは彼と共に暮らすうち、山奥で天空を翔る野生の王獣と出会う。その姿に魅せられたエリンは母と同じく獣の医術師になることを決意し、ジョウンの昔なじみでもあるエサルが教導師長を務めるカザルム王獣保護場の学舎へと入舎する。
[編集] II 王獣編
王獣保護場で傷ついた王獣の仔・リランに出会ったエリンは、リランを救いたい一心で献身的に治療にあたり、その成り行きで王獣を操る術・〈操者ノ技〉を見つけてしまう。四年の月日が流れたある日、エリンは霧の民から『「決して人に馴れない獣、決して人に馴らしてはいけない獣」である王獣を操ることは、大いなる災いを招く』と警告を受ける。警告を甘く考えていたエリンだが、やがてその理由を身をもって知ることとなる。王国の命運を賭けた争いに巻き込まれていく中、エリンは真王の護衛士の一人・イアルと心を通わせていく。
[編集] III 探求編
IIより11年後、ある闘蛇衆の村でまたも牙の大量死が起きた。カザルム王獣保護場で教導師をしていたエリンは、その真相の調査を命じられる。調査に訪れた村で旧知の知り合いから渡された母親の日記に全ての謎を解く鍵を見つけるエリンは、時代の奔流に巻き込まれていく。一方で<堅き楯>の役を辞しエリンと幸せな家庭を築いていたイアルは、国を襲わんとする強大な脅威に対抗する為、ある決意を固めていた。
[編集] IV 完結編
強大なラーザ帝国との対決に備え、闘蛇の飼育法を変えるリョザ神王国はエリンに対し王獣を軍事的に利用するための訓練を強いる。激化していくラーザとの戦の中で、王獣たちを解き放ち、夫と息子と穏やかに暮したいと願う、エリンの思いは叶うのか。王獣が天に舞い、闘蛇が地をおおい、<災い>が、ついにその正体を明かすとき、物語は大いなる結末を迎える。
[編集] 登場人物
[編集] 主人公及びその関係者
- エリン
- 声 - 星井七瀬
- 物語の主人公である女性。大公領のアケ村出身で、霧の民の血を受け継いでいるため緑の瞳を持つ。闘蛇衆の父と霧の民の母という、本来あり得ぬ交わりから生まれたとされるアクン・メ・チャイ(魔が差した子)。ちなみに名前の「エリン」は山に自生する山リンゴの名から取られている。
- 母ソヨンを獣の医術師としても尊敬しており、幼い頃から母の様になりたいと言う夢を持つ。生物等に対する関心が強く、同年代の子が気味悪がる闘蛇にも平気で近づく。その代り、煌びやかな装飾品にはあまり感心が無く、同年代の女の子に比べると、身なりは少々地味である。非常に聡明で好奇心旺盛、更にかなりの行動力も持っている。その為飽くなき探究心に心が突き動かされてしまい、これが裏目に出て失敗する事も結構多い。
- 10歳のある日、闘蛇の一種である牙を大量に死なせた罪で処刑される母を助けようとするも果たせず、自身もアケ村から遠く流され、真王領の東端サンノル郡まで流れ着き、気を失っていたところをたまたま通りかかった蜂飼いのジョウンに救われる。一時は母を失ったショックから心を閉ざしていたが、彼の温かい人柄のおかげで次第に笑顔を取り戻す。
- 優れた観察眼と卓越した聴力の持ち主で、一度聞いた音は寸分狂わぬ音程で再現することができる(絶対音感)。ジョウンにその才を見出されてからは竪琴の手ほどきも受け、かなりの腕前を持つ。
- 14歳になってカザルム学舍に入学してからも、不慣れな環境へのとまどいやジョウンの死等、多くの辛く悲しい経験をするが、元々芯が強かった上、瞳の色を気にせず接してくれる人々に出会えたおかげで素直でひたむきな娘に成長し、周囲から信頼を得る様になる。
- 19歳になり物語が進むにつれ闘蛇と王獣の在り方、人の在り方への疑問を抱いていく。
- 死にかけていた王獣の子供リランを救ったことがきっかけで、以後リランとは親子のような絆で結ばれるようになる。その後不慮の事故でリランに左手の指を噛み千切られるなど数々の紆余曲折はあったものの、心の奥底では互いに信頼し合っている。また、この時操者ノ技という王獣と自在にコミュニケーションを取る技術を独自に編み出し、これが元で国の権力闘争に引きずり込まれることになるが、そんな中で出会ったイアルへの想いを心の支えにして、自分を見失わず行動していく。
- IIIではイアルと結婚し、息子ジェシを授かっている。
- ジェシ
- IIIで登場した、エリンとイアルの息子。髪や瞳は黒。両親からは想像も付かないほど口が達者だが、好奇心旺盛な性格は母親譲り。幼い頃から共に育ったアルを「姉ちゃん」と呼んで慕っている。
- そんな彼も四分の一とは言え霧の民の血を引く為、後に過酷な運命に引きずり込まれるが、挫けるどころか果敢に立ち向かう。
- トーサナ・ジョウン
- 声 - 内田直哉
- 真王領の東端、サンノル群に住む蜂飼い[† 2]。孤児となったエリンを助け、養い手となる。せっかちな性格だが面倒見もよく、エリンには様々な学問の知識を教え込んだ。
- 元は王都のタムユアン高等学舎で教導師長を務めていたが、ある事件で生徒を一人亡くしてしまい、その責任を問われる形で職を追われたという過去がある。エリンをカザルムに送り出した後は息子であるアサン(声:樫井笙人)の勧めもあり王都に身を寄せていたが、心臓の病のため間もなく亡くなる。
- ヌック / モック
- 声 - 藤原啓治 / 柳原哲也
- アニメ版オリジナルキャラクター。比較的長身で、髯を生やしているのがヌック、小柄でズングリした体型で、話すとき「〜モン」と言う口グセがあるのがモック。元々はごく普通の真王領民だったが、その性格が災いして農仕事も兵役も上手くいかなかったらしい。キリクに利用されて卵泥棒として追われていたところをエリンに助けられる。以来それを恩義に感じており、ジョウンの小屋からカザルム、さらにラザルと、エリンについていくことになる。カザルム学舎では下働きを行うが、失敗が多くカリサに怒られてばかりいた。トラブルメーカーの凸凹コンビだが、いざというときは意外な活躍を見せることも。
- キリク
- 声 - 楠田敏之
- アニメ版オリジナルキャラクター。王都のタムユアン学舎からカザルム王獣保護場へと赴任してきた毒の教導師。大公領民(ワジャク)であるモットン夫妻(声 - 高瀬右光、橘U子)の手により両親と妹のターヤ(声 - 堀籠沙耶)を失っており、自らも抑圧された生活を送っていた。後にモットン夫妻を自ら毒殺したが、この事から大公領民に対して激しい憎悪を抱いている。ダミヤの下で仮面の男として暗躍し、ヌックとモックに闘蛇の卵を盗ませようとしたり、カザルムではエリンとリランの関係を詮索するなどしていた。
- 前述の過去もあって自らを「籠の鳥」と称し、「人同士が分かり合えないのに、人と獣が分かり合えるはずがない」という考えを持っている。当初は「リョザ神王国は清らかな者のためにあるべき」と説くダミヤに忠実に従っていたが、ただひたすら自然のままに王獣と共に生きようとするエリンを見るにつれて次第に心境が変化し、ダミヤや自分のやり方に疑問を抱くようになる。
- エリンに対して妹のターヤを重ねて見ており、自分達の計画にエリンを巻き込みたくないと考えるようになる。そのためエリンにダミヤの手がまわらないよう配慮した上で計画を遂行していた[3]。イアルと対峙した際に自らの本心を打ち明けたが、逆にイアルから自分がエリンを巻き込んだ原因を作ったことを指摘され、その場に崩れ落ち涙した。その後イアルを追ってラザルへとやってくるものの、結局二人を見逃すことにする。そしてダミヤの言葉から、自分も結局はダミヤの道具でしかなかったことを痛感し、ダミヤから離反する。
[編集] 真王領
[編集] 真王家
- ハルミヤ
- 声 - 谷育子
- リョザ神王国の真王である老女。王都に在る宮殿で他の一族と共に暮らしている。王都に懐が広い果断な性格だが、物事を深刻に捉えてしまうきらいがある。
- 3歳の時に王宮が<血と穢れ>の襲撃を受け全焼、母・ミィミヤを暗殺される。また、祖母のシィミヤがその襲撃の後遺症で亡くなってしまったため、真王に伝わる知識を継承しないまま5歳で即位した、という過去を持つ。そのため王獣規範の由来や祖先の歴史を知らず、後にエリンからその話を聞かされ愕然とした。
- 甥のダミヤの策略により、カザルムへの行幸からの帰途、闘蛇軍の襲撃に遭い頭部を強打。一時は回復するも、その後王都へ到着すると同時に脳内出血で倒れ、そのまま崩御する。
- セィミヤ
- 声 - 高橋美佳子
- ハルミヤの孫娘で、リョザ神王国王女。ハルミヤの不慮の崩御後、次代真王に即位する。金髪で、瞳は金色。王女時代から崩れゆく国の在り様に苦悩している。大公家の長男であるシュナンと恋仲になり、国を一つにする為という彼の意志に共感し後に結婚するが、真王家と大公家との婚姻を経ても依然残る領民同士の対抗意識や、ハルミヤの様に固い意志を持って振る舞えない自分に歯がゆさを感じている。
- ダミヤ
- 声 - 石田彰
- ハルミヤの甥で、セィミヤの叔父。セィミヤがもっとも気を許している人物。間もなく三十になろうかという齢だが妻を娶っていない。しかし、大変な女好きであり貴族の未亡人から平民の娘まで幅広く手を出していることで有名。一見すると単なる優男に見えるが、気働きのある男でもある。
- 一方で、権勢欲も強く冷徹な陰謀家でもある。密かに用意した闘蛇の卵を真王領に流し、それらを使って密かに闘蛇軍を組織、また兄シュナンと袂を分かったヌガンをそそのかして利用しようとする。その後カザルムへの行幸を終え王都に戻る途中のハルミヤを、大公の仕業に見せかけて闘蛇軍に襲わせ暗殺。次期真王に即位したセィミヤと婚姻を結ぶことで権力を掌握、さらに大公軍の闘蛇をエリンの力を使い我が物にしようとした。しかし、エリンに真実を知らされたセィミヤが降臨の野で大公家との和睦を決定したため、計画は瓦解。最期は密かに行動していたイアルによって取り押さえられ、その場で殺された。
- オウリ
- 声 - 梅津秀行
- ハルミヤがカザルム学舎に行幸した折、同行してきた一人。ラザル王獣保護場の長。
- ナミ
- 声 - 並木のり子
- セイミヤの付き人で、毒見役も務める。
[編集] 堅き楯(セ・ザン)
- イアル
- 声 - 鈴村健一 / 小林沙苗(少年時代)
- 真王の護衛を務める〈堅き楯〉の一人で、この作品のもう一人の主人公とも言える存在。非常に俊敏な身のこなしをすることから〈神速のイアル〉の異名を持つ。エリンよりも15歳上。普段はエリンに「冬の木立」と形容されるほど物静かだが、冷徹な気配を漂わせており、護衛の任となれば即座に敏捷な武人へと変貌する。八歳の頃に一家の大黒柱であった指物師(アニメでは楽器職人)の父(声 - 下崎紘史)を不慮の事故で亡くし、その後身売りに近い形で堅き楯となったという経緯がある。
- 原作ではエリンとの初対面はハルミヤがカザルム学舎を訪問した時だが、アニメではエリンとの関わりが大幅に追加されており、ジョウンと生活していた頃のエリンにも出会っており、エリンが奏者ノ技を編み出すきっかけとなる竪琴は彼の母(声 - 相橋愛子)の形見の品という設定になっている。
- III以降では〈堅き楯〉の誓いを解いて指物師になり、エリンとの間に息子ジェシを授かっている。
- カイル
- 声 - 新垣樽助
- 〈堅き楯〉の一人で、イアルの同僚。サイコロ投げを得意とする。
- ハガル
- 声 - 高塚正也
- 堅き盾の一人で、イアルの上役。イアルの俊足を見込み堅き盾にスカウトした。掟を破ったため、イアルに討たれる。
[編集] 真王領民(ホロン)
- ニイカナ
- 声 - 北西純子
- ジョウンがタムユアン教導師長だった頃の教え子の一人。家柄は貧しいが成績は優秀で、ジョウンも一目置いていた。ジョウンの勧めもあって卒業試験を受け、見事実力で主席を勝ち取った。
- タカラン
- 声 - 茶風林
- 王都の高級官僚。当時タムユアンで教導師長を務めていたジョウンに圧力をかけ、息子サマン(声 - 金田アキ)の採点をやり直すよう命じるが、不正を決して許さないジョウンに一蹴される。後日サマンが自殺した責任をジョウンに負わせ、教導師長を辞任させる。現在は真王に対する謀反の罪で失脚していることが、ジョウンの息子アサンの会話で語られている。
- カザルム公
- 声 - 川原慶久
- ヤントク
- 声 - 木内秀信
- イアルの幼馴染みで、王都で指物師(アニメでは楽器作りの工房)をしている。
[編集] カザルム王獣保護場
- エサル
- 声 - 加藤沙織
- 王都の近くに位置するカザルム王獣保護場で教導師長を務める女性。ジョウンとは学童の頃からの顔見知りであり、このことが縁でエリンはカザルム王獣保護場へと入舎した。
- エリンが霧の民の血を引いていることを知っても特別扱いすることなく接し、学舎で学ぶ子供たちのことを第一に考えている。気が短く、思い立ったらすぐ行動に移す性分。
- III以降、ジェシも生徒として受け入れる事となる。
- カリサ
- 声 - 織田芙実
- カザルム学生寮の寮母。寮内の肝っ玉母さん的存在。なお、アニメではヌックとモックに対するツッコミ役として活躍の場が増えている。
- カッサ
- 声 - 高坂篤志
- 教導師の一人。
- トッサ
- 声 - 大久保利洋
- 教導師の一人。アニメでは語尾が「~なんだね」となる特徴的な話し方をする。
- ロサ
- 声 - 下崎紘史
- 教導師の一人。頭頂部は薄いが、髪を後ろで少し束ね、メガネと口ひげをはやした年配の男で、言葉に毒があるため学童から敬遠されている。エリンが音無し笛無しでリランの世話をすることを、霧の民の血を引いているという先入観で見てしまうところがあり、リランとの関係をとやかく詮索するため、エリンも彼のことを余りよく思っていない。
- ユーヤン
- 声 - 高倉有加
- カザルム学舎のエリン以外の唯一の女生徒。少々お喋りで早とちりだが明るく世話好きな性格で、エリンにとってはかけがえのない親友となる。
- 真王領の北端の地方の出身であるため、関西弁に似た訛りの強い言葉で喋る。これはモデルとなった著者の親友が関西出身であるため[4]との事。
- カザルム卒舎後は故郷で獣ノ医術師となり、学童時代から恋心を抱いていたカシュガンと結婚する。その後もエリンとは手紙で連絡を取り合っているが、結局エリンとの再会は叶わなかった。
- トムラ
- 声 - 川野剛稔
- カザルム学舎の男子学生。エリン達の4学年上で、後輩からは優秀な先輩として慕われている。
- 幼獣リランの世話係を外されたことで初めはエリンのことを苦々しく思っていたが、王獣舎にこもり食事も取らずに熱心にリランの世話を続けるエリンの姿を見て、しだいに協力していく。それからは、夏ノ試しを控えたエリンの勉強の手助けをするなど、エリンの良き理解者となる。
- 教導師としてもエリンの先輩となり、キリクがエリンを詮索しようと近づいた時はいち早く気付き、二人の元へ駆けつけた。
- カシュガン
- 声 - 金田アキ
- カザルム学舎の男子生徒。腰ひもが縦結びになっている。
- シロン
- 声 - 平野妹
- アニメ版オリジナルキャラクター。カザルム学舎に新しく入舎してきた、エリンとユーヤン以来の女子学童。タムユアンの教導師を父親(声 - 星野充昭)に持ち、彼女の二人の兄もタムユアンで主席を取り、教導師をしている。父親に認めてもらいたい一心から、カザルムに入舎し教導師を目指している。当初は中等二段で王獣の世話をし、女で教導師になれたエリンに対し対抗心を持っていたが、エリンやエサルの教えから本に書かれている知識だけでは得られない、それ以上に大事なものがあることを悟る。以降はエリンともうち解け、素直な面を見せるようになる。
[編集] 大公領
[編集] 大公家
- オラン
- 声 - 楠大典
- 現在の大公で、リョザ神王国の国防を担う重臣。臣民たちが隣国から蹂躙されることなく平穏に暮らしていられるのは自分たちのおかげだと自負しており、多大な犠牲を払ってまで国を守り、富ませてきたことを誇りに思っている。降臨の野で、次男のヌガンの反乱によって戦死。
- シュナン
- 声 - 花輪英司 / 堀籠沙耶(少年時代)
- 大公の長男。次代の大公の位を継ぐべき立場にある。国内に生じた歪みを国民にまで感じさせるほどになってしまったリョザの行く末を案じ、現実を見据えたうえで大公家と真王家の婚姻という形で国のありようを変革させようとする。セィミヤに対して恋心を抱き、後に大公の位を継ぎセィミヤと結婚する。
- ヌガン
- 声 - 川本成 / 中上育実(少年時代)
- 大公の次男でシュナンの弟。国への忠義を我が身を捨てて示した初代大公ヤマン・ハサルに対して強い憧れを抱き、国を清らかに保つために大公が穢れをあえて被る形こそが素晴らしいと信じる。そのため、真王と大公の関係を否定し、国のありようを変革させようとする兄に対して愛憎入り混じった複雑な思いを抱いており、そこをダミヤに付け込まれ利用されることになる。
- 降臨の野において、ついに父と兄に反旗を翻す。父を殺し兄にも迫ったが、リランに乗って現れたエリンによって妨害される。その後は自らの行いを悔い、獄中で首を吊り自害したことが語られている。
- ヨハル・アマスル
- シュナンの側近で、黒鎧と呼ばれる武人。IIIで初登場し、その時点で既に武人としては引退している。実は血と穢れ(サイ・ガムル)の創始者の曾孫で、自身もかつて結社を持っていたが、その強引な方針に疑問を持ち自ら脱退している。牙の大量死の原因を探るエリンの警護役を自ら買って出る。
[編集] 大公領民(ワジャク)
[編集] アケ村
- ハッソン
- 声 - 永井一郎
- エリンの父方の祖父で、ソヨンの義父。アケ村の闘蛇衆の頭領。霧の民を毛嫌いし、ソヨンとエリンを蔑視している。エリンもジョウンに救出された直後に「おじい様はずるい」と不信感を露にし、後に彼女には珍しく、「ユーヤンと比べれば屑同然」等と言っている。また、一連の行為に村人達からも陰口を叩かれている。44話では病床にある事が明らかになる。
- ワダン
- 声 - 石野竜三
- アニメ版オリジナルキャラクター。エリンの故郷アケ村で獣ノ医術師をしている男。医術師としての腕前はソヨンに劣るという描写が多い。霧の民であることからソヨンとエリンのことを蔑視していたが、ソヨンの処刑の際には独り崩れ落ちるなど、情のある一面も見せた。44話で再登場し、降臨の野での決戦を控えたシュナンの命を受け、病床のハッソンに代わり闘蛇衆の指揮を行っていた。
- サジュ
- 声 - 石毛佐和
- エリンのアケ村時代の友人だった少女。背丈はエリンよりもやや低く、花模様の髪飾りをしている。家族は父(声 - 高瀬右光)と母・オキ、祖母 (声 - 西宏子)、姉・ソジュがいる。エリンとは大の仲良しだが、闘蛇の事は気味悪がっている。原作ではエリンの回想などで名前が挙げられたりするのみに留まっているが、アニメでは導入部の追加によって出番が多く描かれた。アニメでは44話にて再登場し、友人のチョク(声 - 渡辺明乃)と結婚、一児の母となっている。サジュ、チョク共にエリンが生きていることを知らない模様。
- ソジュ
- 声 - 木村亜希子
- サジュの姉。原作ではほとんど出番が無く、実質上アニメ版オリジナルキャラクターと言える。作品世界では普通女性は16歳前後で結婚する事から、サジュより5〜6歳上と思われる。
- 別の闘蛇村に嫁入りする直前に毒草チチモドキに当たり倒れるが、ソヨンがエリンを連れて霧の市に出向き入手した解毒剤によって回復し、無事嫁いで行く。
- オキ(声 - 山田智子)
- サジュとソジュの母。原作でもソヨンやエリンとご近所付き合いしている事がわかるが、上記の通りアニメにおいて、上の娘ソジュをソヨンに救われている。
- Ⅲでは生死不明だが、ハッソンに見つからぬ様隠し持っていたソヨンの遺品の日記をエリンの親戚ツラナに預けており、これが<牙>大量死の謎解明に大いに役立つ事となる。
[編集] トカラ村
- ツラナ
- エリンの父アッソンの従妹。年齢はソヨンの一つ下。エリンが5歳の時にアケ村からトカラ村へ嫁入りしている。まだ口の回らなかったエリンはチャアチャアおばさんと呼んでおり、後にトカラ村に調査へやって来たエリンが彼女を思い出すきっかけとなった。
- 無事成長したエリンを見て心から喜び、ソヨンの事も、「いい人だった。始めは瞳の色に驚いたけど、従兄さんが何故あの人に惚れたか、分る気がする」その人柄を賞賛する。
- サジュの母オキからソヨンの遺品の日記を預かっており、再会したエリンに渡す。
- チムル
- トカラ村の闘蛇衆の若者。8人兄弟の次男。言葉遣いは良くないが気だては良い。村で飼っていた5体の<牙>が全滅し、その責任を問われ捕らえられた兄の名誉を回復するため、その原因調査にやってきたエリンとヨハルに協力する。
[編集] 霧の民(アーリョ)
- ソヨン
- 声 - 平田絵里子
- エリンの母親で、獣ノ医術師[† 3]。元は霧の民であったが、16歳の時に一族の掟を破り、闘蛇衆の頭領の息子であったアッソンと結婚したことで霧の民から追放された。その後17歳の時にエリンを産んでいる。医術師としては非常に優れた腕を持っており、その腕を買われて牙たちの世話を一任されているが、霧の民であるため村人たちとは幾ばくかの隔たりがある。但し、ツラナの話によれば実際は監察官や闘蛇衆の長等、一部の者を除き、普通の村人達からは医術師としての腕のみならず、その人柄も評判が良かったようである。
- 彼女が世話をしていた<牙>が全て死んだことを罪に問われ、そして監察官と闘蛇衆の長の責任逃れからスケープゴートとして処刑される事になる。その際自分を助けに来たエリンを助けるために大罪とされる操者ノ技を使い、自身は生きながらにして闘蛇に喰い殺された。なお、本来ならば牙を死なせた場合の刑罰は右腕の切断に留める規則になっている。
- 担当声優の平田はナレーションも担当する。
- ナソン
- 声 - 小野大輔
- 霧の民の探索者。追放された霧の民が戒めを破らぬ様に監視する役目を担う。過去にはソヨンの許婚でもあり、ソヨンが処刑された後、エリンを追う。エリンに神々の山脈で起きた悲劇を知らせる。原作では如何なる場合にも任務を最優先するかなり冷徹な人物として描かれているが、アニメでは時に厳しい事を言うものの、かなり思慮深い性格になっている。ソヨンの処刑の時に独り涙し、エリンの事も心から心配し、行く末を見守る決意をしている。セィミヤの元へ向かうエリンを説得しようとするが、逆にエリンからただ傍観しているだけで何もせずにただ人や獣を掟で縛り、そのためならば仲間の命をもあっさり切り捨てる霧の民の方針を非難される結果に終わった。
- 長老
- 声 - 京田尚子
- 霧の民の長老。ナソンにエリンの行方を追うよう命じる。
- 大長老
- 声 - 藤本譲
- 霧の大長老。ナソンにエリンの行く末を見届けるよう命じる。また、王獣探しの旅をしていた若いころのエサルに、これ以上王獣と関わりを持たぬよう警告した。
[編集] 神話に登場する人物
- オファロン王
- 声 - 上別府仁資
- 太古の昔、アフォン・ノアの向こうで栄えたオファロン王国の王。闘蛇を操る<緑ノ目ノ民>の力によって権勢を欲しいままにしたが、圧政に苦しむ国民の姿を見かねた<緑ノ目ノ民>の反乱によって国を追われ、アフォン・ノアの険しい谷へ逃げ込む。後にジェと共に王獣を引き連れてオファロンへと舞い戻るが、血に狂い暴走した王獣と闘蛇によってオファロンは滅亡。その後の生死は不明。
- ジェ
- 声 - 水野理沙
- リョザ神王国を興した王祖。金色の瞳を持つ長身の女性。逃亡してきたオファロン王から豊かな大国の話を聞き、厳寒や粗末な食糧で細々とした生活をする民を不憫に思うようになる。その後王と共に王獣を引き連れてオファロンへ乗り込むが、闘蛇を食した王獣の暴走によって繁栄していた王国を滅亡に追いやり、呪われた地を作る原因となった。この事で故郷から追放され、神々の山脈を越えてリョザ神王国の王祖となり、自ら引き起こした悲劇を二度と繰り返さぬよう、王獣規範を後世に遺した。
- ヤマン・ハサル
- シュナンやヌガンの祖先で、リョザ神王国初代大公。ジェから4代後の時代、隣国のハジャンがリョザに攻め込んだ際、戦をせずに自から首を差しだそうとする真王を諌め、神宝・闘蛇の笛を手に闘蛇軍を指揮してハジャンを打ち破る。また自身は国の穢れ役を自ら買って出る覚悟を決めて家臣と共に国の東側へと移り、二度と西側に戻らなかった。
[編集] 王獣
- リラン
- ハルミヤの60歳の誕生日にダミヤが献上した雌の幼獣。その祝いの宴の最中に<血と穢れ>が放った矢が肩をかすめ、負傷する(この際矢の勢いがそがれたため、結果的にイアルとハルミヤの命を救うこととなった)。治療のためカザルム王獣保護場に移されても、一月何の食べ物も受け付けず、光に怯えたり身食いをしたりするほど衰弱していたが、エリンの必死の世話によって回復。以後エリンとは親子のような絆で結ばれていく。また、王獣規範を知らないエリンが音無し笛と特滋水を使わず野生に近い状態で育てたため、野生の王獣同様飛行できるようになった。後にエクと交合してアルを産む。
- なお、「リラン」とは「光」の意。
- エク
- 王獣捕獲者に狙われた幼獣を守ろうと人間に突進したところで音無し笛を吹かれ、崖に激突して翼を負傷し、カザルムへ移されてきた雄の成獣。リランより二回りほど体格が大きい。当初は人間達を警戒し、暴れ回っていたが、エリンの竪琴に反応して以降は順調に回復していく。後にリランとの間にアルを授かる。
- 「エク」とは古い言葉で「雄」の意。
- アル
- エクとリランの間に生まれた雌の王獣。名付け親はハルミヤ。王獣規範制定後初めて人の手により生まれた王獣である。エリンの息子ジェシとは姉弟のように仲がいい。
- ルーク
- かつてジェが飼っていた王獣の中の一体。名前はアニメオリジナル。
- サワン
- オウリがラザル王獣保護場で世話をしている王獣。ラザルの王獣では群を抜いて大柄だが、その毛並みはエクやリランに遠く及ばない。エリンの鳴らす竪琴に反応を見せるが、オウリには普段から音無し笛を吹かれているため彼の鳴らす竪琴には反応を見せず、警戒して襲いかかろうとした。
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。
[編集] テレビアニメ
『獣の奏者 エリン』(けもののそうじゃ エリン)の番組名で、I『闘蛇編』とII『王獣編』がテレビアニメ化がなされた。2009年1月10日からNHK教育テレビにて放送開始。全50話予定。NHK教育テレビ放送開始50周年記念番組。
上橋は製作発表時の記者会見で「21世紀のハイジ」を目指したと話しており、これは「名作アニメ」と呼ばれる「アルプスの少女ハイジ」のように子供たちの視点から見た世界を丹念に描くことで、明るさと重さ、単純さと複雑さ、子供の物語と大人の物語、といった物語が持つ対極の要素の両方を大切にしながらも、子供たちがしっかりと楽しめるようなアニメになるようにという思いからである[5]。
ストーリーの大筋は原作と変わらないが、導入部など随所でアニメオリジナルの展開が挿入されている。また、中盤の1話では原作者の上橋がアニメオリジナルストーリーを担当[1]。作中用語の読みは上橋の考案した独特のものだが、アニメは音声だけで表現しなければならないため、ヨジェ(真王)を「しんおう」と、アルハン(大公)を「たいこう」とするなどの変更がある。
[編集] スタッフ
- 原作・アニメーション監修:上橋菜穂子
- 監督:浜名孝行
- シリーズ構成:藤咲淳一
- キャラクターデザイン:後藤隆幸
- 総作画監督:高橋成之
- 美術監督:鈴木朗
- 撮影監督:だいけんいち
- 音響監督:平光琢也
- 音楽:坂本昌之
- アニメーションプロデューサー:和田丈嗣
- アニメーション制作:プロダクションI.G、トランス・アーツ
- 制作:NHKエンタープライズ
- 制作・著作:NHK
[編集] 主題歌
[編集] オープニングテーマ
[編集] エンディングテーマ
- 「After the rain」
- 作詞・作曲:mitsubaco、編曲:原田智英、歌:cossami
- 使用話数:第1話 - 第29話
- 「きっと伝えて」
- 作詞・作曲:松たか子、編曲:David Campbell、歌:松たか子
- 使用話数:第30話 - 、挿入歌として第27話でも使用
[編集] 挿入歌
- 「ララリラ ラリラ」
- 作詞:cossami、作曲・編曲:原田智英、歌:cossami
- 使用話数:第1話、第2話、第9話、第11話、第18話、第19話、第22話、第26話、第36話
- 「青い星」
- 作詞:土屋文彦、作曲:Sin、編曲:原田智英、歌:cossami
- 使用話数:第4話、第6話、第9話、第13話 - 第15話、第19話 - 第21話、第23話、第25話、第26話、第29話、第33話
[編集] 各話リスト
| 話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 緑の目のエリン | 藤咲淳一 | 浜名孝行 布施木一喜 |
小村方宏治 | |
| 2 | 医術師のソヨン | 新留俊哉 | 筑紫大介 布施木一喜 |
森田史 | |
| 3 | 闘う獣 | ハラダサヤカ | 柿本広大 布施木一喜 |
松浦仁美 | |
| 4 | 霧の中の秘密 | 後藤みどり | 安藤貴史 布施木一喜 |
沼津雅人 | |
| 5 | エリンと卵泥棒 | 坂井史世 | 松澤建一 布施木一喜 |
松岡秀明 | |
| 6 | ソヨンのぬくもり | 吉田玲子 | 布施木一喜 | 高島大輔 布施木一喜 |
澤田譲治 |
| 7 | 母の指笛 | 藤咲淳一 | 布施木一喜 | 杉本道明 | |
| 8 | 蜂飼いのジョウン | 浜名孝行 | 齋藤昭裕 布施木一喜 |
田畑昭 | |
| 9 | ハチミツとエリン | ハラダサヤカ | 新留俊哉 | 筑紫大介 布施木一喜 |
森田史 |
| 10 | 夜明けの鳥 | 谷村大四郎 | 名取孝浩 布施木一喜 |
松浦仁美 | |
| 11 | とびらの中に | 後藤みどり | 松澤建一 布施木一喜 |
薄谷栄之 | |
| 12 | 白銀の羽 | 坂井史世 | 寺澤伸介 布施木一喜 |
松岡秀明 | |
| 13 | 王獣の谷 | 吉田玲子 | 安藤貴史 布施木一喜 |
澤田譲治 | |
| 14 | 霧の民 | 藤咲淳一 | 浜名孝行 布施木一喜 |
沼津雅人 | |
| 15 | ふたりの過去 | 浜名孝行 | 齋藤昭裕 布施木一喜 |
田畑昭 | |
| 16 | 堅き楯(セ・ザン)のイアル | 坂井史世 | 青山弘 | 筑紫大介 布施木一喜 |
森田史 |
| 17 | 狙われた真王 | ハラダサヤカ | 浜名孝男 | 鎌倉由実 布施木一喜 |
薄谷栄之 |
| 18 | 教導師エサル | 藤咲淳一 | 新留俊哉 | 高島大輔 布施木一喜 |
松浦仁美 |
| 19 | カザルムの仲間 | 吉田玲子 | 松澤建一 | 安藤貴史 布施木一喜 |
沼津雅人 |
| 20 | リランという名の王獣 | 谷村大四郎 | 寺澤伸介 浜名孝行 |
寺澤伸介 布施木一喜 |
田畑昭 |
| 21 | 消えそうな光 | 後藤みどり | 浜名孝行 | 齋藤昭裕 布施木一喜 |
松岡秀明 |
| 22 | 竪琴の響き | 藤咲淳一 | 布施木一喜 | 安藤貴史 布施木一喜 |
杉本道明 |
| 23 | カザルムの誓い | 齋藤昭裕 | 筑紫大介 布施木一喜 |
森田史 | |
| 24 | 嘆きの歌 | ハラダサヤカ | 新留俊哉 | 高島大輔 布施木一喜 |
松浦仁美 |
| 25 | ふたりのおつかい | 坂井史世 | 玉川真人 | 安藤貴史 布施木一喜 |
薄谷栄之 |
| 26 | リランの心 | 吉田玲子 | 土屋裕二 | 寺澤伸介 布施木一喜 |
沼津雅人 |
| 27 | ヒカラにおちて | 布施木一喜 | 齋藤昭裕 布施木一喜 |
杉本道明 | |
| 28 | ジョウンの死 | 吉田玲子 | 新留俊哉 | 安藤貴史 布施木一喜 |
田畑昭 |
| 29 | 獣の牙 | 谷村大四郎 | 浜名孝行 | 高島大輔 布施木一喜 |
松浦仁美 |
| 30 | 四年目の冬 | 藤咲淳一 | 寺澤伸介 布施木一喜 |
松岡秀明 | |
| 31 | 光の空 | 後藤みどり | 玉川真人 | 筑紫大介 布施木一喜 |
森田史 |
| 32 | 大罪 | ハラダサヤカ | 布施木一喜 | 齋藤昭裕 布施木一喜 |
薄谷栄之 |
| 33 | 飛翔 | 坂井史世 | 松澤建一 布施木一喜 |
沼津雅人 | |
| 34 | イアルとエリン | 藤咲淳一 | 浜名孝行 | 寺澤伸介 布施木一喜 |
澤田譲治 |
| 35 | あたらしい命 | 吉村晴子 | 安藤貴史 布施木一喜 |
田畑昭 | |
| 36 | 卒舎ノ試し | 後藤みどり | 玉川真人 | 高島大輔 布施木一喜 |
松浦仁美 |
| 37 | 誕生 | 藤咲淳一 | 布施木一喜 | 齋藤昭裕 布施木一喜 |
杉本道明 |
| 38 | 真王ハルミヤ | 坂井史世 | 浜名孝行 | 筑紫大介 布施木一喜 |
森田史 |
| 39 | 闘蛇の襲撃 | 谷村大四郎 | 新留俊哉 | 寺澤伸介 布施木一喜 |
沼津雅人 澤田譲治 |
| 40 | かげりゆく国 | ハラダサヤカ | 布施木一喜 | 安藤貴史 布施木一喜 |
薄谷栄之 |
| 41 | 真王の真実 | 吉村清子 | 玉川真人 | 高島大輔 布施木一喜 |
松浦仁美 |
| 42 | セィミヤの涙 | 吉田玲子 | 浜名孝行 | 齋藤昭裕 布施木一喜 |
田畑昭 |
| 43 | 獣ノ医術師 | 後藤みどり | 松澤建一 布施木一喜 |
杉本道明 | |
| 44 | アクン・メ・チャイ | 坂井史世 | 玉川真人 | 筑紫大介 布施木一喜 |
森田史 |
| 45 | かごの鳥 | 吉村晴子 | 細田雅弘 | 寺澤伸介 布施木一喜 |
薄谷栄之 |
| 46 | ふたりの絆(きずな) | 吉田玲子 | 布施木一喜 | 安藤貴史 布施木一喜 |
松浦仁美 |
| 47 | 清らかな夜 | 谷村大四郎 | 浜名孝行 | 齋藤昭裕 布施木一喜 |
澤田譲治 |
| 48 | リョザの夜明け | ||||
| 49 | 決戦 | ||||
| 50 | 獣の奏者(終) | ||||
[編集] 放送局
| 放送局 | 放送日 | 放送時間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| NHK教育テレビ | 2009年1月10日 - | 土曜 18:25 - 18:50 | |
| 2009年4月4日 - | 土曜 23:00 - 23:25 | 再放送 |
| NHK教育 土曜18:25アニメ枠 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
|
獣の奏者 エリン
|
-
|
|
| NHK教育 土曜23:00枠 | ||
|
獣の奏者 エリン
(再放送) |
-
|
|
[編集] 書籍情報
[編集] 単行本
- 獣の奏者 I 闘蛇編(2006年11月21日、講談社、ISBN 4-06-213700-3)
- 獣の奏者 II 王獣編(2006年11月21日、講談社、ISBN 4-06-213701-1)
- 獣の奏者 III 探求編(2009年8月11日、講談社、ISBN 978-4-06-215632-5)
- 獣の奏者 IV 完結編(2009年8月11日、講談社、ISBN 978-4-06-215633-2)
[編集] 講談社文庫
すべて講談社文庫(講談社)より刊行。
- 獣の奏者 I 闘蛇編(2009年8月、ISBN 978-4-06-276446-9)
- 獣の奏者 II 王獣編(2009年8月、ISBN 978-4-06-276447-6)
[編集] 青い鳥文庫
すべて青い鳥文庫(講談社)より刊行。「I 闘蛇編」と「II 王獣編」を分冊して刊行している。
- 獣の奏者〈1〉(2008年11月、ISBN 978-4-06-285056-8)
- 獣の奏者〈2〉(2009年1月、ISBN 978-4-06-285069-8)
- 獣の奏者〈3〉(2009年3月、ISBN 978-4-06-285076-6)
- 獣の奏者〈4〉(2009年5月、ISBN 978-4-06-285092-6)
[編集] コミック
シリウスKC(講談社)より刊行。
- 獣の奏者〈1〉(2009年5月22日、978-4063731767)
- 獣の奏者〈2〉(2009年12月発売予定)
[編集] 注釈
[編集] 脚注
- ^ い ろ は 『ダ・ヴィンチ No.178』2009年2月号 メディアファクトリー, p53 - p59、2009年2月6日発行。JAN 4910059470296。
- ^ 『獣の奏者 II 王獣編』あとがき、p412 - p414。
- ^ 具体的には、ダミヤにリランの飛翔を報告しない。ハルミヤが闘蛇の襲撃に遭った際に「いま王獣と共に飛び出せば、君は政治的に利用される」と言って止めようとする、など。
- ^ アニメの公式ブログ『エリン こぼれ話――原作者のアニメ監修日誌――』で著者自ら語っている。
- ^ 上橋菜穂子 (2008年12月25日). "「21世紀の名作アニメ」" (日本語). 2009年1月10日 閲覧。
[編集] 外部リンク
[編集] リダイレクトの所属カテゴリ
- 獣の奏者 エリン
- Category:アニメ作品 け | Category:2009年のテレビアニメ | Category:ファンタジーアニメ | Category:NHKのアニメ作品 | Category:Production I.G |
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最終更新 2009年12月7日 (月) 09:35 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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