琉球語
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| 琉球語(琉球方言) |
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|---|---|
| 話される国 | |
| 地域 | 沖縄県、鹿児島県奄美諸島 |
| 話者数 | |
| 話者数の順位 | |
| 言語系統 | 独立した言語であるか論争あり |
| 公的地位 | |
| 公用語 | |
| 統制機関 | |
| 言語コード | |
| ISO 639-1 | |
| ISO 639-2 | |
| ISO 639-3 | ams - 南奄美大島 kzg - 喜界島 |
| SIL | - |
琉球語(りゅうきゅうご)もしくは琉球方言(りゅうきゅうほうげん)とは、沖縄県の大半と鹿児島県奄美諸島とで広く使用されていた言語である。現在でも用いられているが、話者は高齢者に多い。独立言語として見た場合、日本語と同系統である唯一の言語と見なされ、日本語族琉球語派と分類する学者もいる。
日本語の一方言として琉球方言と位置付ける言語学者もある。この立場からは南島方言(なんとうほうげん)または琉球方言(りゅうきゅうほうげん)と呼ばれ、日本語は琉球方言と本土方言の二つに大きく分類できるとする。
目次 |
[編集] 概説
ここでは、言語説と方言説の両意見を考慮して、琉球語(琉球方言)と併記する。
琉球語(琉球方言)は北から、奄美方言、国頭方言、沖縄方言、宮古方言、八重山方言、与那国方言、以上の諸方言の総称である。また沖縄方言以北の北琉球方言と、宮古方言以南の南琉球方言の2グループに大別できる。
- 一般に「琉球語(琉球方言)」、「沖縄の方言」、また「沖縄県の方言」と紹介される言葉は沖縄方言で、沖縄弁、ウチナーグチ(「沖縄口」の意)とも言う。ただし、本来ウチナーとは沖縄本島を指し、沖縄県全域を指すようになったのは、明治期に沖縄県が設置された後である。そのため沖縄方言を、その他の方言群や、日本語の亜種方言であるウチナーヤマトグチなどと混同するのは誤りである。また、鹿児島県に所属する奄美諸島の諸方言や新方言は、ウチナーグチやウチナーヤマトグチの範疇には入らない。
- 沖縄県においては沖縄時代劇や組踊、島唄等で使われ、通常の生活の場での使用者は主に高齢者とその家族・周辺に限られている。それ故、ウチナーグチと言うとウチナーヤマトグチを含めて指す事も多くなっている。また、日本語話者が聞いても概ね意味がとれるウチナーヤマトグチではあるが、使用語彙に琉球語(琉球方言)の影響が残っており、新たに発生した地域特有の表現も多く含んでいる。
2009年にユネスコが諸方言を危機に瀕する言語と指定した。 これらは琉球語(琉球方言)としての括りではなく、奄美語、国頭語、沖縄語、宮古語、八重山語、与那国語と、それぞれを一言語と分類している(詳細は、#区分を参照)。
このようになった原因として、テレビなどでの日本語の普及、沖縄県の日本への編入などが挙げられる。
[編集] 琉球語(琉球方言)の特徴
琉球語(琉球方言)学研究により、語彙や文法など様々な面で日本語の古い形を留めているものも多いことが明らかになっている。例えば日本語のハ行子音は古くはp音であったがφ音、さらにH音に変化してきたとされている。つまり日本語の「鼻」「花」は、パナ→ファナ→ハナとなってきたが、琉球語(琉球方言)では、この3音がいまでも地域によってそれぞれの形で使われている。
以上の例を始めとして、琉球語(琉球方言)と日本語の音韻には一定の規則的な関係があるが、次項にその詳細を示す。
[編集] 日本語との音韻関係
琉球語(琉球方言)と日本語のもっとも大きな違いは、母音、特に短母音の違いである。 琉球語(琉球方言)の短母音はほとんどが /a/・/i/・/u/ の3つで、/e/・/o/ の短母音や、それらを含む複母音は通常、伸ばす音すなわち[e:][o:]の形で現れる。
| 日本語 | 琉球語(琉球方言) |
|---|---|
| え /e/ | い /i/ |
| お /o/ | う /u/ |
| あい /ai/、あえ /ae/ | えー /e:/ |
| あう /au/、あお /ao/ | おー /o:/ |
琉球語(琉球方言)の代表として首里方言から例示するならば、
- 雨(あめ)→アミ
- 船(ふね)→フニ
- 心(こころ)→ククル
- 夜(よる)→ユル
- 兄弟(きょうだい)→チョーデー
- 帰る(かえる・終止形)→ケーユン(またはケーイン)
- 青い(あおい・終止形)→オーサン
など対応関係をなす。
また奄美方言には中舌母音があり、これが上代特殊仮名遣によって表された音の名残であるともいわれる。
本土方言での「ハ(H)行」が、沖縄本島北部をはじめとした多くの地域で「パ(P)行」や「ファ(Φ)行」になる。これは室町時代以前の本土での発音と一致する。
例えば、宮古諸島・八重山諸島地域では次の音韻規則をもつ(※ /ï/はイとウの中間の母音)。
| 日本語 | 宮古・八重山方言 |
|---|---|
| は /ha/ | ぱ /pa/ |
| ひ /hi/ | ぴ /pi/、ぴぅ /pï/ |
| ふ /fu/ | ぷ /pu/、ぴぅ /pï/ |
| へ /he/ | ぴ /pi/ |
| ほ /ho/ | ぷ /pu/ |
地域や単語にもよるが、/i/音の前後では、
- /k/音が口蓋化して/ch/音になることがある(例:「息」→「イチ」)。
- /g/, /t/, /d/ の音はそれぞれ /z/, /ch/, /zj/ になる(例:「宜野湾」→「ジノーン」)。
| 日本語 | 琉球語(琉球方言) |
|---|---|
| き /ki/ | ち /chi/ |
| いか /ika/、いた /ita/ | いちゃ /icha/ |
| ぎ /gi/ | じ /zji/ |
| いが /iga/、いだ /ida/ | いじゃ /izja/ |
「リ」は「イ」に変化する。ただし元々「レ」で「リ」に変化した場合や、母音/i/が先行する場合は変わらない。
| 日本語 | 琉球語(琉球方言) |
|---|---|
| り /ri/ | い /i/ |
| いり /iri/ | いり /iri/ |
母音aに挟まれたw音は脱落する(例:「泡盛」→「アームイ」)。
| 日本語 | 琉球語(琉球方言) |
|---|---|
| あわ /awa/ | あー /a:/ |
オキナワを、これらの法則に沿って音韻変化させるとウチナーとなるのである。
[編集] 特殊な音韻
琉球語(琉球方言)特有の音韻もある。
多くの方言で、喉頭化の有無による対立が見られる。また母音・半母音・撥音の前の声門破裂音の有無が弁別される方言も多い。
先島方言では本土および沖縄方言のワ行がバ行やヴァ行に変化しているほか、母音が脱落して閉音節化した例も宮古方言などに多い。また与那国方言ではヤ行がダ行に変化している。
[編集] 語彙・文法
語彙および文法には九州方言との共通点も少しあるが、琉球語(琉球方言)独特、または古語の特徴を残すものが多い。独特の語彙としては、「てぃーだ」(太陽)などがよく知られる。また語尾母音を伸ばして人を表す方法(「くるまー」で車屋、「あめりかー」でアメリカ人を意味する)や、指小辞「ぐぁ」「ぐゎ」(これは「子(こ)」に由来するといわれる)なども独特である。
動詞の活用は基本的に日本語古語と同じシステムに従うが、四段活用に似た形に簡略化する傾向がある。終止形と連体形は特殊で、例えば「咲く」は首里方言で終止形「さちゅん」、連体形「さちゅる」となる。これらは連用形に「をり」を付けた形「咲きをり」に由来すると考えられている(西日本方言で進行形を表す「咲きおる/咲きよる」と関係あるか)。
終止形語尾の「ん」は、諸方言の比較から「む」、「もの」などに由来するといわれるが、詳細は不明。方言によっては終止形語尾が「り」となり、奄美方言など「り」語尾とm系語尾を併用するものもある。
形容詞の活用は、語幹に「さ」と「あり」を付けたと思われる形が特徴的である。例えば「高い」は首里方言で連用形「たかく」、終止形「たかさん」、連体形「たかさる」となる(「ちゅらさん」は「清らかさあり」に当たる)。語幹用法もよく用いられる。
過去形は本土諸方言と同じく「たり」に由来する語尾(方言により「たん」「たり」「たい」「tar」など)で表し、使役は「しむ」に由来する助動詞、もしくは「して下さい」にあたる「たぼり」(給り)で表す。
敬語は、「侍り」(丁寧)、「召す」(尊敬)などに由来する語法を用いる。「ごめんください」の意味の「ちゃーびら」(「来侍ら」から)、「いらっしゃい」の意味の「めんそーれ」(「参り召しおはれ」「往み有り召しおはれ」などが語源として考えられている)など。
係り結びもあり、「どぅ」に対する連体形結びなどのほか、特異なものとして「が」に対する未然形結びがある。
助詞「が」と「の」の用法には古語の特徴が残っており、主格と属格の区別は発達せず、対象の性質(動作主性や人との関係など)によって使い分ける(例:「私の親御様」→「わおやがなし(主)」)。また対格は助詞なしで表す方言が多く、「を」に由来するものはない。向格(共通語の「へ」または「に」)には「んかい」(「向かい」に由来)などを用いる。
[編集] 琉球語(琉球方言)の位置
明治末より、沖縄県でも他府県と同じく学校教育の場で標準語の普及運動が進められ、琉球語(琉球方言)の使用者に「方言札」と呼ばれるものを掛けさせるなどの手段が採られた[1]。また、戦後のアメリカ統治下でも共通語の普及がはかられ、日本復帰の頃まで続いた。この影響で純粋な琉球語話者は激減することとなる。
現在沖縄県では、他府県以上に琉球語(琉球方言)の積極的な保存が叫ばれている。これを受けて沖縄県庁では、教育委員会に通達を出すなどの対策をとっている。
方言札の影響がまだ存在し、高齢者も他人に教えない状況が残っているため、在来の琉球語は数十年以内に消滅するとみられている。
[編集] 言語か方言か
ドイツ語と中国語など明らかに異なる語系の言葉の判別は簡単で有るがイタリア語とスペイン語、ドイツ語とオランダ語、北京方言と広東方言、クロアチア語とセルビア語など同系統の語族において言語学において言語と方言を明確に区別する基準は確定していない。よって琉球語(琉球方言)を独立した言語とみなすか方言とみなすかは言語学のよりも民族主義においてどちらの立場を取るかに左右される。この問題については前述した事情から、琉球語(琉球方言)話者自身による積極的な主張が少ない点が指摘できる。また言語研究機関の中には言語としながらも、方言とする意見を排除しないとする所もある。
そのため、大きく分けて四つの立場がある。
- 言語であって方言ではない。
- 方言であって言語ではない。
- 言語とも方言とも言える。
- 言語か方言かを論じるのは無意味。
[編集] 民族論
民族と言語の関係から、言語と方言に区分する考えもある。沖縄県や奄美諸島の住民と、その他の日本人との文化などの違いを抽出して、別民族(琉球民族)とみなす場合である。ただし、政治的な動機とも密接に関係するため、注意が必要である。(当該項目及び大和民族なども参照のこと)
[編集] 印象論
琉球語(琉球方言)と日本語の言語学的特徴も方言か言語かを判断する材料となりうるが、それは学問的な判断材料ではなく、あくまで印象論である。 世界にはお互いに意志疎通が可能でも(すなわち音韻の違いが小規模かつ規則的でも)別言語とされている例も、意志疎通が不可能でも同言語とされている例もあり、聞き取れるか否か、或いは音韻関係がどの程度厳密かといったことは、言語か方言かを分類する決定的な根拠とは必ずしもなりえない。
言語か方言かいずれかの立場を取る場合は、以下のような考えが根拠となる。
- 言語とみなす場合、「琉球語はまったく聞き取れない。だから琉球語は日本語ではない」あるいは「琉球語は日本語とは異なる多くの言語学的特徴を持っている。だから琉球語は独自の言語と見なすのが妥当」。
- 方言とみなす場合、「本土方言と琉球方言の音韻変化と文法には明らかに関係がある。さらに、日本各地の方言で他地域の者に理解不能なのは琉球方言に限ったことではない。だから琉球方言だけを独自の言語と見なすことはできない」。
[編集] 政治論
近代における民族国家が国家設立の大きな基盤になった関係から、建国・独立を主張する集団は自らを独自の民族で有ると主張する傾向に有る。この場合に最も重要なのはこれらの集団が独自の言語を保有するという主張である。よって日本の近世の方言の感覚からすればイタリアの言葉、ポルトガルの言葉、スペインの言葉はラテン系の言語の方言、ドイツ語とオランダ語はゲルマン語の方言と捉えることができる。実際、イタリア人がスペインに移住すれば数ヶ月で基本的な会話が可能になる。場合によってはイギリス英語とアメリカ英語ほどしか違わないクロアチアの言葉とセルビアの言葉もユーゴの分立以来は別言語とされている。一方でヨーロッパの基準からすれば明らかに別言語にあたる中国や日本やアラブの地方言語は理解不能な場合があるにもかかわらず方言であるとされている。よって日本語や特に中国語の方言の基準を適用すれば沖縄の言葉は明らかに方言。ヨーロッパ、特にラテン語系の基準を適用すれば独立した言語であると捉えることができる
実際に「普通―語という場合は国家を背景としているので、言語学では沖縄の言葉を琉球方言といいならわしている。」(外間守善『日本語の世界9沖縄の言葉』中央公論社)と主張する言語学者がおり、国家の有無という立場から方言か言語かを論じる立場もある。国家の範囲と民族、言語の範囲は必ずしも一致しておらず、これは絶対的な基準とはならない。事実、世界には複数の言語を有する国が多いし、また同一民族、同一言語とされるが複数の国家に分かれている事例もある。
以下の論がある。なお、各論には矛盾がある場合もある。
- 「琉球語」は「琉球民族」という意識・概念と密接な関係にあり、「琉球語」と言うこと自体が政治的・民族的(文化集団)な立場の表明となる。
- 「方言」であると言うことが、例えば琉球王国をはじめとした独自の歴史・文化を軽視するような政治的立場の表明となる。
- 沖縄県や奄美諸島に住む人々も本土に住む人々と同じ日本民族である。よって琉球語という呼称は正しくない。
- 民族と言語も必ずしも一致するものではない、そもそも沖縄県や奄美諸島に住む人々を大和民族に含めて良いのかも疑問である、よって独自の言語とすることが妥当。
- 琉球語か琉球方言かの論争は、民族や国家の根本問題とも関わり、冷静・学問的な論議が必要である。
[編集] 日本語族
日本語族とは、日本語と琉球語を別言語とするが、比較言語学的に共通の語族に属する同系言語であるとする考え。この場合日本語族を、日本語派(日本語)と琉球語派(琉球語)に分け、その下に諸方言が連なるとする。
[編集] 他言語との比較
琉球語(琉球方言)と日本語は、別言語と見た場合であっても同系統であることが証明されている。のみならず、本土との文化・歴史的な違いの大きさと比較すれば、音韻体系の対応などの言語的類似性はむしろ近いものがあるとさえ言われている。このような言語が他言語においてどう扱われているかは、それぞれの言語によってまちまちである。
他言語での典型例としては、以下のようなものがある。
- ポルトガル語とスペイン語の差は琉球語(琉球方言)と日本語の差と同程度か更に小さいと考えられているが、それぞれ立派な別言語とされており、方言と見なす者はまずいない。これは、政治論の視点がある。カタルーニャ語とスペイン語の差は、琉球語(琉球方言)と日本語の差より少ないが、言語として考えるのであれば、独立した言語であると考えることができる。ただしカタルーニャの言葉はスペイン語の方言であるとの主張はスペイン民族主義に見られた。アイヌ語とバスク語が語族が近隣の言語と明らかに違うのでそれぞれ独立語であると考えられている。琉球の言葉が言語であると主張する立場からスペインにおけるこの言語状況は大いに引き合いに出される。ただしポルトガル、スペイン、イタリアの言葉は厳密にはラテン語の一方言であり、これらが独立した言語であるという主張はあくまで政治的なもので言語学上のものではないとの対論も存在する。逆に沖縄の言葉は方言であると主張する立場からは日本語や中国語の方言の言語状況、特に古い薩摩方言と沖縄方言の近さが指摘される。
- 中国語における北京語・上海語・広東語は、それぞれ一定の独自性を持った言語として扱われることもあるが、中国語の方言だとされることもある。アラビア語の諸方言(特にモロッコ・アラビア語)についても同様である。
- ヒンディー語とウルドゥー語は非常に距離が近く、筆記される文字(デーヴァナーガリーとアラビア文字の違い)と一部の語彙は異なるものの、口語では互いに意志の疎通に全く支障がない。しかもインド国内だけでも両者が等しく使用されながら、通常は別言語として扱われる。これは、前者が主にヒンドゥー教徒、後者がイスラム教徒によって使用されるという宗教的な状況、および後者がパキスタンの国語でもあるという政治的な側面が大きく影響している。なお両言語を母語とする話者の大半は、人種的にも民族としてもほぼ隔たりはない。
[編集] 文字
琉球語(琉球方言)の文字による記録は、古い石碑に記された仮名書きで見ることができる。例えば、玉陵の碑文(1501年)などがそうである。また、尚円王(金丸)の直筆書状も現存している。15世紀からのいわゆる琉球王朝では、公文書は漢字ひらがな交じり文で書かれた。また、歌謡集『おもろさうし』もひらがな主体の表記をとっている。カタカナはほとんど使用されなかった。
現在の語彙の中には、中国から直接導入された漢語や、それを翻訳した言い回しも少しある。漢文は中国語でそのまま読む方式と、日本式の訓読とが併用された。
漢字は庶民が習得しているものではなく、かなのほか、中国から伝来した独特の数字「蘇州碼」(すうちうま)が主に帳簿の記録など商業用途に用いられた。日本の影響を受けるようになると廃れ、現在は文字としては使用されていない。
現代の琉球語(琉球方言)は、日本語の漢字かな交じり文を応用して記録することも行われている。日本語表記と大きく異なる語彙の場合、意味で対応する漢字を独特の訓読で記録することも行われる。例えば、太陽の昇る方角を意味する「あがり」に「東」、太陽の沈む方角を意味する「いり」に「西」という漢字を当てて書くことなどである。反面、例えば「ぐすく」は「城」と宛てられている(中城=なかぐすく、城間=ぐすくま)が、グスクと城は厳密には異質なものであり、漢字をもって類推表記したものも少なくないことに注意する必要がある。
[編集] 琉球語(琉球方言)の地域性
琉球語(琉球方言)は、一方言の話者が、他の琉球語(琉球方言)の方言を聞き取れるというわけではない。
琉球語(琉球方言)は、北琉球と南琉球の二大方言群(グループ)に大別でき、さらに諸方言に別ける。北琉球方言に属する諸方言同士ではある程度意味が理解できるものの、北琉球方言と南琉球方言同士では全く会話が通じない。
[編集] 区分
- 北琉球方言
- 南琉球方言(先島方言群)
[編集] 琉球語(琉球方言)の下位区分か?個別言語か?
非営利組織である国際SILが出版しているエスノローグによると、日本で使われている言語として日本語、アイヌ語、朝鮮語とともに、中央沖縄語(Okinawan, Central)をはじめとして、喜界語(Kikai)、北奄美語(Amami-Oshima, Northern)、南奄美語(Amami-Oshima, Southern)、徳之島語(Toku-No-Shima)、沖永良部語(Oki-No-Erabu)、与論語(Yoron)、国頭語(Kunigami)、宮古語(Miyako)、八重山語(Yaeyama)、与那国語(Yonaguni)といった言語を多く挙げている[2]。もちろん、これらの言語は、一般的には、琉球語(琉球方言)の下位区分の方言とみなされている[3]。また、国際SIL自体も、方言であるとの意見を排除しないと表明している。2007年には、国際標準化機構の言語の略称についての国際規格であるISO 639にも、国際SILとの整合性をとる目的で、それぞれに対し、3字略称が与えられた(例えば、中央沖縄語の場合、「ryu」[4])。
2009年2月19日に国連教育科学文化機関(ユネスコ)が発表した調査結果によると、世界で約2500の言語が消滅の危機にあるとし、琉球語(琉球方言)における下位方言もその対象となった。この中で、前述のエスノローグと同様、「沖縄語」、「国頭語」、「宮古語」、「奄美語」、「八重山語」、「与那国語」という名称で、それぞれ独立した1個の言語(個別言語)として言及された(このほか日本で話される言語のうちアイヌ語と八丈語が消滅の危機にある言語として言及されている)。ユネスコの担当者は、「これらの言語が日本で方言として扱われているのは認識しているが、国際的な基準だと独立の言語と扱うのが妥当と考えた」という[5]。これを受けて参議院議員である糸数慶子は、「ユネスコが独立した言語とした八言語は、言語なのか、方言なのか」など、7項目を「沖縄の言語に関する質問主意書」として政府に提出した[6]。これらの質問に対し、政府は、「『言語』及び『方言』の用語は、様々な意味を有するものと承知しており、お尋ねに一概にお答えすることは困難である」との見解を示している[7]。
[編集] 関連項目
- 沖縄方言 - 沖縄方言の表記体系
- 琉球文学
- 伊波普猷
- 沖縄学
- 古琉球
- 蘇州碼
- カイダ文字
- ウチナーヤマトグチ(沖縄県風現代日本語方言。狭義の沖縄弁。)
- 『おもろさうし』
- 沖縄県
- 鹿児島県
- en:Ryukyuan languages(琉球諸語)
- 琉球民族
- 日本語族
- 沖縄県の名字
- 個別言語
[編集] 外部リンク
- うちなあぐち
- 琉球語音声データベース
- 伊波普猷文庫目録(「沖縄学の父」伊波普猷の言語資料等)
- 仲宗根政善言語資料(琉球方言学の父と言われる仲宗根政善の言語資料等)
- 沖縄学研究所
- All about Irabu Ryukyuan(伊良部方言の記述・記録保存など)
[編集] 注釈
- ^ *沖縄の標準語教育史研究
- ^ Ethnologue report for Japan, Ethnologue (2005)
- ^ 亀井孝・河野六郎・千野栄一 編著 『言語学大辞典セレクション 日本列島の言語』 三省堂 (1997)
- ^ Documentation for ISO 639 identifier: ryu,SIL international (2007)
- ^ 世界2500言語消滅危機、ユネスコ「日本は8語対象」, asahi.com
- ^ 沖縄の言語に関する質問主意書
- ^ 参議院議員糸数慶子君提出沖縄の言語に関する質問に対する答弁書




