性差
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性差(せいさ)とは、雌雄の動物(ヒトにおける男性と女性)の性別的な差異の事である。第一次性徴および第二次性徴といった生物学的な違いのみでなく、職業適性・価値志向の違い等、社会的・心理的な差異(これを第三次性徴と呼ぶ考えもある)を指す。
この項で扱う内容は「一般的に男女の差異と考えられているもの」であり、正確性の判断には慎重さが要される。また、違いはあくまで違いであり、違いによって優劣の判断をするものではない。
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[編集] 生物学的性差
[編集] 外形的性差
- 人間の男性には体が大きく筋肉質な人が多く、女性は比較的小柄で脂肪に富んだ体つきをしている人が多い。また、男性の声は一般的に低く、女性の声は一般的に高い。
- 上記の記述は、あくまで統計的な傾向(典型的なもの)であり、例外も数多い点に注意する必要がある。一例を挙げれば、男性であっても背が低くて声の高い人も存在する。
[編集] 生殖能力に関する性差
- 男性は女性を妊娠させる事ができ、女性は子供を産む事が出来る(ヒト以外の動物でも、一般的に出産できる個体をメスとする)。
- 人間の男性は自分の子供を6万人位まで持つ可能性が有るが、女性は20人位が限界である。代理母出産などではない通常の生殖の場合女性は自分の腹から産むため子供が自分の血を引いていることが確定できるが、男性は血液型の確認やDNA鑑定をしなければ正確には自分の血を引いた子供であるかはわからず、見た目(遺伝による容姿、利き腕などの癖)や出産期間からの逆算で判断するしかない。
[編集] 脳の性差
近年では、脳レベルの性差についての研究、分析、評論も増えている。それに伴い「男脳」「女脳」、あるいは「システム脳」「共感脳」というような通念も(学術的・厳密であるかどうかはともかくとして)広く普及してきている。
男脳は空間操作に長ける傾向にあり、女脳は言語操作に長ける傾向にあるとのデータがある。この差は、ヒトとしての進化の過程で狩猟採集生活が最も長期間であったため、そういった環境に適応した個体ほど生き残る確率が高かったことに起因すると考えられている。ただしこれが脳の構造に由来するか否かについては、まだ不明な点がある。身体的な性別と脳の性別は必ずしも一致しない(男性脳あるいは女性脳傾向といった捉え方のほうがより妥当であると考えられる)ことや、生まれ育った環境にも影響されるということから、統計的な傾向とは異なった性質を示す個人もそれなりの割合で存在する。しかし、まだ研究段階の見解であるため、安易に個人の性質を決め付けることは早計である。
[編集] 脳の解剖学的性差
解剖学的に明らかなのは、男女の脳の大きさの違いである。男性の脳の方が平均重量で1割ほど大きい。ただし脳の大きさは知能の指標とならないため、知能の高さとは無関係である。また、脳の大きさには個人差がある。
ブローカ野を含む大脳皮質の前頭前野の特定の領域の働きは男性と女性では異なり、言語の脳内処理において男性では左脳のみの活動を示すが、女性は左右両方が活動していることが確認されている。(Shaywitz et al. 1995)
左右の大脳半球を連絡する約2億本の神経線維の大きな束である脳梁の後部の膨大部は、女性の方が丸みを帯びた形をしており、大脳全体との比率でみると男性よりも大きいという報告がある(ただし脳の容積は男性の方が大きく、脳梁容積の絶対値も男性の方が大きい)。脳梁膨大部は、視覚情報や言語情報の処理に関わる大脳半球間を連絡する神経線維からなっている。脳の構造や容積と、機能の関連は明らかでないものの、このような脳構造の違いが男女の微細な認知機能の差に関係していると推測する人もいる。
その他、分かっている以下のような性差が確認されている。
- 前頭皮質部分は,男性より女性のほうが大きい。
- 大脳辺縁皮質の情動反応に関連している部分は、男性より女性のほうが大きい。
- 空間的知覚に関連する頭頂皮質の部分は、女性より男性のほうが大きい。
- 扁桃体は、女性より男性のほうが大きい。
[編集] 脳の周期性
女性は身体的な周期変動を持っている。この周期性によって脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンと 黄体形成ホルモンの量と比率が変化する。このことによって月経の周期が支配され、精神的な変動にも影響する。
男性の脳ではこのような周期性はない。胎生期に精巣から分泌されたテストステロン(アンドロゲン・シャワーとよばれる)によるものだと考えられている。
[編集] 心理的性差
教育学、心理学で研究されている。
脳の性差や、男性ホルモン・女性ホルモンなどのホルモンバランスなどとの関連性も報告される。が、後天的な環境に大きく影響を受ける場合も想定され、環境によって傾向づけられたものが生得的に備わっているとの錯覚を起こす場合も多々あり、適用には注意が必要である。
男性は行動的な遊びを好み、女性は静かな遊びを好むといわれる。ただし、社会的に男性は男性、女性は女性同士の協調を要求されるケースが多いため、これにあてはまらないケースが潜在化して少数派に見えるためとの解釈もできる[要出典]
[編集] 社会的性差
- ジェンダーの項目を参照のこと。
[編集] 性差についての諸問題
- 性差別を参照のこと。
[編集] 性差を用いた形容表現
よく、物事を形容する際に男性的、女性的という言葉が用いられ、世界中にそのような表現がある。日本では古くから『万葉集』の益荒男ぶり、『古今和歌集』の手弱女ぶりがよく知られた表現である。これらの表現は男性、女性の持つ感性、特徴などをステレオタイプ化したものであり、大雑把に言うと男性的なものは、勇壮、豪快、険阻、荒々しいという要素があり、対して女性的なものは、繊細、優美、平坦、穏やかという要素を持つ。近年は性差別につながることから、社会活動や文学、芸術作品などで用いることは少ないが、特徴はお互い対極にありながら、決して優劣は付けられない自然景勝地などには、古くから今日に至るまで好んで用いられてきている。
- 例
- 山岳
- 男性的…大雪山、槍ヶ岳、石鎚山など険阻な鋭鋒
- 女性的…蒜山、安達太良山、美ヶ原など穏やかな高原が広がる山岳。
- 海岸
- 男性的…三陸海岸、東尋坊など断崖絶壁、奇岩が卓越した荒々しい海岸。
- 女性的…宇和海、三保松原など白砂青松のなだらかな海岸線や変化に富んだリアス式海岸
- 渓谷
- 男性的…三段峡、昇仙峡など高低差の激しい河谷、滝や、奇岩がいたるところに卓越するような渓谷
- 女性的…奥入瀬渓流、菊池渓谷などゆるやかに蛇行を繰り返し、浅瀬や淵が多い渓谷。紅葉の名所も多い。
が該当する。また、近隣の観光地で対比的に用いることも多い。例としては
能登半島外浦(男性的)←→能登半島内浦(女性的)
足摺海岸《足摺岬、竜串など》(男性的)←→宇和海(女性的)
三徳山東麓の三滝渓(男性的)←→西麓の小鹿渓(女性的)
嵯峨渓(男性的)←→松島(女性的)
などがある。
また、各地の坂でも、同じ地点に向かう両者を比較して、勾配の急なものを「男坂」、勾配の緩やかなものを「女坂」と呼ぶことがあり、島嶼に対しても用いる例がある。

