田口・白鳥シリーズ
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『田口・白鳥シリーズ』は宝島社から刊行されている海堂尊のミステリー小説のシリーズの総称。
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[編集] 概要
著者の作品で登場する架空の市・桜宮市の「東城大学医学部付属病院」を主な舞台に、不定愁訴外来(通称・愚痴外来)の講師・田口公平と厚生労働省大臣官房秘書課付技官の役職に就く役人・白鳥圭輔の活躍を描いた著者のデビュー作『チーム・バチスタの栄光』から連なるシリーズ。
『ジェネラル・ルージュの凱旋』までの基本的な話の流れは、田口が事件や大きな出来事に関わっていき、中盤以降に白鳥が登場してから解決に向けて展開するという構成となっている。それぞれの作品のタイトルは作品のメインキャラやキーパーソンを指した言葉が冠せられている。
作品事に扱う主題は異なるが、根底には著者が普及をライフワークとしているオートプシー・イメージング(Ai)がテーマにあり、作中でも事件解決のルーツにもなり、ストーリーの主軸にもなっている。
[編集] シリーズ作品
- チーム・バチスタの栄光
- ハードカバー:2006年2月発行 ISBN 9784796650793
- 文庫版:2007年11月発行 ISBN 9784796661614(上)、ISBN 9784796661638(下)
- 成功率100%を誇る「チーム・バチスタ」のバチスタ手術が相次いで術中死。調査役に任命された田口は「チーム・バチスタ」メンバーへの聞き込みを開始するが術死は未だ続いていく…。
- ナイチンゲールの沈黙
- ハードカバー:2006年10月発行 ISBN ISBN 9784796654753
- 文庫版:2008年9月発行 ISBN 9784796663588(上)、ISBN 9784796663601(下)
- 東城大付属病院に伝説の歌姫が入院した一方、病院の歌姫がいる小児科からの依頼で小児愚痴外来を開くことに。だが患者の父親が惨殺される事件が発生する。
- ジェネラル・ルージュの凱旋
- ハードカバー:2006年10月発行 ISBN 9784796657549
- 文庫版:2008年9月発行 ISBN 9784796667678(上)、ISBN 9784796667692(下)
- 救命救急センター部長・速水が収賄をしているという告発文が田口の元に届く。速水を信じる田口は調査を開始するが、この収賄疑惑はエシックス・コミティ(倫理問題審査委員会)や白鳥、そして速水を巻き込んでいく。
- イノセント・ゲリラの祝祭
- ハードカバー:2008年11月発行 ISBN 9784796666763
- 田口が白鳥の依頼で出席した厚生労働省主催の会議は医療事故を調査する組織設立に向けての会議に発展。会議では解剖至上主義者や法律家が既得権益を守ろうとする思惑が渦巻いていた。
- 東京都二十三区内外殺人事件
- 『このミステリーがすごい! 2008年版』に収録された短編。
[編集] 登場人物
[編集] メイン
- 田口公平
- 東城大学医学部付属病院・神経内科学教室の講師及び不定愁訴外来責任者。リスクマネジメント委員会委員長。
- 白鳥圭輔
- 厚生労働省大臣官房秘書課付技官及び医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長。
[編集] 東城大学医学部付属病院関係者
- 高階権太
- 東城大学医学部付属病院院長で消化器腫瘍外科教授。
- 藤原真琴
- 不定愁訴外来看護師。年齢は60過ぎ。定年間近だったが再就職制度を利用して不定愁訴外来の看護師となった。普段は温厚でのんびりしているように見えるが、察しが良く細やかな気配りができる人物。デマすら平気で流すらしいとも言われる程の噂好き。過去の東城大学医学部付属病院の事を知る生き字引のような存在でもある。
- 総合外科教室の看護師長を勤め、手術室をはじめ各科を渡り歩いた歴戦を持った優秀な看護師だった過去があり、総師長選挙に出馬し落選したことがある。教授のクビを飛ばせる政治力があるという評判を持ち、当時からの渾名は「地雷原」と呼ばれていた。高階とは互いを知る旧知の仲でもある。
- 兵藤勉
- 神経内科学教室助手兼医局長。3年前に他の病院の権力争いに敗れて東城大学医学部付属病院に赴任した。赴任早々に、あらゆるウワサを流して田口を失脚させて講師にのし上がろうと目論んだが、田口の性格を読み誤ったこともあり失敗、その時の出来事が愚痴外来を開設させるきっかけを作った。以降は田口が兼任していた医局長の座をはじめとしたほとんどの権限を田口から譲り受けることになり、田口と円満な関係を築いており、田口に病院の周辺情報を教えている。
- 根っからのウワサ好きでそれが講じて「廊下トンビ」の渾名で呼ばれている。
- 黒崎誠一郎
- 臓器統御外科ユニット教授。臓器統御外科ユニットのリスクマネジャーも勤め、。基本的には目立ちたがりな性格でかつ怒りっぽい性格だが、例え自分が気に入らないことでも有益ならば容認する度量の広さを持つ。高階が東城大学医学部付属病院に赴任した頃より、自分より少し年下の高階のことは快く思っていない。
- 島津吾郎
- 東城大学医学部付属病院放射線科准教授。田口と速水とは大学時代の同期で後輩の彦根と共に麻雀に興じた仲でもある。
- MRI研究の第一人者としても知られその方面の知識は国際的なレベル。髭の強面という風貌の持ち主で、子供は嫌いで無愛想に接するが、子供にはMRI検査で断続的に響く轟音に由来して「がんがんトンネル魔人」として慕われている。
[編集] 白鳥の関係者
- 加納達也
- 警察庁電子網監視室室長・警視正。白鳥が進める医療事故調査機関の設置に絡む事情により桜宮警察署に2年間出向してきたが、宗教団体「神々の楽園」リンチ死事件摘発後に警察庁へ帰還する。長身でハンサムな風貌で女性からの人気が高い。
- 白鳥とは大学時代の同期で共に確立研究会(数学関連ではなく麻雀のサークル)に在籍していた。学生時代の渾名は「ハウンドドッグ」。
- 捜査手法は事件現場情報をビデオに録画し、その情報をコンピューター上でデジタル化して現場を解析する「デジタル・ムービー・アナリシス(DMA)」という手法を用い、それにより検挙率を向上させた実績から「デジタル・ハウンドドッグ」の異名を持つ。自ら現場に赴く現場主義者という一般の官僚らしからぬスタンスの持ち主だが、足を使っての捜査を軽視している。ちなみにこの手法を白鳥には「紙芝居」と茶化されている。
- 玉村誠
- 桜宮警察署警部補。桜宮警察署内でも腫れ物扱いにされる加納を押し付けられ、加納と共に行動する。マイペースな遅刻魔で昇進には縁がない。現場主義という点においては加納と意気投合しているが、捜査は足を使うものという信条から加納のDMAには難色を示している。互いに相方に振り回される境遇故か田口とは気が合う。
- 姫宮香織
- 医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長補佐。名前は『チーム・バチスタの栄光』にて登場しているが初登場したのがシリーズには含まれない外伝的作品『螺鈿迷宮』から。フルネームは『極北クレイマー』より判明。
- 別宮葉子
- 時風新報分室社会部の新聞記者。姫宮同様に名前は『チーム・バチスタの栄光』にて登場しているが初登場は『螺鈿迷宮』から。螺鈿迷宮時点では主任補佐だが、『イノセント・ゲリラの祝祭』では主任に昇格した。
- 『螺鈿迷宮』の主人公である東城大学医学部の浪人生・天馬大吉の幼馴染。美人ながらも敏腕な記者で、「レッツ・カジノ」なる特集記事で社長賞を受賞したことがある。また「チーム・バチスタ」の特集記事を書いたことがある。天馬に無理難題なことから原稿執筆までを手伝わせており、その天馬からは校正原稿が赤ペンの訂正で真っ赤になることから影で「血塗れヒイラギ」と渾名を付けられている。厚生労働省ともパイプを持ち、白鳥とも知り合い。
[編集] 主な用語
- リスクマネジメント委員会
- 東城大学医学部付属病院やその他の病院でも設置されている組織。医療現場で起きた問題点の対策を検討、そこから引き出された教訓や決定事項を現場に反映させるための組織。東城大での委員長は吸器内科学教室助教授・曳地均が務めていたが、「バチスタ・スキャンダル」後の対応を機に曳地が辞任し、田口が委員長を務めることになった。
- パッシブ・フェーズ/アクティブ・フェーズ
- 白鳥が語る“説得”と“心理読影”のために用いる話術及び調査方法。どちらも日常生活に心理学を応用するために生まれた概念でもある。また、2つの技法で聞き込みを行った場合、相手の印象がパッシブとアクティブで大幅に異なることもある。
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- アクティブ・フェーズ(能動的聞き取り調査)
- “説得”に対応する技術。主な使用者は白鳥圭輔。相手の核心を突いて、相手が怒るかどうかのラインで情報を収得する。基本相手が本気で怒ってはいけないとされるが、白鳥の場合は大抵相手を怒らせている。“ホンキー・トンク”や“たたみかけ”など、多くのテクニックや極意が存在する。主にひらめきと臨機応変さによって調査方法が変わることもあり、それらの事がアクティブ・フェーズの生命線とされている。
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- アグレッシブ・フェーズ
- アクティブ・フェーズの進化型。『ジェネラル・ルージュの凱旋』内で速水晃一が体現してきたやり取りがそれに該当する。
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- パッシブ・フェーズ(受動的聞き取り調査)
- “心理読影”に対応する技術。主な使用者は田口公平、姫宮もパッシブ・フェーズを用いる。主にセルフポートレート(自画像)・ヒヤリングにより、相手の人物像を把握し、聞き込みを行う。対象が積極的な場合は「オフェンシブ・トーク」、相手が消極的な時に秘密を守るためなら「スネイル(かたつむり)・トーク」、対象の苦悩が原因なら「シーアネモネ(いそぎんちゃく)・トーク」となる。
[編集] 関連項目
- シリーズの外伝・番外編的作品。主人公は異なるが、主人公視点で白鳥の活躍も描いている。またほんの少しではあるが田口も登場している。
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最終更新 2009年11月2日 (月) 15:48 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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