白い巨塔 (テレビドラマ 1978年)

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白い巨塔(しろいきょとう)は、1978年6月~1979年1月にかけて、フジテレビ系列で放送されたテレビドラマである。

主演は田宮二郎山崎豊子の小説『白い巨塔』の3度目の映像化作品。その後リメイク版が二作品放送されたが、未だに根強いファンが多い。

当時田宮二郎が物議をかもしていたスキャンダル(借金・うつ病・作品放映中の自殺等、詳細は田宮二郎の項目を参照)と相乗効果を成して医療ドラマのみならず、テレビドラマ史上の傑作のひとつとして記憶されるドラマであり、財前五郎を演じた田宮の代表作かつ遺作となった。

目次

[編集] 概要

1978年6月3日1979年1月6日、全31回、毎週土曜日夜9時より1時間枠で放送された。本編総時間は約24時間。1979年1月20日には「総集編」も放送された。

原作小説は『白い巨塔』と『続・白い巨塔』から構成されており、それまで映像化されたのは『白い巨塔』までであったものが、当作品で初めて『続・白い巨塔』までの完全映像化がなされた(現在、原作の新潮文庫版は正編・続編を合わせて『白い巨塔』全5巻として発売中)。

田宮二郎は1966年の映画『白い巨塔』でも財前五郎役で主演していた。

[編集] 再評価

本放送後の再放送はCXで3回、TXで1回あったが、年月を経てそれもなくなっていたところ、2001年に全話収録のビデオ全11巻、2002年にはDVD全9巻が発売され、CSフジテレビ721でも全話再放送された。2003年には同じフジテレビにて、唐沢寿明主演で再ドラマ化され高視聴率を挙げたこともあって、田宮版が改めて注目されるようになり、2003年10月には石川テレビ(2話連続放送)が、2004年8月16日~8月22日には、全31話を合計13時間に再編集した特別版がフジテレビ(関東地区)、仙台放送(ヨジテレビ! ドラマ枠内)で放送され、また2005年1月1日~1月3日に、再びフジテレビ721で全話連続放送(放送時間は1日14:00~22:30(1~10話)、2日14:00~22:30(11~20話)、3日14:00~23:00(21~31話))されたこともあって再び見直された。また、放送ライブラリーでは、第1話を閲覧する事が出来る。

[編集] 背景

この作品は、主演の田宮二郎がドラマ化を強く要望し制作されたものであった。彼が映画版財前五郎を演じた後に続編が書かれ、田宮は続編の結末までを演じたいと切望していた。以前にも田宮は2度に渡ってテレビ局にドラマ化を提案していたが、諸般の事情で実現していなかった。また、映画で主演した当時は31歳だった田宮も、この時は43歳。原作の財前の年齢設定(42歳)とほぼ同時期になったこともあって、改めて財前を演じたいという思いが強かった。
以上のような背景もあっての田宮の要望と、原作者の山崎豊子をはじめとする周囲の協力もあって3度目の映像化が実現した。田宮は「財前を演じるのは自分しかいない」と思い続けており、その入魂の演技は、多くの観る人をしていまだ田宮以上の財前は現れていないと高く評価されている。

脚本家の鈴木尚之、原作の山崎豊子そして田宮との話し合いの元に、原作に極力忠実でありつつ登場人物の性格を深く掘り下げた脚本が練られた。脇を固める俳優陣も当時のそうそうたる顔ぶれが揃い、作品に重みを与えた。
特に財前のライバルかつ親友である里見脩二を演じた山本學の、内向的で研究一筋ながら内に深い情熱を秘めるという原作の里見の姿をまさに体現し、更にそこにとどまらない膨らみを持った演技は、本放送当時・それから25年が過ぎた再放送時共に、観るものの心を捉え、余人を以って代えがたしと評されている。

また、東佐枝子と花森ケイ子の役割が原作よりも大きくなったのもこの時の特徴だった。東佐枝子役・島田陽子の高潔・清廉で一途な姿、そして花森ケイ子役・太地喜和子の、奔放でありながら財前を精神的に強く支え続ける姿、この2人の演技は本作品に代えがたい味わいを与えた。

原作エピソードの大きな変更点もあり、財前の母・黒川きぬは、原作では第1審の直後に死去するが、本作では田宮の強い要望により最後まで登場し息子の臨終を看取る。また、特に異なっているのは最終回、死に至る財前の心中である。原作では最高裁判所への上告を済ませてから入院し、死に際しては、解剖を担当する大河内教授宛に自身の癌の所見を箇条書きにして残すのみだが、本作では上告する間もなく入院し、遺書は里見脩二宛であり、癌専門医でありながら癌で死ぬことを恥じる、という原作の言葉を踏襲しつつも、医学者としての道を踏み外していたこれまでの自分を恥じ、君のおかげで反省することができた、と里見の友情を感謝する手紙に変わっている。また、花森ケイ子に母親を頼みたい旨の伝言を里見に託すなど、財前と里見の深い心のつながりが強調されるものになっている。この文面は田宮が山崎に頼みこんで実現したものであった。

このドラマにおける手術シーンのほとんどは、医師及び患者の許可を取って撮影された実際の映像である。クレジットタイトルには出てこないが、ロケは神奈川県伊勢原市東海大学病院で行われた。田宮が同病院と懇意にしていたことから実現した。腹部がメスで実際に切り開かれるリアルな手術シーンは衝撃と話題を呼んだ。現在のドラマではこのような実物映像はまず使われず、同様のシーンでもプラスチック製等の作り物を使用することがほとんどである。

田宮は当時躁鬱病を患っており、そのため前半の教授選編は異常にテンションが高く、後半の裁判編は欝状態で、台詞が頭に入らないとプロデューサーに泣きつくなど撮影は苦労の連続であった。そして 収録終了直後の1978年12月28日に、田宮二郎は自殺した。このことに世間は衝撃を受け、この時点でドラマの未放映回が2回分残っていたが、それまでは12~13%程度だった視聴率が(第1話の視聴率は18.6%。その後は野球放送などにより低迷していた。本作の裏番組には当時人気のドラマ『Gメン'75』があった)最後の2話で急上昇し、最終回は31.4%まで大幅にアップした。しかし、番組関係者は自殺という悲劇が視聴率を上げたことで、視聴者に対して非常な憤りを感じたとされている。皮肉にもそのような悲劇から、このドラマは多くの人々の記憶に焼きつき、後世に語り継がれる作品となった。

最終話ラストシーンの、ストレッチャーで運ばれる財前の遺体は、自ら希望して田宮自身が演じている。代役の提案は本人が拒否した。その時のBGMモーツァルト作曲、レクイエム『涙の日 Lacrimosa』。このあと、本放送では『完』と表記された後に「田宮二郎さんのご冥福をお祈りいたします」とテロップが挿入された。

[編集] キャスト


  • 花森ケイ子太地喜和子 - 財前五郎の愛人、バー「シロー」のホステス
  • 東佐枝子:島田陽子 - 東貞蔵・政子の娘
  • 財前杏子生田悦子 - 財前五郎の、財前又一の
  • 財前一夫:木村雄 - 財前の息子、長男
  • 財前富士夫:佐久間良 - 財前の息子、次男
  • 里見三知代:上村香子 - 里見脩二の妻
  • 里見好彦:長谷川幹樹 - 里見脩二・三知代の息子
  • 里見清一:岡田英次 - 里見脩二の兄、開業医
  • 黒川きぬ:中北千枝子 - 財前五郎の母親

  • 東貞蔵中村伸郎 - 浪速大学医学部第1外科教授→近畿労災病院院長
  • 鵜飼雅一小沢栄太郎 - 浪速大学医学部第1内科教授、浪速大学医学部長
  • 大河内教授加藤嘉 - 浪速大学医学部病理学教授(元・浪速大学医学部長)
  • 金井達夫清水章吾 - 浪速大学医学部第1外科次席講師→浪速大学医学部第1外科助教授
  • 佃友博河原崎長一郎 - 浪速大学医学部第1外科医局長→浪速大学医学部第1外科講師
  • 柳原弘高橋長英[1] - 浪速大学医学部第1外科医局員
  • 野坂教授小松方正 - 浪速大学医学部整形外科教授
  • 葉山教授戸浦六宏 - 浪速大学医学部産婦人科教授
  • 今津教授井上孝雄 - 浪速大学医学部第2外科教授
  • 則内教授:川部修詩 - 浪速大学医学部付属病院長
  • 浪速大学医学部教授:伊藤豪
  • 浪速大学医学部教授:林昭夫
  • 滝村恭輔西村晃 - 浪速大学医学部名誉教授
  • 安西医局員:伊東辰夫 - 浪速大学医学部第1外科医局員→浪速大学医学部第1外科医局長
  • 山田医局員:関川慎二 - 浪速大学医学部第1外科医局員
  • 江川達郎坂東正之助 - 浪速大学医学部第1外科医局員→舞鶴総合病院医師
  • 谷山医局員:堀内正美 - 浪速大学医学部第1内科医局員→近畿がんセンター職員
  • 事務長:今西正男 - 浪速大学医学部事務長
  • 岡田みち子:追川泰子 - 浪速大学医学部放射線科看護婦
  • 浪速大学医学部付属病院第一外科総婦長:島美弥子




  • 中川雅之
  • 本山可久子
  • 江崎英子
  • 大川万裕子
  • 溝口順子
  • 井上裕季子(方言指導も担当)
  • アレクサンダー・ミラー
  • エリック・ガンター
  • 大月優子
  • 高塚利子
  • 豊藤嘉
  • 大和田由紀
  • 森沢早苗
  • 田村勝彦
  • 中原潤
  • 船場克敏
  • 平野正明
  • 宮沢元
  • 棟方巴里爾
  • 鴨井博子
  • 田村元治
  • 藤井聡一
  • 酒井郷博
  • 関保之
  • 磯部稲子
  • 高桐真
  • 荻谷道子
  • 篠宮正一
  • 永井玄哉
  • 小沢重雄
  • 早川雄三
  • 大森義夫
  • 田島義文
  • 戸川暁子
  • 永井秀明

第1話には当時同じフジテレビの土曜日に放送されていた人気アニメ「ヤッターマン」で主役の声を務めていた太田淑子がバー「シロー」のママ役で出演している。

[編集] 他作品と重なるキャスト

<1966年映画版>

1967年版ドラマ

1990年版ドラマ

2003年版ドラマ

  • 控訴審裁判長:戸沢佑介 (本作では浪速医師会幹部役)

[編集] スタッフ

[編集] テーマ曲

テーマ曲冒頭にあるナレーションは「東教授の総回診が始まります」と「財前教授の総回診が始まります」の2種類。これに合わせて、テーマ曲も、全体のアレンジを多少変えたバージョンも存在。「東バージョン」は、ナレーション後に、4小節の前奏が入る。

[編集] 挿入歌

ただし本編では使用されなかった。レコードB面は渡辺岳夫作曲のオープニングテーマ曲。なお渡辺は翌年『機動戦士ガンダム』を担当しており、どちらもヒューマンドラマの側面が濃いためか(どちらも現在に至るまで続編が作られている、長寿人気作品である)、BGMの雰囲気(編曲、使用楽器など)が大変よく似ている。

[編集] 備考

  • 初放映時の放送時間は毎週土曜日夜9時から(現在の「土曜プレミアム」枠)。

[編集] テレビドラマ

[編集] 映画

[編集] 前後番組

フジテレビ 土曜21:00枠
前番組 番組名 次番組
 魂の試される時
白い巨塔(1978年版)
時よ燃えて

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年10月26日 (月) 17:50 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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