白血球
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白血球(はっけっきゅう、英名White blood cellあるいはLeukocyte)は、血液に含まれる細胞成分の一つである。顆粒球、リンパ球、単球があり、外部から体内に侵入した異物の排除と腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などを役割とする造血幹細胞由来の細胞である。
血液検査などではWBCと表されることが多い
大きさは6から22µm(マクロファージはそれ以上)。数は、正常血液1mm³あたり、4000から10000個(平均約7000)である。
目次 |
[編集] 白血球の種類
[編集] 顆粒球
骨髄で産出され、白血球の半分から3/4程度を占める。細胞質には殺菌作用を持つ顆粒が存在する。ギムザ染色による染色のされ方の違いによって好中球、好酸球、好塩基球の3つに分類にされる。寿命は血液中では1日以下、組織中では数日程度である。
顆粒球の約90から95%を好中球が占める。 好中球は成熟した後にも多くは骨髄内にとどまり貯留プールを形成する。貯留プールに存在する好中球の数量は末梢血内に存在する好中球の数量の10から20倍の量になる。 好中球は盛んに遊走し血管内ばかりでなく血管壁に粘着し刺激物質を出して血管壁を通過することで組織内でも盛んに活動する。 細菌感染など炎症時に分泌されるインターロイキンなどのケモカイン(サイトカイン)などの遊走・刺激因子の作用を受け、好中球は炎症を起こした組織に集まり細菌を捕食し感染の拡大を防ぐ。 それらの刺激因子をうけて骨髄内の貯留プールからも好中球は動員される。また骨髄では好中球の増産が行われる。
末梢血外に大量の好中球がプールされているため、細菌感染時には速やかに末梢血中の好中球数は増加し、細菌の感染防止に動員される。また、運動や喫煙・ストレスなどの生体のわずかな変化でも好中球の数は変化する。 細菌類に出会うと好中球は細菌類を貪食し、細胞中に存在する顆粒の殺菌性加水分解酵素などの作用あるいは酸素の代謝を活発化させることによって発生させる活性酸素などで殺菌する。 細菌感染には好中球が最初に集まり、かつ主に好中球が対処するが、好中球は体液性免疫細胞への抗原提示は行わない。 好中球が処理し切れなかった細菌などの異物をマクロファージなどが貪食し抗原提示を行い体液性免疫を獲得する。 怪我などをした後に傷口から発生する膿は、細菌との戦いで死んだ好中球の死体を主としている。
好中球に関して、より詳しくは「好中球」の項目を参照のこと。
好酸球も弱い遊走・貪食能力を持つが、主な役割では寄生虫・寄生虫卵の傷害あるいはアレルギー反応に関係する。
[編集] リンパ球
リンパ球(リンパきゅう)は、末梢血の白血球のうち20~40%ほどを占める、比較的小さく(6~15μm)、細胞質の少ない白血球。その大きさから小リンパ球(6~9μm)と大リンパ球(9~15μm)とに分類されることがあるが、この分類に絶対的な基準はない。抗体を使ってあらゆる異物に対して攻撃するほか、ウイルスなどの小さな異物や腫瘍細胞に対しては、顆粒球ではなくリンパ球が中心となって対応する。NK細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)などの種類がある。体液性免疫、抗体産生に携わるのはB細胞で、細胞性免疫に携わるのはT細胞である。寿命は数日から数ヶ月、時には年単位である。 骨髄で未熟な状態で産出された後、胸腺(Tリンパ)や脾臓(Bリンパ)などで成熟し、さらにはリンパ節に移動しそこでも増生・成熟が行われるなど複雑な経過をたどる。
[編集] 単球
単球(たんきゅう、monocyte)は骨髄で産出され末梢血の白血球のうち3~6%を占める。白血球細胞の中で最も大きく(13~22μm)、豆型の核を持つ。単球は、感染に対する免疫の開始に重要であり、アメーバ運動を行って移動することができ、細菌などの異物を細胞内に取り込み、細胞内酵素を使って消化する。断片化した異物を、もともと細胞質内に持っていたクラスIIMHC分子と結合させ、細胞表面に提示し、これをヘルパーT細胞が認識する。こうして免疫反応が開始される。また単球は血管外の組織や体腔に遊走し、そこで組織固有のマクロファージ(大食細胞)に分化する。あるいは、単球とは血管内に存在しているマクロファージと考えることもできる。寿命は血液中では1日以下から数日、組織中では数日から数か月、時には数年である。
[編集] 別表
| 種類 | 顕微鏡像 | イメージ図 | 存在割合(1) | 直径(1) | 主な役割 | 核型 | 顆粒 | 寿命 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 好中球 | ![]() |
50~70% | 12~15μm |
|
桿状から分葉 | 中性色素でピンクに染まる殺菌性顆粒 | 血液中で1日以内、組織内で数日 | ||
| 好酸球 | ![]() |
2~5% | 13~17μm |
|
2分葉 | エオジン親和性の橙黄色に染まる均質・粗大な顆粒 | 好中球より少し長い | ||
| 好塩基球 | ![]() |
<1% | 10~15μm |
|
不定形 | 塩基性色素により暗紫色に染まる大型の顆粒 | |||
| リンパ球 | ![]() |
![]() |
20~40% | 6~15μm |
B細胞: 抗体生産
NK細胞 ナチュラルキラー細胞: 腫瘍細胞・ウイルス感染細胞を傷害する |
球型 | 無いものが多い | 週~年 | |
| 単球 | 3–6% | 13~22μm | 単球は血液内に存在し、組織内に移動するとマクロファージか樹状細胞に変化する | そら豆型 | なし | 数時間から数日 | |||
| マクロファージ | ![]() |
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20~50μm (2) | 寿命を迎えた赤血球や細胞残屑と病原体の食作用(抱き込みと消化)、およびリンパ球に対する抗原提示、リンパ球の刺激 | 数日~数ヶ月、ときには数年 | ||||
| 樹状細胞 | Tリンパ球を動かす抗原提示 | マクロファージと同じ |
注、画像の色および顆粒の色の説明はギムザ染色したものでの説明である、実際の血液中の白血球は無色半透明である。
(1)スタンダード検査血液学、(2)血液学 後述、参照文献
[編集] 白血球の核形の左方推移
白血球、特に好中球は、正常な状態では末梢血中に桿状核球と分葉核球(2~3葉が多い)が認められる。
感染症等の場合、免疫応答による好中球増加が見られるが、その初期の段階では桿状核球が増加し更に幼若な後骨髄球や骨髄球が末梢血に出現することがある。出血性貧血や、医療行為による骨髄抑制などによる汎血球減少からの回復期にも同様のことが起きる。このような一核細胞の増加を核の左方推移と呼ぶ。
上記は「造血の立ち上がり」にみられる一過性の左方推移の例であるが、骨髄異形成症候群や慢性骨髄性白血病などの場合は骨髄球-顆粒球系細胞の分化成熟能力自体に異常を生じているため、左方推移状態が持続する。
なお、逆に分葉核球の比率が増えた状態=右方推移は、悪性貧血などのときに起こる。
[編集] 好中球の異物貪食動画像
[1] Neutrophils display highly directional amoeboid motility in infected footpad and phalanges. Intravital imaging was performed in the footpad path of LysM-eGFP mice 20 min after infection with LM. [1]
[編集] 走査型電子顕微鏡写真
[編集] 参照文献
(1)日本検査血液学会編、スタンダード検査血液学第二版、医歯薬出版、2008
(2)小川 哲平、大島 年照、浅野 茂隆編著、血液学、内外医学社、1991
(3)奈良信雄他著、血液検査学 第2版、医歯薬出版、2006
(4)浅野 茂隆, 内山 卓, 池田 康夫 監修、三輪血液病学 第3版、文光堂、2006










