皮膚呼吸
皮膚呼吸の最新ニュースをまとめて検索!
皮膚呼吸(ひふこきゅう)は、皮膚を利用した呼吸のことである。
目次 |
[編集] 概要
動物は、肺や気管、あるいは鰓のように体外とのガス交換のための器官を備えるものが多いが、そのような構造を持たないものもある。そのような場合、ガス交換は全身の皮膚で行われている。これを皮膚呼吸という。それなりの呼吸器官を持つものでも、皮膚の柔らかいものは一定量の皮膚呼吸をしていると考えられる。特に小型の動物では皮膚呼吸だけで十分なガス交換ができるので、特定の呼吸器官を持たない場合が多い。
脊椎動物では両生類や爬虫類は、肺で呼吸するほかに皮膚や粘膜を利用した皮膚呼吸も行っている。咽喉部や総排泄腔の内壁に毛細血管の豊富な部位があり、この部分がガス交換に関与している。肺呼吸と皮膚呼吸を併用できるのは、肺静脈と大静脈の血液が互いに混じり合う心臓の構造(二心房一心室)によるところが大きい。
[編集] 人間と皮膚呼吸の迷信
「皮膚呼吸を妨げると命に関わる」等といった迷信が広く信じられているほか、美容や発毛の分野でも宣伝文句として散見されている(このような言説は都市伝説や疑似科学と同等のものである)。
[編集] 「皮膚呼吸を妨げると命に関わる」
この迷信の起源は明らかでない(007 ゴールドフィンガーで、全身に金粉を塗られて、皮膚呼吸ができなくて殺されたという事件が登場した。一説では、これが起源と言われている。)。しかし一部の小学生向け雑誌[1]で、古くから金粉を塗った場合、1時間が限度と記載されるなど、広く知られていた事は確かである。なお金粉ショーに於いては使用された金粉の質により、有害な物質を含む場合もあり、この場合は皮膚呼吸ではなく皮膚からの毒性物質の吸収により中毒に陥るケースもみられるようだが、純金の場合は安定した物質であるため問題は無いと思われる。金粉ショーでは、再びメイクするのに非常に手間や時間が掛かるため、楽屋などでも一日中全身に金粉を塗布したままで過ごす事があり、金粉ショーの関係者の間では、肌が荒れる等以外の皮膚呼吸に関する健康被害は誤解、迷信である事が一般的な考え方になっているようである。また、鉄腕アトムに、純金を敷き詰めた浴槽に入る事を趣味としていた人物が「金中毒」になる、というエピソードが登場しており、これら俗説の流布の切っ掛けの一つになったという説もある。肌につける物に由来する中毒の例では、明治時代に日本で社会問題化した歌舞伎役者の鉛白(鉛をつかった白色顔料)による鉛中毒(重金属中毒)が挙げられる。当代きっての役者が天覧歌舞伎の演技中に足が震えて公演が中断するという事件が報じられた(職業病・労働災害)。
[編集] 美容分野における用法
化粧品会社の宣伝において、皮膚が美容、健康上好ましい状態で外気に晒されるのを、人体そのものに見立て、比喩表現として「皮膚呼吸」という言葉が使用されることがある。
例:「皮膚呼吸が阻害されるとは、化粧品類を塗布した際に、分泌物が汗腺や皮脂腺からスムーズに分泌されるのが阻害され、皮膚が重く感じる現象の事を言う」
この、比喩的な意味での皮膚呼吸の確保は、実際に肌の健康状態に影響を与える(注)。これを、生物学的な意味でのガス交換としての皮膚呼吸と混同することも、先述の誤解を招く原因となっている。
- 注:哺乳類の皮膚には、皮脂腺や汗腺といった様々な外分泌腺が存在しており、皮膚や体毛の状態を保つとともに身体の恒常性維持などに利用されている。特にヒトの場合には哺乳類では珍しく、汗腺から分泌される汗が体温調節の機能をも担っている。
- 一方で、皮膚表面に何等かの塗布を行う事は、これら汗や皮脂の働きを妨げるため、吹き出物やあせもなどの美容上のトラブルを起こし易いし、皮膚を通じた体温の発散も妨げられるため体温調節上も好ましくなく、熱射病をも誘発しかねない。
[編集] やけどと皮膚呼吸の迷信
広範囲のやけどにおける致命的な要因の一つに、皮膚呼吸の阻害があると誤解されているが、上述の通り、皮膚呼吸の阻害は生命にかかわるものではない。 実際の要因は以下のようなものである。
- 高熱に晒された事による熱中症
- 皮膚組織の損傷に伴う体液の損耗及びそれによって発生するショック状態
- 皮膚の持つ抗菌作用が損なわれる事による感染症
- 胸部の皮膚が熱傷により硬化し、肺を膨らませられない事による窒息
- 熱気や炎を吸い込んだことによる呼吸器の損傷
[編集] 脚注
- ^ 小学館「小学生シリーズ」
[編集] 関連項目
最終更新 2009年11月22日 (日) 10:04 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【皮膚呼吸】変更履歴

