監視カメラ

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固定式監視カメラ
全方位式監視カメラ
監視カメラ搭載車 2007年10月1日

監視カメラ(かんしカメラ)は、様々な目的で監視を行うためのビデオカメラのこと。広義にはカメラに加え取得した映像の伝送・処理および表示機能を含む監視システム。主な用途としては防犯防災計測記録などがある。英語ではClosed-circuit Televisionといい、これの略語「CCTV」もよく使われている。

目次

[編集] 概説

一般の目に触れるものとしては、防犯を主な目的として、商店(小売店)や銀行など金融機関、公的機関の天井などに仕掛けられているものがある。目的は、金融・公的機関の場合、侵入者や不審者の監視・記録である。施設内だけでなく、市街や盛り場の道路などに監視カメラが取り付けられることも増加しつつある。また、カメラの価格降下に伴い、個人で自宅駐車場などに盗難防止目的として安価な監視カメラを設置するケースもある。

不審者の監視を目的とするものの中には警備会社の警備システムと連動しているものあり、無人となっている深夜に人が立ち入ると、警備会社に自動的に通報が行われる場合がある。

イギリスで2005年7月7日に起きたバス、地下鉄を標的とした爆弾テロにおいて犯人の検挙が迅速に行われたのも、監視カメラの記録に負うところが大きいと見られている。しかし、テロ自体確信犯的犯罪であることから、監視カメラによる抑止効果はあまりないと考えられている。むしろ、非確信犯的な一般犯罪に対する効果が期待されている。日本においても、成田空港と関西空港に顔認識システム付きの監視カメラが設置されており[1]、また2007年7月1日に東海道・山陽新幹線で営業運転を開始したN700系電車の全乗降口と運転室出入口にも、日本では初めて鉄道車両内に監視カメラを設置するなど、公共交通機関でも防犯を強く意識した監視カメラの設置が進んでいる。

防犯用以外では、工場の製造ライン監視、原子力発電所火力発電所などの人が立ち入れない場所の異常監視、ダム、河川、火山などの状況の監視・記録に使用されている。かぐやなどをはじめ、人工衛星のような状態が把握しにくいものについても監視カメラが用いられる。

広域を監視し、テレビ局インターネットなどで公開できる画像をリアルタイムに撮影している物はライブカメラとも呼ばれている。更に、インターネットのURLを公開せず、ログイン時のユーザー名パスワードを企業や組織内、また個人や家族内に留めれば、インターネットを介し距離に関係なく遠方の監視も行える。

警視庁では繁華街等の防犯対策の一環として、「街頭監視カメラシステム」を導入している。これに倣って各地域の道府県警も繁華街、街頭、街路周辺に監視カメラを設置した。

このうち警視庁の監視カメラシステムは今のところ全国最大規模で運営されており都内の繁華街と呼ばれる地域、人の密集する地域、駐車違反多発地域に設置されている。

[編集] 主な用途

鉄道駅ホームの監視カメラのモニタ
防災
ダム水量監視、道路災害(崩落など)監視、活火山監視、鉄道駅ホームの乗降状況確認など。
監視
店舗などの各種施設内や敷地内の監視、街頭、鉄道の空港学校、個人住宅の監視サービス。
計測・記録
交通流量(高速道路など)、スピード違反取締り(自動速度違反取締装置)、ナンバープレートの登録番号の記録(自動車ナンバー自動読取装置)など。

[編集] 設置場所

  • 防犯用に設置される監視カメラの場合、「監視している」ことによる犯罪抑止効果を求めるケースと、「犯罪が起きたときの証拠確保」を目的とする場合とに分かれる。前者の場合は目立つ場所に設置され、後者の場合には目立たない場所に設置される。プライバシー侵害につながるという批判を回避するために監視カメラを設置していること「監視カメラ作動中」といった看板などで告知している場合もある。この場合はもっぱら前者の目的を求めることになる。
  • カメラが破壊されることも考えられるので、複数のカメラを組み合わせて設置することがある。監視カメラ本体が他の監視カメラによって撮影されるようにするものである。

[編集] 抑止と記録のジレンマ

監視カメラの目的は前述のように、「犯罪行為の抑止」と「犯罪行為の証拠記録」である。しかし、この2つの効果を同時に追求することはできない。なぜなら、犯罪行為を抑止するために監視カメラを設置するのであれば、設置してあることを目立たせなければならないが、そうすると犯罪行為の発生を監視カメラの無いところに追い込むため、証拠記録が撮影できなくなる。したがって、場所・状況に応じて、「犯罪行為の抑止」と「犯罪行為の証拠の記録」を使い分ける必要が生じる。

[編集] ダミーカメラ

心理的な犯罪抑止効果を狙い、監視カメラに外観を似せた録画機能を持たないダミーカメラを設置することもある。費用・予算等の問題で安易にダミーカメラで済ませようとする向きもあるが、安易なダミーカメラの設置は、カメラに精通した人やプロの犯罪者にとっては、防犯に関する対策がおろそかであることを伝えることになり逆効果である。複数ある本物のカメラのなかに同一形状のダミーカメラをいくつか紛れさせる方法も効果的である。

[編集] 画像の保存

以前は磁気テープに保存されていたが、技術の進歩に伴いハードディスクフラッシュメモリに保存される例が多くなってきている。画像はMotion JPEGMPEG4H.264などの形式で、通常は記憶領域の容量があるかぎり保存される。容量が足りなくなった後は、古い記録から削除して行く方式が一般的なため、記憶装置の容量については必要な保存期間を考慮して選定する。画像の質は磁気テープより良質である。

撮影コマ数は通常1秒間に15コマまたは30コマの動画として設定することが一般的だが、金融機関のATMコーナー等では1秒間に1~3コマの撮影で、保存期間を長期化する傾向がある。コマ数を落として記録するVTRは「タイムラプスVTR」(Time Lapse VTR)と呼ばれる。

撮影時間(保存期間)を重視するのか、画質を重視するのかはユーザの考え次第である。保存時間を長くするために画質を低く設定するユーザもいるが、この場合は顔などが判別できないことも多い。

また、常時画像を保存するのではなく、カメラの撮影範囲で動くものを検出した時にその前数秒から録画を開始するものがある。

[編集] 画像のコピー

監視カメラの設置者に対して、警察から画像の提供を依頼されることがある。この場合、使用している機種やソフトにもよるが、一般的な動画ソフトが利用できず専用のソフトが必要な場合がある。たいてい画像保存用サーバにメモリカード(CFなど)のインターフェースがあり外部に出力できるようになっている。もちろん再生しながらビデオテープにダビングすることも可能である

[編集] バックエンド

当初は単なる画像の撮影と保管のみを行うものだったが、近年では続々と画像処理システムを組み合わせたものが登場している。たとえば道路に設置し通過する車輌のナンバープレート画像を検出しデータとして抽出する自動車ナンバー自動読取装置(日本では「Nシステム」と呼ばれる)や、空港などで旅行者の顔を撮影し犯罪者の顔写真データベースと自動照合をする顔認識システムなどが2009年現在、すでに導入されている。更に行動様式などを解析し異常行動を検出するというアイディアや、個体識別のために歩行特徴を抽出するというアイディアなども、検討・研究・開発が行われている。

[編集] その他

  • 「CCTV、Closed-circuit Television」はケーブルで結ばれたカメラとTV間だけの閉じた回路のTVという意味である。TVカメラそのものは開いた回路と捉えてよい電波を使って一般に公開する放送用を主なる用途として最初に使われ出した。その後放送とは用途が異なる監視だけの限定した用途のカメラが出現し、監視として閉じた回路と範囲で使われClosed Circuit、CCTVと呼ばれた。しかし、インターネットやLANを介しても監視を行える事となり、Closed(閉じた)回路としての捉え方は無くなり、仕様や機能的に本来のCCTVと呼ぶカメラは少なくなりつつある。
  • 商店街など公共の場への監視カメラの設置を巡っては、肖像権プライバシーとの関連や、監視されるイメージへの拒否感などから議論になることが多い。
  • 法的規制として、「行政機関等による監視カメラの設置等の適正化に関する法律」案が、第156回通常国会(議案受理は2003年7月24日)において衆議院に提出されたが審議未了で廃案となった。
  • 地方自治体によっては、東京都杉並区のようにカメラの設置に独自の基準を定めている場合がある。しかし、統一的な基準は2007年現在においては存在しない。
  • 裁判の判例のひとつとして、隣人が自宅の敷地内に勝手にゴミを投げ入れて迷惑だとして隣人の方向へ監視カメラを取り付けてゴミの投げ入れの監視を行ったところ、その隣人から訴えられるといった裁判があり、隣人へのプライバシーの侵害が認められて慰謝料の支払いが命じられた。
  • 世界最大の監視カメラ大国はイギリスである。イギリス全土に設置されている監視カメラの数が420万台であるのに対し、イギリスを除く西ヨーロッパ諸国の監視カメラの合計数が650万。アジア諸国の監視カメラの合計数が300万。オーストラリア、アフリカ、中東の監視カメラの合計数が200万と、いかにイギリスが突出しているかが分かる。[2]

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ 2002年12月30日 朝日新聞西部本社版他
  2. ^ 『Newsweek 2007年4月18号』P9

最終更新 2009年11月21日 (土) 16:57 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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