石油発動機
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石油発動機(せきゆはつどうき、オイルエンジン、ケロシンエンジン)は、灯油(ケロシン)を燃料とする内燃機関の一種である。
基本構造はガソリンエンジンとほぼ共通するものであるが、主たる燃料を異にすることや、用途の相違があるため、両者は区別される事が多い。一方、グローエンジン(焼玉エンジン)とは点火方式において別種のものであるが、用途・使用された時代の共通性や名称の紛らわしさなどが原因で、往々にして混同される。石油発動機は、焼玉エンジンよりは取り扱いが容易である。
ガソリンエンジンと比較して低圧縮・低回転での使用が前提で、高い精度を要求されないため、点火用マグネット[1]を除けば全般に製作が容易で、地方の零細企業などで広く製造された。1930年代から1950年代の最盛期には、日本国内でも地方の小規模メーカーに至るまで100近いメーカーが存在したと伝えられる。
かつては農業や漁業に広く用いられたが、効率が悪く、1950年代以降、効率が良い小型ディーゼル発動機の発達、および小型軽量で高性能、かつ取り扱い容易な小型ガソリン機関の性能向上と低価格化が進み、それらに取って代わられたことで、廃れた。
現在では、実用目的では主に発展途上国向けに竪型強制空冷の汎用機関が少数製造されているに過ぎない。一方、近年、各地の熱心な愛好家の間で復元されている。また、当時、製造していたメーカーから模型が販売されている[2]。
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[編集] 構造
灯油を主たる燃料とするレシプロ機関である。ガソリン機関と同様に気化器で燃料を霧化し、圧縮した混合気をマグネットと点火プラグによって電気着火する。
軽便な用途を目的とすることから、その全盛期には一般に低出力・簡易な単気筒型がほとんどであり、生産性と強度の面から鋳造部品を多用して製造されていた。また安定の良い水平シリンダ型として、木製ないし形鋼製の土台に固定され、可搬性を良くしてあるものが多かった。冷却装置はシリンダのウオータージャケット上部にホッパーを持つのみで、冷却水の沸騰により冷却を図るホッパー水冷式が大半である。
原理はガソリン機関と変わりないが、気化しにくい灯油燃料でも作動する一方で、灯油のオクタン価が低いため圧縮比をあまり上げられず、回転も高くできないため効率は低い。気化を促進させる為に吸気を予熱する設計としたものもあった。
比較的初期の製品の吸気弁は、気筒内の負圧に伴って自動的に開かれる自動吸気弁であることが多く、この点でも高速回転には向かない。自動吸気弁型は、プッシュロッドは排気用の1本のみを備える。第二次世界大戦後になってからは石油発動機でも1500~1800rpmの高速型が増え、吸入行程もカム駆動となり、プッシュロッドも2本となる。その外観から、現在では愛好家内ではそれぞれを一本棒、二本棒と呼称されているようである。
灯油は気化性が悪いため始動には適さず、エンジン始動時のみ補助的にガソリンを利用する。キャブレターのフロート室にガソリンを入れてから、手動による弁開放操作(「デコンプ」と呼ばれる)でシリンダー圧縮を機能させないようにしつつ、ピストンを上死点付近に移動させて始動準備する。
始動はフライホイールの手回し、もしくは出力軸のロープ牽引により、勢いを付けて初動の回転を与える。この手動始動自体は、低圧縮比とガソリンの着火性の良さから、予備作業が済んでいればさほど困難ではない。エンジン始動後はしばらく暖機運転させ、回転が安定してから、灯油燃料に切り替える。機関回転数はガバナーによってほぼ一定に制御することができた。
かつての石油発動機の多くはタンクが灯油タンクのみで、始動用ガソリンは別容器を携行する必要があったが、現在製造されているケロシンエンジンは燃料タンクが、始動用ガソリンと運転用灯油を入れるために分割されており、タンクにキャップが2個ついていることで、他のエンジンと容易に区別できる。
また、戦中戦後には代用燃料化する為に木炭ガス発生器を別に取り付け、ガスエンジンとする改造も多かったようである。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年7月24日 (金) 10:40 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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