社会民主主義

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社会民主主義(しゃかいみんしゅしゅぎ、: social democracy)は、社会主義思想、民主主義思想の一であり、自由・民主主義社会における中道左派思想の一つである。政治的目的としては、自由競争市場経済資本主義経済により発生する諸問題である、社会全体としての非最適および部分的に非最適な状況を議会や政府の管理と介入により解決し、実質・実態としての政治的・経済的・社会的な公正や機会平等、人権保護、環境保護、国際協調と国際社会との共生を追求する。

目次

[編集] 欧州の社会民主主義の歴史

社会民主主義という単語は、この語の生まれた19世紀においては「マルクス主義」や「共産主義」と同意語であった。但し、当時の「社会民主主義」や「共産主義」は、現代的な意味での社会民主主義あるいは共産主義とは大きく異なる。

現代的な意味での社会民主主義の源流としては、政治思想の分野ではドイツ社会民主党第二インターナショナルの指導者にして「マルクス主義法王」と呼ばれたカウツキーが、経済思想の分野ではマルクス経済学者であるヒルファーディング蔵相らが社会民主主義を本格的に体系化した。

後になって同党右派エドゥアルト・ベルンシュタインが『社会主義の諸前提と社会民主主義の諸課題』(1899年)で資本主義の崩壊と革命というマルクス主義における革命主義的な側面が不要になったと主張して修正主義を唱えたが、これはカウツキーらの立場と激しく対立し、1903年のドレスデン大会では当時党内の過半数を占めた革命主義的マルクス主義者に敗北して日の目を見ることはなかった。

この他、マルクスの流れとは別にフェビアン協会など社会改良主義の流れを汲む英国社会主義の流れもあった。

1914年第一次世界大戦勃発による第二インターナショナルの崩壊後、各国の社会民主党から左派が分離し、あらたに共産党を名乗る一方、右派は引き続き社会民主党を名乗った。ここにおいて修正主義、民主社会主義、社会改良主義の流れを汲むものが「社会民主主義」と呼ばれるようになり、革命主義的マルクス主義としての「共産主義」と対比されるようになった。

第一次世界大戦から第二次世界大戦に至るまでの間、社会民主主義者と共産主義者は険悪な関係にあることが多かったが、最終的に、第二次大戦後の社会主義インターナショナルによる1951年のフランクフルト宣言[1]では、『民主的社会主義の目的と任務』が採択され、議会制民主主義に立脚した修正主義的、非ソ連型の民主的社会主義の路線を採ることを明確にした。(民主的な社会主義、民主社会主義も参照)

戦後は、東西ドイツに分割された状況下で、ドイツ社会民主党は激しい党内論争の結果右派が勝利し、1959年バート・ゴーデスベルク綱領[2]を採択し、階級政党から国民政党に脱皮、社会民主主義が同党の公的方針となった。また、フランス社会党も1971年のエピネ宣言の採択などで、同じく社会民主主義政党に脱皮を遂げた。現在の社会民主主義思想や政策は、西欧ではドイツ社会民主党の「バート・ゴーデスベルク綱領」及び、フランス社会党の「エピネ宣言」以降定着した。

欧州の社会民主主義政党は、1962年のオスロ宣言[3]で共産主義と完全に決別したが、日本社会党は左派の反対で採択に参加せず[4]1966年に綱領的文書「日本における社会主義への道」)でプロレタリア独裁を肯定するなど共産主義政党と類似した主張を行い続けた。1986年に至って新宣言の採択で革命路線を放棄した。

1989年、ドイツ社民党は、緑の党の進出などエコロジー意識の高まりなどに強く影響されたベルリン綱領を採択。20世紀初頭のフォルマル思想や社会地域中心主義などにも目が向けられるようになった。

[編集] 社会民主主義の特徴

世界各国の大部分の社会民主主義政党は、社会民主主義の政治的な目的を追求し実現するために、下記のような政治的方法と政策を追求・遂行している。

政治制度は、選挙権被選挙権を持った一定年齢以上の市民が選挙により議会と行政府の長(議会は市民による直接選挙だが、行政府の長は市民による直接選挙型と議会による間接選挙型がある。)を選出し、複数政党制や政権交代を容認し、議会制民主主義議会政治や非暴力的手段により、個別の問題や社会全体の漸進的な変革を目ざす。政策の実現は、広範な市民運動とともに、普通選挙とそれに基づく議会での多数派の形成により行われる。イギリス、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オランダ、ベルギー、スペインなどのように、王室立憲君主制の統治形態を維持している。

経済政策は、自由競争市場経済を重視するとともに、自由競争市場経済により発生する弊害や社会全体としての非最適な状態を予防または是正するために、政府が自由競争市場経済を監視・管理・規制・禁止・介入も重視し、市場経済と政府が介入する経済を併用する(混合経済)政策を採用し、所得再分配による貧富の格差の予防や是正を目ざし、特に高所得層や富裕層から貧困層や低所得層の人々への所得の再分配を重視する。

社会政策は、保健医療保育育児障害者介護失業時の所得保障と失業者に対する職業訓練と再就職支援、高齢者や病気や障害による就労不可能者に対する年金などの社会保障政策を充実させ、社会保障や福祉や学校教育の費用に対する、政府による全額負担または大部分負担により、所得の高低や財産の大小に影響されずに、全ての市民が社会権を享受できる社会、市民の人生に発生する生活不安を解消する社会を目ざす。

財政政策は、社会保障を充実させる政策の財源は、累進課税型個人所得税消費税社会保険料が主要な財源、法人税財産税がマイナーな財源であり、市民の税金や社会保険料の負担率は高く、社会保障サービスの普及度も高い、高負担・高福祉政策を採用している。経済先進国においても多産多死で世代別人口構成がピラミッド型だった20世紀前半と異なり、20世紀後半以後の経済先進国では少産少死化傾向が進行し、現在では大部分の経済先進国では出生率が2未満になっているので、青年・中年世代が高齢世代を扶養する世代間扶養は不可能になり、社会保障制度を充実させる財源として、20世紀後半以後に消費税を採用する国が増加し、21世紀初期では多くの経済先進国が消費税を採用し、社会保障費の主要な財源の一つになっている[5][6][7][8][9]。欧州連合加盟国は基本消費税率は15~25%、生活必需品は基本消費税率から低減する複数段階税率を採用している。経済のグローバル化が著しく進行した20世紀末期以後は、自国の経済や産業を国際競争において比較優位にするため、企業の国外転出の予防および国外からの企業誘致のために、法人に対する所得税率を減少させる傾向が進行している。

西欧では、社会民主主義政党が保守主義政党と並ぶ二大勢力として政権交代を繰り返し、北欧では、社会民主主義政党が長期間政権を維持・運営した実績が大きく、市場社会主義議会制民主主義の中で福祉環境医療などを重視した政策を実施している。その最も顕著な例がスウェーデン社会民主労働党政権である。冷戦終結後に欧州連合に加盟した東欧諸国でも、社会民主主義政党は主要な政治勢力の一つであり、社会民主主義政党が政権を維持・運営した実績がある。

日本の社会党・社会民主党は世界各国の社会民主主義政党と異なり、消費税は貧困層や低所得層や中間層に対する増税や搾取と評価し、消費税の採用や税率増加に反対を主張してきた。社会党・社民党は村山首相時代に消費税率を3%から5%に増税した事実があるが、当時は自民党と社会党の連立政権であり、国会の最大党派である自民党の主張を受け入れないと政権を維持できないので例外的・便宜的に受け入れたが、連立与党解消後は消費税の増税に反対し、消費税廃止の主張を復活させた。日本の社会党・社会民主党は、EU諸国の社会民主主義政党と異なり、先進国で国会に議席がある社会民主主義を自称する政党としては例外的に、消費税反対・廃止と、貧困層・低所得層・中間層に対する所得税減税と、自衛隊と軍事費の廃止と、高所得層・富裕層・大規模法人の所得と財産に対する累進性を強化する増税により、西欧・北欧と同等の社会保障政策の財源を確保できると主張しているが、証明可能な根拠を示して論証したことは無い。先進国では国により程度の差はあっても、国家予算の主要な財源は所得税と消費税と社会保険料であり、法人税と財産税はマイナーな財源であり、国家予算の中では社会保障費+医療費+教育費が最大の割合であり、軍事費は社会保障費+医療費+教育費の割合と比較して著しく小さいので、法人税と財産税の増税と、高所得層・富裕層への増税と、軍事費を全廃という方法では社会保障予算の財源には著しく不足である。特に日本の場合はGDPに対する軍事費の割合は世界平均の40%前後なので、軍事費を全廃しても社会保障予算の財源には著しく不足である[10][11]

[編集] ソ連型社会主義との差異

上記の社会民主主義の特徴や実績は、ソ連型社会主義を実施した国と比較して、著しく大きな差異がある。ソ連型社会主義を実施した国は、マルクスやマルクスから派生した思想に基づき、多くの場合暴力革命により政権を奪取し、真の複数政党制、政権交代、三権分立を容認しない独裁政権が国家社会を統治していた。独裁政権に服従や協力しない市民、独裁政権に対して批判や反対する市民、独裁政権から反体制活動家とみなされた(誤認も含む)市民に対しては、政治的な処刑や強制収容所への収監・拷問により、大量の殺害や自由の剥奪を発生させた。著しい環境破壊が発生し修復されず、自由競争市場経済を大きく制限して政府による管理統制計画経済を遂行した。資本主義経済を実施した国と比較して、経済の規模や発展において著しく大きな差をつけられ、社会主義共産主義の目的を実現できなかった。そのようなソ連型社会主義の現実と比較して、社会民主主義は経済の発展と実質・実態としての政治的・経済的・社会的な公正や機会平等、人権保護、環境保護を実現または追求するとともに、国際協調と国際社会との共生を追求してきた。

[編集] 社会主義以外との差異

上記の政治的な目的は社会民主主義に固有の政治的目的ではなく、社会民主主義以外の思想を持ち、社会民主主義政策以外の政党も主張している。上記の政治制度は社会民主主義に固有の政治制度ではなく、民主主義の政治制度を採用している国は、どこの国でも同じである。上記の経済政策は社会民主主義に固有の政策ではなく、社会民主主義でも混合経済でも新自由主義(新自由主義の現実は自由放任主義ではないので)でも、程度とバランスの差はあっても採用している政策である。上記の社会政策と財政政策は社会民主主義が他の政治的経済的思想や政策や現実と比較して、最も大きな差異であり、社会保障制度を充実させ、その財源として市民の税金や社会保険料の負担率が高く、特に所得税と消費税と社会保険料を重視する高負担・高福祉政策は、社会民主主義の最大の特徴である[12][13][14][15][16]

[編集] 外交政策

世界各国の大部分の社会民主主義政党は、国内において追求・実現している政策を世界的にも追求・実現しようとして外交政策を遂行している。

政治制度に対しては、独裁政権による自国民に対する政治的な理由による人権侵害の予防や解消を働きかけ、非民主的政治制度の国に対する政治の民主化や参政権の獲得を支援している。その結果として、独裁政権・軍事政権から民主的政治制度に変革した国は増加傾向である。

経済や産業に対しては、開発途上国低開発国に対して、貧困による自由権平等権社会権の侵害を予防し自由権・平等権・社会権を全ての諮問に実現するために、インフラストラクチャーの建設や産業育成や非識字の減少・根絶や教育水準の向上を支援し、そのための技術・資金・専門家による支援を政府や企業名NGOの活動として行っている。その結果として、先進国も開発途上国も低開発国も、乳幼児死亡率は減少し[17][18]平均寿命と平均健康寿命は上昇し[17][18]、非識字率は低下し中等・高等教育を受ける率は増加し[19][20]、人口一人当たりの所得は増加し[19][20][21][22]、経済や財政に対する社会保障支出の割合が増加し[19][20]、国連が規定する人間開発指数は向上する傾向である[19][20]

戦争や武力紛争や軍事に対しては、戦争や武力紛争の予防と現在進行中の戦争や武力紛争を終結させるための和平の提案や斡旋、大量破壊兵器や被害度が大きい通常兵器の禁止や規制、過剰な軍事力の縮小を提案している。その結果として、生物兵器禁止条約化学兵器禁止条約包括的核実験禁止条約対人地雷禁止条約クラスター弾に関する条約の採択、パレスチナ紛争の解決を目ざすオスロ合意、ニカラグアのコントラ戦争、グアテマラ内戦、エルサルバドル内戦、スリランカ内戦の和平斡旋などの成果になった。

日本の社会党・社会民主党の外交政策は世界各国の社会民主主義政党と異なり、開発途上国や低開発国の貧困解消や、独裁政権や軍事政権が統治する国の人権侵害に無関心・無作為の傾向が顕著であり、日本やアメリカ合衆国の国内的・対外的な人権侵害に対しては強い関心を示して批判するが、中国共産党朝鮮労働党の友党として、中国共産党や朝鮮労働党が国内的・対外的で行ってきた人権侵害については不承認または無批判または黙認の姿勢を維持[23][24][25]してきた結果、日本国民からの信用や支持が低下し、国の政治に影響力が無くなる程度に勢力が弱体化した。

[編集] 安全保障政策

安全保障は社会民主主義に所属するテーマではなく、世界各国の社会民主主義政党の安全保障政策と安全保障に関する外交政策は大きな差異がある。人口・面積・経済の規模が著しく小規模な国が、経済的・財政的な理由で軍隊を保有しない政策を採用して入る国を例外として、世界の大部分の国の社会民主主義政党は、安全保障政策において、自国と自国民の独立や主権や安全を守るための軍隊の保有と軍事力の行使や、集団安全保障への参加と多国間の協力による武力行使を容認している。

イギリスの労働党政権は朝鮮戦争コソボ紛争アフガニスタン紛争 (2001年-)イラク戦争に参戦、核兵器の保有、北大西洋条約機構への加盟と加盟の維持、アメリカ合衆国軍への基地提供、パレスチナ分割とイスラエルの建国を支援、ブレア首相ブラウン首相の1997~2008年の期間に軍事費を50%以上増加[26]、武器を輸出する政策を遂行してきた。

フランスの社会党政権は第一次インドシナ戦争湾岸戦争に参戦、核兵器を保有、北大西洋条約機構への加盟維持、ミッテラン大統領は1981~1994年の期間に核弾頭保有数を2倍以上に増加[27]、武器を輸出する政策を遂行してきた。

ドイツの社会民主労働党政権はコソボ紛争に参戦、アフガニスタンの国際治安支援部隊に軍を派遣、北大西洋条約機構への加盟維持、アメリカ合衆国軍への基地提供、武器を輸出する政策を維持してきた。

スウェーデンの社会民主労働党政権は軍事的中立と非同盟政策を遂行してきたが、アフガニスタンの国際治安支援部隊に軍を派遣、武器を輸出する政策を遂行してきた。

ノルウェーの労働党政権は湾岸戦争に参戦し、北大西洋条約機構への加盟と加盟の維持を遂行してきた。

デンマークの社会民主党政権は、北大西洋条約機構への加盟と加盟を維持を遂行してきた。

スペインの社会労働党政権は湾岸戦争に参戦し、北大西洋条約機構への加盟と加盟の維持を遂行してきた。

冷戦時代に西欧の社会民主主義政党が政権党である場合、西ドイツヴィリー・ブラント首相の東方外交のように東側との関係改善を進めたが、NATO欧州共同体への加盟は継続していた。北欧諸国の内スウェーデンフィンランドはNATOには加盟しておらず(ノルウェーデンマークアイスランドは加盟)、非同盟主義・中立に近い立場を貫いたが、いわゆるノルディックバランスを構築し、東西両陣営の狭間で巧妙な外交・防衛政策を展開した。

日本社会党は、結党当初は再軍備に賛否両論であったが、左右合同以降の派閥抗争の過程で自衛隊の廃止とアメリカ合衆国との軍事同盟の解消を主張し、非武装中立政策を主張してきたが、自民党と社会党の連立政権だった村山首相時代は、国会の最大党派である自民党の主張を容認しないと政権を維持できないので、例外的・便宜的に自衛隊日米安保条約を容認したが、日本社会党の後継政党である社会民主党は、2006年に再び自衛隊違憲、日米安保解消、非武装中立の主張を復活させた。ただし、社会党と社会民主党の非武装中立政策は非暴力思想に基づく動機や目的ではなく、中国共産党や朝鮮労働党の友党として中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国の軍事力増大については賞賛または無批判または黙認しながら、日本の軍事力の削減・廃止を主張するダブルスタンダードであることを党の公式声明で認めている[28][29][30][31]

[編集] 社会民主主義の変化・多様化

1980年代以降の新自由主義の台頭を受け、20世紀末の西欧では、「新しい社会民主主義」と呼ばれる、市場の役割をより重視した中道左派政党による政権や、保守・中道政党との連立政権が誕生した。イギリス労働党トニー・ブレアが唱えた「第三の道」路線は、リベラル左派勢力が主張する社会自由主義的な思潮とも符合し、他の西欧社会民主主義政党にも少なからぬ影響を与えた。また、ドイツ社会民主党でも、ゲアハルト・シュレーダーが「新中道」路線を推し進めたが、これに反対する最左派の党員が離党し新党(左翼党)を結成した。

東欧革命に前後して、イタリア共産党が衣替えして左翼民主党(左翼民主主義者に改称、現在は民主党)に改められた。他にも、ハンガリー社会党などのように冷戦時代の東欧諸国の共産党が社会民主主義政党へと転換した例がある。

日本では、社会党が1990年代中期以後に議員や議員候補者や党員の離党により議席が減少し、社会党の後継政党である社民党が2000年代初期に選挙で壊滅的な打撃を受けて以来、社会民主主義を自称する政党は国の政治に影響力を行使できない程度に弱体化した。ただし民主党には党全体としてではないが、社会党出身者や民社党出身者など社会民主主義および民主社会主義の思想を持ち社会民主主義政策を主張する議員や議員候補者や党員も参加している。

各国の社会民主主義政党の多くは社会主義政党の国際組織である社会主義インターナショナルに加盟している。

[編集] 各国の社会民主主義政党

社会主義インターナショナル」も参照

[編集] 欧州社会党参加政党

欧州社会党」を参照

[編集] 欧州社会党参加政党以外

[編集] ヨーロッパ

[編集] アジア

[編集] アメリカ州

[編集] オセアニア

[編集] アフリカ

[編集] 日本の主な社会民主主義政党

1901年(明治34)5月に幸徳秋水らによって日本初の無産政党である社会民主党が結党されたが、2日後に禁止処分を受けた。その後、西園寺公望内閣の成立によって弾圧がややゆるやかとなり、1906年1月に日本平民党と日本社会党があいついで結成され、この2つの党が同年2月に合同大会を開いて正式に日本社会党となった。これ以降、日本の社会民主主義政党は離合集散を繰り返すこととなる。戦後に結党された社会民主主義政党には以下のものがある。

英語名では"The Social Democratic Party of Japan"であり、社会主義インターナショナル加盟政党だった。しかし社会主義協会などのマルクス・レーニン主義を掲げ社会民主主義に否定的な最左派の勢力が存在し、修正マルクス・レーニン主義的な左派社会民主主義を掲げる左派、民主社会主義的な右派社会民主主義を掲げる中間派、右派と激しい路線対立が続いた。1966年から1986年までは綱領的文書「日本における社会主義への道」(通称「道」)にてプロレタリア独裁を肯定して、共産主義政党と類似した綱領を持ち、事実上、社会民主主義を放棄していた。ただし、この時期の社会党を日本型社会民主主義と呼び、広い意味では社会民主主義に属するとする見解もある。この傾向に反発した右派や構造改革派の一部が離党し、下記の民社党・社会民主連合の2政党が結成された。上記のように、経済・財政政策、外交政策、安全保障政策、人権保護政策に対する日本社会党の実績や主張は、毛沢東が「世にも不思議な政党である」と評したように、世界各国の社会民主主義政党の多くと著しく異なっていた。しかも日本社会党の全盛期には、日本国内でこの相違が肯定的に受け止められ日本社会党は長く野党第一党の地位を確保していた。
  • 民社党(1959-1994、旧議員は現在主として民主党に所属しているほか、一部は自由民主党に所属)
西尾末広社会党右派が離党して民主社会党として結成。1968年に民社党に改名。社会主義インターナショナル加盟政党。反共を鮮明にし、安保体制維持、防衛費増額を主張した。1994年新進党結成に伴い解散した。
  • 社会民主連合(社民連1977-1994、旧議員は現在主として民主党に所属しているほか、一部は下記の社会民主党に所属)
江田三郎ら社会党右派が離党して結成。当初は社会市民連合と称していた。国会においては常に小政党として推移したが、社会党、公明党、民社党の反自民・非共産野党の連携により政権獲得を目指す社公民路線の橋渡し役として大きな役割を果たした。解党後、所属議員は日本新党新党さきがけ等に分散した。
日本社会党の後継政党で、現在、日本の政党としては唯一の社会主義インターナショナル加盟政党。多数の元社民党議員が民主党に移籍したため、国会では政治的影響力を十分には行使できない少数党派である。上記のように、経済・財政政策、外交政策、安全保障政策、人権保護政策に対する社会民主党の実績や主張は、前身の日本社会党を受け継ぎ、世界各国の社会民主主義政党の多くとかなり異なっている。
民主の中にも元社会党議員、元社民党議員、元民社党議員を中心に社会主義インターナショナルへの加盟や社会民主主義政策の採用を主張する議員も存在し、旧民主党時代には加盟に向けた意志決定もされたが、新進党解党にともなう1998年の(新)民主党発足にともない社会主義インターナショナルへの加盟は立ち消えになった。現在、加盟を主張する議員は党内では少数派である。

[編集] 脚注

  1. ^ 社会民主主義の広場>海外の文献>Basic Documents of the Socialist International>民主的社会主義の目的と任務 [1]
  2. ^ 社会民主主義の広場>海外の文献>Basic Documents of the Socialist International>バートゴーデスベルグ綱領 [2]
  3. ^ 社会民主主義の広場>海外の文献>Basic Documents of the Socialist International>オスロ宣言 [3]
  4. ^ 法政大学大原社会問題研究所>大原クロニカ>オスロ宣言 [4]
  5. ^ 財務省>税制ホームページ>各種税金の資料>わが国税制・財政の現状>国際比較 [5]
  6. ^ 財務省>税制ホームページ>各種税金の資料>わが国税制・財政の現状>国際比較>国民負担率の内訳の国際比較 [6] [7] [8]
  7. ^ 財務省>税制ホームページ>各種税金の資料>わが国税制・財政の現状>国際比較>OECD諸国の国民負担率(対国民所得比) [9]
  8. ^ 財務省>税制ホームページ>各種税金の資料>わが国税制・財政の現状>国際比較>租税負担率の内訳の国際比較 [10] [11]
  9. ^ 財務省>税制ホームページ>各種税金の資料>わが国税制・財政の現状>国際比較>OECD諸国の租税負担率(対国民所得比)(国税・地方税) [12]
  10. ^ SIPRI>Military Expenditure>SIPRI data on military expenditure>The 15 major spender countries in 2008 [13]
  11. ^ SIPRI>Military Expenditure>SIPRI military expenditure database>Sources and methods for SIPRI military expenditure data>SIPRI military expenditure database on line [14]
  12. ^ 財務省>予算・決算>国民負担率>国民負担率の国際比較(OECD加盟29か国) [15]
  13. ^ OECD>OECD Factbook 2009: Economic, Environmental and Social Statistics>Public finance>Taxes>Total tax revenue [16]
  14. ^ OECD>OECD Factbook 2009: Economic, Environmental and Social Statistics>Public finance>Taxes>Taxes on the average worker [17]
  15. ^ OECD>OECD Factbook 2009: Economic, Environmental and Social Statistics>Public finance>Public finance>Public expenditure>Health expenditure [18]
  16. ^ OECD>OECD Factbook 2009: Economic, Environmental and Social Statistics>Public finance>Public finance>Public expenditure>Social expenditure [19]
  17. ^ a b WHO>Data and Statistics>World Health Statistics Report >World Health Statistics 2009>Table 1: Mortality and burden of disease [20]
  18. ^ a b UN>Department of Economic and Social Affairs>Population Division>World Population Prospects The 2008 Revision PDFの35~37ページ・文書の15~17ページ [21]
  19. ^ a b c d UNDP>Human Development Reports>HDR 2007/2008>HD data and animations>Indicator Tables HDR 2007/2008 PDFの1~126ページ・文書の229~354ページ [22]
  20. ^ a b c d UNDP>Human Development Reports>HDR 1990>Human Development Indicators 1 PDFの6~37ページ・文書の128~159ページ [23]
  21. ^ IMF>Data and Statistics>World Economic Outlook Database>By Countries (country-level data)>All countries [24]
  22. ^ IMF>Data and Statistics>World Economic Outlook Database>By Country Groups (aggregated data) and commodity prices [25]
  23. ^ 月間社会民主1997年7月号>食糧援助拒否する日本政府 [26]
  24. ^ 月間社会民主1998年1月号>田英夫参議院議員に聞く 北朝鮮はいま [27]
  25. ^ 月間社会民主1999年5月号>不審船追跡が残した問題 [28]
  26. ^ SIPRI>SIPRI data on military expenditure >Sources and methods>SIPRI Military Expenditure Database [29]
  27. ^ Bulletin of the Atomic Scientists>Volume 62, Number 4, July / August 2006>Global nuclear stockpiles, 1945–2006 [30]
  28. ^ 月間社会民主1999年11月号>保坂展人の突風行脚の記 [31]
  29. ^ 月間社会民主2001年3月号>新たな軍拡競争をもたらすミサイル防衛 [32]
  30. ^ 月間社会民主2001年5月号>平和憲法を21世紀へ [33]
  31. ^ 2001年5月2日の土井党首の声明>二十一世紀の平和構想 [34]

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年9月5日 (土) 06:55 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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