社会派推理小説
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社会派推理小説(しゃかいはすいりしょうせつ)は、推理小説のジャンルの一つ。江戸川乱歩や横溝正史ら戦前から戦後にかけての探偵作家の幻想・怪奇・エログロ小説などとは対照的に、社会性のある題材を扱い、リアリティを持たせた推理小説のことである。
社会派推理小説はいわゆる「本格推理小説」と対立・独立のジャンルではない。小説の主題に社会性があることと論理的な謎解きは矛盾しないからである。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 確立
1958年に発表された松本清張の『点と線』が大ベストセラーとなり、世に推理小説ブームが巻き起こる。同時に、この小説は、社会性を取り入れ、犯人の動機・心理を重視した特徴から「社会派推理小説」と名づけられ、清張は一躍社会派の確立者として名を馳せるようになり、以後も旺盛な執筆活動を続けた。
[編集] 発展
3年後の1961年、長らく断筆状態にあった水上勉が『海の牙』を発表し、日本推理作家協会賞(当時は日本探偵作家クラブ賞)を受賞した。1963年には大作『飢餓海峡』を発表し、水上も社会派推理小説家としてミステリ界に広く認知された。黒岩重吾、有馬頼義らも「社会派推理小説」の作品を多数発表するようになる。
この間に横溝正史などの本格推理小説家はしばし沈滞してしまう。また、社会派推理小説の隆盛は純文学文壇をも揺るがし、平野謙が問題提起した「純文学論争」を巻き起こした。一方、ブームにあたって乱造された社会派推理小説は、推理小説としての味わいを失った「社会批判小説/風俗小説」に堕した作品も多く、「本格推理小説」愛好者からは社会派を「仮想敵」とした批判が繰り返し提示されるようになった。
1970年前後に現れた西村京太郎、森村誠一等の初期作品は「社会派推理と本格推理とを融合した作風」と呼ばれた。
また、1980年代から1990年代にかけて、社会派推理小説を手掛ける新世代の作家が多く登場する。宮部みゆきは1987年にデビュー、コンスタントに社会派推理小説を発表、特に『火車』と直木賞受賞作『理由』は評価が高い。桐野夏生はハードボイルドでデビューしたが、社会派も執筆した。特に『OUT』は犯罪小説でもあり、「このミステリーがすごい!」ランキングにて第1位を獲得、日本推理作家協会賞も受賞した。また、1990年にクライム・サスペンス『黄金を抱いて翔べ』でデビューした高村薫は、その後も多くの社会派サスペンスを発表、合田刑事シリーズ第1作『マークスの山』で直木賞を受賞、「このミステリーがすごい!」ランキング第1位に選出された(高村は本作で「社会派推理小説家」として認識されたが、直木賞受賞時に「私はミステリーを書いているつもりはない」と発言しており、これを正式な「社会派推理小説」と呼ぶことはできない)。しかし『リヴィエラを撃て』など他の作品にはミステリとして執筆したものもある。それまで本格推理小説を手がけていた東野圭吾は、1999年に大作『白夜行』を発表、直木賞候補、「このミス」ランキング第2位にも選出され、社会派作家としても評価されるようになり、その後も社会派推理小説を発表し続けている。同年に沢木冬吾が『愛こそすべて、と愚か者は言った』でデビュー、社会派作家の新人として活躍している。
[編集] 主な社会派推理小説家
最終更新 2009年3月21日 (土) 13:01 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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