禁錮
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禁錮(きんこ)
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目次 |
[編集] 概要
日本国の現行刑法では、禁錮(きんこ)とは、自由刑の一種であり、受刑者を刑事施設に拘置する刑罰である(刑法第13条)。禁錮は無期と有期とに分類される。
[編集] 無期禁錮
無期禁錮は、死刑、無期懲役に次いで重い刑である。日本国の刑事法においては内乱罪並びに爆発物使用罪(爆発物取締罰則第1条)及び爆発物使用未遂罪(爆発物取締罰則第2条)にのみ定められている、非常に稀な刑罰である。犯罪白書によると、少なくとも昭和22年以降に無期禁錮を言い渡された者はいない。
[編集] 有期禁錮
有期禁錮は、原則として1ヶ月以上20年以下である(但し、刑を加重する場合には30年まで、減軽する場合は1ヶ月未満にすることができる)。したがって、ある条文において「2年以上の有期禁錮に処する」などと書かれている場合、天井知らずの刑が言い渡される可能性はない。裁判所は原則として「2年以上20年以下」の範囲内で量刑しなければならない。
有期懲役と刑の軽重を比較するときは、「有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の二倍を超えるとき」は禁錮のほうが重い刑であるとされている(刑法第10条)。
3年以下の禁錮刑が言い渡された場合においては、情状によって、その刑の執行を猶予することができる。
検察統計年報によると、2007年に通常第一審事件の終局判決として禁錮が確定した人員は、3,548名である。このうち実刑判決は、3年超が11名、1年超3年以下が156名、1年以下が44名である。執行猶予を付された者は3,337名で、執行猶予率は94%に達している。(なお、懲役に関しては、2007年に判決が確定した人員は74,486名、執行猶予を付された者は43,271名で、執行猶予率は58%である。)
[編集] 懲役との違い
同じく自由刑である懲役との制度上の違いは、懲役では「所定の作業」を行わなければならないのに対して、禁錮ではただ拘置(監禁)することのみが定められていることにある。
ただし、願い出により刑務作業を行うこともできる(「請願作業」あるいは「名誉拘禁」などといわれる。刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律93条、刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則56条)。多くの禁錮受刑者は、請願作業に従事することを望むため、禁錮と懲役の違いは小さいとされる。懲役と禁錮を区別する意義は薄いとする議論(自由刑単一化論など)も存在する。
また、同じく自由刑である拘留との違いは、期間の長短による。禁錮刑が無期または1ヶ月以上20年以下であるのに対し、拘留は1日以上30日未満である。
古くは、禁錮は政治犯や過失犯に科されるもので、懲役は破廉恥罪(殺人、窃盗など道徳的に非難されるべき動機により行われる犯罪)に対して科されるものとする理解があった。その名残りとして、政治犯的性質を持つ内乱罪の法定刑には懲役がない。しかし、現代においては必ずしもこのように解釈されているわけではなく、例えば、過失犯は非破廉恥罪であるが懲役刑が科されることもある。
[編集] 漢字の表記
法令での使用例を見ると、禁錮、禁固、禁こ、の3種がある。したがって、どれも間違いではない。 しかし、刑罰について規律する刑法典の表記が「禁錮」であるから、一応これが正統な表記と言えるであろう。また、漢字の意味から考えても禁錮とすべきだと思われるし、戦前は実際に「禁錮」であった。ところが、戦後、政府は国語国字改革を推進し、当用漢字や常用漢字を定めるなど、法令・公用文書・新聞・雑誌および一般社会で使用すべき漢字を限定した。その中には「錮」は入っていないため、労働組合法(1949年)や自衛隊法(1954年)などは「禁こ」と表記し、改正刑法草案(1974年)は日本新聞協会が定めた代用表記「禁固」と表記している。1995年の刑法の表記平易化を目的とする改正においても、一応「禁錮」の表記について問題となったが、結局変更されず現在に至る。

