探偵

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探偵(たんてい)とは、調査業者の一種。よく似た意味を表す言葉として興信所員がある。現在でも一応区別されるが、業務が重複することも極めて多く厳密に区別する意味は少ない。全国で探偵業者として公安委員会へ届出をしている業者数は、平成20年末で約4400社となっている。正確には4439件(個人3129件、法人1310件)(出典:平成20年探偵業の概要「警察庁生活安全局生活安全企画課」発行)

目次

[編集] 概要

ここでは特に日本における探偵について記す。

探偵とは、他人の秘密をひそかに調査したり、犯罪を犯した者を突き止めたりする者(実際には日本の探偵が犯罪者を突き止めることはあまりない)、またはその行為である。まれに私立探偵(しりつたんてい)とも称される。探偵社や興信所などに属する調査員であることが多く、基本的には、警察が多くの場合発生した事件を解決するのに対し、探偵は問題の予防対策を仕事とし、民事上の不法行為を暴くことなどを業とする場合も多い。今後も需要は拡大すると言われている[要出典]

関西地方の警察では部内用語として刑事のことを「探偵」と呼ぶことがある。これは、明治時代の初期には治安情勢が悪く、その対策として情報蒐集と問題解決の為に密偵を配置したことなどから「探偵という言葉は刑事を指す」言葉だった名残である。しかし現代にいう産業としての「探偵」とは異なる。

なお、探偵業務が抱える人権問題として「依頼者の秘密を守る反面、調査対象者の秘密は全く守られない」ことがある。さらに、誘拐事件を起こした犯人グループが被害者の行動を調べ上げるために、探偵業者を利用し使っていたことも明るみに出たことがある[要出典]。このように依頼者の本来の目的を詮索することが困難な為、調査対象者のプライバシーを侵害する危うさも抱えている。

このような問題に対して、探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律2007年6月施行)では、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならないと(第6条)規定され、さらに(第7条)で調査契約を締結するには依頼者から「調査利用目的確認書」(調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面)の交付を受けなければならないと探偵業者に義務を課したものとなっている。


[編集] 探偵の業務

探偵の業務は、依頼によって、聞込み、尾行、張込み、その他調査を行うことである。推理小説やテレビのドラマの中では多くの探偵が殺人事件や凶悪事件の調査を行っているが、現実には素行・浮気調査や人探し調査、法人や個人の信用状況の調査など企業や個人からの調査依頼が主である。一部に、探偵の業務は「調査」と「工作」に大別されるとの誤解も見られるが、工作活動は探偵業務ではない(探偵業法2条)。

日本テレビ視聴率買収事件では、視聴率対象者を調査するため探偵を雇い、ビデオリサーチの自動車をつきとめたため、視聴率対象者が判明して買収が成功し、探偵が番組制作費から探偵料を受け取った。このように、過去においては倫理的に問題ある事件にも探偵が関与していた事が問題視されたこともあった。

  • 素行調査 - 不審な行動が無いかなど。
  • 浮気調査 - 実際の依頼はこれがほとんどである。離婚を有利に進める為などに依頼されるケースが多い。
  • 恩師、旧友、昔の恋人探し
  • 家出人探し
  • 債務者探し - 債務を背負ったまま逃げた者の居所を突き止める。
  • 結婚調査 - 事実関係の確認調査。
  • 裁判証拠収集
  • ストーカー対策
  • 信用調査 - 支払能力、与信などの調査。
  • 過去調査
  • 医療保険の受給が不正でないかの調査 - 詐病、怪我をした振りをしていないかなど。アメリカでは専門の調査員“アジャスター”もいる。
  • 筆跡鑑定指紋鑑定、DNA鑑定 - 退官警察官などが探偵業務と一緒に実施しているケースが多い。
  • 詐欺関係調査
  • 特殊工作 - 別れさせ工作など


[編集] 探偵や興信所を含む調査業者の分類

一部業者
特定の法人などを顧客として、主として企業信用調査を行っている業者。
二部業者
特定の法人などを顧客として、主として人事関係の調査を行っている業者。
三部業者
主に広告宣伝を行い、個人や法人を顧客として人の行動や所在、又は信用の調査を行っている業者。
四部業者
主として保険関係の調査や紳士録などを取り扱っている業者。


[編集] 探偵の権限

探偵には法律上特別の権限が認められているわけではない。探偵であっても民間人の持ちうる権利の範囲内で業務を行わなければならず、身体に危険が及ぶ可能性のあると思っても、アメリカの探偵に代表されるような拳銃など武器の携帯も認められていない。一般人と同じく、正当防衛・緊急避難が法的に許されているだけである。

また、小説ドラマなどでは警察国税局などの捜査・調査機関と合同で犯罪捜査をするような描写が多く見られるが、これは日本においては極めて稀なことである。これらの行政機関は法令に基づいて組織的な捜査・調査をすることとなっており、法的権限を持たない探偵が「探偵として」事件捜査に公的に参加・協力することは法的に想定されておらず、またそのような要請がなされることもまずない。


[編集] 探偵業の法制化

従来日本においては、探偵業は弁護士のような国家資格でも警備業のような認定制のある職業でもなかった。日本では探偵業についての法的な位置付けが不明確であるとともに、他の多くの業界でも見られたように、心ない一部の業者がその業務に際して事件を起こしたり、依頼者との間でトラブルが発生することも見受けられた。さらに高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大し、個人の権利利益を保護する目的で個人情報保護法も成立施行された。(平成21年9月1日から個人情報保護法は消費者庁へ移管)

このため、消費者保護の観点から個人情報の収集を業とする探偵業を規制する法律が必要となり、「探偵業の業務の適正化に関する法律」(探偵業法)が制定され、2007年6月から施行されることとなった。

探偵業法において、探偵業務は、「他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務」と定義されており(探偵業法2条)、探偵業の開業には公安委員会への届出が必要となる(同4条)。過去5年以内に暴力団員であった場合、禁錮以上の刑に処せられ刑の執行から5年経過していない場合、破産者や後見人がついている場合などは開業できない(同3条)。但し、法人の場合にはオーナーや実質的な経営者を公安委員会へは社員として申請し、法人の役員から形式的に外すことで開業が可能であり、この点からは個人経営の方が抜け道が無く信頼度が高くなるという現象が起こっている。また、依頼者との契約手続き面でも依頼者に対する重要事項の説明義務や、合意した契約内容を書面で交付する義務や守秘義務が課されている(同8条、10条)。

このように探偵業の法制化により、その業務範囲と内容が明確化されるたことから、法令に基づいた各探偵業者の事業運営と健全な業者の育成が期待されている。


[編集] 探偵社と興信所

探偵社は社会関係調査(人の行動の調査・浮気調査・行方調査・結婚調査・犯罪調査など)を中心に行ない、興信所は本来、経済関係調査(企業信用調査・個人信用調査・雇用調査・市場調査など)を中心に行っていた。現在では、同じ調査業者として考えた方が実情にあっていると考えられる。その中で探偵社や興信所に代表される各調査業者がそれぞれ得意分野を持ち、探偵社や探偵事務所・興信所・総合調査・リサーチと名乗っているがその名称について特に規則性は見あたらない。


[編集] 探偵社・興信所の役割と職業倫理

日本における近代産業としての探偵興信所業は明治維新後の産業が振興し株式会社や証券取引所などの取引が活発化し、「信用調査」が産業発展のために重要となった1892年日銀と大阪地区の銀行などの出資による「商業興信所」の設立、また同年東京に「商工社」が設立されて以来、約100年を超える歴史を持つ。本来、探偵業は情報化社会における経済取引に係わる被害の予防など経済の発展に寄与すると共に、家庭内のトラブルや家出人の捜索、犯罪の未然防止などに資することが非常に多い有益な業種である。 また同時に企業の機密や個人情報にも深くかかわる職業の特性から「秘密性」が極めて高く、探偵業に従事する者には高い倫理感が求められている。

探偵業法では、探偵業務の実施に関する規定(第9条)には、探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならないとされ、さらに探偵業務を探偵業者以外の者に委託することも禁止されている。 また、(第10条)で秘密保持の規定が、(第11条)で使用人その他の従業者の名簿を備え付けると共に教育を行う義務が課されている。


[編集] 探偵社と興信所の違い

日本国内には探偵社と言っても二種類あり、他人の需要(依頼・要請)に応じて特定人の所在や行動についての情報を収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を実施する探偵社と興信所が存在する。探偵社と興信所の大きな違いは調査手法にかなりの違いがある。現在、日本国内には探偵社の社名に変更している調査会社が多いが、その大半は戦後からある興信所である。 総合調査やリサーチ(ソフトな名所)などは主に興信所が多く、古くから探偵社と名乗り短絡名称や調査会社とは判らない社名は探偵社が多い。

[編集] 1.探偵社とは

探偵社の調査方法は外観型調査手法と言われ、尾行や張り込み、行動監視を徹底とし証拠が収集出来次第に裏づけとる聞き込み調査を実施して証拠を固めクライアントに報告する。警察の捜査方法と似ている点が多い。

[編集] 2.興信所とは

興信所は戦後から日本国内にある調査会社であるが、その調査方法は内観型調査手法と言われ調査対象者に直接面接や電話による聞き取り(取材的方法)を実施して、調査対象者の言った事に対して後から裏づけ調査を取ってクライアントに報告する。

[編集] 日本の主な探偵業の業界団体

国内において探偵業を営む業者の主な団体(法人格を有する)としては次のような団体がある。

  • 特例民法法人(旧:社団法人) 日本調査業協会(現在 監督官庁 警察庁⇒2013年11月末迄が存続期限、主務監督官庁制度の廃止が決定済み)
  • 特例民法法人(旧:社団法人) 大阪府調査業協会(監督官庁 大阪府⇒2013年11月末迄が存続期限)
  • 内閣府認可法人 全国調査業協同組合(監督官庁 警察庁)
  • 内閣府認可法人 近畿日本探偵協同組合(監督官庁 警察庁)
  • 東京都知事認可法人 東京調査業協同組合(監督官庁 東京都)
  • 大阪府知事認可法人 大阪情報調査業協同組合(監督官庁 大阪府)
  • 兵庫県知事認可法人 兵庫県調査業協同組合(監督官庁 兵庫県)
  • 無限責任中間法人 日本探偵業連合会

これらの団体の中で、旧:社団法人である2団体を除き全て探偵業の届出を行なっている。

問題として、営業のために少数の探偵社が集まり、実態を持たない特定非営利活動NPO法人を設立しているケースが多く見られる。信用ある団体かはユーザーが見極める必要がある。

消費者に勘違いされやすい表記になっているが、上記団体は、公益事業や非営利活動を行なう団体として許可、認可、認証をされたものであり、商業上の利益を追求する株式会社などとは、法人の設立目的や運営が異なっている。

協同組合や特定非営利活動法人(NPO)には主務官庁があるが、一般社団法人(公益社団も含む)にはない。また組合やNPO法人は設立時に所轄庁の認可や認証が必要であるが、一般社団法人は会社などと同じく登記で設立が完了する。

日本調査業協会は「旧社団法人法」に基づき内閣総理大臣の許可を得て監督官庁を警察庁として設立、大阪府調査業協会は大阪府知事の許可を得て設立された社団法人であった。 現在、公務員の天下りや癒着防止等を目的とした「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」(2008年12月1日施行)により旧法での社団法人は、特例民法法人とされ、2013年11月までに限り存続を許されており、一般社団法人か公益社団法人に移行(正式には特例民法法人を解散し、新法人としての申請が認められる必要がある)しない場合は解散することが義務付けられている。

なお特例民法法人は、その名称中に、一般社団法人又は公益社団法人という文字を用いてはならない(平成二一年四月三〇日法律第二九号)とされており。公益又は一般社団法人として存続する場合も主務官庁(監督官庁)制度が廃止となっている為、警察庁は主務官庁ではなくなる。

日本調査業協会(全国支部を含む)と大阪府調査業協会の設立の由来は探偵・興信所の業界を一本化して管理するために警察庁と調査業界が公益団体として設立した。その他の団体は任意で設立した組合である。


[編集] 業界団体による自主規制

探偵業の業界団体として最も組織率の高い、日本調査業協会の加盟員(会員は各地域別の同業者団体であり、個々の業者は、正会員である各地域別の同業者団体の会員という立場であり、直接日本調査業協会の正会員にはなれない為、加盟員と呼ばれている)数でも全国で約380社(平成21年9月末)と組織率1割を下回っており、業界団体として業界全体に効果のある自主規制を行える状況にはないのが実情である。また、業界の自主規制自体も独占禁止法違反の恐れを生じる可能性も高く、過去においても業界団体の出版物やホームページにおいて調査料金の表示を行う事に対して公正取引委員会より排除勧告が行われている(2005年)。

なお探偵業法が施行されてからは、探偵業者は法律に基づいて直接的に各地域の公安委員会より指導・監督される事となり、従来からの同業者団体による自主規制のありかたや今後の団体運営の方向性が注目される。

[編集] 探偵の調査料金

探偵社が行う調査の料金には、探偵業界としての統一した料金体系は存在していない。これは、多くの場合に調査案件が異なっており、目的・条件などが異なるために個別に見積りをする必要があるからである。さらに業界団体による料金体系の統一化も「独占禁止法」違反となるために、業界団体は料金を表示したり、構成する会員にその水準を指導することが許されていない。なお「協同組合」と「NPO法人」は法人としての調査料金の表示は認められている。

このように個別の調査案件の料金や費用の見積りは、調査手法、周辺環境などの要素や条件を考慮し、調査期間や調査時間、必要な調査員の人数、車両やバイクなどの装備など、調査依頼の目的に応じた打ち合わせをし、探偵業法(第8条)に基づき、探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額(諸経費を含む総合計金額の提示)並びにその支払いの時期及び方法の提示を行わなければならないとされ、万一調査時間が延長になる場合の諸経費を含む上限額も同時に提示する事とされている。

[編集] 探偵への依頼費

以下に、探偵に仕事を依頼した際にかかる、おおよその依頼費用を挙げる。なお、必要経費を別途請求されることも多い。

基本的には、探偵の拘束時間あたりの料金が総額に反映されるものである。相場としては、95%以上の探偵事務所が調査員1名あたり1時間5,000円〜15,000円程度となっている[要出典]。関西地方の探偵業者の場合は、調査員1名あたり時給1万円が平均的な価格とされる[要出典]。ただし、これらは探偵の「技量・経験・評価」などにより、大きく左右される。

  • 素行調査 - 10万〜500万(調査対象者の情報量や調査規模・調査員の数、なにより期間により変動する)
  • 浮気調査 - 10万〜350万
  • 家出人探し - 10万〜500万(情報量・捜索期間による)
  • 裁判証拠収集 - 50万〜
  • ストーカー対策 - 30万〜
  • 素行調査 - 47,250円〜
  • 結婚調査 - 157,500円
  • 所在調査 - 47,250円
  • 家出人捜索 - 31,500円〜
  • 企業調査 - 31,500円〜
  • 盗聴器・盗撮器発見 - 36,750円〜

多くの探偵社が採用している料金は、1日4時間パック、または1日5時間のパックである。このパック(調査員が2名というところが多い)のおよその料金は10万円である。ただし、調査員4名が最低の契約単位という会社も一部存在しているようである。探偵社によって、1日単位のパックで契約を受け付けるところもあれば、最初から1週間単位で契約をすることが前提となっているところもある。 尚、ペット探偵は、「探偵業の業務の適正化に関する法律」(探偵業法)は適用されず探偵・興信所の業務ではない。どちらかの表現をすると便利屋の業務の一環である。

[編集] アメリカの場合

アメリカではレベルで銃器の保持さえ許される公的免許制度があり、元刑事が転職したり個人開業したりする例もある。リンカーン暗殺を阻止したピンカートン探偵社(世界探偵協会加盟)は、北米最大の法人探偵社として有名。

カリフォルニア州の場合、各種の法執行官として一定の実務経験を有する者が、試験を通過して保証金を納めると晴れて許可状・身分証・身分章(バッジ)を交付され開業できる。

[編集] 世界的な国際探偵協会

  • World Association of Detectives 世界探偵社協会(通称/WAD)
  • Association of British Investigators イギリス調査組合(通称/ABI)
  • COUNCIL OF INTERNATIONAL INVESTIGATORS 国際調査協議会(通称/CII)

[編集] 推理小説の名探偵

名探偵」を主人公とする小説は欧米の探偵小説がルーツで、事件捜査の中心人物とされることが多い。上述のように、これは日本の現実の探偵・調査業者の実態とはかけ離れた存在である。主人公(必ずしも探偵を職業にしているとは限らない)が探偵行為を行う小説はかつて「探偵小説」と呼ばれたが、現在は「推理小説」と呼ばれる。

最終更新 2009年11月26日 (木) 07:42 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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