租税回避
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租税回避(そぜいかいひ; tax avoidance; Steuerumgehung)とは、通常用いられる法形式を回避した経済的に合理的理由のない異常な法形式による取引を行うことで、租税負担の軽減または排除を行うことをいう。これはあくまで合法な行為だが、租税公平主義等の観点から容認できないとして、このような抜け道をふさぐために、実質主義の観点から税法上の個別又は一般の否認規定をもうけて課税の対象とされることがある。
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[編集] 脱税との相違
脱税は、課税要件の充足という事実を隠匿する行為であり、不法に税の負担を逃れることである。一方租税回避は、課税要件の充足それ自体を回避するものであり、形式的にはあくまで合法な行為である。よって両者は、税法の規定に違反しているか否かによって峻別される。もっとも、法形式の回避を装っていても、実際は事実の隠匿であることもあり(隠匿された課税要件該当事実が認定されることを、しばしば、事実認定レベルにおける否認という。)、注意を要する。また、私法上の性質決定の基準がはっきりしないことの影響で、事実の隠匿か法形式の回避かの区別はしばしば困難を伴い、国税当局との紛争に発展することもある。
[編集] 節税との相違
節税とは、税法の規定の想定する範囲内において取引を行うことで、課税額の低減を図る行為である。一方租税回避とは、想定の範囲を超えた異常な法形式を採る点において、節税と異なる。ただし、両者には明確な差異はなく、社会通念により区別されるにとどまる。
[編集] 租税裁定行為との関係
ある取引を行うにあたって、同一又は類似の経済的意義を有する方法がいくつか考えられる場合に、当事者からすればあえて税負担の重い取引を行う理由はないから、通常は、税負担の軽い方法が模索され、選択されることになる。これを、租税裁定行為という。租税裁定行為は、税法の想定する範囲内のものとそうでないものがあり、したがって、状況次第で節税に当たる場合と租税回避に当たる場合とがありうる。
[編集] 実質課税の問題点
租税回避は、あくまで形式的には合法な行為に属する。しかしながら、想定の範囲を超えた異常な法形式を用いていることから、租税法上その法形式を容認するか無視するかという問題が生ずる。
租税回避に対し、実際に行なわれた法形式を租税法上は無視し、通常行なわれるべき法形式に対応する課税要件が満たされたものとすることを「租税回避行為の否認」という。ドイツ租税通則法第42条は「租税回避行為の否認」を認めた代表的な規定である。日本にはドイツ法のような総則的規定はないが、所得税法第157条のように個別の否認規定が設けられている。
租税法上、個別に租税回避を否認する規定があれば、同規定に基づいて租税回避を否認することに問題はないが、租税回避を否認する規定がない場合の取り扱いについては議論が分かれている。否認を認めないとすると、租税回避行為者と通常の法形式によった者との間に不公平が生ずる。反面、租税回避を否認し課税を行なうとすると、租税法律主義に反する結果の招来という問題が生ずる。通説では、法律の根拠(総則ないし個別の否認規定)がない限り、租税回避行為の否認は認められないと考えられている。この通説の立場からは、租税回避に対応するためには、新たな租税回避の類型が現れるたび、個別の否認行為を迅速に立法する必要があるとの主張がなされている。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 金子宏、『租税法 第十一版』、2006年、弘文堂、ISBN 4335302339
最終更新 2008年10月10日 (金) 23:26 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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