秩父鉄道1000系電車

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秩父鉄道1000系オリジナル塗装車(2007年12月2日撮影)
秩父鉄道1000系デハ1009(2005年6月、広瀬川原貨物駅にて撮影)
寄居駅に停車中の秩父鉄道1000系。左は東武東上線の8000系(2006年1月撮影)

秩父鉄道1000系電車(ちちぶてつどう1000けいでんしゃ)は、1986年昭和61年)に登場した秩父鉄道通勤形電車で、国鉄101系電車の譲受車である。

目次

[編集] 概要

本系列は、100形800系(元小田急電鉄1800形)といった吊り掛け駆動方式の車両を置き換えるために、1986年から1989年平成元年)にかけて元日本国有鉄道(国鉄)→東日本旅客鉄道(JR東日本)の101系のうち状態の良い3両編成12本36両を非冷房車のままで購入した。

制御電動車のデハ1000形(国鉄時代はクモハ100形)、中間電動車のデハ1100形(同モハ101形)、制御付随車クハ1200形(同クハ101形)からなる3両編成を組んでいる。デハ1000形に電動空気圧縮機パンタグラフを、デハ1100形に主制御器、電動発電機主抵抗器を搭載している。国鉄→JRカルダン駆動車が編成単位で私鉄に譲渡された事例はこれが初めてであった。ほとんどが0番台からの改造だが、1006編成のデハ1006とデハ1106の2両が1000番台からの改造であり、本系列の中で製造年が最も古い(後述)。

入線時にパンタグラフをPS13形に変更、運行番号表示器の封鎖、保安機器の変更、先頭車車内への間仕切り用アコーディオンカーテンの設置、暖房容量の増大、外板塗装の変更、主電動機出力のデチューン (100kW→85kW) が行われた以外、大きな改造はなかった。改造は1001・1004・1006・1007編成が大宮工場(現・JR東日本大宮総合車両センター)、1002編成が大井工場(現・JR東日本東京総合車両センター)、それ以外の編成が自社の熊谷工場でそれぞれ施工された。最初の2編成とそれ以降の編成とでは無線アンテナの形状が異なり、前者は棒形のものを、後者は逆L字形のものを装着する。ブレーキシューは入線当初は国鉄時代から引き続いてレジン製のものが使用されたが、後に鋳鉄製のものに取り替えられた。なお、客用ドアはすべてステンレス製である。またドアチャイムが設置されている[1]

その後、1994年(平成6年)から1997年(平成9年)にかけて埼玉県補助金交付を受けて双方の先頭車集約分散式冷房装置が搭載された。この際に過電流対策と容量増加に対応するため従来連結面側に1基搭載されていたデハ1000形のパンタグラフは運転室側にも搭載され、またクハ1200形には冷房電源用の容量90kVAの静止形インバータ (SIV) が搭載された。この際にパンタグラフは再びPS16形に変更された。1999年(平成11年)までにワンマン運転対応工事や座席ユニットの交換などが実施された。電動空気圧縮機は当初レシプロ式C-1000形であったが、2002年(平成14年)6月から検査時にJR103系などで使用されている大容量のC-2000形に交換された。

車体塗装は、登場当初は当時の標準色であるレモンイエローにブラウン帯で、先頭車前面の帯中央に「秩父鉄道」を表記していた。その後は白地に青と赤の帯が正面から側面に回るデザインに変更されるとともに、前面窓周りが黒で縁取られた。

当初封鎖された運行番号表示器は1990年(平成2年)までに改造して列車種別表示器として使用され、「各停」「ワンマン」「準急[2]急行[3]臨時」「回送」「試運転」などの表示が用意されている。このうち、「ワンマン」表示はワンマン対応工事施工時に追加された。

[編集] 車両番号の変遷

秩父鉄道での車両番号 国鉄時代
デハ1001 デハ1101 クハ1201 クモハ100-117 モハ101-100 クハ101-58
1002 1102 1202 140 179 61
1003 1103 1203 133 118 62
1004 1104 1204 183 252 75
1005 1105 1205 166 222 64
1006 1106 1206 1013(※) 1013(※) 65
1007 1107 1207 130 112 66
1008 1108 1208 154 212 79
1009 1109 1209 174 236 80
1010 1110 1210 160 208 73
1011 1111 1211 175 237 81
1012 1112 1212 192 263 82

※種車はそれぞれクモハ100-53(新製時モハ90616)とモハ101-50(同モハ90109)とした武蔵野線用難燃車

[編集] リバイバル塗装

[編集] 国鉄色塗装

埼玉県さいたま市内に鉄道博物館2007年(平成19年)10月14日に開館したのに合わせて、12本在籍する編成のうち4本が101系103系で使用された国鉄色を模した塗装に変更されている。

最初の編成は同年7月末に変更された1011編成で、オレンジバーミリオン(朱色1号)一色とされ、同年9月1日 - 2日に運行された臨時急行から運用を開始した。2編成目は1001編成がスカイブルー(青22号)一色に塗り替えられ、同年10月14日の臨時急行から運用を開始した。3編成目は1012編成でカナリアイエロー(黄5号)一色に塗り替えられ、同年11月24日の臨時急行から運用を開始した。また、2008年4月5日には4編成目として1009編成がウグイス色(黄緑6号の地色で、先頭車前面にカナリアイエローの帯を加えた関西本線塗装)に塗り替えられ、他の3編成と同様に臨時急行から運用を開始した。これらの編成は先頭車前面の車両番号表記が種別表示器上部から助士席側窓ガラス内側上部に掲出されるプレートに変更されている。[4]このプレートはJR東日本の首都圏エリアの通勤形電車に掲出される編成札のスタイルに近く、国鉄時代をイメージしたものとされる。

[編集] 旧型車両塗装

2009年からは、秩父鉄道の創立110周年を記念し、国鉄色塗装に変更されていない編成の一部を同社の旧型車両で使われていた塗色に変更される編成も出てきた。その第一陣として1002編成がかつて100形で使用されていた小豆色と肌色のツートンカラーに塗り替えられ、同年5月30日の臨時急行から運用を開始した。ただし、初日の臨時急行は国鉄色編成の時とは異なり、急行料金は不要となった[5]。この塗装は100形の運用末期を再現したものであり、正面に「秩父鉄道」の表示がなされているほか、先頭車の側面には「CTK[6]」のロゴが取り付けられている。また、10月3日には第二陣として1007編成が本系列登場時の黄色に茶色の帯の車体に変更され、同日の臨時急行「秩父鉄道創立110周年記念号」から運用を開始した。こちらも急行料金不要となった[7]

なお、このリバイバル塗装電車の運行開始を記念して主要駅で特製台紙付き入場券[8]を発売している。

[編集] ヘッドマーク装着時の対応

  • 2007年10月14日の臨時急行列車に充当された1001編成と同年11月24日に充当された1012編成には、「鉄道博物館開館記念」とリバイバル塗装の本系列2本をあしらった2種類の特製ヘッドマークが先頭車の前面下部に装着された。また、通常ダイヤで運行中のリバイバル塗装編成にも同様に装着された。
  • 2008年4月1日和銅黒谷駅改称記念イベントでは、1012編成に和同開珎をあしらった特製ヘッドマークが装着された。
  • 2008年5月17日広瀬川原車両基地で開催された「わくわく鉄道フェスタ」に関連して塗装変更された編成に特製ヘッドマークが装着され、そのうち3編成が同会場で展示された。1011編成にかつて中央線快速で使われていた「特別快速」のヘッドマークをあしらった「秩父路 特別快速」のヘッドマークが、それ以外の編成にイベントのためのヘッドマークが装着された。また、各駅から同基地への臨時列車にも塗装変更した編成が使用された。また、2009年5月16日の同イベントでも1009編成がヘッドマークを装着して臨時列車に充当した。
  • 2008年6月には1009編成が車内に俳句ポスターを展示した秩父鉄道整備促進協議会主催の「第9回俳句展示列車」として運転され、こちらも特製ヘッドマークが装着された。2009年6月にも1011編成が「第10回俳句展示列車」として運転されている。
  • 2008年7月下旬からは塗装変更された編成に沿線の夏の祭事のヘッドマークが装着された。1011編成は「秩父音頭まつり」、1001編成は「寄居玉淀水天宮祭」、1012編成は「長瀞船玉まつり」、1009編成は「あついぞ!熊谷 熊谷花火大会」(いずれも8月開催)となっており、それぞれの祭事開催日まで装着した。2009年実施分は1011編成を除き祭事のヘッドマーク装着編成が変更され、1012編成は「寄居玉淀水天宮祭」、1001編成は「長瀞船玉まつり」、1005編成は「あついぞ!熊谷 熊谷花火大会」となっている。
  • 2009年2月11日には1001編成が「杉ちゃん&鉄平号」として運転され、特製ヘッドマークも装着された。
  • 2009年5月30日の1002編成使用の臨時急行運転時にも、特製のヘッドマークが装着された。
  • 2009年9月27日に運転された「熊高の森づくり記念号」は、本系列を中心に特製ヘッドマークが装着された。 
  • 2009年10月30日11月3日の「第21回全国生涯学習フェスティバル まなびピア埼玉2009」開催時には、そのPRとして1010編成に特製ヘッドマークが装着された。

[編集] その他

  • 冬季は室内温度保持のために長時間停車のある駅でドアの半自動扱いを行っているが、本系列にはドアの開閉ボタンがないため、停車中に乗車する場合はドアを手で開ける必要がある。
  • 秩父鉄道が近年導入した中古の旅客車両で20年以上使用されているのは本系列のみである[9]
  • 本系列の中で最も古い車両は1959年(昭和34年)製のデハ1006-デハ1106のユニットである。上表にあるようにモハ90形時代に製造された車両で、国鉄時代の最終期は武蔵野線用の難燃対策をした1000番台として運用されていた。。
  • 旧国鉄101系初期形の車両は「乗務員室の仕切り窓が大きい」「尾灯が埋め込み式」という特徴を持っており、武蔵野線向けの改造車である1000番台は「乗務員室仕切り窓について中央に窓がない」という特徴を持っているが、これらに該当するデハ1006は「乗務員室仕切り窓が小さい」「尾灯が外はめ式」「乗務員室仕切り窓について中央にも窓がある」という状態に改装されている。その一方で「枕木方向のつり革がない」「戸袋窓のロールカーテン収納部が独立」といった特徴は、デハ1106を含め原形のまま残されている。
  • 2009年現在、優先席部分のつり革については順次オレンジ色で三角形のものに交換されている。
  • 2008年度から2012年度にかけて順次本系列の更新を行うことが秩父鉄道から明らかにされている[10]。また、2008年度に2編成を置き換える(廃車する)と鉄道趣味誌で報じられた[11]。2008年度は東京急行電鉄から8500系8両を購入し、そのうち3両編成2本について7000系と形式称号を改め、2009年3月下旬から運行を開始した。そのため、1004Fと1006Fが運用を離脱し廃車された。

[編集] 脚注

ウィキメディア・コモンズ
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  1. ^ ドアチャイムの音色はJR東日本701系E127系キハ110形天竜浜名湖鉄道TH2100形の一部の車両などと同じである
  2. ^ かつて存在していた種別で、原則として2000系が使用された。
  3. ^ 急行用の3000系の代走の他、リバイバル塗装編成による臨時急行に充当された。
  4. ^ 最初に塗装変更された1011編成は当初他車と同様に種別表示器上に番号が表記されていたが、運行開始までに塗りつぶされ、プレートで表記された。1001・1012・1009の各編成は当初からプレートである。
  5. ^ 110周年記念号 秩鉄カラー・リバイバルトレイン100形タイプ運転開始について
  6. ^ Chichibu Tetsudou Kabushikigaishaの頭文字
  7. ^ 秩父鉄道ニュース2009年10月号による
  8. ^ ただし入場券は通常のものである。
  9. ^ 800系は最長10年、2000系は9年、3000系は14年。
  10. ^ 秩父鉄道安全報告書2008
  11. ^とれいん』2008年10月号(エリエイ出版部)より。
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最終更新 2009年12月5日 (土) 13:42 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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