突撃! ヒューマン!!
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『突撃! ヒューマン!!』(とつげき ヒューマン)は、1972年10月7日から同年12月30日まで日本テレビ系で全13話が放送されたヒーロー番組。毎週土曜日午後7時30分から午後8時に放送。
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[編集] 概要
舞台の公開録画というスタイルをとったヒーロー番組であり、特撮らしい演出は特になされていない。観客は子供だけしかいない。
企画当時のネーミングは「強人!スカイダー」。
劇は、「体操教師岩城淳一郎の体操教室を悪役の怪獣が襲撃。ロッカーを使った消失マジック等で悪役の悪事を見せる。この時、岩城がヒーロー・ヒューマンに変身するのに必要な『ヒューマン・サイン』を客席の子供が送る。そして、登場したヒューマンが怪獣を倒す。」という流れで進行する。
登場シーンでは、客席後方からステージに向かってワイヤーが張られており、ロープウェーのように等身大のヒューマン人形が滑ってくる=客席の子供達の頭上を飛んでくるという演出が施されていた(人形はそのままセット裏に消え、そこからヒューマンが現れる)。
主役のヒーロー「ヒューマン」や怪獣のデザインは、ウルトラシリーズで知られる成田亨が担当した。成田はほかにも特撮全般も受け持っている。本作の版権会社モ・ブルは番組製作時に特撮のデザインや特技全般を請け負うために成田が設立した会社であり、本作の著作権は成田が所持している。[1]
[編集] ヒューマン・サイン
主人公の体操教師・岩城淳一郎がヒューマンに変身するためには、会場にいる子どもたちが「ヒューマン・サイン」という円盤を介して声援を送ることで発生するエネルギーが必要との設定で、ステージと会場、テレビ番組、視聴者の一体化が図られた。
この円盤は、裏・表が赤と青になっており、岩城が登場している場面でヒューマンに変身させるためには赤を岩城が登場していない場面でヒューマンの登場を呼ぶときには青を向けて回した。ヒューマン・サインは会場で子供に配られていた他、児童誌の付録にもなっていた。赤い面には主題歌『突撃ヒューマン』の歌詞、青い面には劇中歌『ヒューマン準備体操』の歌詞が掲載されていた。
[編集] 怪獣
1話につき複数体の新怪獣が登場するため、全13話であるにも関わらず、当時の通常特撮作品での約2クール分に匹敵する24匹の怪獣が登場した。怪獣の着ぐるみは怪獣らしくボリュームが求められたものの、公開録画という番組の性格上、ひっくり返って起き上がれないという状況が発生するとまずいので、風船を用いたものが多かった。本作に登場したジャイロックなどの怪獣はその後、『行け! グリーンマン』にも登場している。
[編集] 評価
収録形態を初め、ステンレスをヒューマンの仮面に使用するなどの斬新な試みがあったが、公開録画というスタイルがあまり受け入れられず、しかも裏番組に『仮面ライダー』(しかも本作開始日の日に新しい敵であるゲルショッカーの登場があった)があったため視聴率は芳しくなく、1クール(3ヶ月)で打ち切られている。成田は本作について著書『特撮美術』の中で「考えさせられることが多かった」「特撮を単なる見世物にしてしまった」と語っている。
しかし、金属感を強調したヒーローとしての、ウルトラセブンのマスクに不満だった成田にとって、ステンレスを使用したヒューマンの光り輝くマスクの出来栄えは、会心の作であり、第1話を観て思わず「カッコイイ!」と快哉を叫んだ、と後に本人は述懐している。
[編集] 映像について
再放送は一度だけ行われたが、その後再放送及びCS放送されることも無く、現時点ではソフト化もされていない。
この理由については番組の映像がビデオ撮影だったため、当時はまだ貴重だったビデオテープの再利用のため再放送後に別番組が上書き録画されマスターテープが消失した可能性が指摘されている[2]。 その真偽は不明であるが、現在のところ本作の詳細な内容を記した記事や、ソフト化及び再放送の見通しは立っていない。[3]
[編集] スタッフ
- 企画演出:白井荘也
- ディレクター:須沼望、神戸文彦、重松修
- 脚本:上原正三、雪室俊一、田村丸、藤川桂介
- 美術監督:成田亨
- 舞台監督:阿川柊郎
- 音響効果:後藤正和
- 技斗:古谷敏、姫野昭児
- 音楽:森岡賢一郎
- 主題歌:『突撃ヒューマン』(作詞:高瀬タカシ/作曲:森岡賢一郎/歌:夏夕介、コロムビアゆりかご会、トマトケチャップ)
- 制作協力:ユニオン映画
- 制作:モ・ブル
[編集] キャスト
- 岩城淳一郎/ヒューマン1号(声):夏夕介
- 大学体操部の高名な体操コーチだったが、怪獣や悪の組織に狙われる地球の子どもたちを鍛えるために大学を辞し、体育教師として全国の小学校を巡っている。その正体はヒューマン星からやって来た宇宙人で、会場の子どもたちや視聴者が回すヒューマンサインのエネルギーで変身する。第10話で一度倒されるが、ミラクルゾーンと呼ばれる亜空間で身体を癒して第11話で復活。なお「ヒューマン」とは当初、彼が変身した姿を指す呼称であったが2号登場以後は曖昧になる。そのため現在ではヒューマン2号との区別のため兄のヒューマンの名前を「ヒューマン1号」と記述した文献もある。ウルトラ怪獣のデザイナーとして知られる成田亨が担当しているため、頭部の突起がウルトラヒーローと似通っていたり、目の形状がザラブ星人と同じパターンであるなど、ウルトラシリーズのキャラクターとの共通点が目立つ。
- 岩城淳二郎/ヒューマン2号(声):西島明彦
- ヒューマンの弟。兄を追って旅を続けるが、淳一郎となかなか再会できなかった。設定の不統一があり、当初は兄がヒューマンであることを知らず、宇宙人としての立場も描かれていなかった。第9話におけるキングフラッシャーとの最終決戦では、兄の正体を承知しており、戦いの中で淳一郎をサポートした。ヒューマンになる能力はなかったが、第10話で淳一郎が倒された時、兄の激励と子どもたちの声援でヒューマン2号に変身した。変身後の姿はヒューマン1号と似てはいるが、赤を基調としたデザインでバックルの形状が異なる。
- ナレーター:山田康雄
[編集] 備考
- 星山ルミ子役の田中好子は、後にアイドル歌手グループキャンディーズの「スー」として有名となる。
- 夏夕介は、仮面ライダーの当時の主役藤岡弘とは『特捜最前線』、佐々木剛とは『宇宙鉄人キョーダイン』で共演している。『特捜最前線』で、夏が藤岡と出会った時、藤岡に「裏番組でしたが負けました」と語ったという逸話が伝えられている。
- 特撮専門誌宇宙船VOL.36(1987年6月号)のインタビューで夏夕介は、主役を決めるオーディションには新人時代の松田優作も参加していたと話していた。
- 日本テレビ側によるとヒューマン役を大野剣友会でスーツアクターとして活躍していた中村文弥に「打倒・仮面ライダー」との意気込みでのオファーを出した。しかし中村は、「仲間の出ている番組の敵にまわりたくない」として、せっかくの主演デビューの機会を蹴り、これを断っている。(岡田勝による逸話。これは漫画「仮面ライダーを作った男たち」でも触れられている。)
- 平井安兵衛記者を演じた八代駿は声優としての悪役が多く、裏番組である『仮面ライダー』でも怪人の声を多く担当していた。1972年10月14日の第2話放映時には、『仮面ライダー』においてサソリトカゲスの声で出演していた。
- 放送と同時に児童誌で漫画が学年ごとに掲載されていたが、番組が1クールで終了したことや、ヒューマン1号の処遇が戦死から復活へと二転三転したことなどから、その最終回は「2号がグランドフラッシャーを倒してヒューマン星に帰る」「2号が単独で(番組には登場しない)グランドキングフラッシャーを倒す(アンサイクロペディア内の画像)」「ダブルヒューマン最後の戦い」「見開きによるヒューマン2号の紹介のみ」など展開が掲載誌によって異なっていた。
[編集] 放送リスト
( )内は収録会場
- ヒューマンって何だ (川口市民会館)・・ジャイロック、カブトンガ登場
- 怪獣シビレッタ3千匹! (上尾市民会館)・・シビレッタ、ザリゾン登場
- 血を吸う! 怪獣ドラゴンダ (土浦市民会館)・・ドラゴンダ登場
- 空飛ぶ怪獣ブランカー! (江東公会堂)・・ブランカー、シビレゴン登場
- 殺せ!! 怪獣レッドロック (足利市民会館)・・セグロ1号、レッドロック登場
- 怪人ゲジルの死!! (府中市民会館)・・ゲジル、キングタコラス登場
- 怪人メガヘルツテレビ局を爆破 (草加文化市民会館)メガヘルツ、ブルゲリラ登場
- 魔の少年フラッシャー!! (渋谷公会堂)・・ドロク星人、ギャロン、ダンゲット登場
- キングフラッシャーの最期!! (柏市市民文化会館)・・バリンガー、再生怪獣軍団登場
- 英雄ヒューマンの最後!! (大宮市民会館)・・ギリンガ、ストック登場
- 帰ってきたヒューマン! (川口市民会館)・・スパイダー、ダンバラギ登場
- ヒューマン兄弟大活躍! (江東公会堂)・・ガラメドン、ギルドギラ登場
- さよならヒューマン (府中市民会館)・・アントギラス、インパルス登場
[編集] 参考文献
- 成田亨『特撮美術』フィルムアート社 ISBN 978-4845996582 1996年
- 本書にはヒューマンのデザイン画や当時の収録風景を撮影した写真が掲載されている。
[編集] 脚注
- ^ 成田の死後は、放映元の関連会社である日本テレビ音楽が管理しているようである(立体造形物イベントワンダーフェスティバルの申込関連資料に於いて、当作品の版権取得申請先が日本テレビ音楽になっている)。ナレーターはの『ルパン三世シリーズ』で有名な山田康雄である。
- ^ 天野ミチヒロ『放送禁止映像大全』三才ブックスISBN 4-86199-004-1などで紹介されている。
- ^ TBSの番組「テレビ探偵団」で田中好子がゲストの回では、田中の思い出の出演作として本作の映像が部分的に流されており、少なくともこの時点(1980年代末)では、一部ながら映像が現存していたことになる。
[編集] 関連事項
- 「8時だよ!!全員集合」 -舞台番組の公開録画というスタイルが共通している。
- 『全員出席笑うんだってば』 -
- 『地球戦士フリルマン』- 「全員出席笑うんだってば」の1コーナー、ヒューマンサインのパロディがみられる。
- 『ケロロ軍曹』 - アニメ版第113話、第159話Aパート、第166話でアイアンキングのパロディとしてウェットルキング(声優:中村大樹)が登場するが、円盤を回したりワイヤーで飛び人形が滑ってくる様子等はヒューマンのパロディである。
- 『ミルモでポン!』 - 劇中劇「突撃Pマン」(頭がピーマン)が何度も登場している。Pマンサインも有り。
- 『しあわせのかたち』 - 「ワンダーモモ」を元にした「ワンダーオオ」という話があり、ヒューマンサインのパロディが登場した。この話はOVAで映像化もされている。
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最終更新 2009年11月11日 (水) 08:08 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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