競業避止義務
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競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)とは、一定の者が、自己または第三者のために、その地位を私的に利用して、営業者の営業と競争的な性質の取引をしてはならない義務である。
法学上の用語であり、商法及び会社法と、労働法の双方で使用される。本項目では、双方について解説する。
目次 |
[編集] 商法・会社法における競業避止義務
[編集] 労働法における競業避止義務
労働法においては、競業避止義務とは次のような概念である。
- 在職中に使用者の不利益になる競業行為(兼職など)を行なうことを禁止すること
- 一般の企業において、従業員の退職後に競業他社への就職を禁ずることを定めた、誓約書や就業規則に含まれる特約(競業禁止特約ともいう)
このうち、問題となるのは主として後者のケースであり、以下もこのケースについて述べる。
[編集] 競業避止義務の有効性
競業避止義務が有効であるか否かの判断基準は競業禁止の期間・地域・代替措置の有無等により、個々のケースにより判断されるべきものである。日本においては日本国憲法における職業選択の自由との関係が問題となる。職業選択の自由は絶対無制約ではなく公共の福祉による制約を受けるが、公共の福祉を根拠とする人権制約は法令によってのみ可能であるとする考え方からは、私人による特約・就業規則を公共の福祉の根拠として(公権力の介入によって)人権制約をすることは不可能であり、会社側が元従業員に訴訟を起こし賠償命令や競業停止判決を下す場合は、国家権力である司法権力によって憲法上の人権を制約することになり、憲法上問題となる(司法的執行の理論)。
現在、競業避止義務の有効性の根拠は「企業と従業員の間の契約関係によるもの」とする考え方が一般的であるが、上記の通り本特約は憲法上の人権を制約するものであるという性質を持つため、合理性がないと判断される特約については民法上の公序良俗違反として無効とすることにより、特約の適用範囲に一定の歯止めをかけている。
[編集] 特約の条件
特約に基づいて競業行為の差止請求をする場合、当該競業行為によって使用者の営業上の利益が侵害されているか、または侵害されるおそれのあることが必要である(東京リーガルマインド事件、東京地方裁判所平成7年10月16日決定)
[編集] 違反した場合
競業避止義務に違反した場合、ペナルティーとして
などがありうる。同業他社に就職した従業員への退職金の減額を認めた判例として、三晃社事件(最高裁判所昭和52年8月9日判決)がある。また、競業行為の差止め請求を認めた事件として、フォセコ事件(奈良地方裁判所昭和45年10月23日判決、不正競争防止法改正前の事件)などがある。
[編集] 特別法による規制
営業秘密保持義務のある従業員が退職後に利益を得る目的で当該営業秘密を利用する場合には、不正競争防止法第2条第4項に営業秘密の保護が定められているため(平成2年改正により同法に追加)、差止め(同第3条第1項)や損害賠償請求(第4条)が可能となっているなど、一部特別法による規制も存在している。
[編集] 参考文献
[編集] 関連項目
最終更新 2009年3月15日 (日) 13:44 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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