笠原十九司

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笠原 十九司(かさはら とくし、1944年 - )は、日本歴史学者都留文科大学文学部教授。専門は中国近現代史。

目次

人物・経歴

群馬県生まれ。群馬県立前橋高等学校東京教育大学文学部卒業。同大学院修士課程中退。宇都宮大学教育学部教授を経て、1999年より南京師範大学南京大虐殺研究センター客員教授、2000年より南開大学歴史学部の客員教授を務める。

日中戦争支那事変)初期に起きたとされる南京大虐殺研究者の1人。いわゆる「虐殺派」に属する[1]。本来は中国近代経済史が専門だったが、1980年代半ばから南京大虐殺の研究を開始し、歴史認識論争に巻き込まれたことで、戦史研究が主となった。最近は文学研究に回帰している。

写真誤用問題

誤用された写真

笠原は、著書『南京事件』において、米国で閲覧した『日寇暴行実録』(中国国民政府軍事委員会政治部)に掲載されていた「日本兵に拉致される江南地方の中国人女性たち」のキャプションの写真を、そのままのキャプションで掲載した(なおこの写真のキャプションの後半には「江南地方の農村婦女が、一群また一群と日本軍司令部まで押送されて行き、陵辱され、輪姦され、銃殺された」の語句があったが、笠原はこちらは翻訳しなかった)。しかしこの写真は実際には『アサヒグラフ』昭和12年11月10日号に掲載された「我が兵士(日本軍)に援けられて野良仕事より部落へかへる日の丸部落の女子供の群れ」という写真であることが秦郁彦教授により指摘された。その結果笠原は、中国国民政府軍事委員会政治部が、朝日新聞カメラマンが撮った写真を「悪用」したものであったことを認め、誤用を謝罪した[2]。これを受け、岩波書店も同じページに「読者の皆さまへ」と題し、全面謝罪文を掲載し、別の写真に差し替えるに至った。

著書

単著

  • 『ファミリー版 世界と日本の歴史(9)現代1』(大月書店, 1988年)
  • 『アジアの中の日本軍――戦争責任と歴史学・歴史教育』(大月書店, 1994年)
  • 『南京難民区の百日――虐殺を見た外国人』(岩波書店, 1995年/岩波現代文庫, 2005年)
  • 『日中全面戦争と海軍――パナイ号事件の真相』(青木書店, 1997年)
  • 『南京事件』(岩波書店[岩波新書], 1997年)
  • 『南京事件と三光作戦―未来に生かす戦争の記憶』(大月書店, 1999年)
  • 『南京事件と日本人――戦争の記憶をめぐるナショナリズムとグローバリズム』(柏書房, 2002年)
  • 『同時代 笠原十九司歌集』(本阿弥書店, 2003年)
  • 『体験者27人が語る南京事件――虐殺の「その時」とその後の人生』(高文研, 2006年)
  • 『南京事件論争史—日本人は史実をどう認識してきたか』(平凡社新書, 2007年)
  • 『「百人斬り競争」と南京事件』(大月書店, 2008年)

共編著

  • 鈴木亮)『写真記録日中戦争(全6巻)』 (ほるぷ出版, 1995年)
  • 『歴史の事実をどう認定しどう教えるか:検証731部隊・南京虐殺事件・「従軍慰安婦」』(教育史料出版会, 1997年)
  • 『「中国人20万人大虐殺」を否定したがる論者へ!』(小学館「SAPIO」、1998年12月23日号)
  • 『南京大虐殺否定論13のウソ』(南京事件調査研究会,柏書房,1999年)著者は井上久士、小野賢二、笠原十九司、藤原彰本多勝一、吉田裕、渡辺春巳
  • 吉田裕)『現代歴史学と南京事件』(柏書房, 2006年)

脚注

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  1. ^ この呼称については南京大虐殺論争を参照。
  2. ^ 岩波書店「図書」1998年4月号

最終更新 2009年9月7日 (月) 14:23 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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