筋力トレーニング

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筋力トレーニングとは、骨格筋の出力・持久力の維持向上や筋肥大を目的とした運動の総称。目的の骨格筋に対して抵抗(resistance)をかけることによって行うものはレジスタンストレーニングとも呼ばれる。抵抗のかけ方には様々なものがあるが、重力慣性を利用するものや、ゴムなどによる弾性を利用するもの、油圧や空気圧による抵抗を用いるものが一般的である。重力による抵抗を利用する場合は特にウエイトトレーニングとも呼ばれる。

フリーウェイトを利用したトレーニングの例


目次

[編集] 筋力向上のしくみ

筋肥大
日常生活より大きな負荷のかかる運動を行うと、筋線維に微細な損傷が発生する。運動直後や睡眠時には成長ホルモンが多く分泌されており、適度の休息及び栄養補給を行うと体内の栄養素を使って筋線維が修復される。このとき筋線維が肥大し、運動前より大きな力を発揮できるようになる。これを繰り返すと筋量を徐々に増加させることができる。
神経発達[1][2]
骨格筋は、運動神経からの信号を受けて筋線維が収縮して、力を発揮する。動員される筋線維が多いほど力が大きくなる。トレーニングにより神経機能が発達すると、より多くの筋線維を動員できるようになり、大きな力を出せるようになる。
瞬発力
筋肉は収縮運動であり、この収縮速度が素早くなるほど、高い力が発生する。素早い筋収縮を伴う運動によって、筋肉の収縮力や神経の反応力が発達し、高い瞬発力を出す事ができるようになる。

[編集] 筋力の出力

筋肉によって生み出される力は、筋肥大×神経発達(%)×瞬発力によって求める事が出来る。 時間の概念を加えれば、筋肥大×神経発達(%)×瞬発力×持久力が発揮された力の合計である。 例えば、筋肥大が優れ、100の筋肉を持っていても、神経発達が乏しく50%しか動員出来ず、かつ瞬発力がなく5のスピードしか出ない場合、 100×(0.5)×5=250である。 逆に、筋肉は細く70の絶対量しか持っていないが、神経発達が素晴らしく90%の動員力があり、瞬発性に優れ8のスピードを発揮出来る場合、 70×(0.9)×8=504である。

前者は、筋肥大のみをしている例であり、後者は質を向上させている例である。どちらが優れているかではなく、このように筋力トレーニングはトータルに考える必要がある。

すなわち筋力トレーニングとは、筋肥大によって絶対的な力を増し、神経発達によってその筋肉の動員量を増し、瞬発力によって発揮する速度を増して、その筋力を持続させる力を増す事である。これら要素は、同一のトレーニングによって発達するものではなく、それぞれを意識した適切なトレーニング方法やその期間、休養日などを組む事が有効である。

また各スポーツなどでは、求められる筋力のバランスが異なるのが通常で、筋肥大と神経発達が重要な重量上げや、瞬発力が必要な投てき種目、全ての要素が必要な陸上短距離走、高い持久力が必要な長距離走など、向上させるべき筋力と、それを向上させる為のトレーニングがそれぞれ異なる。

なお、筋肉は体重の構成割合としては重く、筋肥大は明確に体重が増加する。そのため、各スポーツなど、種目によっては重量の増加が目に見えて不利に働くものがあり(マラソン、自転車ロードレースのヒルクライム、跳躍系種目など)、場合によってはマイナスに作用する可能性がある。

[編集] トレーニング方法の分類

[編集] 骨格筋の活動様式による分類

骨格筋の活動様式は、骨格筋が長さを変えながら力を発揮する等張性筋活動 (Isotonic muscle action) [3] と長さを変えずに力を発揮する等尺性筋活動 (Isometoric muscle action) [3]に大別される [4]。 等張性筋活動による運動をアイトニック運動、等尺性筋活動による運動をアイソメトリック運動あるいはアイソメトリクスと呼ぶ。

一例として、腕立て伏せやベンチプレスは腕や胸の筋肉が伸び縮みするので、アイトニック運動に分類される。腕立て伏せの姿勢で静止する運動(プランク、棒のポーズなどと呼ばれる)はアイソメトリック運動である。

[編集] 負荷による分類

自重を利用したトレーニングの例(腕立て伏せ)
ウエイトトレーニング
詳細はウエイトトレーニングを参照
自重(自分自身の体重)あるいはバーベル・ダンベル等の錘を利用するトレーニング。
自重を利用する
腕立て伏せ(プッシュアップ)やスクワット腹筋運動カーフ・レイズ(踵上げ)など。
フリーウエイト
フリーウエイトとは、ダンベルバーベルなどの何処にも繋がれていない錘である。自由に動かし得るためトレーニング方法は豊富である。ベンチプレス、フライなどがある。
マシントレーニング
錘を負荷とするトレーニング用のマシンを利用する。一つのマシンでできるトレーニング方法は限られるが、フリーウエイトに比べ簡単かつ安全である。
空気圧
トレーニングマシンの中には、空気圧を負荷とするものもある。
ラバー
ラバーすなわちゴムのチューブやバンドを使用する。ラバーが伸ばされたときに発生する張力を負荷として利用する。張力は伸びぐあいにより異なり(伸びがない状態ではゼロ、伸びが大きくなるほど負荷が大きくなる)、この点が短所とされるが、持ち運びが便利、負荷の方向を選びやすい[5]などの長所がある。
アクアエクササイズ
プールなどで水の抵抗を負荷として行う。
バランスボール、バランスディスク
バランスボール
バランスボールは人間が乗ることのできる大きさ、強度をもったボール。バランスディスクは人間が乗ることのできる大きさ、強度をもち、かつ、上下方向に膨らみのある円盤型の道具。これらの上に乗るとボールやディスクから落ちやすい状態になる。これに逆らい、バランスをとることで姿勢保持に必要な筋肉に負荷をかけることができる。

[編集] 筋力トレーニングの目的となるもの

[編集] 運動強度と効果

レジスタンストレーニングで得られる効果は、運動強度より異なる。一般に、運動強度高く繰り返し回数が少ない場合は筋力が、運動強度が低く繰り返し回数が多い場合は筋持久力が、それぞれ発達するといわれている[2][6]

[編集] 脚注

  1. ^ 覚張秀樹、矢野雅知『スポーツPNFトレーニング』(大修館書店, 1994)
  2. ^ 日本エアロビックフィットネス協会『Fitness Handy Notes 30 (補訂版)』(2001)
  3. ^ 等張性筋収縮、等尺性筋収縮という呼び名が広く使われているが、長さが短くならないケースもあることから、筋収縮ではなく筋活動という呼び名が使われ始めている。この記事では後者を採った。
  4. ^ これらのほかに、等速性筋活動 (Isokinetic muscle action) があるが、コンピュータ制御の機器で速度を一定に保つものである。
  5. ^ 例えばチューブの場合、チューブの一端を固定する場所があれば、上向き、下向き、水平方向のいずれの運動も可能である。
  6. ^ アメリカスポーツ医学会『運動処方の指針(第6版)』

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月4日 (水) 15:08 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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