精神保健指定医

精神保健指定医の最新ニュースをまとめて検索!

精神保健指定医(せいしんほけんしていい)は、精神科医師に認定される、精神保健福祉法第18条に基づく資格である。単に指定医ともいう。

精神科医療においては、治療上、患者の行動制限を行わざるをえない場面が存在する。しかし、病状に照らして、その行動制限が妥当なものかどうかの判断は、精神障害が客観的な検査のみでの診断にはいまだ困難な面もあり、また本人、家族、医療従事者、第三者の間でずれることがあり、必ずしも容易ではない。

このため、一定の資格を有する医師が行動制限が必要かどうか判断する、という仕組みを守っているかどうかにより、その行動制限が適切かどうか、専門家でなくても、ある程度判断する制度が設けられた。

指定医の資格申請には、精神科3年以上を含む5年以上の臨床経験を有する医師が講習を受けた上で、措置入院を含む統合失調症3例、気分障害、中毒性精神障害、児童思春期症例、老年期精神障害、器質性精神障害各1例の、計8例のレポートを提出することが求められる。合格率は6~7割といわれる。

前身の精神衛生鑑定医から移行した者とあわせ、現在約10000人。

指定医の職務は、勤務先の医療機関における職務とみなし公務員としての職務に大別される。

医療機関における職務は、退院制限を要するか、措置入院の症状が消退しているか、医療保護入院応急入院を要するか、隔離身体拘束など行動制限を要するか、退院請求処遇改善請求をした患者の診察、措置入院患者の仮退院が可能かどうか、の判断をすることなどである。 また、医療機関内で著しく不適切な処遇がある場合には、管理者に報告などして改善する義務も課せられている。

みなし公務員としての職務は、措置入院や緊急措置入院を要するか、医療機関への移送を要するか、退院請求や処遇改善請求、精神科医療機関への立ち入り調査に際して現在の処遇が適切か、精神障害者保健福祉手帳の返還を要するか、の判断をすることなどである。

[編集] 歴史

1900年(明治33年)- 精神病者監護法
監護法施行規則第3条により、監置の申請には医師の診断書が必要。監護法施行手続き第2条および第3条により、警察医または警察医員より監置するか否かを決定される。監護本法第11条により、行政庁は必要に応じて、指定したる医師による調査を行うことが可能[1]
1919年(大正8年)- 精神病院法
精神疾患者の保護治療と公安上の理由を目的として制定され、内務省通牒に明記されている。病院法本法には規定がない。入院について病院法本法第2条には「命令ノ定ムル所ニ依リ、医師ノ診断アルコトヲ要ス」とあり、病院法施行規則第4条では診断を行う医師の条件に「地方長官ノ指定シタル医師」とある。この条件を満たす医師は内務省通牒第3に明記されており、警察医または精神病に関する学識経験者、とある[1]
1950年(昭和25年)- 精神衛生法
精神障害者の定義され、目的は、精神障害者の医療および保護、と規定される。精神病院法(1919年)に明記されていた「公安上の目的」はなくなった。入院形態には、措置入院(精神病院法から引き継ぐ)、同意入院(精神病者監護法から引き継ぐ)、仮入院がある。第38条で行動制限条項を規定する。自傷他害の可能性がある精神疾患者の措置入院の判定は厚生大臣に指定された精神衛生鑑定医が行う。「他害」には暗に公安上の目的が含まれる。精神衛生鑑定医は措置入院の判定以外には係らず、他の法的責任は病院管理者が負う[2]
1988年(昭和63年)- 精神保健法
精神保健指定医が規定された(以下、「指定医」と記述)。精神衛生法の精神衛生鑑定医(以下、「鑑定医」と記述)と比較して、指定医は患者の意志に基づかな強制入院(措置入院医療保護入院応急入院 — 患者の行動の自由の束縛)の権限が拡張された。鑑定医と一般の精神科医との間では、医師としての処遇に差はほとんどなかったが、指定医は一般の精神科医より上位の位置付けとなった。また、指定医と病院管理者の法的責任は明確に分けられた。知事は指定医のなかから知事の権限により指定医を指定し、患者の診察を行わせることができ[3]、指定医に二重構造が生まれた[4]
2006年(平成18年)- 精神保健福祉法
この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

[編集] 参考文献

ウェブサイト

出版物

  • 富田三樹生『東大病院精神科の30年 - 宇都宮病院事件・精神衛生法改正・処遇困難者専門病棟問題』〈クリティーク叢書(18)〉青弓社、2000年1月、ISBN 978-4787231680

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 『東大病院精神科の30年』(p281)より。
  2. ^ 『東大病院精神科の30年』(p282, p283)より。
  3. ^ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(最終改正:平成一八年六月二三日法律第九四号)、第五章 医療及び保護、第三節 指定医の診察及び措置入院、第27条、閲覧日 2009年9月4日(金)、より。
  4. ^ 『東大病院精神科の30年』(p283, p284)より。

最終更新 2009年9月4日 (金) 08:27 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【精神保健指定医】変更履歴

ご利用上の注意